記憶力の低下と不眠症の薬
不眠症で心療内科に2ヵ月前よりかかっています。1ヵ月半前より、寝る前にトラゾドン塩酸塩とブロチゾラムを飲んでいます。このお薬を飲むようになってからは、今までの不眠がうそだったかのように眠れるようになり、体もとても楽になりました。しかし、夕方の6時ごろまでひどい眠気が残り、目もぼやけてしまい、頭が全然働きません。頭の働きが悪くなっているような気さえします。
お薬は1ヵ月間は処方通りに飲んでいましたが、先週からは昼間の眠気を減らす為に調整しながら飲んでいます。しかし、一日おきに顔を合わせている人の名前が思い出せなかったり、何かを指摘されても頭の中に残らず、依然として大学の講義では聴いても記憶できないので、ノートを書くことができません。また、本を読んでも気がつくと文字だけを追っているような状態で、話をしても言葉が出てこなくて文章にならず、大学に行くのも抵抗を感じて行けなくなってしまいました。
頭は全然働かないのですが、体力はあるのです。認知症にでもなったのかと思い、先々週、脳のCTをとってもらいましたが、特に異常はないとのことでした。
心療内科の先生からは食べて寝る以外に方法はないと言われました。昼間何もできないので、夜に片付けようとすると、どうしても睡眠不足になってしまうのですが、寝れるときには寝るようにしています。食事も三食バランスよく摂っています。
頭が全然働かないことがつらいです。このまま薬を飲んで様子を見ていたらよくなるのでしょうか。
症状と薬の副作用の両面が。主治医の先生に率直にご相談なさって下さい。
服用されているブロチゾラムは睡眠薬、トラゾドン塩酸塩は抗うつ薬です。不眠だけではなく、うつ的な症状が見られる為に、主治医の先生は睡眠薬と抗うつ薬を処方されておられるのだと思います。
うつの時には、記憶力の低下、集中力の低下等が見られます。また、午前中に一番症状が重く、午後から夕方にかけて楽になってくるという特徴があります。トラゾドン塩酸塩を服用すると、翌日に眠気が残ることがありますが、ぐっすり眠れます。
お困りの夕方までの眠気、記憶力の低下や集中力の低下は、症状とトラゾドン塩酸塩の副作用の両者が原因になっているものと思われます。主治医の先生に、今のお困りの症状を率直に相談されるとよいと思います。主治医の先生の判断でこのまま様子を見る方がいいと思われるか、トラゾドン塩酸塩以外の抗うつ薬を処方されるか、トラゾドン塩酸塩を減量されるかもしれませんが、とにかく一度、是非主治医に相談してみて下さい。
ご回答いただいた
半田（伊藤）容子 先生
ドクター| ご活躍の場所 | 八事クリニック 院長 |
|---|---|
| ご専門 | 心療内科、精神科、医学博士、精神科専門医、精神保健指定医、日本精神分析学会認定精神療法医、認定産業医 |
| ご経歴 | 名古屋大学医学部、名古屋大学大学院医学系研究科卒業 名古屋大学付属病院 愛知県立城山病院 生々会松蔭病院を経て 八事クリニックを開設 |
| 所属団体 | 日本精神神経学会、日本精神分析学会、日本うつ病学会、 日本精神病理・精神療法学会 |
| 先生からの一言 | 明るく穏やかな生活を奏でる為に、皆様のお役に立てたら幸いです。 |
