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もはや他人事ではない!医療の「2011年問題」ってナンダ!

医療費削減策の一環として、厚生労働省は2011年度末(2012年3月)までに長期入院患者の受け入れを行ってきた療養型施設の削減を行うことを決めた。これによって、何がどう変わるのか…。わずか5年後という、すぐ目の前にある医療の現実だ。

2011年。突然、退院させられる日が来た…
2011年、突然、退院させられる日が来た…
それまで身の周りのことはすべてこなしていた父親だったが、この骨折を機に体調が次第に悪化。入院が長引いていた。それからしばらくたったある日、休暇を使ってお見舞いに行ったAさんに告げられたのは、ある選択を迫るもの。それは、「この病院は有料老人ホームへと転換しますので、入居するなら手続きを。そうでなければ別の施設を探してください」というものだった――。

施設探しに奔走する日々――。そして出した答えは…
施設探しに奔走する日々――。そして出した答えは…マイホームのローンも残り、大学受験を控えた息子を持つAさんには頼れる兄弟もおらず、父親を有料老人ホームに入居させることは経済的に厳しかった。そこで別の病院を探そうと病院内の医療連携室に相談したところ、他の病院でも長期入院の患者の受け入れは、医療ニーズの高い人に限られ、Aさんの父親は困難だという回答だった。次に特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設を探してみたが、施設によっては200人もの空き待ちの人がいるという。住み慣れた土地を離れたくないという父親の強い願いと迫る退院日。やりがいのある仕事、受験を控えた子どものこと…Aさんは悩みに悩んだが、結局会社を退社。家族を残し、1人実家へと戻ることにした。

Aさんは訪問診療をしている診療所や訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所などを回り、父親の在宅での受け入れ体制を整えた。しかし、Aさんは慣れない介護や家事に日々追われるうちに、体調を崩し、精神的にも疲れきってしまい…。

入院ベッドがなくなる日が目の前に…
――この話は決して他人事ではない。というのも、入院が長期化することの多い高齢者の受け皿になっている療養型施設が、医療費の高騰要因であるとして、現在38万床ある療養型病床のうち、2011年度末までに医療型療養病床23万床を15万床に、介護型療養病床15万床を全廃させることが決まったのだ。削減対象となる23万床は急性期病床や回復期リハビリテーション病床へと転換し、従来の医療施設として残るか、老人保健施設や有料老人ホームなどの介護施設への転換が求められる。

長期療養が必要な高齢者のなかでも医療ニーズの高い患者は医療型療養施設に入院することができるが、多くの患者は介護施設へ移るか、在宅での療養かの選択が迫られることになる。しかし、独居の高齢者の増加など、自宅療養・介護が困難な社会的状況下にある人も少なくないのが現状であり、地域の受け皿も整備されているとは言いがたい。すでに財政面や人手の確保が困難だという声があがっているほどだ。

今回の療養型病床削減による長期入院患者の減少は医療費の削減につながることは間違いないだろう。しかし、すべての人が適切なケアを受けることができる体制は受け皿の確保を持ってはじめて可能となるのであり、この削減案には、今後の課題が山積みなのだ。

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