おしえて先生

耳の痒みと全身のかさぶたに関係が?

ずよこ(#)・30~39歳女性 2007/01/11 投稿

20歳位の時に風邪をひいたのがきっかけで、右耳が痛くなり膿や汁が出るようになりました。それ以来10年、外耳道が痒くて仕方はありません。5年前からは左耳もかゆくなる始末です。
地元の耳鼻科に通院し、点耳薬と、たまに飲み薬の抗アレルギー薬をいただいています。痒いときは、ぐちゃっとした耳垢がたくさん出ます。

また、5年前から両手足の毛穴からカサブタ状のものが出るようになり、はじめは肘と膝だけだったのが、全身に広がってきました。そこだけカサカサで新陳代謝が激しいらしく、白っぽいのです。
最初は小さく点々としているのが、だんだん大きな集合体になっていきます。酸性で有名なK温泉に入ったら毛穴の患部だけが赤く腫れてとがった感じになり、ひりひりしていました。
地元の皮膚科では「乾癬かもしれない」と言われましたが、大学病院では「不明」とのこと。大学病院での治療時は皮膚保湿剤、そして軟膏を処方されましたが、変化はありません。主要なアレルギー、血液、組織の検査をしましたが異常なしでした。最近はなるべく悪化しないよう規則正しい生活を心がけています。

耳の痒いのと、全身のカサブタのような症状に関係あるのでしょうか。結婚して子供も欲しいのですが、あまりに長く患っているので子供にも影響がありそうで怖いです。もういちど専門の病院に行く前にこちらで相談させてください。宜しくお願いします。

耳は中耳炎ですが、手足の症状はとても稀な病気かもしれません。

風邪をひいたあとに耳が痛くなったのと膿汁は、恐らく中耳炎が原因でしょう。膿が皮膚を刺激して痒くなったり、赤く炎症を伴うこともあります。単なる刺激反応ですが、ときには、耳の症状が強いと全身に影響するアレルギー反応が起きても不思議ではありません。かゆみがあって、赤くなっても腫れていなければ、ステロイドホルモンを塗ればすぐに良くなります。なかには、細菌感染を合併していることもありますが、そのときは抗生物質を飲むといいでしょう。 

これとは別に、手足(恐らく上肢・下肢のことでしょう)にできている皮疹は大学病院で診断がつかなかったのですから、大変稀な病気でしょう。かさぶたがついているために本来の皮疹が見えなくなり、診断が難しかったのかもしれません。実際に皮疹を見ていないので分かりませんが、「毛庖一致性の角化症」の可能性が考えられます。大学の皮膚科でもそれぞれ専門領域が違いますから、複数の大学病院、または皮膚科の医師が複数おられる病院を受診されることをおすすめします。早く皮疹が治るといいですね。

ご回答いただいた

市橋正光 先生

ドクター
ご活躍の場所 アーツ銀座クリニック 院長
ご専門 皮膚科学(光線過敏症、皮膚がん、色素異常症、美容)、再生医療
ご経歴 神戸医科大学 卒業
神戸大学大学院医学研究科 修了
ロンドン大学皮膚科学研究所 留学
神戸大学医学部 教授
サンクリニック・サンケア研究所
森之宮医療大学抗加齢研究所長
再生未来クリニック・神戸 院長を経て、現職
所属団体 日本皮膚科学会、日本研究皮膚科学会、日本色素細胞学会、日本光医学・光生物学会、日本再生医療学会、日本抗加齢医学会、日本レーザー治療学会、NPO幹細胞治療研究機構、見た目のアンチエイジング研究会、細胞再生医療研究会、糖化ストレス研究会、国際医科学研究会、生命機能研究会、白斑研究会、日本コエンザイムQ協会、カシス協会
先生からの一言 人生を心身ともに健康に生きるには顔の肌のシミやシワなど、見た目の若さが大切です。そのためには太陽紫外線の有害性を知り、皮膚細胞のはたらきを高めることです。アンチエイジングであなたも若返りましょう。