今やアメリカ人より日本人のほうが野菜不足!!近年日本人の野菜の摂取量は激減。アメリカ人の1人当たりの摂取量よりも下回っているという報告もある。アメリカの野菜摂取拡大を推進した「ファイブ・ア・デイ・プログラム」と野菜の色素による健康効果を紹介。
「日本人は野菜をたくさん食べるから健康で長生き」と言われてきたが、この定説も過去のものとなりつつある。「第6次改定日本人の栄養所要量」によると、日本人に1日に必要な野菜の量は350g。そのうち緑黄色野菜を120g、その他の野菜は230gとされている。しかし、国民栄養調査結果(平成13年)を見てみると、実際には279.4gしか摂れていない。緑黄色野菜に至っては93.6gと8割に満たない結果だ。緑黄色野菜の所要量はその重要性から第6次改定で120gに引き上げられたもの。もっと積極的に野菜を摂る必要があるのだ。
野菜類 | 350g |
---|---|
うち緑黄色野菜 | 120g |
果実類 | 150g |
出典:第6次改定日本人の栄養所要量
野菜類 | 279.4g |
---|---|
うち緑黄色野菜 | 93.6g |
果実類 | 132.0g |
※単位:g/総数12,481人に対し
出典:平成13年国民栄養調査結果より
一方、国民の3人に1人は肥満と言われるアメリカではどうだろう。「健康増進のために1日5サービング(品目と量)以上の野菜と果物を食べよう」という目標を掲げた「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)プログラム」という全国的な運動が1999年から始まり、1人当たりの野菜や果物の摂取量が飛躍的に伸びてきている。この運動により、アメリカではたった3年で野菜の消費量が15%、果物の消費量が17%も向上した。80年代には日本人にははるかに及ばなかった野菜の摂取量も、90年代後半にはついに逆転したと言われているのだ。
この「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)プログラム」でバランスのよい食生活を送る目安として用いられているのが「フードガイドピラミッド」。このピラミッドの比率を守りながら、1日に野菜3サービング、果物2サービング、あわせて5サービング(5 A DAY)以上食べると、栄養バランスを崩さずに健康が保てるというわけだ。
米国農務省(USDA)推奨
1サービングの目安
野菜を摂る最大のメリットとしてあげられるのは、なんといっても生活習慣病の予防。実際、「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)プログラム」に取り組むアメリカでも、がんをはじめとする生活習慣病による死亡率が減少傾向にあるとされている。
しかし、一体、野菜のどの部分にこの偉大なパワーが秘められているだろう?その答えは「色」。野菜の色素は食欲をそそるだけではなく、実際に私たちの体に有効にはたらくパワーが認められているのだ。
野菜の色 | 色素 | 効能 | 代表的な野菜 | |
---|---|---|---|---|
カロテノイド系(リコピン、カプサイシンなど) | がんの予防 | 動脈硬化の予防、胃腸を丈夫にする | トマト/赤ピーマン/金時にんじん/赤唐辛子 | |
カロテノイド系(アルファカロテン、ベータカロテンなど) | 心臓疾患の予防、免疫の増強 | かぼちゃ/にんじん/黄色ピーマン | ||
ポルフィリン系(クロロフィルなど) | 抗アレルギー、体臭・口臭の抑制 | ほうれんそう/緑ピーマン | ||
フラボノイド系(ケルセチンなど) | 血管の保護、血行促進、中性脂肪の減少 | たまねぎ/にんにく | ||
アントシアニン系(ルブロブラシンなど) | 血管の保護、血行促進、抗アレルギー | 赤キャベツ/赤シソ/プルーン |
参考:「野菜の色には理由がある」毎日新聞社