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もの忘れだけではない!レビー小体型認知症

監修:メディカルケアコート・クリニック院長 小阪憲司 先生 (横浜市立大学名誉教授)

患者数が2番目に多い認知症

認知症の種類別患者数の割合

認知症といえば、真っ先にアルツハイマー型認知症を思い浮かべる人は多いだろう。70ほどの種類があると言われる認知症の中で、この認知症はもっとも患者さんの数が多く、全体の半分を占めている。それに次いで多いのがレビー小体型認知症で、名前はアルツハイマー型認知症ほど知られていないものの、患者さんの数は少なくとも50万人はいると考えられていて、認知症全体の20%を占めている(2011年2月現在)。

レビー小体は脳の神経細胞の中にある異常な物質のひとつで、これが大脳皮質と呼ばれる脳の表面の広い範囲に現れると、レビー小体型認知症が発症する。このようなことがなぜ起きるのかは、現在はまだよくわかっていない。

「認知症はもの忘れの病気」という誤解

レビー小体型認知症の初期の症状「幻視」

レビー小体型認知症には、アルツハイマー型認知症とは異なる特徴がある。
認知症というと「もの忘れ」の病気だと思われがちだが、レビー小体型認知症では、初期にはもの忘れがあまり目立たないことが少なくない。実際にはその場にいない人や子供や虫や猫などが見える「幻視」が、初期の症状として現れることが多い。

また、気分がふさぎがちになる、意欲がわかないなどの「うつ症状」も見られ、手足や筋肉のこわばり、動きの鈍さ、歩幅が小さくなるなどの「パーキンソン症状」が現れることもある。そのため、家族は認知症だとは気づかず、病気の発見が遅れてしまうことが多い。
このほかにも、眠りが浅いレム睡眠という時間帯に大声で寝言を言ったり、寝床で手足をばたばたさせたりする行動が見られること(レム睡眠行動障害)もある。立ちくらみや失神、尿失禁や頑固な便秘などの自律神経症状が見られたりすることもある。

65歳以上で発症する場合には、もの忘れや幻視やうつ症状などの精神症状で始まることが多い。しかし、より若い年で発病する場合には、パーキンソン症状で始まることが多い。
これらの特徴から、レビー小体型認知症の診断は医師であっても難しい。そのため病院に連れて行っても、うつ病や、高齢者の精神病と間違って診断されたり、単にパーキンソン病と診断されたりすることが少なくない。正しい診断を受けるには、できるだけ早く専門医に診てもらうことが何よりも重要だといえる。

レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の初期症状

  レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症
初期症状 幻視や妄想、うつ症状、レム睡眠行動障害などが見られ、日や時間帯によって頭がかなりハッキリしているときとボーっとしているときの差が激しい。
初期にはもの忘れが目立たないことがある。パーキンソン症状で発症することもある。
物忘れが目立ち、物盗られ妄想が加わったりする。知っているはずの場所で、道を間違えることもある。

それぞれの症状にあった薬による治療

レビー小体型認知症を治療する専用の薬はまだ存在していないため、それぞれの症状にあわせた薬で治療が行われる。

レビー小体型認知症の治療法

  • ●認知能力の低下
    言葉のやりとりや計算、時間や場所の把握が正常にできないなどの症状やもの忘れには、アルツハイマー型認知症同様にアセチルコリンエステラーゼ阻害剤が使用されることがある。
  • ●幻視、妄想
    アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、幻視や妄想を抑える効果もある。このほかに、漢方薬や少量の非定型抗精神病薬が使われることもある。このほかに患者さんの主張を強く否定せずにしっかりと話を聞いてあげる、幻視がよく起きる部屋の室内環境を変えるなど、薬の投与だけではなく、家族の工夫によって改善されることもある。
  • ●パーキンソン症状
    パーキンソン病の治療に用いられるレボドパなどの抗パーキンソン病薬を投与して症状を抑える。この症状が起きている患者さんは転びやすいため、歩くときには家族が横について介助することが望ましい。

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