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更年期障害<2>男性の場合
見過ごせない男性の更年期障害

昨年は減少したというものの、近年、増加している中高年男性の自殺。その原因のトップにあげられているのが「健康問題」だとか。もちろん、これが男性の更年期障害とどう関係しているかは、まったくもって不明だ。しかし、女性と違って男性の更年期障害は、いまだその存在すら認められにくいのが現状。本人も気づかない間に更年期障害となり、周囲にも当然理解されず、苦しんでいる男性が少なくないのかもしれない。男性の更年期障害とは何か、そして、男性の苦しい状況を理解することから、今回は考えたい。

※ちなみに、前回の女性のときに触れたが、「更年期障害」は俗称で、医学的には「更年期不定愁訴症候群」という。今回は、わかりやすさを優先させ、あえて俗称で話を進める。

男性の更年期障害による症状

下の表は、ハンガリーのデータなので、そのまま日本人に置き換えることはできないかもしれないが、男女で微妙に症状が違うのがおわかりいただけるだろう。男性の場合、身体に影響が出るより先に、神経的な部分に症状があらわれる傾向があるようだ。

また、下表の下にある通り、性欲の減退、またはED(勃起不全)となる割合が高く、男性はこうした症状が出てはじめて病院へ行くケースが多いという。つまり不眠や疲れといった体調の不良は我慢し続けているということ。

ストレスも比重が高まる年代。男性は結構タイヘンな思いをしているといえるかもしれない。これは本人が自覚すると同時に、周囲も理解を深めていく必要があるだろう。

《男女別に見た更年期の症状》(Goldzieherによる)
頻度 男性 女性
1 神経質(主観的) 神経質(主観的)
2 疲労 のぼせ
3 不眠 興奮状態
4 興奮状態 疲労
5 抑うつ状態 抑うつ状態
6 背頸部痛 便秘
7 頭痛 漠然痛
8 のぼせ 頻脈、心悸亢進
9 頻脈、心悸亢進 めまい
10 記憶力・集中力減退 記憶力・集中力減退
11 めまい 不眠
12 便秘 頭痛
13 漠然痛 神経症
14 神経症 背頸部痛
15 視野暗点 視野暗点
16 知覚異常 知覚異常
17 寒気 寒気
  性欲減退 75%
ED(勃起不全) 50%
月経異常 99%
無月経 58%
出典:「更年期障害 これで安心 新しい治療と生活ガイド」 ホーム・メディカ安心ガイド 小学館

ある? ない? 男性の更年期障害の歴史

著名人が自身の更年期障害を明したことで認知度は高まったとはいうものの、男性の更年期障害は、医学界でも認知があいまいな部分が多いのが現状である。

この、男性における更年期障害の概念が初めて提唱されたのは、1939年。なんと60年以上も前のことなのである。だが、男性の場合は、女性の閉経のように劇的な変化がないこと、個人差が大きいことが災いして、概念としてはあるものの、認知・治療がはじめられることはほとんどなかった。

さらに悪いことに、その後、もうひとつの概念が台頭してきた。それは「中高年の危機」。聞いたことがある人も多い言葉だろう。これは、ミッドライフ・クライシスとも呼ばれるもので、35〜45歳に起こる転職、離婚、肉親の死などが誘因となって起こる精神的な葛藤。身体的な変化によってさまざまな症状がもたらされる更年期障害とはまったく違うもの。だが、更年期障害に見られる精神神経症状と似たところがあるため、誤解された面が少なくない。

こうして、男性の更年期障害は、あってなきもののごとく扱われてきたのである。

なぜ起こる? どう影響する?

《更年期不定愁訴症候群を引き起こす要因》
主な要因
男性の場合も、女性の場合と同様に、基本はホルモン量の低下が原因だ。

男性のホルモンの仕組みを簡単に説明すると、脳の視床下部から出される性腺刺激ホルモン放出ホルモンが、脳下垂体を刺激。性腺刺激ホルモンが分泌され、それが睾丸に作用して男らしい肉体や性機能を促すテストステロンを分泌させる。

このテストステロンの分泌量は、45歳くらいから緩やかに減少していくのが一般的だ。特に、テストステロンの中でも血中のフリーテストステロンが少なくなると、性欲の減退やEDといった症状につながるといわれている。

こうしたホルモンの低下に加え、大きな影響を与えるのが、ストレス。更年期にあたる45〜50歳前後というのは、子供の独立といった家庭的な面はもとより、仕事の上でもストレスの大きな年代。そうしたストレスが、男性の更年期障害を触発するといわれている。

また、男性に多く見られるのが、うつ的な傾向。下の項にもある通り、男性の場合は更年期による身体的な変化が、精神的な面に出やすい。このため、どうしても精神面、特にうつ状態に陥りやすいとされている。「何もやる気が起きない」「イライラばかりしている」「うつうつとして、仕事をしたくない」…。更年期にあたる年齢になって、こうした症状が出てきたら、早めに病院へ行くのが得策である。

《「更年期としてのうつ状態とうつ病」の比較》

  更年期症状としてのうつ状態 うつ病
誘因 自己愛の傷つき 喪失体験、不明のことが多い
顕著な症状 自己不全感、無気力 抑うつ感、エネルギーの低下
治療 自己愛の傷つきを癒す、精神療法的アプローチ 薬物治療、休養が主体、精神療法は効果が少ない
経過 慢性化、長期化 比較的短期、反復性
予後 基本的に健康な人の反応、比較的良好 しばしば不良
※東京慈恵会医科大学精神科の館直彦氏による、更年期うつ状態とうつ病の違い
出典:「明るく乗りきる男と女の更年期」赤塚祝子 講談社現代新書

「婦人科」はあるが「紳士科」はない。さて何科を受診する!?

ホームドクターを見つけよう 男性諸氏に声を大にして申し上げたい。更年期の年齢になったら、たとえ「だるい」といった些細(!?)な症状でも長引く場合は、病院へ行こう!

理由については、女性の場合を参照いただきたいが、更年期障害はあくまでも「除外診断」だという点だ。更年期に当たる年齢は糖尿病、高血圧症といった生活習慣病をはじめ、さまざまな病気を発症しやすい年代でもある。それらの病気による疲労感や倦怠感、だるさである可能性もあるのだ。つまり、他に病気がないこと、または他の病気の治療による作用である可能性が少ないことが、更年期障害と診断される前提なのである。

が、ここでひとつ問題が発生する。女性の場合は婦人科があるので、ひとまず何でもこの科を受診してしまう、ということができる。だが、男性の場合は…。「だるい」だけで、どの科を受診すれば良い?が正直なところだろう。また、男性の更年期障害について否定的(存在を認めていない)な見方をする病院や医師もまだまだ存在する。では、どうするか。

大別すると、方法はふたつ。「だるい」「疲れが取れない」といった場合は、まず心療内科もしくは内科へ。そこでさまざまな検査を受け、どこにも異常や病気がないことを確かめてもらう。その上で、まだ「だるい」などの症状があるなら、今度は心療内科もしくは神経精神科を受診するのである。慎重を期するのであれば、事前に電話などで男性の更年期障害についても扱っているか問い合わせたり、かかりつけの医師に紹介してもらうのも良い。

「尿の出が悪い」「性欲はあるのに勃起が維持できない」といった場合は、泌尿器科の出番だ。ちなみにこの年齢の男性が発症しやすい病気のひとつに、精液がつくられる部位の病気・前立腺肥大がある。50代の男性なら3〜4人に1人はその兆候があるといわれるほど多い病気で、症状としては夜間に何度もおしっこに起きる、残尿感があるなどが見られる。これも早期ならクスリで直せるが、症状が進むと手術が必要になる厄介な代物だ。

まずは病院へ行くことから。男性も無理や我慢は禁物!なのである。

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