おしえて先生

衣服の上からのインスリン注射?

モトナース(#)・30~39歳女性 2008/04/02 投稿

義理の父は、10年以上前からインスリンを腹部に自己注射しています。
その義父から、先日「最近は衣服の上から注射をしてもいいそうだが、本当か?」とたずねられました。実は私は8年前まで看護師をしていたため、たまに義父から糖尿病に関する質問を受けることがあります。
私が看護師をしていた頃は、注射をする前には皮膚をアルコールで消毒するようにと指導していました。しかも、糖尿病の患者さんは感染症にかかりやすいですし、注射針も細いので、そう考えると衣服の上から注射していいとは思えません。ただ、看護師をやめてからだいぶ経っているので、医療現場ではそのように変わったのかな?とも思います。
義父の質問に対し、どう答えていいか分かりません。インスリンは衣服の上から注射してもいいのですか?教えてください。

原則は従来と変わらず、消毒し、皮膚をつまんで皮下に。

皮膚を消毒しないで衣服の上から注射しても、感染を起こした例はあまり無いとされ、実際に行われていますが、原則は従来と変わらず、手指など消毒して、皮膚をつまんで皮下に決められた量を注射することをお勧めします。そして注射部位も少しずつ位置を変えていきます。
主治医によく相談なさってみて下さい。

ご回答いただいた

板倉弘重 先生

ドクター
ご活躍の場所 日本動脈硬化学会 名誉会員
日本ポリフェノール学会 理事長
日本栄養・食糧学会 名誉会員
日本臨床栄養学会 理事長
国立健康・栄養研究所臨床栄養部長
ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授
ご専門 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医
ご経歴 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。
カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。
2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。
日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。
2006年「瑞宝双光章」受賞。
2009年度国際栄養学連合(IUNS)のFellowに認定(栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人)。
2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
所属団体 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長
先生からの一言 楽しく健康になりましょう。