おしえて先生

ワセリンとアトピーについて

ピンキー(#)・30~39歳女性 2008/05/28 投稿

生後11ヵ月の子供が軽いアトピー性皮膚炎だと診断され、ヨダレ荒れにヒドロコルチゾン酪酸エステルと口の周りと体にワセリンを処方されました。ただワセリンは日焼けしやすいとか黒ずみやすいと聞き、医師に相談したところ、「日焼けや黒ずみは絶対しないから朝晩たっぷり塗るように、外出しても大丈夫!」と言われました。ところがアトピーの子供を持つ友達の話や、インターネットで調べてみると、やはり油焼けをしたり黒ずんでしまう情報があり、それをまた医師に聞くのも…と悩んでいます。ワセリンを塗った後、低刺激の日焼け止めを塗っておけば大丈夫でしょうか?それとも夏場はワセリンを避け保湿クリームでカバーした方がいいのでしょうか?今の状態はヨダレ荒れ以外の他の肌は、乾燥肌状態だったのが、綺麗になりました。
更に、食物アレルギーの検査をしたところ、現在は5大アレルゲンは陰性でしたが、乳児のアトピーは食物アレルギーとの関連が深いと聞きましたのでそれも気になっています。医師からは、例え検査が陰性でも食べ物に気をつける様に言われましたが、食物アレルギーがなくアトピー性皮膚炎のみの患者さんも多いのでしょうか?
分からない事ばかりで申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

ワセリンは、乾燥予防のため。情報記事とともに医師に相談しては。

アトピー性皮膚炎の炎症は、まず、ステロイドホルモンを皮膚に塗って治します。その後は、最近では、免疫抑制剤を使っています。アトピー性皮膚炎患者さんの皮膚の特色は、乾燥しやすいことです。ですから、ワセリンは乾燥を防ぐために使っています。ただ、ワセリンを塗るとべとべとした皮膚になりますので、私は使いません。炎症を抑えた後は、セラミドが入ったクリームを塗るのがいいでしょう。ワセリンで黒ずむものは、製品が悪いためです。いろいろな種類があるでしょうから、それを処方された医師に、ピンキーさんが持っている情報記事を見せて相談してみて下さい。また、一般に子供の肌は成人に比べれば乾燥傾向がはっきりしています。
食べ物に対する考え方は、小児科医と皮膚科医で違うこともあります。大切なことは、保護者が常に食べ物と皮膚の症状を「関連するか、否か」の目で記録をとっていくことです。食べて悪くなったらその食品は7日間中止してください。そして皮膚が良くなったら今度は7日間食べさせます。これを2~3回繰り返し、食べ物と皮膚の症状の関連がはっきりすれば止めましょう。一般には、血液検査で、陽性と出たとしても、食べるられることが多いのです。

ご回答いただいた

市橋正光 先生

ドクター
ご活躍の場所 アーツ銀座クリニック 院長
ご専門 皮膚科学(光線過敏症、皮膚がん、色素異常症、美容)、再生医療
ご経歴 神戸医科大学 卒業
神戸大学大学院医学研究科 修了
ロンドン大学皮膚科学研究所 留学
神戸大学医学部 教授
サンクリニック・サンケア研究所
森之宮医療大学抗加齢研究所長
再生未来クリニック・神戸 院長を経て、現職
所属団体 日本皮膚科学会、日本研究皮膚科学会、日本色素細胞学会、日本光医学・光生物学会、日本再生医療学会、日本抗加齢医学会、日本レーザー治療学会、NPO幹細胞治療研究機構、見た目のアンチエイジング研究会、細胞再生医療研究会、糖化ストレス研究会、国際医科学研究会、生命機能研究会、白斑研究会、日本コエンザイムQ協会、カシス協会
先生からの一言 人生を心身ともに健康に生きるには顔の肌のシミやシワなど、見た目の若さが大切です。そのためには太陽紫外線の有害性を知り、皮膚細胞のはたらきを高めることです。アンチエイジングであなたも若返りましょう。