疲れやすい、つまづきやすいなどの症状が気になる方へ
脊髄性筋萎縮症(SMA)という
病気があります

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脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう:SMA)とは、運動のために使用する筋肉をコントロールする神経に影響を及ぼす、遺伝性の希少疾患です。SMAには、乳児期から成人期まで、発症時期によりいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴的な症状があります。いずれのタイプの患者さんでも、徐々に筋力が弱くなり、これまでできていた運動ができなくなっていく病気です。
お子さんの場合は、親が「子どもの運動発達の遅れ」に、いち早く気付き、早期診断・早期治療を行うことがとても大切です。
成人の方の場合は、身体の異変が気になるときには早めに神経内科に受診し、検査を受けることをお勧めします。

原因不明の、疲れやすさや、つまづきやすいといった症状がある?
SMAの症状をチェック

SMAは症状が始まる年齢と運動発達レベルにしたがって、4つのタイプに分かれます。

タイプ 発症年齢 到達できる
最も高い運動機能
特徴的な症状
Ⅰ型 生後6ヵ月まで お座りできない
  • 首がすわりにくい
  • 咳が弱い、泣き声が弱い
  • 食べものを噛む、飲みこむ力が弱くなってくる
  • 手足などの筋力が弱くなってくる
  • 横になると「カエルの足」のようになる
  • 体の両側に、重い筋力低下がある
  • 呼吸に必要な筋肉の筋力が弱くなる(シーソー呼吸など、呼吸が変化する)
Ⅱ型 生後7ヵ月~18か月 座った姿勢を保てる
(立つことができない)
  • 筋力が全体的に低下する
  • 飲み込みや呼吸に障害がおこることがある
  • 筋肉痛や関節のこわばりがおこる
  • 背骨の弯曲(脊柱側弯症)がおこると、装具や手術が必要となることが多い
Ⅲ型 生後18ヵ月~青年期 支えなしで歩ける
(徐々に、歩けなくなっていくこともある)
  • 背骨の弯曲(脊柱側弯症)がおこる
  • 飲み込みが難しくなる
  • 筋肉の痛みがある
  • 関節が動きにくくなり、一部の関節を使いすぎてしまう
※一般に、腕よりも脚の筋肉の方が影響をうけることが多い
Ⅳ型 青年期~成人期 運動発達は正常範囲
  • 10代後半から成人期にかけ、筋力低下や手足のふるえ、筋肉のひきつりや痛みがあらわれはじめる
  • 体の中心に近い方から筋力の低下が始まることが多い

また、SMAと似たほかの疾患もあります。

  • Spinal muscular atrophy with respiratory distress(SMARD)
  • 遠位遺伝性運動ニューロパチー(V型SMAと呼ばれることもあります)
  • ケネディー病(KD)(球脊髄性筋萎縮症(SBMA)ともいいます)

SMA(脊髄性筋萎縮症)はこんな病気

体の手や足の筋肉は、「運動ニューロン」と呼ばれる神経細胞が、脳や脊髄など中枢神経からの信号を伝えることで、動きます。SMAは、この「運動ニューロン」に変化が起こり、中枢神経からの信号が筋肉に届かなくなってくる疾患です。徐々に筋力の低下や筋の萎縮がおこります。
SMAの多くは、 survival of motor neuron 1(SMN1)と呼ばれる遺伝子が変化することでおこります。この遺伝子が作り出すsurvival of motor neuron(SMN)と呼ばれるタンパク質は、運動ニューロンの正常な機能を維持するはたらきがあります。SMAのある人では、多くの方がSMN1遺伝子を持っていないため、SMNタンパク質をつくることができません。SMNタンパク質が十分に作られないと、脊髄内の運動ニューロンは徐々に消失(脱落)し、中枢神経からの信号が、筋肉まで届かなくなります。

SMAの検査と診断は?

お子さんの場合は「だらりとした状態(フロッピー症状)」や「運動発達の遅れ(10ヵ月を過ぎてもおすわりをしない、1歳になったのにつたい歩きをしない など)」によって、また、青年や成人の場合は、「おもに下肢から始まる筋力低下(疲れやすくなる、歩きにくくなる、階段昇降が難しい など)」といった症状から、SMAが疑われることが多いようです。
確定診断までには総合的な判断が必要となりますが、現在では、確定診断のための遺伝学的検査(SMN1遺伝子の欠失や変化があるかどうかを見る血液検査)が普及してきています。

SMAイメージお子さん SMAイメージ成人
(写真はイメージです)