りんご病という病名をご存知でしょうか。幼稚園や保育園に通う子供を持つ親であれば、一度は耳にしたことがあると思います。
りんご病という病名をご存知でしょうか。幼稚園や保育園に通う子供を持つ親であれば、一度は耳にしたことがあると思います。
りんご病とは、ヒトパルボウイルスB19というウイルス感染によって起きる感染症です。りんご病は、幼児期から小学校低学年の子供がかかりやすく、春先から初夏にかけて流行することが多い病気です。
りんご病の正式名称は、「伝染性紅斑(こうはん)」といいます。その名前の通り赤い発疹が出て、伝染する病気です。ほっぺがりんごのように真っ赤に染まるので別名りんご病と呼ばれています。
りんご病は、感染してから10~20日程度の潜伏期間があります。りんご病を発症すると、微熱程度の発熱、咳、鼻水、鼻づまりなどといった風邪によく似た症状がみられます。
感染する恐れのあるりんご病ですが、その感染力は弱いとされています。しかし、時には幼稚園や保育園において、集団感染を起こす事例も報告されています。子供は大人に比べて免疫力が弱いため、弱い感染力でも感染してしまう恐れがあります。
りんご病は、ワクチンがなく予防接種を受けることができません。また、りんご病特有の赤い発疹が出る症状の際は、すでにウイルスを排出しておらず、赤く発疹がでる前の風邪のような症状の時が、一番感染力が高いといわれています。
では、りんご病に集団感染しないためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
(1)マスクの着用
りんご病の感染のひとつとして、咳やくしゃみによって空気中に放出されたウイルスにより、感染が拡大します。
幼稚園や保育園でりんご病がはやり始めたと思われたら、飛沫感染を防げるようにマスクを着用することが望ましいでしょう。
(2)手洗いの徹底
りんご病は飛沫感染のほかに、接触感染も感染経路の1つに数えられます。幼稚園や保育園でほかの子供達と遊んでいて、ウイルスのついたおもちゃや遊具に触れた手でおやつを食べて感染してしまうというケースも十分考えられますので、帰宅後や食事の前には手洗いを徹底しましょう。
りんご病の予防には、よく泡立てたせっけんで、ウイルスが残りやすいとされる指や爪のすき間まで洗うことが大切です。
小さな子供は、りんご病に感染しても重症化することは少ないとされています。またりんご病は、一度かかると終生免疫を残すため、生涯りんご病にかかることはないといわれています。
妊娠20週未満の妊婦さんがりんご病に感染すると、胎児に重大な影響を及ぼすこともあるようです。春先から7月頃にかけて流行しますので、妊婦さんや小さな子供を持つお母さん方は、予防対策を心がけてりんご病にかかってしまわないよう十分注意しましょう。