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知っていると得をする〜お風呂を使った健康法(1)

現代人の疲れを癒すお風呂
画像:浴槽 仕事のこと、家庭のこと、周りの環境のこと…。さまざまなストレスで悩まされる現代。温かいお湯につかってリラックスする入浴は、そんな私たちの1日の疲れを癒してくれるひとときだ。また、温かいお湯につかっていると、血行をよくして新陳代謝を活発にし、老廃物を排出してくれるため、たまった疲れと汚れを洗い流してくれる。もちろん、健康や美容への作用も見逃せない。あったかいお湯が恋しくなるこの季節、さまざまな効用があるお風呂についての健康話を3回シリーズで掲載。第1弾は、銭湯の話題を中心に広いお風呂の効用を考えてみよう。


昔は入浴が「接待」に使われていた
画像:外観毎日の入浴やシャワーが欠かせない、という生活は現代人ならではのもの。昔は、お風呂が上流社会のおもてなしや、寺院などで身を清めるために使われていた。入浴は特別のものだったのだ。江戸時代に入り、都会では庶民が使う銭湯が発達した。以来、長く庶民の社交場として栄えた銭湯も、高度成長期に内風呂が増えていくにつれその数を減らしていく。それでも、温泉やスーパー銭湯の人気、そして伝統的な銭湯を大切にするファンなど、外風呂は、依然として日本人の憩いの場なのだ。

銭湯の歴史
江戸時代前半 浴槽の底に膝を浸す程度のお湯を入れ、上半身は湯気で蒸す「戸棚風呂」。湯気をもらさないよう、かがんで出入りする「ザクロ口」ができる。照明なしの暗いお風呂は男女混浴だった。

江戸時代後半 慶長年間末頃の17世紀初頭、首まで湯につかる据え風呂ができた。関東では、桶の中に鉄の筒を入れて加熱する「鉄砲風呂」、関西では桶の底に平釜をつけ湯を沸かす「五衛門風呂」が多かった。19世紀前半の天保時代には2階がサロンとなり、囲碁、将棋、喫茶が楽しめた。

明治時代 「ザクロ口」撤廃により、明るく衛生的な風呂に。男女混浴、サロンは政府指導の元で消えていく。

大正時代〜昭和戦前 関東大震災以後、東京では外観に意匠を凝らしたものが増える。第2次世界大戦が激しくなるにつれ、金属器具の供出、入浴時間の制限などで銭湯の運営も困難になる。

昭和戦後以降〜平成 戦後しばらくは住宅事情の悪さもあって、銭湯は大繁盛、営業件数も増加。しかし、高度成長期以降は浴室のついた住まいが増え、銭湯の数は減っていく。



広いお風呂に隠れた効能あり
画像:銭湯の内観最近では、家庭でも大きな浴槽や窓をつけて開放的で広いお風呂に人気が集まっている。広い空間で体を伸ばしての入浴は気持ちがよいもの。これはしかし、気分だけの問題ではなく、科学的にも立証されているのだ。

東京都公衆浴場業生活衛生同業組合は、2002年、脳波のパターンから「ストレス(怒り)」「喜び」「悲しみ(落ち込み)」「リラックス」の程度を数値化する装置を用い、銭湯の医学的効果を調べた。実験は、NPO法人の日本ヒーリング科学研究所にある約8m2の大きな浴槽と、1.5m2の家庭用の標準的なサイズのユニットバスの比較で行われている。大きな浴槽では、入浴前に比べてストレスと悲しみが激減し、喜びが増えている。リラックスはそれほど変化がなかった。一方、ユニットバスではストレスや悲しみが変わらないもしくは若干増加という結果が出た。どうやら、大きな浴槽には、高ぶった気持ちを鎮める効果があるらしい。

画像:リラックス ところでこの実験では、リラックスについてはそれほどきわだった効果は見られなかった。しかし、銭湯や温泉が広いのは浴槽だけではない。心身をリラックスさせるマイナスイオンに注目してみよう。噴水の近くで爽快感を感じることから分かるように、水の飛び散る所にマイナスイオンは発生する。ということは、お湯が盛んに飛び散る浴室もマイナスイオンは発生しているはず。しかし、家庭のお風呂は狭いため、すぐプラスに帯電した水分子が充満してしまうだろう。対して、空間が広く空気の入れ替えが盛んな銭湯では、マイナスイオンは豊富にあるというわけ。大きな浴槽。広い空間。私たちが、たまに銭湯や温泉でのんびりしたくなるのは、道理なのかもしれない。

取材協力・資料提供 東京都公衆浴場業生活衛生同業組合
<写真>「月の湯」東京都文京区目白台3-15-7/撮影:望月ロウ

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