子どもの運動発達の遅れが気になる方
乳児期から小児期に
SMAを発症するのは、
10万人あたり1~2人
脊髄性筋萎縮症(SMA)とは
脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう:SMA)とは、運動のために使用する筋肉をコントロールする神経に影響を及ぼす、遺伝性の希少疾患です。体の手や足の筋肉は、「運動ニューロン」と呼ばれる神経細胞が、脳や脊髄など中枢神経からの信号を伝えることで、動きます。SMAは、この「運動ニューロン」に変化が起こり、中枢神経からの信号が筋肉に届かなくなってくる疾患です。徐々に筋力の低下や萎縮がおこります。
SMAには、乳児期から成人期まで、発症時期によりいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴的な症状があります。いずれのタイプの患者さんでも、徐々に筋力が弱くなり、これまでできていた運動ができなくなっていく病気です。
お子さんの場合、親御さんが「子どもの運動発達の遅れ」に、いち早く気付き、早期診断・早期治療を行うことがとても大切です。

SMAのない人では、SMN1遺伝子が、SMNタンパク質をつくっています。SMNタンパク質は、運動神経(運動ニューロン)のはたらきを維持しています。運動神経は、脳や脊髄からの信号を筋肉に伝える役割を持っています。
SMAのある人では、多くの方がSMN1遺伝子を持っていません※。そのため、SMN1遺伝子からはSMNタンパク質をつくることができません。
かわりに、SMN1遺伝子の「バックアップ遺伝子」であるSMN2遺伝子からSMNタンパク質がつくられます。
しかし、SMN2遺伝子からつくられるのは、ほとんど(90%)が不完全なSMNタンパク質です。
このため、運動神経のはたらきが維持できなくなります。
※ほとんどのSMAはSMN1遺伝子の欠失または変化によって起こりますが、ほかの遺伝子が関わっている場合もあります。
運動ニューロンに変化が生じると、筋肉が萎縮して、筋肉量と筋力が徐々に低下します。
※ 図はイメージです。神経の状態は、それぞれ異なります。
お子さんの場合は「だらりとした状態(フロッピー症状)」や「運動発達の遅れ(10ヵ月を過ぎてもおすわりをしない、1歳になったのにつたい歩きをしないなど)」によって、SMAが疑われることが多いようです。
確定診断までには総合的な判断が必要となりますが、現在では、確定診断のための遺伝学的検査(SMN1遺伝子の欠失や変化があるかどうかを見る血液検査)が普及してきています。
SMAの患者さんに
多い初期症状
- お座りがなかなかできない
- 1歳6ヵ月を過ぎても立つことができない
- 歩くのが困難
または徐々に歩けなくなってくる - 呼吸や、食べ物の飲み込みに支障が出てきた
※他にも症状があります。詳しくは下記の「気を付けてほしい症状」をご参照ください。
SMAは症状が始まる年齢と運動発達レベルにしたがって、4つのタイプに分かれます。
生後18ヵ月頃まではⅡ型に分類されます。
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気を付けてほしい症状 | ||||
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タイプ | 発症年齢 | 到達できる 最も高い運動機能 |
初期 | その他 |
Ⅰ型 | 生後6ヵ月まで | お座りができる | 知的に正常 | |
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Ⅱ型 | 生後7ヵ月~ 18か月 |
座った姿勢を保てる (立つことはできない) |
知的に正常 | |
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作成:バイオジェン・ジャパン株式会社
SMAと似たほかの疾患もあります。
- Spinal muscular atrophy with respiratory distress(SMARD)
- 遠位遺伝性運動ニューロパチー(V型SMAと呼ばれることもあります)
- ケネディー病(KD)(球脊髄性筋萎縮症(SBMA)ともいいます)など
気になる症状がある場合は専門医の受診をお勧めします。
SMA情報ダイヤルにて
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「SMA情報ダイヤル」は、SMA(脊髄性筋萎縮症)という希少疾患について情報提供を行う電話窓口です。
あまり知られていない病気について知りたい、起こりやすい症状や、病院で行われる検査、専門の医療機関や治療を受けるには、どうすればいいかなどについて、お電話でご案内いたします。
SMA情報ダイヤルで提供できる情報
- SMA(脊髄性筋萎縮症)という病気について
- SMAで起こりやすい症状について
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- 個別の症状や治療に関するご相談はかかりつけ医にご相談ください
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