おしえて先生

ミソフォニア、ASD

(1aab46bc33)・50~59歳女性 2025/06/25 投稿

27歳の自閉症の息子についてご相談です。
ここ10年間、特定の物音に対して、脳みそをナイフで刺されるような激しい痛みを感じると訴えています。
生活音が多い環境で、主に車のドアの閉まる音や咳、咳払いなどが、自分に対してわざとされていると思い込んでいる部分もあり、そのため余計にイライラし、それが殺意へと変わってしまい、ここ2、3年はやり返しが激しくなり、よく警察沙汰になってしまいます。
引っ越しを繰り返しても同じことの繰り返しで、隣人の生活音や壁を叩くような音、床をつつくような音に過剰に反応して、激しく仕返しをしてしまいます。
そのせいで住む場所がなくなってしまいます。
現在は田舎の一軒家に住んでいますが、両隣の車に対してクラクションを鳴らしたり、ドアを強く閉めたりしています。
隣人の出入りの際の小さな音しか私は聞こえないのですが、息子はパニックになって「わざと俺に攻撃している」と言い、反応して攻撃的になってしまいます。
ネットで調べたところ、ミソフォニアではないかと思いました。
現在は薬を何も飲んでいません。
精神科では「薬は害になる」と言われ、状況を説明しても処方してもらえませんでした。

今でも父親が頻繁に咳をし、しかも息子の顔の前で咳をするため、会うのを極端に嫌っています。
咳もトリガーとなり、店などに入れないのは、咳をかけられることがあるからのようです。
どんなに親しい人でも、咳をされると「嫌われているのではないか」「もう二度と会いたくない」と言います。

家の中で聞こえる車のドア音に過剰に反応するのは、実家の前の家に出入りが多い方が住んでいたためのようです。
引っ越しを繰り返していた時、アパート住まいのときに壁を殴られる音に過敏に反応したのは、父親を避けるためにカラオケボックスに通っていた時期があり、そのとき家に戻ってから父親に暴力を受けたことが影響しているのかもしれません。
車の助手席に乗っている時も、前の車が遅かったり蛇行していたりすると、隣からクラクションを鳴らしたり、運転中の私を殴ってきたりして危険です。
これはASD(自閉スペクトラム症)の治療で改善するのでしょうか?それともミソフォニアの治療が必要なのでしょうか?
今も頭痛やめまい、吐き気があるようですが、これはどうしたら改善できますか?

ちなみに、現在は私と2人暮らしで、父親とは会っていません。
病院では「薬が欲しい」と言っても処方してもらえないため、息子は通院をやめてしまいました。
人を信用できないとも言っています。

統合失調症の可能性も否定できないと思います

ご相談内容を拝見いたしました。
脳みそを刃物で刺されるような痛みなどの表現や、気持ちがコントロールできず警察沙汰が多いなど等の行動から統合失調症の可能性も否定できないと思います。
統合失調症の症状でも音に過敏になるなどはよく経験いたします。
また、最近の知見では、自閉症の方が音に過敏であることが多いという研究も出ています。
お薬を処方されていないとのことですが、お薬が効果的である可能性もあると思います。
まず統合失調症の薬である少量のリスペリドンなどから初めて見てはいかかでしょうか?
自閉症のお薬も数種類ありますので、ぜひご相談できる精神科の医師を見つけてくださいね。
区役所や市役所の福祉の窓口で教えていただけると思います。
医師が安易に薬を処方しなかったことは、よいことでもありますので、現在の主治医も熟考されたのだと思いました。

追記:
頭痛、めまい等が一年以上の長期であれば精神症状が身体症状として現れている可能性が高いです。
ご心配でしたら脳外科で頭部の検査を受けても良いと思います。

ご回答いただいた

牧野真理子 先生

ドクター
ご活躍の場所 牧野クリニック(東京都中野区東中野) 診療部長
東邦大学医学部客員講師
JICA(国際協力機構)顧問医
優秀臨床専門医
アサヒビール産業医
オレンジページ産業医
日本心身医学会代議員
日本女性心身医学会理事
国際摂食障害学会会員
ご専門 心身医学(心療内科)
女性の心身症(摂食障害など)
職場のメンタルヘルス
異文化間メンタルヘルス
ご経歴 国公立大学卒業後、北里大学医学部卒業
メルボルン大学医学部大学院卒業
著書 『誰も私をわかってくれない:摂食障害・心の迷路』(悠飛社:1999)
『異文化ストレスと心身医療』(新興医学出版社:2002)
『もういいや!!と叫んで心の毒出しができるメンタルデトックス』(祥伝社:2005)
『うつにもいろいろあるんです。』<漫画 細川貂々> (オレンジページ:2011)

【共著】
『医療看護学』(中山書店)
『職場のメンタルヘルス』(南山堂)など多数

【連載】
『からだの本』(オレンジページ)「女性とうつ」連載中
所属団体 日本心身医学会代議員
日本女性心身医学会理事
国際摂食障害学会会員
先生からの一言 メンタルヘルスの疾患も早期発見が早期回復につながります。
小さなことと思ってももし悩んでいるようでしたらお気軽にご相談ください。