おしえて先生

胃瘻(ろう)を造る手段しかないのでしょうか

けんと(#)・40~49歳男性 2009/11/30 投稿

埼玉県在住の者です。
81歳の母が今年の9月に不整脈が原因で脳梗塞(右脳)となり、入院しました。
当初、日中の居眠りが多く、高年齢、不整脈なので、回復期のリハビリが大変だろうということで、療養型病院への転院を薦められていました。
現在は、そのような居眠りも少なくなり、経鼻栄養にて食事を取っています。また、ヨーグルト、水、氷等は時間をかけながら食べられるようになり、寝てばかりではなく、車椅子に座っていることもできるようになってきました。今後、少しずつですが良くなっていくようにも思います。

そこで、転院先として、口から食事を取るリハビリがある病院をお願いした所、「胃瘻(ろう)前提の病院ならばある」との回答でした。
しかし、最近「乳がん」が見つかったときに、脳梗塞の薬(ワルファリンカリウム錠)を飲んでいるので、太い針での乳がん検査は出血の恐れがあると言われ、治療が行えていない状況です。そのような状況で、胃瘻を薦められてます。
乳がん検査の針は出血があり危険なのに、胃瘻の処置は問題ないのでしょうか?
又、口からの食事リハビリの場合、経鼻チューブを取り、口から流動食と点滴等で、栄養を補給するやり方はできないでしょうか?

それぞれの治療にメリット・デメリットが

できるだけ口から流動食を摂れるようにすることは良いことだと考えられますが、誤飲をして嚥下性肺炎を引き起こす危険性も高くなると思われます。
また、口からの食事が十分に摂れなかった場合、栄養分が十分に摂取できずに栄養失調となり、回復が遅れてしまうこともあります。
さらに、栄養補給を長期に続けるには、点滴よりも胃腸を経由して食事をとることが望ましいと言えます。

けんとさんは、胃瘻を造る時の出血を心配しているようですが、確かにワルファリンカリウム錠を飲んでいると、メスを使うような処置で出血の恐れがあると思います。しかし、その可能性がどれだけなのか、ここでは判断できません。
こうした意見も踏まえて、もういちど不安や疑問を主治医の先生や看護師さんに相談してはどうでしょう。

ご回答いただいた

板倉弘重 先生

ドクター
ご活躍の場所 日本動脈硬化学会 名誉会員
日本ポリフェノール学会 理事長
日本栄養・食糧学会 名誉会員
日本臨床栄養学会 理事長
国立健康・栄養研究所臨床栄養部長
ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授
ご専門 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医
ご経歴 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。
カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。
2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。
日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。
2006年「瑞宝双光章」受賞。
2009年度国際栄養学連合(IUNS)のFellowに認定(栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人)。
2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
所属団体 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長
先生からの一言 楽しく健康になりましょう。