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認知症は脳の病気です

見出しもの忘れ=認知症?

家族 「最近、なんだか忘れっぽくなった」「新しいことを覚えにくくなった」…もしかしてこのまま呆けてしまうのでは!?と自分自身や家族について一瞬ヒヤリとすることはないだろうか?
人間、誰でも歳をとると多少の物忘れが出てくるし、新しいことを覚えるのも昔のように簡単にはいかなくなるもの。これは加齢に伴う生理的な変化による物忘れで、いわゆる「認知症」とは違う。脳そのものの老化は40歳を過ぎた頃から始まると言われているが、老化の速度や程度にはかなり個人差がみられる。一般的には50歳前後で物覚えが悪くなったり、一度会った人の名前を思い出しにくくなったり、物を取りに行って何を取りに来たのかわからなくなったりすることがあるが、中には80歳をすぎても好奇心がいっぱいで物忘れをしにくい、脳の老化の目立たない人もいる。

一方認知症は、一度獲得した知的能力が脳の後天的な変化により著しく低下した状態のこと。病状が進行するにつれて判断力なども低下し、日常生活に支障をきたすようになるが、一番大事なポイントは認知症は脳の障害によって生じる「病気」であるということだ。もちろん歳をとれば誰にでも起こりうることだし、一般的な病気と同様、適切な治療を受ければ改善される症状も多い。いたずらに認知症を怖がらず、まずはきちんとした知識をもつことが大切だ。

物忘れと認知症
  老化にともなう物忘れ 認知症による物忘れ
原因 加齢による生理的な脳の変化による 脳の病気による
物忘れの範囲 体験の一部分を忘れる 体験したことの全体を忘れる
判断力 判断力の低下は見られない 判断力の低下を伴う
自覚症状 忘れっぽいことを自覚し、思い出そうとする 忘れたことを自覚しなくなる
学習能力 新しいことを学習する能力は残っている 新しいことは覚えられない
日常生活 ほぼ差し支えない 支障をきたすようになる
進行状況 少しずつしか進行しない どんどん悪くなってゆく

見出し増え続ける認知症

2009年時点で65歳以上の高齢者は総人口の22.7%を占め、そのうちのほぼ7〜8%の約220万人が認知症の患者にあたるという。総人口に占める高齢者の割合が年々増加していくのと共に、認知症の患者の割合も増加し、2010年には226万人、2020年には292万人にまで増えることが予想されている。
本格的な超高齢社会を生きるにあたり、親の、或いは自分自身の問題として、認知症という病気について是非知っておきたい。
認知症の患者さんの推移
総人口・構成割合推計
 旧厚生省DB
認知症の患者さんの推移
出典:「特発性正常圧水頭症iNPH website」

見出し認知症とはこんな病気です

認知症は記憶障害から始まって知的能力が全体的に低下する病気。病気によって違いがあるが、大体次のように進行する。
認知症の進行
軽度 記憶障害 昔のことは覚えていても現在のことは忘れてしまう。 食事がすんだことや物を片付けたことを忘れて騒ぐ。
見当識障害 「今がいつなのか」「ここはどこなのか」「自分は誰なのか」がわからなくなる。 見当識障害があるかどうかは認知症の重要な判断材料。迷子になったり家族がわからなくなったりする。本人の不安は強い。
中程度 思考・判断力障害 思考力や判断力の低下。 計算ができない、料理ができない、道具が使えないなどの症状が現れる。日常生活にも介護が必要な状態。
高度 言語障害・失行・感覚障害 失行とは体は動かせるのに今までできていた行為ができなくなること。さらに味覚、嗅覚、痛覚などの知覚にも障害が現れる。 食事やトイレなど、生活全般に介護が必要な状態。動作が鈍くなり、体も弱ってくる。

また、認知症は介護の大変さから徘徊、過食、作話などばかりが強調され、必要以上に恐れられているが、中心となる症状は、あくまでも物忘れから始まる知的能力の低下。認知症に伴いやすい問題行動や精神状態は本質的な症状ではなく、随伴症状に過ぎない。こうした随伴症状が出ることをあらかじめ知っておけば、認知症の患者のケアが少し楽になるのではないだろうか。
認知症に伴う症状
徘徊 作話
過食・異食 不安・焦燥
失禁・不潔行為 抑うつ・意欲低下
攻撃的行動 夜間不眠
性的異常行動 覚醒リズム障害
夜間せん妄 妄想・幻覚・錯覚

せん妄とは意識がぼんやりした状態で話したり行動したりすることで、周囲からは奇妙な言動に見える。急に大声を上げて騒いだり、徘徊したりすることも、せん妄が原因である場合が多い。妄想は現実にありえないことを確信している状態のことで、「物を盗られた」「浮気をしている」など、認知症の初期段階に見られることが多い。

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