おしえて先生

虫歯について

kelly(#)・30~39歳女性 2007/11/19 投稿

6歳になる娘についての相談です。
娘は乳歯にはまったく虫歯は無く、定期的にフッ素を塗りに歯科医へ通っていました。ところが下の歯が永久歯へと生え変わったとたん、出てくる歯の表面全体が虫歯になっていました。形成される過程で虫歯になったと言われましたが、他の歯もまた、このような状態で生えてくる可能性があるのでしょうか。
だとすれば予防法や治療法はあるのでしょうか?
宜しくお願いします。

先天的なエナメル質の形成不全などが考えられます。

6歳のお嬢さんの生え変わった下の永久歯というのは、年齢から考えると下の前歯のことですね。
歯が生え変わっている途中で、乳歯の下から永久歯が出始めているのに乳歯がなかなか抜けなかったりすると、後から出てくる永久歯に虫歯が出来ることはあります。ただしこれは、口腔清掃状態も悪く、口腔内に虫歯をつくる細菌叢がすでに常在しているような場合に見られるものです。従って、kellyさんのように、お母さまが気をつけて管理をされており、特に下の前歯では歯の形態からも、上記のような原因での虫歯は出来にくいと思います。
また、歯の状態がいわゆる虫歯ではないのに、虫歯のように見えるものとしては、先天的なエナメル質の形成不全などが考えられます。例えば、表面に白斑のようなものがわずかに見える程度のものから全体が白濁しているようなもの、褐色と白濁が混在しているようなもの、色だけではなく、形が不規則になっているようなものなど、様々な程度の差があります。
この場合は、残念ながら歯が形成される途中で先天的に起こることなので、防ぐ方法はありません。全身的な要因から起こる場合もありますが、そういう原因がなくとも、歯の白斑などは、程度の軽いものも含めるとしばしばみられます。
ご質問の文面からすると、虫歯ではなく、先天的に歯の表面に白濁などが起こっているのではないかと思いますが、そうだとすると他の歯も、同じような状態で生えてくる可能性はあります。
ただ、この場合、特に程度の軽いものでは治療の対象とはなりませんし、日常生活にも支障はありませんので、ご家庭での歯磨きをしっかり行い、食事や飲み物、おやつの与え方などにも気をつけて、定期的な検診を心がけてください。
もし、程度が強い場合で、例えば食事に支障を来したり、お子さんが見た目を気にするようであれば、大学病院の小児歯科などを受診なさってご相談ください。

ご回答いただいた

大竹美嶺子 先生

ドクター
ご活躍の場所 大竹歯科クリニック(東京都港区赤坂)院長
ご専門 歯科一般、矯正歯科
ご経歴 日本歯科大学卒業、東京医科歯科大学歯学部矯正学教室専攻科
関東逓信病院矯正歯科研究員、上杉歯科医院、(医)恒心会グリーン歯科勤務を経て現職
所属団体 日本矯正歯科学会、日本歯周病学会、日本ヘルスケア歯科研究会
先生からの一言 歯周病は万病の元です。自覚症状がなくても専門家による定期的なケアを心掛けましょう。