疾患・特集

ツラい!二日酔いの予防と対策

楽しく飲んだ翌日、とてもツラいのが「二日酔い」です。どうして二日酔いになってしまうのでしょうか。予防策、解決策をご紹介します。

二日酔いってどういうこと?

アルコール分解

アルコールは肝臓で図のような過程を経て分解されます。分解に要する時間は体重や体質によって異なりますが、だいたい1時間にアルコール10cc分、日本酒に換算すると3合のお酒を処理するのに9時間かかることになります。
つまり、飲む量が多く、飲み終わる時間が遅ければ、翌日も体内にアルコールなどが残った状態が続くわけです。これによって起こるのが二日酔いだと言われています。

二日酔いの予防策

予防策はひとつ。翌日まで体内にアルコールが残らない飲み方をすること。例えば、朝7時に起きる人なら、9時間前の前日午後10時までに3合以下の日本酒を飲むようにすればいいのです。
ただし、個人差があるのでこれでも二日酔いになる人もいるでしょう。そういう人は、酒量をこれより減らすか、飲み終わりの時間を早くするか自分で調節してみましょう。

二日酔いの症状が起こるワケ

頭痛、吐き気

二日酔い

なぜ、頭痛や吐き気が起こるのでしょうか。アルコールが分解された第1段階のアセトアルデヒドのせいという説があります。肝臓の処理機能を超えるアルコールが摂取されると、処理できないアルコールは取りあえず血液中に取り込まれ体内を一巡りすることになります。アセトアルデヒドも同様です。
アルコールから変わったものの、次の酢酸に分解しきれないアセトアルデヒドはアルコールと一緒に体内を巡り、体に悪影響を与えます。その代表的なものが吐き気と頭痛というわけです。

体がだるくて起き上がれない、頭がぼうっとする

肝臓のはたらきのひとつに、体のエネルギー源となる糖を作るはたらきがあります。ところが、大量のアルコールを分解するのに一生懸命になると、糖を作るはたらきがお留守になってしまいます。このため、低血糖状態に陥ってしまいます。
このほか、アルコールで麻痺した脳が回復しきっていないということも考えられます。

二日酔いの解消策 ○と×

予防しようと思っても、なかなかできないのが人の性。なってしまってはしょうがないので、何とかスッキリする方法を探すのみです。ただし、二日酔い解消の誤った常識もあるようです。○と×で簡単にご紹介します。

二日酔いに効く食べ物

もっとも効果があるのは、二日酔い用の胃腸薬です。何かお腹に入れるなら、果汁のジュースなどがいいでしょう。
昔から酔い覚ましには柿がいいと言われていますが、これにも一理あります。柿に含まれているカタラーゼという酵素は、アルコールの酸化を活発にさせ、アセトアルデヒドの分解を進める効果があります。また、柿に多く含まれる果糖が、低血糖状態の糖分補給にもなります。
このほか、ようかんなどの和菓子とお茶(お茶に含まれるタンニンの効果)、チョコレートなども効果があるようです。
頭痛の場合はコーヒーが効きます。中枢神経を刺激して興奮させるカフェインのはたらきによるものです。

× 迎え酒を飲む

二日酔いの朝、迎え酒をするとスッキリするといいます。これには理由があるのでしょうか。確かに、アルコールの摂取で一時的に血糖値が上がります。また、昨日飲んだアルコールが中枢神経を麻痺させているため、さらに飲んでも気分なども悪くなりにくいようです。
しかし、これは一時的な気休め。迎え酒のアルコールも分解しなくはならない肝臓のことを考えましょう。結局、二日酔いの症状を長引かせる効果しかないのです。

熱いシャワーを浴びる

熱いシャワーを浴びると血行がよくなり、体の中でのアルコールなどの分解も活発になります。頭も少しはスッキリするはずです。