おしえて先生

腫瘍マーカーの高値について

taisuke(#)・30~39歳男性 2015/09/28 投稿

先日、人間ドックにて腫瘍マーカーのNSEの値が46と高値にて結果がでました。
しかし同時に診断した胸部CTとレントゲンでは異常なしとのことで1年後に再検査との診断でした。
念のために他の病院で、診断してもらいましたが、胸部CTやレントゲンなどの検査は行ってもらえずに問診のみで問題なしの経過観察とのことでした。
腫瘍マーカーに異常値が出ているのに、大丈夫なのか非常に不安です。
1年も放置して本当に大丈夫でしょうか?

1年後に再検査を受けることで大丈夫でしょう

人間ドックで腫瘍マーカーが異常高値に出ると心配になりますね。
NSEは小細胞肺がんで高くなってくる腫瘍マーカーで、基準値が10以下とされますので、47と高値が出て心配されるのは当然でしょう。
幸いに胸部CTやレントゲンの検査で異常なし、とのことで良かったですね。
肺がんの診断には、NSEの検査よりも、CTやレントゲンの方が優れているとされます。
そのため、他の病院で診断を受けた際に、胸部CTやレントゲンの検査を繰り返さず、その検査で異常がなかったので、問題なしとされたのだと考えられます。
NSEの検査は、偽陽性率が5%とされます。
たまたま偽陽性に出てしまった可能性が高いので、1年後に再検査を受けられることで大丈夫と思います。
この機会にタバコは吸わないこと、他人の喫煙の煙も吸わない様に注意していくと、将来の肺がんの発症リスクは下がるでしょう。

ご回答いただいた

板倉弘重 先生

ドクター
ご活躍の場所 日本動脈硬化学会 名誉会員
日本ポリフェノール学会 理事長
日本栄養・食糧学会 名誉会員
日本臨床栄養学会 理事長
国立健康・栄養研究所臨床栄養部長
ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授
ご専門 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医
ご経歴 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。
カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。
2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。
日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。
2006年「瑞宝双光章」受賞。
2009年度国際栄養学連合(IUNS)のFellowに認定(栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人)。
2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
所属団体 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長
先生からの一言 楽しく健康になりましょう。