おしえて先生

赤道直下で子どもを遊ばせたいのですが…

リゾート大好きママ(#)・40~49歳女性 2007/01/11 投稿

わが家は常夏の国が大好きな日焼けファミリーです。4歳の長男の件でご相談です。
今年の冬休み、はじめて長男を海外リゾートデビューさせる予定です。しかも赤道直下へ行くため、こどもにはどのような紫外線対策をすれば良いか悩んでいます。
海外リゾートのプールでは、子供の背中にホイップクリームのように日焼け止めを塗りたくる外国人(とくにオーストラリア人)の母親を見かけます。
わたしたち日本人は彼らにくらべメラニン色素も多いので、そこまでやらなくても良いのではと思いつつ、紫外線による害は10年、20年後に出てくるそうなので、長男の将来を考えるとまったく何もしないのは不安です。
長男は水遊びが好きなので一日中プールや海で遊ばせる予定です。
紫外線対策としてどんな準備をすれば良いでしょうか?よろしくお願いします。

日焼けは細胞を傷つけてしまいます。しっかりと対策を。

日本人は紫外線を浴びすぎると20歳を過ぎた頃からシミが出はじめ、40歳頃にはシワ、良性腫瘍、60歳を過ぎると皮膚前がん症(日光角化症)、そしてついには皮膚がんを発症することがあります。皮膚がん罹患率は、色白の白人で人口10万人当たり約400~800人、日本人では約15人と、大きな開きがあります。
しかし日本人でも皮膚前がん症(日光角化症)の罹患率は人口10万人当たり120人程度と増えており、高齢化が進むなか、今後さらに皮膚前がん症(日光角化症)や皮膚がんの増える可能性が高まっています。
さらに重要なことは、子供の頃は皮膚を含め多くの組織で細胞分裂がさかんだということ。紫外線によって皮膚細胞のDNAが傷つけられると、細胞は傷を残したまま分裂してしまい、その結果、将来シミや皮膚腫瘍ができやすくなってしまうのです。
赤道直下へ行かれるということですが、紫外線が強烈に降りそそぐ環境で一日中過ごすと皮膚は真っ赤に腫れ上がり、水疱ができ体温も上昇してしまいます。ひどい場合は入院することも。また、皮膚がこのような状態では免疫のはたらきも低下していて、感染症にかかりやすくなっているので要注意です。
以上のことからお分かりいただけるように、強い紫外線を浴びることは、子供にとってとても有害です。
プールや海水浴で遊ばせる時には必ず、水で流れ落ちない日焼け止め(目安としてSPF50・PA+++)をしっかり塗ってください。そして休憩時にはできる限り日陰を利用しましょう。長そでの水着を着用するのも良い方法です。
真っ赤に焼けてしまったときには、必ず皮膚科医師にご相談ください。

ご回答いただいた

市橋正光 先生

ドクター
ご活躍の場所 アーツ銀座クリニック 院長
ご専門 皮膚科学(光線過敏症、皮膚がん、色素異常症、美容)、再生医療
ご経歴 神戸医科大学 卒業
神戸大学大学院医学研究科 修了
ロンドン大学皮膚科学研究所 留学
神戸大学医学部 教授
サンクリニック・サンケア研究所
森之宮医療大学抗加齢研究所長
再生未来クリニック・神戸 院長を経て、現職
所属団体 日本皮膚科学会、日本研究皮膚科学会、日本色素細胞学会、日本光医学・光生物学会、日本再生医療学会、日本抗加齢医学会、日本レーザー治療学会、NPO幹細胞治療研究機構、見た目のアンチエイジング研究会、細胞再生医療研究会、糖化ストレス研究会、国際医科学研究会、生命機能研究会、白斑研究会、日本コエンザイムQ協会、カシス協会
先生からの一言 人生を心身ともに健康に生きるには顔の肌のシミやシワなど、見た目の若さが大切です。そのためには太陽紫外線の有害性を知り、皮膚細胞のはたらきを高めることです。アンチエイジングであなたも若返りましょう。