ばくぜんと「加齢と共に歯は抜けるもの」と考えていませんか?実は歯が抜けるのは「歯周病」という病気のせい。歯周病のメカニズムを知って、進行を食い止めなければいけません。
「歯を磨きなさい!」…子どもの頃、何度も親に言われた言葉だ。大人になった今、歯を磨く習慣がない人はほとんどいないと思うが、自分の歯の健康について関心を持っている人もまた、少ないのではないだろうか?あなたの歯の状態を知るために、まずは下の項目でどれくらい当てはまるかチェックしてみよう。ひとつでも心当たりがあれば、歯の手入れを見直す必要がある。
参考:「歯の健康ノート4壮年期編」花王株式会社発行
「大人の歯の悩み」について考えるとき、加齢に伴い歯が抜けてしまうとか、入れ歯でうまく噛めないということを想像するのではないだろうか。実際に、1人あたり平均の「現在ある歯の本数」は65歳の段階ですでに20本を切ってしまっている(成人の歯は親知らずを除いて28本)。人生80年とも言われている今、早々と歯を失ってしまうのはなんとも心もとない。
「歳をとると歯が抜けるのは仕方がない」と思いがちだが、実は歯が抜けるのは「歯周病」という病気によるもの。歯周病は虫歯とならんで歯を失う大きな原因なのだ。
歯周病とは、歯垢や歯石などの原因から歯周組織(歯肉や歯根膜、歯槽骨など、歯を支えている土台)が破壊されてしまう病気の総称で、歯肉だけ炎症を起こしている状態を「歯肉炎」、さらに悪化して歯槽骨まで破壊された状態を「歯周炎(歯槽膿漏)」という。
炎症が起こっている状態。歯肉が赤く腫れ、歯磨きなどちょっとした刺激でも出血しやすくなる。
歯肉の炎症が進み、歯と歯肉の間に「歯周ポケット」と呼ばれる深い溝ができる。歯槽骨の破壊も始まり、水などがしみるようになる。
歯肉がブヨブヨに腫れ、歯周ポケットから膿が出て口臭がひどくなる。歯が浮く感じがして、ものが噛みにくくなる。
歯槽骨はほとんどなく、歯根が露出。歯肉が腫れて痛み、歯がグラグラになって最後には抜けてしまう。
参考:「歯の健康ノート4壮年期編」花王株式会社発行
歯周病について、一番警戒しなければいけないのは「初期に目立った自覚症状がないこと」である。歯肉炎の段階で医者を訪ねていれば治療できたのに、中期歯周炎頃になって初めて慌てて医者に行く場合が多い。こうして手遅れになり、歯を失ってしまうのだ。