毎年やってくる蒸し暑い日本の夏。そんなときに、暑いからといって冷たいものばかり食べていると夏バテしてしまう。夏野菜は夏バテ防止に効果を発揮する要素がいっぱい!夏のパワー不足にうまく活用してみよう。
暑いからといってそうめんやそば、冷奴といった冷たいものだけですませていると夏バテしてしまう。炒め物や煮物といった熱い料理も必ず食卓に並べ、野菜や水分を十分に摂ることが必要である。
食欲がないときは、酸味をきかせる味付けにしたり、シソやみょうがなどの香味野菜やハーブを利用するとよい。疲れやすい夏は、普段以上にしっかり栄養を摂る必要がある。今回は夏を乗り切るパワーの源、夏野菜を紹介しよう。
暑さに対する抵抗力をつけるビタミンC。糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB1。カロテンやビタミンEには、老化防止や抗酸化作用がある。ビタミン類が豊富な夏野菜はコレ!
夏に威力を発揮する成分:ビタミンC、カロテン、抗酸化作用の強いリコピンなどが豊富。食べられる野菜として普及したのは19世紀と歴史は浅いが、いまや世界中で愛されている。
トマトには、昆布と同じ旨み成分、グルタミン酸が含まれているので、スープや煮込み料理をよりおいしくしてくれる。ヨーロッパには「トマトのあるところに料理のへたな人はいない」ということわざがあるほど。
夏に威力を発揮する成分:ビタミンC、B1、カロテン、カリウム、リン、鉄分、食欲を増進し整腸作用のある苦味成分モモルデシン。ニガウリのビタミンCは加熱してもほとんど壊れないのが特徴。
特有の苦味が気になる人は、薄切りして塩もみする(丸ごと板ずりしてもOK)、さっとゆがく、水でさらすなどするとよい。
夏に威力を発揮する成分:ビタミンC、カロテン、食欲を増進し血行をよくする辛味成分カプサイシン。パプリカ、シシトウや唐辛子もピーマンの仲間。
油を使って調理すると、色や香りがよくなるとともにビタミンAの吸収力がよくなる。保存方法によっては低温障害が起きるので、保存場所は7~8℃くらいを目安に。
夏に威力を発揮する成分:カロテン、ビタミンB1、B2、C、E。緑黄色野菜の代表格。食物繊維も多い。
日本カボチャはしっとりしているが味が淡白なので、煮物や蒸し物が向く。西洋カボチャは甘みとホクホク感があり、汁物や天ぷら、パイなどがオススメ。
夏の水分不足は、脱水症状や熱中症の原因になる。水分をたっぷり含んでおいしい夏野菜は、水分補給にぴったり。冷たいドリンクをがぶ飲みするより、野菜を食べよう。
夏に威力を発揮する成分:96%を占める水分、ビタミンC。渇きを癒し、利尿効果があることで知られる。心臓病、腎臓病、尿毒症、高血圧によい。
ビタミンCを分解する酵素アスコルビナーゼを含むので、栄養を第一に考える場合は、酢や塩で酵素のはたらきを抑えるとよい。
夏に威力を発揮する成分:9割以上を占める水分、糖質。皮の紫色はアントシアニン系の色素。利尿作用あり。血管を強くするので、歯茎や口の中の炎症によい。
保存方法によっては低温障害が起きるので、7~10℃で保存を。果肉がしまっている丸ナスは田楽や煮物、揚げ物に、果肉が柔らかい長ナスは煮物や焼き物、漬物に向く。
夏に威力を発揮する成分:ペクチン、カロテン、ビタミンB1、B2、Cのほか、カルシウム、リン、鉄などミネラルも豊富。
ぬめり成分は組織を破壊するほど増すので、できるだけ細かく刻むとよい。長く火を通すと外に溶け出してしまうので、生食かさっとゆがく程度に。
夏に威力を発揮する成分:ビタミンB1、B2、C、E、K、カロテン。カルシウム、鉄、マグネシウムなどミネラルも豊富。アラビア語で「王様の野菜」という名前にふさわしく、他の緑黄色野菜と比べ群を抜いて栄養価が高い。
オクラと同様、なるべく細かく刻んで使うのがよい。鉄やカルシウムの吸収をさまたげるシュウ酸が含まれているので、下ゆでした後は水にさらし、あく抜きしてから用いるのがよい。