おしえて先生

コレステロール値 診断の新基準

まっちゃん(#)・60~74歳男性 2008/05/14 投稿

以前、コレステロール値の異常を診断・治療する指針が変わり、総コレステロール値ではなく、悪玉コレステロール(LDL)値などで診断するように改訂されたという新聞記事を読みました。しかし、先日血液検査の結果表を見たところ、総コレステロールHDLの値はあったのですが、LDLの数値がありませんでした。
なぜ、コレステロール値の異常の指針が変わったのでしょうか。主治医にLDLの結果を確認すべきでしょうか。教えてください。

動脈硬化予防の一環として、LDLコレステロール値の確認を。

LDLコレステロール値が高値であるか、あるいはHDLコレステロール値が低値であると動脈硬化が進行して心臓病が起こりやすくなります。
総コレステロール値はLDLコレステロール値とHDLコレステロール値の合計したものが表されます。つまり総コレステロール値が高くてもLDLコレステロール値が高くなければ、動脈硬化が進行する心配は少なくなると考えることができます。そこで日本動脈硬化学会では総コレステロール値ではなく、LDLコレステロール値で診断するようにと改訂したのです。
特定健診では主に動脈硬化の予防を目的にLDLコレステロール値を測定することにしています。そのために、LDLコレステロール値の結果を確認して記録しておくことは、大切なことです。また、動脈硬化以外の病気の診断には、総コレステロール値も役に立つ指標となります。

ご回答いただいた

板倉弘重 先生

ドクター
ご活躍の場所 日本動脈硬化学会 名誉会員
日本ポリフェノール学会 理事長
日本栄養・食糧学会 名誉会員
日本臨床栄養学会 理事長
国立健康・栄養研究所臨床栄養部長
ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授
ご専門 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医
ご経歴 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。
カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。
2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。
日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。
2006年「瑞宝双光章」受賞。
2009年度国際栄養学連合(IUNS)のFellowに認定(栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人)。
2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
所属団体 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長
先生からの一言 楽しく健康になりましょう。