良性の可能性が非常に高いです。年に1回定期的に検診を。
ご質問のマンモグラフィについて解説しましょう。
MLOとは日本語に訳しますと「内外斜位方向撮影」となり、一方向の撮影で乳房全体を最も広く描出することができる撮影方法です。LLとはleft(左)、Lower(下部)の略で、左乳房の下半分を指します。この部位に右にはない長径7mmの陰影があるため、カテゴリー3と診断されました。カテゴリー3とは「良性、しかし悪性を否定できず」との判定です。よって良性の可能性が非常に高いため心配しないで下さい。出来れば1年に1回定期的に検診を受けられたら良いと考えます。
乳房検診を専門的に行っている病院は数多くあると思いますが、ご参考までに私がかつて勤務しておりました癌専門病院での、乳房検診(マンモグラフィ、超音波、触診)の費用は13,000円です。検診を受け、精検が必要とされたら、癌研病院の乳腺外科を受診して、病変部の組織を採取して顕微鏡で調べる組織診断をする流れとなります。
ご回答いただいた
小川一誠 先生
ドクターご活躍の場所 | 愛知県がんセンター名誉総長 |
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ご専門 | 臨床腫瘍学(癌の化学療法) |
ご経歴 | 名古屋大学医学部卒業 愛知県がんセンター内科医員 メモリアル・スローン・ケッタリング癌センター(米国ニューヨーク市)留学 愛知県がんセンター内科医長 癌研究会癌化学療法センター臨床部部長 癌研究会付属病院化学療法科部長 癌研究会付属病院副院長 愛知県がんセンター病院長 愛知県がんセンター総長 愛知県がんセンター名誉総長 |
著書 | がんの早期発見と治療の手引き(小学館)、抗癌剤の選び方と使い方(南江堂)ほか |
所属団体 | 日本癌学会、日本癌治療学会、日本乳癌学会、日本血液学会、米国癌学会、米国臨床腫瘍学会、欧州臨床腫瘍学会 |
先生からの一言 | 癌の一次予防は、禁煙、バランスのとれた食生活、適度の運動などの生活習慣です。二次予防は、定期的に癌の検診を受けることです。癌は予防可能な病気であり、早期診断・早期治療で治癒します。 |