生活習慣病は、文字どおり「生活習慣」が原因で起こる病気。では一体、どんな「生活習慣」が、どのように危ないのでしょうか。さっそくチェックしてみましょう。同じ家に暮らしていれば、生活習慣も自然と似てくるもの。あなたが危なければ家族も危険!ぜひ家族全員でチェックしましょう。
目次
子供も大人も、1日あたりの砂糖などの摂取量は20gが適量だと言われています(2歳~6歳、80歳以上は15g)。一方、ジュース類に含まれる糖分の量は、1本あたり20gを超えているものが少なくありません。ジュースだけでなく、甘いお菓子類も注意が必要です。小さい箱菓子でも、1日の摂取量を軽く超えてしまいます。
糖尿病、肥満、カルシウムの不足、集中力がなくボンヤリするなど神経の異常。
年齢 | 1 | 2~3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13~15 | 16 | 17~18 |
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摂取量(g) | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 | 120 | 130 | 140 | 150 | 160 | 140 | 130 |
「男性120g、女性100g」という数字は、普通の生活の人が1日に必要な動物性たんぱく質(肉や魚)の量になります。卵は幼児から大人まで1日50g(1個程度)です。このほか、植物性たんぱく質(豆腐、納豆などの豆製品)を1日80g(成人の場合)摂る必要があります。
たんぱく質の摂取を、肉だけに頼るのは危険です。肉の食べすぎは脂肪の摂りすぎをまねきますし、肉の脂肪に含まれる飽和脂肪酸も生活習慣病のもとになります。
ただし、運動部に所属している学生、肉体労働が多い人は別と考えましょう。
15歳~19歳の男子の場合、肉や魚は210g、成人男子で180gぐらいが必要です。また、個人差が大きい幼児期も、よく動く子で特に太ってもいないのなら、厳密に摂取量を守る必要はありません。もちろん、肉だけでなく魚や豆製品もバランスよく食べることが大切です。
脂肪の摂りすぎによるもの…肥満、心臓や肝臓に脂肪がたまります。
脂肪心や脂肪肝など飽和脂肪酸の摂りすぎによるもの…高血圧、動脈硬化、心臓病。
また、結腸がん、肺がん、乳がんなどにもなりやすいといわれています。
日本人の約4割は、塩分を摂ると血圧があがってしまう体質(食塩感受性)だと言われています。
このため、厚生労働省では1日6g未満にとどめるよう勧めています。普段の食事も、なるべく薄味にすることが大切です。
ところが、インスタント食品の場合、塩分の調整がなかなかできません。
例えば、インスタントラーメンに含まれる食塩の量は約5g。1日の半分の食塩を1食で摂ることになってしまいます。
また、インスタント食品やスナック菓子などには、不飽和脂肪酸や、カルシウムの吸収を阻害するリン(リン酸塩)も多く含まれています。
高血圧…動脈硬化、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)。
年齢 | 1~2 | 3~5 | 6~8 |
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摂取量 | 120g | 150g | 210g |
いろいろな野菜に含まれるビタミンやミネラル。これらは、体組織の成長や保持、機能調節の役割を果たしているだけでなく、生活習慣病を防ぐはたらきをしていることも明らかになっています。
9歳以上が、1日に摂りたい野菜類の量は、野菜300g(そのうち3分の1以上は、ほうれんそうやにんじんなどの緑黄色野菜からとる)、芋類100g、果物200g。 あなたの家庭では、ちゃんと摂取できているでしょうか。
ビタミンA ベータカロチン |
がん予防 | 緑黄色野菜、海藻類、レバー |
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ビタミンC | がん、脳卒中予防 | 野菜、果物、芋類 |
ビタミンE | 動脈硬化、高血圧予防 | 緑黄色野菜、植物油、魚、卵 |
食物繊維 | 大腸がん、虚血性心疾患、動脈硬化など | 納豆、おから、ごぼう、野菜類 |
最低限の活動しかしなかった場合、1日に消費されるカロリーは大体1,900~2,100kcalぐらいとなります。日本人が1日に摂るカロリーは平均2,200kcal(厚生労働省による)ですから、1日あたり100~300kcal余り、脂肪として体に貯えられることになります。100kcal分の脂肪は11gと少量ですが、毎日体に貯め続ければ、3年で約12kg。馬鹿にできない数字です。
子供の場合、簡単には計算できませんが、太り気味で外遊びがキライというなら、運動不足が原因のひとつと考えていいでしょう。
高血圧、心臓病、脂肪肝、糖尿病など。
夫だけがたばこを吸っている家庭なのに、妻が肺がんで死亡してしまう…。その危険性は、夫婦ともに吸わない家庭に比べて約1.5倍高くなるといいます。また、子供の肺炎や気管支炎の発生率も、喫煙家庭は2倍に高まるそうです。たばこは自分だけでなく、周りの家族も「生活習慣病予備軍」に巻き込んでしまうのです。
お酒については、一般的に1日に飲む量が日本酒で3合を超えると、急に心身の障害が増えてくることが確認されています。
したがって、日本人の飲酒量の限界はだいたい1日2合以下と考えたほうがよいでしょう(ビールなら大ビン1本、ウイスキーならダブル1杯半)。
また、週に2回はお酒を飲まない「休肝日」を設けるとよいでしょう。
たばこ…がん(特に肺がん)、虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞)、胃潰瘍など。
アルコール…アルコール性脂肪肝、肥満(おつまみが原因)など。
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