疲れやすい、つまづきやすいなどの
症状が気になる方
その体の異変、
神経の疾患(SMA)
かもしれません
その体の異変、
SMAかもしれません
脊髄性筋萎縮症(SMA)とは
脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう:SMA)とは、運動のために使用する筋肉をコントロールする神経に影響を及ぼす、遺伝性の希少疾患です。体の手や足の筋肉は、「運動ニューロン」と呼ばれる神経細胞が、脳や脊髄など中枢神経からの信号を伝えることで、動きます。SMAは、この「運動ニューロン」に変化が起こり、中枢神経からの信号が筋肉に届かなくなってくる疾患です。徐々に筋力の低下や萎縮がおこります。
SMAには、乳児期から成人期まで、発症時期によりいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴的な症状があります。いずれのタイプの患者さんでも、徐々に筋力が弱くなり、これまでできていた運動ができなくなっていく病気です。
身体の異変が気になるときには早めに専門医(神経内科もしくは脳神経内科)に受診し、診察を受けることをお勧めします。

SMAのない人では、SMN1遺伝子が、SMNタンパク質をつくっています。SMNタンパク質は、運動神経(運動ニューロン)のはたらきを維持しています。運動神経は、脳や脊髄からの信号を筋肉に伝える役割を持っています。
SMAのある人では、多くの方がSMN1遺伝子を持っていません※。そのため、SMN1遺伝子からはSMNタンパク質をつくることができません。
かわりに、SMN1遺伝子の「バックアップ遺伝子」であるSMN2遺伝子からSMNタンパク質がつくられます。
しかし、SMN2遺伝子からつくられるのは、ほとんど(90%)が不完全なSMNタンパク質です。
このため、運動神経のはたらきが維持できなくなります。
※ほとんどのSMAはSMN1遺伝子の欠失または変化によって起こりますが、ほかの遺伝子が関わっている場合もあります。
運動ニューロンに変化が生じると、筋肉が萎縮して、筋肉量と筋力が徐々に低下します。
※ 図はイメージです。神経の状態は、それぞれ異なります。
青年や成人の場合は、「おもに下肢から始まる筋力低下(疲れやすくなる、歩きにくくなる、階段昇降が難しいなど)」といった症状によって、SMAが疑われることが多いようです。
確定診断までには総合的な判断が必要となりますが、現在では、確定診断のための遺伝学的検査(SMN1遺伝子の欠失や変化があるかどうかを見る血液検査)が普及してきています。
SMAの患者さんに
多い初期症状
- 階段が上りづらい
- 疲れやすい
- 起き上がりにくい
※他にも症状があります。詳しくは下記の「気を付けてほしい症状」をご参照ください。
SMAは症状が始まる年齢と運動発達レベルにしたがって、4つのタイプに分かれます。
10代後半から成人期にかけてはⅣ型に分類されます。
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気を付けてほしい症状 | ||||
---|---|---|---|---|
タイプ | 発症年齢 | 到達できる 最も高い運動機能 |
初期 | その他 |
Ⅲ型 | 生後18ヵ月~ 青年期 |
支えなしで歩ける (徐々に、歩けなくなっていくこともある) |
知的に正常 | |
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Ⅳ型 | 青年期~ 成人期 |
運動発達は正常範囲 | 知的に正常 | |
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作成:バイオジェン・ジャパン株式会社
SMAと似たほかの疾患もあります。
- Spinal muscular atrophy with respiratory distress(SMARD)
- 遠位遺伝性運動ニューロパチー(V型SMAと呼ばれることもあります)
- ケネディー病(KD)(球脊髄性筋萎縮症(SBMA)ともいいます)など
気になる症状がある場合は専門医の受診をお勧めします。
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