疾患・特集

活性酸素と戦う「抗酸化物質スカベンジャー」とは

活性酸素は人間の遺伝情報を伝えるDNAの情報を乱すため、鉄が錆びるような感じで、体が衰えていく。活性酸素に中から外から立向かうスカベンジャー(抗酸化物質)の正体を探る。

活性酸素がたまるとどうなる?

活性酸素は人間の遺伝情報を伝えるDNAの情報を乱してしまう。そのため、活性酸素がたまって、体がサビる=酸化すると、老化や病気の原因になるのだ。ちょうど鉄が錆びてボロボロになるのと同じような感じで、体が衰えていく。例えば、シミ・シワ、運動機能の低下や物忘れ、さらには動脈硬化や糖尿病、がんなどの生活習慣病を誘発するのだ。

スカベンジャーこと抗酸化物質、その正体は?

外食、睡眠不足、ストレス…。私たちの生活は、どうしても活性酸素の脅威にさらされがちだ。だからと言って、あきらめてしまう必要はない。そう、ここでスカベンジャーの登場だ。スカベンジャーは、抗酸化物質とも言われ、活性酸素の攻撃から身を守るはたらきをする物質。酸化を防ぐ、つまり抗酸化物質というわけだ。

活性酸素に中から外から立向かうスカベンジャー(抗酸化物質)

■体内で作られるスカベンジャー(抗酸化物質)

SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)

体の各器官では、生きるために必要な化学反応を起こすための酵素が作られている。体内で作られるスカベンジャーは酵素の一種。活性酸素と結びついて、害の少ない物質に変化させるというはたらきがある。代表的なものに、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンがある。スカベンジャーを体内で作る能力は20代をピークに加齢とともに低下する。

■体外から取り入れるスカベンジャー(抗酸化物質)

スカベンジャーの役割をしてくれる物質は、食物にも含まれている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、ビタミンB群など。このほか赤ワインやココア、ハーブなどにも活性酸素による酸化を抑える物質が含まれている。

力をあわせてたたかう戦士たち

力をあわせてたたかう

スカベンジャーは何種類も存在する。そして、お互いの不足部分を補いつつ、活性酸素を無害な物質に変えていく。活性酸素から身を守るためには、体内で作られる酵素だけに頼るのではなく、スカベンジャーを含む食物をバランスよく摂るなど、積極的な活動も大切。
もちろん、活性酸素がたまらないよう、生活改善をしていくことも忘れてはならない。
スカベンジャーこと、抗酸化物質を上手に利用して、活性酸素の発生を最小限に抑えつつ、すばやく消去すればよいのだ。

公開日:2004年1月19日