家族性高脂血症の夫について
夫が家族性高脂血症です。
会社の健康診断で最悪のとき1500という値が出て、病院に通いだし、ベザフィブラートを4～5年、毎日服用しています。
現在の値は220くらいです。
悪玉コレステロールが高いらしく、とにかくやせろと言われるそうですが、簡単にはいきません。
具体的な食事療法などの指示もなく、食品のコレステロール値の一覧表をもらうだけです。
食事を用意するものとして当然値の高い食品は避け、野菜、きのこ類、豆腐を多くとり、揚げ物、お酒などは相当控えていますが、とてもやせにくいです。
システムエンジニアという仕事柄、夜遅い食事になることが多く、かといって絶食や野菜だけなどの節食は精神的につらいようで続きませんでした。
このごろは私自身もうどうしていいいかわからなくなってしまいました。
いっぱいいっぱいで、気分がふさぎます。
医者からは運動しろということも常に言われますが、帰りが夜中近いため、帰宅してから運動というのは無理があります。
土日はなるべく歩くようにしていますが、効果は皆無です。
「やせろ」「運動しろ」と漠然とした指導ではなく、具体的な内容などを教えていただきたいです。
通勤時間の徒歩や階段の昇り降りも効果的です
健康診断で1500という値がベザフィブラートで220くらいに下がったとすると、トリグリセライド（中性脂肪）が増えている状態と考えられます。
やせるように言われても、とてもやせにくいとのことですが、肥満度はどの程度でしょうか？
20歳頃の体重と比較してどの程度増加したかを知る必要があります。
体重の記録をとって、少しでも目標値に近づけるように努めます。
あまり急な減量は好ましくないでしょう。
健康のためには、タンパク質や脂肪も必要ですので、絶食や野菜だけの食事はすすめられません。
米やパン、めん類や糖分を減らし、摂取カロリーを少し減らすように心がけます。
長く座っていると、筋肉が衰えてきます。通勤時間や、仕事の合間にリラックスしながら歩いたり、階段の昇り降りができると、よいでしょう。
歩数計の結果も記録するようにします。
太りやすい体質の人は、やせにくいのが当然です。
体重だけではなく、一般的な健康にも注意しながら、時間をかけてゆっくりとチャレンジして下さい。
ご回答いただいた
板倉弘重 先生
ドクター| ご活躍の場所 | 日本動脈硬化学会 名誉会員 日本ポリフェノール学会 理事長 日本栄養・食糧学会 名誉会員 日本臨床栄養学会 理事長 国立健康・栄養研究所臨床栄養部長 ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授 |
|---|---|
| ご専門 | 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医 |
| ご経歴 | 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。 カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。 2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。 日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。 2006年「瑞宝双光章」受賞。 2009年度国際栄養学連合（IUNS）のFellowに認定（栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人）。 2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。 芝浦スリーワンクリニック名誉院長 |
| 所属団体 | 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長 |
| 先生からの一言 | 楽しく健康になりましょう。 |
