ダイエット、生活習慣病予防と健康を気にするときに、何かと目の敵にされるのが「肉」。だが、肉は吸収のよい良質なアミノ酸やビタミン類を豊富に含む、栄養豊富な食品だ。そこで今回は肉の持つ栄養効果に大注目!最近、何かと話題になる羊肉、馬肉、鯨肉についても一挙ご紹介しよう。 アミノ酸は心と体のマルチサポート役だ! 肉の持つ栄養素、たんぱく質をギリシア語で言うと、「プロテイン」。「第一」という意味だ。このことからもわかるように、筋肉や内臓の構成要素となるたんぱく質は、生命を維持する上でなくてはならない栄養素である。それだけではない。たんぱく質を構成するアミノ酸には次のような効果がある。 アミノ酸の効果 ●集中力を高める ●精神を安定させる ●シミやシワを防ぐ ●風邪をひきにくくする ●体力を増強する ●二日酔いを防ぐ ●脳のはたらきを向上させる ●記憶力を保つ アミノ酸は神経伝達物質の材料になるばかりでなく、肌の組織を形成し、免疫細胞の材料にもなる。また、疲労物質の発生を抑え、肝機能をもサポートする。まさに心身のマルチサポート役というわけである。もうひとつ注目したいのが、「うつ予防効果」。必須アミノ酸のひとつ、フェニールアラニンは、抑うつ症状を解消し、気分を高揚させるはたらきを持つ。 アミノ酸をとくに多く含んでいるのは、なんといっても動物性たんぱく質だ。したがって、肉の摂取量が極端に少ないと、大切なアミノ酸を摂ることができず、体や心にいろいろな不調が現れる可能性がある。適切な分量を心がけさえすれば、肉は強力にあなたの健康をサポートしてくれるだろう。 3大ミートの栄養効果を知ろう 牛肉…たんぱく質と鉄分の王様 良質なたんぱく質と鉄分がいっぱい。必須アミノ酸も豊富に含まれている。とくに赤身の肉には、吸収されやすいヘム鉄やビタミンB12が多い。亜鉛も多く、貧血や風邪の予防、味覚障害の改善、成長促進が期待できる。 豚肉…ビタミン B を摂るならコレ! ビタミンB1の多さはダントツ。疲労回復、ストレスの緩和、風邪予防に効果がある。さらに悪玉コレステロールを下げるオレイン酸やステアリン酸も多い。体の皮膚や神経を健康に保つナイアシンも豊富だ。 鶏肉…ビタミンAとコラーゲンの宝庫 アミノ酸のバランスがよい。カルシウムの吸収や、皮膚の保水性をアップするコラーゲンもたくさん含まれている。このほか、肌荒れに効果のあるビタミンAも豊富なので、美肌づくりに最適な食品と言えるだろう。 お肉の脂肪が気になる場合は、煮たり蒸したりすれば、余分な脂肪も落とすことができ、ヘルシーに食べることができる。焼く場合には、フライパンや鉄板より、網焼きの方がおすすめだ。 知っておきたい 話題の肉の栄養効果 羊肉(ラム、マトン) ビタミンB12、胃腸病や皮膚炎を防ぐナイアシン、老化の予防やリスクを下げる可能性があるといわれるビタミンEがいっぱい!また、コラーゲンが多く、皮膚や骨、目の老化防止効果が期待できる。がん予防やアレルギー体質、関節痛の改善効果も。脂質の代謝を促進したり悪玉コレステロールの蓄積を防ぐカルニチンも豊富なので、ダイエットや生活習慣病予防にもよい。 馬肉 馬肉は牛肉や豚肉より低カロリーで、健康的な食品だ。また、エネルギー源となるグリコーゲンは牛肉の約3倍。カルシウムも牛肉や豚肉の3倍とされる。ビタミン(A・B12・E) 、ペプチド、リノレン酸も豊富。鉄分も豊富で、貧血予防に効果がある。 鯨肉 低脂肪、低コレステロール、低カロリーの三拍子が揃ったヘルシー食品。血管系の病気やがん予防によいとされるエイコサペンタエン酸(EPA)や、脳のはたらきを活発にするドコサヘキサエン酸(DHA)などの不飽和脂肪酸が多いことでも知られ、生活習慣病の予防効果が期待できる。 公開日:2006年12月4日
いまやさまざまなデメリットが指摘される日焼け。とくにシミやシワなど、肌のトラブルに悩む方も多いのでは。そんなときの強い見方、日焼け止めの選び方から、日傘の差し方まで、紫外線カットの方法をご紹介。 目次 紫外線は、私たちを老けさせる 日焼け止めの選び方のコツ 紫外線防止のコツ エトセトラ 紫外線は、私たちを老けさせる 夏の間、リゾート地でのんびり肌を焼いてきました…。 こんな「バカンス焼け」がステータスだったのは、過去のこと。いまでは日焼けによるさまざまなデメリットが指摘されている。 下の表にあげたように、紫外線を浴び続けることで体に現れる影響は、どれも私たちの老化をうながすものばかり。とくにシミやシワなど、紫外線による肌の老化を「光老化」といい、いかに紫外線をカットするかが、見た目年齢の若さを保つカギ。肌への影響以外にも、白内障や皮膚がんを招く原因のひとつと考えられており、春先の花粉のように、夏の紫外線にも徹底した対策が必要だ。 紫外線によるトラブル トラブル トラブル発生のメカニズム シミをつくる 紫外線を浴び続けることによって、メラニンをつくる色素細胞の遺伝子に変異が生じ、メラニンを過剰に作り出すため。 シワをつくる 真皮まで届いた紫外線が、真皮にあるコラーゲンやエラスチンといった、ハリや弾力に関わる繊維を小さく切ってしまう酵素(コラゲナーゼ)を生成するため。 髪がパサつく 紫外線にあたることで、髪のメラニン色素が変質して赤茶けたり、水分が失われたりするため。 白内障の原因となる 紫外線は角膜を通過して水晶体で吸収されるが、その際、水晶体のたんぱく質に変化を起こし、濁らせてしまうため。 全身の免疫力を低下させる 皮膚の免疫を担当するランゲルハンス細胞のはたらきが、紫外線によって損なわれるため。その結果、細菌やウイルスに感染しやすくなったり、体調を崩しやすくなったりする。 皮膚がん発生の原因となる 紫外線が皮膚細胞に吸収され、遺伝子DNAを傷つけてしまうため。 日焼け止めの選び方のコツ 紫外線を防ぐには肌を露出しないのが一番だが、暑い夏にはツライもの。そこで活躍してくれるのが日焼け止め(サンスクリーン剤)だ。 日焼け止めは、主に紫外線吸収剤と、紫外線散乱剤から構成されている。紫外線吸収剤は、成分が紫外線をいったん吸収し、それを熱エネルギーに変えて放出するもの。一方、紫外線散乱剤は、紫外線をはね返すはたらきがある。 日焼け止めを選ぶとき、必ずチェックしたいのが「SPF値」と「PA値」だ。 SPF(Sun Protection Factor) 日焼けを起こす紫外線B(UV-B)を防ぐ指標で、SPF1の効果はおよそ20分前後といわれている。SPF値が高いほど、紫外線を防ぐ効果が高まるという面もあるが、SFP30を過ぎると紫外線の害への防御率はあまり変わらなくなるとも。アメリカやオーストラリアではSPF値の上限は30とされ、日本では現在、SPF50+が最大値となっている。 PA(Protection grade of UVA) 紫外線A(UV-A)を防ぐ効果を表している。+の数によって三段階に表示され、「+++」は「非常に効果がある」という意味。 「SPF値」と「PA値」を知った上で、さらに自分の肌のタイプと用途に合わせて、日焼け止めを使い分けるのも、効果的な紫外線対策のポイント。肌のタイプは、紫外線にあたったときの反応によって3つのタイプに分けられる。スキンタイプ1の人は、紫外線による影響を受けやすいため、SPF値が高めのものを選んでみよう。また、晴れた日にスポーツをしたり、山や海に出かけるなら、SPF値、PA値ともに高いものを選び、こまめに塗り直そう。 肌のタイプと用途に合わせて、日焼け止めを使い分けよう スキンタイプ1赤くなるが、黒くならない スキンタイプ2赤くなって、黒くなる スキンタイプ3すぐに黒くなる 日常生活など(~1時間) SPF10PA+ ~SPF10PA+ ~SPF5PA+ 散歩や外出など(1~3時間) SPF30PA+++ SPF20PA++ SPF10PA+ 屋外でのレジャーなど(3時間~) SPF50PA+++ SPF30PA+++ SPF20PA++ 紫外線防止のコツ エトセトラ 日焼け止め以外にも、紫外線をカットする方法がいくつかある。効率よく紫外線を防ぐコツをご紹介しよう。 ●紫外線を通しにくい衣類の素材は? おすすめは、ポリエステルと綿の混紡素材。長袖で、襟のついたものを選べば、紫外線予防効果もアップ。素材が同じであれば、生地の織り方が密なもの、厚手のものの方が効果的。また、UVカットに加え、吸湿性、速乾性を備えた素材もどんどん開発されているので、チェックしてみて!また、洗うだけで有効成分が生地に染み込み、UVカット効果を発揮するという洗剤も。 ●日傘の持ち方でも紫外線カット率が違う 日傘は、紫外線防止の強い味方。黒以外の色の日傘でも、紫外線防止効果がある。ただし、横から届く空気中の散乱紫外線や、地面や壁を反射して届く紫外線を防ぐことが難しいので、日傘を差していても手や顔などに日焼け止めを塗るのを忘れずに。また、日傘の布と肌が離れれば離れるほど紫外線カット率が低下するといわれているので、日傘の柄を短く持って。 ●サンバイザーは便利だけど…。理想はやっぱり麦わら帽子 「ちょっとそこまで…」というとき、さっとかぶれる便利なサンバイザー。しかし、つばが前方にしかないので、顔の側面や首の紫外線を避けることができない。野球帽も同じ理由で、紫外線を防止するという意味ではあまり効果が期待できない。なるべくつばの広い帽子をかぶり、日光が直接顔に当たらないようにしよう。 ●目を守るサングラスで、目を傷めてしまう!? ファッション性が高いサングラスだが、紫外線から大切な目を守る効果が高く、日常生活でこそ活躍させるべきもの。ただ、色の濃いサングラスをかけていると視界が暗くなるため瞳孔が開き、横からの散乱紫外線が入り込んでしまい、結局は目を傷めてしまう。水晶体にまで届くUV-Aをカットする「UVカット」の表示があるもので、薄い色のものを選ぼう。 公開日:2005年6月13日
女性の悩みは奥が深い。人に言えず、相談できなくてひとりで悩んでいることも少なくない。そこで、女性がどんな悩みをもっているのかを、一覧にしてみました。 女性の方は「そうそう、私も!」と共感できるのでは?もちろん、男性の方もどんなことで女性が悩んでいるのか、知ってみるのもいいかも! 女性によく見られる病気・症状 冷え症 体の特定部分だけが冷たく感じるもの。特に、腰や手足を訴える人が多い。最近は、オフィスの冷房が効き過ぎて冷え症になる女性が多い。循環機能の異常や自律神経の異常(自律神経は、血管の伸び縮みを調節する)などが原因だといわれているため、単に厚着をするだけでなく、自律神経のはたらきを正常にしなければ冷え症を解決することはできない。 貧血 簡単に言うと、血液中の赤血球が不足している状態。女性は特に生理などで血液(鉄分)を失うため、貧血になりやすい。主な症状は、だるい、疲れやすい、動悸、息切れ、めまい、青白い顔など。無理なダイエットによる偏食や、不正出血などがある場合には鉄分は不足しやすいので要注意。 肥満 肥満には、「リンゴ型」と呼ばれる内臓脂肪型肥満や、「洋ナシ型」と呼ばれる皮下脂肪型肥満などがある。洋ナシ型肥満が皮下脂肪が厚いのに対し、リンゴ型肥満は内臓のまわりに脂肪がつく。外見は太っていなくても、「肥満」には注意が必要。また、どれだけでも食べてしまう「過食症」は、心理的な要因が関係している場合が多く、とくに10~20代に起こりやすい。 拒食 「過食症」の反対が「拒食症」。とはいえ、どちらも食に対する異常な行動ということから摂食障害という病気とされている。「痩せることへの願望」=「太ることへの強迫観念」から起こるが、その裏にはストレスなどが隠れている場合があるので、カウンセリングが必要になることも。 肩こり デスクワークが多いと肩こりはつきもの。「こり症だから仕方がない」と諦めたり、マッサージなどをすることが多いが、ほかの病気が原因となっていることもある。 低血圧 普通より血圧が低い(最高血圧が100mmHg以下など)状態。あまりはっきりした原因が見当たらないことが多い。が、神経系や心臓の病気などがある場合があるので、気になるなら一度診察してもらおう。一般的に、痩せていて胃が弱く、偏食の人にみられる。 頭痛 慢性的に起こる頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛に分けられるが、片頭痛は女性が多いと言われている。ズキンズキンと脈を打つような痛みが特徴だが、原因がはっきりしないことが多く、医者泣かせの病気のひとつだ。また、緊張型頭痛は肩こりや精神的な緊張によって起こるもので、これも女性に多いと言われる。 便秘・下痢 排便のリズムは人それぞれだが、4日以上排便がないと便秘。ただ、毎日出ていても、ウサギのフンのようにコロコロしていたり、排便が困難なようなら、便秘である。朝食を抜いたり、便意をもよおしてもトイレをガマンしてしまうと便秘になりやすい。また、最近は過敏性腸症候群といって、ストレスから便秘や下痢になることも多い。 口臭 他人のニオイもさることながら、自分のニオイを気にする女性は多い。口臭だけでなく、ワキガ、足などのニオイも気になる。しかし、実際には臭わないのに「自分はクサイ」と思いこんでいる心理的な要因から、ひとりで悩みこんでしまう人も。 肌荒れ 20代後半からだんだん肌のトラブルが増えてくる。食生活や睡眠など、生活の乱れが肌に出やすくなり、肌荒れ、くすみ、ニキビ、シミ、ソバカス、シワなどが気になり、「昔はもっとすべすべだったのに」と嘆くことが多くなる。 外反母趾 足の親指が小指側に曲がり、親指のつけ根の関節が内側に出っ張って痛む病気。出た部分が靴にあたって炎症を起こし、靴が履けなくなるほど痛むことがある。ヒールのような窮屈な靴を履く人に多く起こる。あまりにひどい場合には、整形外科で矯正のための手術が必要になる。 骨粗鬆症(こつそしょうしょう) 骨からカルシウムが溶けだし、スカスカの骨になってしまう病気。骨折しやすくなる。女性ホルモンには骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐはたらきがあるため、女性ホルモンが少なくなる(つまり、閉経後)とカルシウムが急激に減る。50歳ごろより発症する人が急激に増える。
紫外線が気になる季節。そこで、あらためて考えたいのが、紫外線とシミの関係です。紫外線対策はいつまで必要なのでしょうか。シミはなぜできるのでしょうか。 目次 紫外線は、秋や冬、春先もたっぷり 今はできていなくても。「潜在シミ」のできるメカニズム シミができる原因はそのほかにも 紫外線は、秋や冬、春先もたっぷり ギラつく太陽がやわらぎ、風が涼しさを増してくると、ほっとひと息。紫外線ケアをする手も、つい緩みがちになる。だが、油断は禁物。ご承知の通り、紫外線の影響は年中無休。雨の日でも真冬でも降り注ぎ、肌にダメージを与えているのだ。 シミ、シワといった肌の老化の、実に約80%が紫外線によるもの。これからの季節もケアは万全に。一般に、一生の間に浴びる紫外線の量が少ないほど、シミやシワは少ないとされている。 日本における有害紫外線量のグラフ 今はできていなくても。「潜在シミ」のできるメカニズム では、実際に、紫外線はどのように肌に影響し、シミを作り出すのだろうか。わかっているようで曖昧なこのメカニズムを簡単にまとめてみよう。 「シミ」とはそもそも、紫外線などの刺激から肌を守るために作られるメラニンの量が、部分的に、増えたままになった状態のこと。 健康な肌ならば、日焼けなどによって一時的にメラニンの生成量が増えても、ほぼ28日周期で細胞が入れ替わり、元に戻る。 だが、強い紫外線を長く浴び続けていたり、繰り返し浴びることによって、メラニンを作るメラノサイトという細胞が活性化しやすくなり、わずかな紫外線でもメラニンを作りはじめる性質になる。 と、同時に、長い間の紫外線の影響によって、肌の奥・真皮層にまでダメージを受けた部分にトラブルが発生。メラニンの生成量が増えたままになったり、正常な細胞の入れ替わりが行われず、ついには色素沈着してしまったのが「シミ」だ。 つまり「シミ」は、長年の紫外線の影響が積み重なり、表面化したもの。多くの場合、一度ならず日焼けしたことのある人は、シミになる可能性を肌の奥に抱えている。それが「潜在シミ」。あなたの肌は大丈夫だろうか!? 紫外線の種類と肌への影響 A波 表皮を通り越して「真皮層」へ到達。肌の弾力や潤いを保つコラーゲンなどを破壊し、シミやシワの原因となる。 B波 表皮にダメージを与え、シミ・そばかすの原因となるメラニンの生成を活性化させる。日焼けによって肌が赤くなったり、皮膚がむけたりするのも、このB波の影響。 ■健康な肌の内部 基底層のメラノサイトで作られたメラニンは、細胞の新陳代謝によって表皮へと押し上げられ、角質として排泄される。 ■潜在シミのある肌の内部 紫外線B波によってメラノサイトが活性化し、メラニンを増産。同時に、A波によってダメージを受けた部分が色素沈着しやすい状態に。 シミができる原因はそのほかにも 上で紹介したシミは、積年の紫外線によるダメージが表面化した、いわゆる老人性色素斑。残念だが、名前は「老人性」でも、年齢とはあまり関係がなく、早い人では20歳代の後半から現れてくる。また、紫外線以外でシミの原因となるものには、次のようなものもある。 ●ニキビなどの炎症による色素沈着 ニキビや肌荒れ、かぶれなどの炎症を繰り返すうちに、色素沈着してしまったもの。炎症を早めに治すことと、繰り返さないように注意することで避けられる。 ●こすり過ぎによる色素沈着 ナイロン製のフェイスブラシや、入浴時によく使われるナイロン製の垢落としタオルなどで肌をこすり過ぎたためにできるシミ。顔であれ、手や背中であれ、こすり過ぎないように注意。肌は摩擦に弱いのだ。 ●ホルモンのアンバランスによる色素沈着 これは肝斑と呼ばれるもので、妊娠時にできることが多い。出産後はほぼなくなるといわれるが、ときにシミとしてそのまま残ることもある。 とはいえ、どのようなことがキッカケでできたシミであろうとも、それをいっそう色濃く、きわ立つように悪化させてしまうのが紫外線。潜在シミを表面化させないためにも、できたシミを目立たせないためにも、一年を通じて紫外線対策を。また、少々のことには負けない健やかな素肌を保つことも大切だ。 公開日:2002年9月2日
シミの原因になるうえ、できたシミを悪化させるはたらきもある美肌の天敵・紫外線。その紫外線対策と、シミをつくらない&濃くしないための対処法を、食事と生活のふたつの側面からご紹介します。 目次 シミ対策の第一は紫外線ブロック シミの段階に合わせたケア方法 シミレベル:シミはないが、潜在シミが気になる シミレベル:日焼けしてしまった!または、うっすらとくすんだように見える部分がある シミレベル:シミとはっきりわかる部分がある 注目されるβカロテンなどの抗酸化食品 シミ対策の第一は紫外線ブロック 潜在シミを表面化させないためにも、できたシミをそれ以上目立たせないようにするためにも、欠かせないのは紫外線対策。特に、紫外線量がピークとなる正午頃は要注意。戸外へ出るときは帽子や日傘、サングラスなどで対策を。近頃よく見かけるようになったUVケア加工の衣服を身に着けるのもおすすめだ。 また、顔などに使われる化粧品類では、「SPF30」などと書かれたUVケア用品があるが、これには次の通り2種類のタイプがある。覚えておくと便利だろう。 UVケア(サンスクリーン)用品の種類とはたらき 紫外線散乱剤 肌の表面で紫外線を散乱させ、紫外線をブロックする。一般的には、紫外線吸収剤より肌にやさしいとされている。 紫外線吸収剤 紫外線を薬剤に吸収させることで、肌への侵入を防ぐ。 さらに、今や毎日のスキンケアなどに欠かせない存在となっている美白化粧品。これにも作用によって、次の3種類がある。 いずれも、使い心地とともに、自分の肌に合ったものを選んで使いたい。 美白化粧品におけるメラニン対策の種類 タイプ よく知られる成分 メラニンの生成を抑える アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ビタミンC メラニン色素を還元する ビタミンC 新陳代謝を高め、メラニン色素の排泄を促す プラセンタ シミの段階に合わせたケア方法 「今はできていなくても、潜在シミはきっとあると思う」。そんな、日焼け経験のある人がほとんどではないだろうか。そこで、シミの段階に合わせたケアの方法を、食事と生活のふたつの面からご紹介しよう。 シミレベル:シミはないが、潜在シミが気になる 新陳代謝を高め、肌を健やかに保つことがケアの基本。 食事面での対処法 ●女性ホルモンのバランスを整え、血行を促進。真皮の新陳代謝を促すビタミンE、体の老化=酸化を防ぐはたらきをするビタミンB2やβカロテンを過不足なく摂る。 ●メラニンの生成を抑え、肌の弾力や潤いのモトとなるコラーゲンの体内での合成を促進するビタミンCを摂る。 ●肌を整えるリジン、肌の弾力や潤いを保つコラーゲンを含む食物を積極的に摂る。 ●体内で酸化して過酸化脂質になりやすいリノール酸などの不飽和脂肪酸の多い食品を控える。 ●ケーキやジュース類などの糖分を控える。 生活面での対処法 ●十分な睡眠を取る。特に、肌の新陳代謝が活発になることから「美容睡眠」といわれる夜10時~午前2時は、睡眠に当てたい。 ●強くこするなどの強い刺激を肌に与えない。 ●ニキビや吹き出物などの肌トラブルは、できるだけ早く治す。 ●シャワーだけで入浴をすませない。シャワーだけでは血行が悪くなりやすく、肌がくすみやすくなる。 ●ストレスをためない。ストレスは体内の活性酸素を増やすとともに、メラノサイト刺激ホルモンの分泌が促され、メラニンの生成を増やしてしまう。 シミレベル:日焼けしてしまった!または、うっすらとくすんだように見える部分がある 上記の食事と生活が基本。そのうえで、次のことを実行しよう。 食事面での対処法 ●ビタミンCの摂取量を多めにする。ビタミンCは多量に摂っても副作用がほとんどなく、効果的。 生活面での対処法 ●日焼け直後は、クールパック。ご存知の通り、日焼けは一種のヤケド。冷たいタオルなどでとにかく炎症が治まるまで十分に冷やすことが第一。炎症が治まったら、たっぷりの保湿と美白化粧品などによるシミケアを。 ●うっすらとくすんで見える原因は、肌に汚れが残っていたり、乾燥している場合も。ダブル洗顔などで汚れをしっかり落とし、保湿性の高い化粧水などを。また、血行が悪くなっていることもあるので、暖かいタオルと冷たいタオルを交互に顔に当てる冷温タオルパックで血行をよくするのもオススメ。 ●ビタミンCは、素肌にも効果的。ただし、天然のビタミンCは肌から吸収されにくいため、吸収されやすいカタチで配合された化粧水などでパックを。 ●美白化粧品やエステを根気よく試す。 ●皮膚科の病院を受診する。 シミレベル:シミとはっきりわかる部分がある 上記の食事と生活をベースとして続ける。ときには数年がかりと時間はかかるが、少しずつ薄くなる場合が多い。 どうしても気になるようなら、皮膚科または美容整形外科の病院を受診。レーザー治療といった外的治療の道もある。 注目されるβカロテンなどの抗酸化食品 美肌のためのビタミンといえば、真っ先に思い浮かぶのがビタミンCだろう。これは正解。ビタミンCは、メラニンの生成を抑え、メラニン色素を還元してと、シミにとても有効な存在。シミ対策の大きな柱といえるものだ。だが、ビタミンCのはたらきは、これだけにとどまらない。さらに優れている点は、体の老化=体内の酸化を抑える抗酸化作用があること。 体は、不安や悩みなどのストレス、睡眠不足、喫煙などによって体内に活性酸素が増えると老化が促進されてしまう。もちろん素肌も例外ではない。体そのものの老化をできるだけ抑えることが、シミのない美しい肌のためにも大切なのだ。 こうした点から注目されるのが、βカロテンをはじめとする抗酸化物質(スカベンジャーとも呼ばれる)。多く含まれる食品の例を挙げてみると…。 ●βカロテン ニンジンやカボチャ、青菜などの緑黄色野菜に多い。 ●アントシアニン類 赤ワインやブルーベリー、ココアなど。 ●リコペン トマト、スイカなど。 また、特に女性に不足しがちな「鉄」(レバーやひじき、しじみなどに多い)、肌の新陳代謝に欠かせない「亜鉛」(ごま、大豆、くるみなどに多い)も、適量をきちんと摂取していこう。 公開日:2002年9月2日
一見丈夫そうな男性の肌、実は脂っぽいくせに乾きやすいという性質があり、きちんとしたお手入れが必要です。男性のスキンケアについてご紹介します。 目次 「オヤジは脂っぽい」はホント? それでいて乾いている男の肌 まだあるぞ!男の肌の敵 「オヤジは脂っぽい」はホント? 「スキンケアなんて男がするもんじゃない」。こんな風に考えている男性が圧倒的に多いのではないだろうか?でも「オヤジは脂っぽい!」などと言われると密かに傷ついたりして…。男性の心同様、実はお肌も案外デリケートなもの。 男性の肌の最大の特徴は「皮脂」。皮脂を分泌している皮脂腺は、毛穴のない手のひらと足の裏を除いて体全体に分布している。顔と頭に特に多く、1cm2当たり平均800個前後。それに対して体の方は平均50個くらいだ。実はこの皮脂腺の密度には男女差はあまりないと言われている。 しかし、「オヤジは脂っぽい!」というのは濡れ衣かというとそうでもない。皮脂腺の活動は男性ホルモンによって促進され、女性ホルモンによって抑制されるという性質を持つ。男性の場合、思春期から60歳くらいまで男性ホルモンの分泌量に大きな変化はなく、生涯通じて女性より多く分泌される。よって、男性が脂っぽいのはほとんど宿命ともいえる。 ただし、女性も安心してはいられない。女性ホルモンと男性ホルモンの分泌のバランスが崩れてしまえば、あっという間に脂っぽい肌に傾いてしまうのだ。ご用心! それでいて乾いている男の肌 さて、肌の質を決めるもうひとつの重要な要素、「水分」についてはどうだろう?肌の水分を保っているのは角質層と言われる部分。残念ながら男性でも、加齢とともに角質層の水分量が徐々に低下していくことがわかっている。 ところでこの肌の水分の蒸発を守っているのが皮脂。皮脂は肌の角質を覆い、水分蒸発を防ぐ機能がある。健康な角質は20%前後の水分を含んでいるが、これよりも少なくなると肌の弾力が失われてしまう。さらに角質から水分が逃げると体を外の環境変化から守っているバリア機能も落ちてしまうのだ。また、皮脂に含まれる脂肪酸で角質のphを弱酸性に保ち、悪い細菌が増殖しにくくなっている。出過ぎてもべたつくし、なくても困る皮脂。水分量とのバランスが肝心なのだ。 脂っぽいのに、乾く…、これが多くの男性の肌のタイプ。一見丈夫そうに見えても決してトラブル知らずの肌というわけではないのだ。健康な肌を維持するためにはやっぱりスキンケアは欠かせない。 まだあるぞ!男の肌の敵 過剰な皮脂の分泌と失われがちな水分量のほかに、こんなことも男性の肌のトラブルを招く要因になっている。 生活習慣によるダメージ ストレス 精神的なストレスでホルモンのバランスが崩れ、皮脂の分泌が増えてしまうことでにきびや吹き出物ができやすくなってしまう。 睡眠不足 皮膚や髪、爪などの細胞を再生・修復させる成長ホルモンが多く分泌されるのは睡眠中といわれている。睡眠不足が続けば当然肌にダメージを及ぼしてしまう。 飲酒 肝臓の解毒作用にはアルコール脱水素酵素が使われており、それをシステインというアミノ酸が活性化している。このアミノ酸は肝臓に次いで皮膚に多く含まれ、肌を健康な状態に保っている。 喫煙 たばこに含まれるタール成分には血管収縮作用がある。喫煙による血行不良状態が続くと肌荒れやしわの原因に。 肌が直接受けるダメージ 毎日のヒゲ剃り かみそりの刃がヒゲと一緒に皮膚の表面を削り取ってしまうので、ひりついたりかさついたりしてしまう。 紫外線 紫外線は肌のメラノサイトを刺激し、シミやソバカスの原因となる。さらに真皮にもダメージを与えるのでしわの原因にもなっているのだ。 紫外線が肌に与えるダメージについては 今はできていなくても。潜在シミのできるメカニズム 公開日:2002年9月9日
アミノ酸には、疲労を回復したり、体力をつける健康パワーもあります。その力は、運動選手が体脂肪を効率よくエネルギーに替えてスタミナを維持するために摂取しているほど。これらのアミノ酸をうまく利用すれば、体力アップや疲労回復などに効果的です。 目次 アミノ酸でダイエットできるってホント? どうやってアミノ酸が脂肪を燃焼させるの? どのように摂り入れる? お肌ツルツル!アミノ酸効果 アミノ酸でダイエットできるってホント? 約20種類あるアミノ酸には、それぞれはたらきがある。 主に、体力アップや疲労回復、免疫力アップなどの効果があるが、なかでもダイエットに嬉しいのが「脂肪を燃焼させてくれるアミノ酸」。それが、リジン、プロリン、アラニン、アルギニンなどだ。 どうやってアミノ酸が脂肪を燃焼させるの? 体内には、リパーゼという脂肪燃焼酵素がある。これは、脂肪を分解し血中に放出することで、溜まっている内臓脂肪や皮下脂肪を減少させるはたらきを持っている。そのリパーゼのはたらきを活発にするのが、アミノ酸なのだ! 「ウォーキングなどの有酸素運動を20分続けると、やっと脂肪が燃焼し始める」と言われるように、体内の脂肪が燃焼するには少し時間がかかる。が、リジン、プロリン、アラニン、アルギニンなどのアミノ酸を摂り入れることで、体内の脂肪分解を促進し、エネルギーに変化させることができる。 その結果、体内から脂肪がなくなっていくのだ! どのように摂り入れる? 「じゃあ、このアミノ酸を摂取していれば、それだけでやせるの?」というとちょっと間違い。そもそも、脂肪燃焼酵素のリパーゼが分解して血中に放出しているものは、遊離脂肪酸。これは、筋肉のエネルギー源でもある。 でも、せっかくアミノ酸によってリパーゼが活性化し、遊離脂肪酸を放出したとしても、そのままにしていては筋肉が活動を停止してしまうのだ。 つまり、アミノ酸を摂取するのと同時に有酸素運動をすることで、より早く筋肉からエネルギーを発散し、脂肪を燃焼させることができる、というワケだ。 脂肪を燃焼させたいなら、アミノ酸摂取+有酸素運動だ! お肌ツルツル!アミノ酸効果 ダイエットだけでなく、お肌ツルツル効果がアミノ酸にはある。 肌の再生によい、と言われているアミノ酸は、「アルギニン」と「プロリン」。 キレイな肌の話になると、「コラーゲン」という言葉がよく聞かれるが、健康な肌でいるためには、網の目のようなコラーゲンの層によって、油分や水分、弾力が適切に保たれていなければならない。 そのコラーゲンの主原料が、アミノ酸である「アルギニン」や「プロリン」なのだ。 体内に摂り入れられたアミノ酸は、コラーゲンに変化する。しかし、歳をとるごとにコラーゲンの生成力が衰え、肌が老化していってしまう。そこで、コラーゲンの原料でもあるアルギニンやプロリンなどのアミノ酸を摂り入れることで、みずみずしい肌を保つことができるのだ! また、紫外線を浴びると肌が傷つき、メラニンが過剰に形成され、シミの原因になる。そこで、効果的なのが、「システイン」というアミノ酸。システインは、紫外線の害を防ぎ、メラニンが沈着するのを防ぐ作用があると言われている。さらに、システインには抜け毛を抑制したり、肌、爪、髪などを健康に保つ効果あり! 公開日:2002年6月10日
「最近、なんとなく体がだるい」「疲れやすい」「だるい」「めまいがする」…、こんな体調不良を感じていたら、あなたもビタミン不足かもしれません。足りないビタミンをチェックしましょう。 目次 ビタミン不足は体調不良の原因 ビタミンAは足りている? ビタミンB群は足りている? ビタミンCは足りている? ビタミンDは足りている? ビタミンEは足りている? ビタミン不足は体調不良の原因 「最近、なんとなく体がだるい」「疲れやすい」「だるい」「めまいがする」…、こんな体調不良を感じていたら、あなたもビタミン不足かもしれない。 昔に比べて、現代は食生活もかなり変わり、糖分が増えビタミンが不足しがちになっている。また、ストレス社会や喫煙・飲酒もビタミン不足を招く原因だ。 はたしてあなたの「ビタミン足りてる度」は大丈夫? 当てはまる項目が多いものが、あなたの不足しているビタミンだ! ビタミンAは足りている? 最近目が疲れやすい 暗いところで目がなかなか慣れない 肌がかさかさしている 風邪をひきやすい ビタミンB群は足りている? 最近イライラすることが多い いつも眠気を感じる やる気がせず、気力が減退している 口内炎や口角炎など、口や鼻などが炎症を起こしている 貧血気味である たちくらみやめまいを感じることがある 疲れやすい 抜け毛や白髪が増えてきた 脂っこいものをよく食べる ファーストフードやインスタント食品、清涼飲料水などをよくとる ビタミンCは足りている? シミ・ソバカスが増えてきた たばこを吸っている ケガをした時の治りが悪い(ちょっとした打ち身で内出血をするなど) 果物やブロッコリーをほとんど食べない 疲れやすい イライラしやすい ビタミンDは足りている? 魚類はほとんど食べない きのこ類(しいたけなど)をほとんど食べない 太陽の光に当たることがほとんどない 骨が弱い(転んだだけで骨折したことがあるなど) 虫歯になりやすい 妊娠・授乳中である ダイエット中である ビタミンEは足りている? シミができやすくなった 冷え性である よく頭痛や肩こりになる しもやけになりやすい スポーツをしている 最近抜け毛が増えてきた 肉をよく食べる 公開日:2001年4月16日
恵みの多い太陽の光ではあるが、太陽光の中に人に都合の悪い光成分が含まれていることが明らかになってきました。それが「紫外線」です。なぜ人にとって都合の悪いものなのでしょうか。 目次 とかく悪者にされがちな紫外線 なぜ「太陽紫外線」は悪者? とかく悪者にされがちな紫外線 太陽の光がまぶしい季節がやってきた。スポーツ、散歩、昼寝など、日光の下にいるだけで、安心したりすがすがしい気分になって思わず伸びをしたくなったりするもの。もちろん、それだけではなく、人は太陽の光を浴びることでビタミンDの合成を促進し、カルシウムの吸収を助けるため、骨が強くなるのだ。また、太陽の光がなければ作物や草花は育たないし、動物や鳥たちも生きることはできない。 これほど恵みの多い太陽の光ではあるが、太陽光の中に人に都合の悪い光成分が含まれていることが明らかになってきた。それが「太陽紫外線」なのである。 なぜ「太陽紫外線」は悪者? なぜ太陽紫外線は人にとって都合の悪いものなのだろうか。 シミ・シワをつくり、老化を早める! 特に女性が嫌うシミやシワはほとんどが紫外線によるもの。外で働く機会が多い人ほどシミやシワができやすい。また、日本でも北と南では、年間の紫外線量が1.5~2倍ほど違っているので、例えば、鹿児島に住む女性は秋田の女性よりシミで約20歳、シワで約6歳ほど早く発症すると言われているのだ。 表面化させない、濃くしない、シミ対策 過度の日焼けはヤケドと同じ!? こんがり焼けた肌は魅力的。でも、過度の日焼けは、水泡ができたり赤くはれ上がったりする。こうなると日焼けとは言えず、ヤケドになってしまっているのだ。これは、急性日光皮膚炎ともいい、ひりひりと痛くてじっとしていられず、病院に行くことになる。もちろん、水泡や赤くはれた部分は、そのままシミの原因にもなるのだ。 甘く見るとヤケドする!日焼け「基本のき」 皮膚がんのもと! 紫外線は皮膚がんのもとになることが最近の研究で分かってきている。もともとがんとは、遺伝子の異常によって起こるもの。日焼けを繰り返すことで、たびたび遺伝子が傷つき、免疫力が低下すると細胞に突然変異が起こってがん細胞を発生させてしまうのだ。 ひとことで皮膚がんと言っても、そのできる部分によってがんの種類は異なる。皮膚がんのうち、起こりやすいものを順にあげると、有棘細胞がん、基底細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫ともいい、極めて転移しやすい「ほくろのがん」)、表皮内がん、などである。 白内障も引き起こす! 紫外線による障害は、皮膚だけでなく目の水晶体にも害を及ぼすと言われている。特に、白内障の発生頻度がかなり高い。 目の水晶体は、レンズとしてはたらくと同時に紫外線を吸収するフィルターとしても作用するが、長年紫外線を浴びつづけると角結膜炎を起こし、激痛を伴うことになる。そのひとつが雪面反射による雪目だ。また、殺菌灯に直接目をさらす時にも起こるので注意。 目の紫外線対策で、白内障を予防しよう! 公開日:2001年5月14日
太陽の光は人が生命を営むために必要なものです。でも、最近、必ずしも太陽の光が身体にとっていいものばかりとは限らないようになってきました。その理由は紫外線にあります。紫外線がシミ、シワをつくる仕組みはどうなっているのでしょうか。 目次 紫外線とは? 5月は要注意!紫外線が多い時期 紫外線がシミやシワをつくる仕組み 紫外線とは? 紫外線とは、太陽光に含まれる光成分で、人の目には見えないものだ。可視光線(目に見える光線)よりも波長の短いもので、地球に届く太陽光のうちの6%程度に過ぎない。さらに、紫外線は、その波長によって3つに分けられる。 紫外線の種類は? 長波長(UVA) 321~400nmの波長を持つもの。 紫外線のうち、約9割を占める。UVAを浴びた後の日焼けはそれほど皮膚が赤くならず、 あとで黒っぽい色素沈着が起こり、その状態をサンタンと呼ぶ。シミやシワの原因をつくる。 中波長(UVB) 291~320nmの波長を持つもの。UVAの線量の10分の1程度。 UVBは浴びた直後から赤くなり、皮がむけたり水泡ができたりするほどの日焼けになる。 その状態をサンバーンと呼ぶ。また、皮膚がんの原因になる。 短波長(UVC) 290nm以下の波長のもの。 現時点では、オゾン層が破壊されない限り、地表には届いていない。人工的にUVCを 放出させて利用しているのが殺菌灯。 5月は要注意!紫外線が多い時期 実は、紫外線は日がサンサンと照る暑い時期だけではなく、5月のようなさわやかな時期でも多い。 紫外線の特徴 春先の3、4月ごろからだんだん強くなり、5月から8月ごろまで多く、特に5月は多い 夏に強く、冬に弱い 1日のうちもっとも強いのは午前10時から午後2時の間。この時間に外出するなら、しっかりと紫外線対策をしよう。 紫外線から身を守れ!外出時の紫外線対策 紫外線がシミやシワをつくる仕組み 紫外線によって肌は急速に老化する。シミやシワがつくられる仕組みは以下のとおり。 紫外線による「シミ」はこうしてできる 1. 紫外線を浴びる。 2. それに対する防衛反応としてメラニン色素がたくさんつくられ、肌は黒くなる。 3. メラニン色素はふつう28日周期の表皮の角化にともなって抜け落ち、肌色ももとに戻る。 4. しかし、日焼けの程度がひどい場合、表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ち込み、色素沈着を起こしてシミになる。 軽い日焼けでも、人によっては色素沈着を起こすこともある。 紫外線による「シワ」はこうしてできる 1. 紫外線を浴びる。 2. 肌の弾力とハリを司るコラーゲンが断裂・変性する。コラーゲン産生量も低下する。 3. 真皮が萎縮し、深いシワができる。 公開日:2001年5月14日
これからの時期、注意しなければならない紫外線。できることなら正午をはさんで前後2時間は外出を避けたいものですが、なかなかそうはいきません。外出するならこんな対策をしましょう。 目次 紫外線から身を守れ! これで完璧!紫外線対策 帽子、サングラス、肌をあまり出さない服を着用しよう 「SPF」「PA」を知って、日焼け止めを使おう 紫外線から身を守れ! 皮膚の色は、色素物質メラニンで決まる。メラニンの量が多いほど、肌の色は黒くなるし、日光に対する抵抗力があると言われている。 白色人種はメラニンの量が少なく、黒色人種は多く、日本人のような黄色人種はその中間であるといわれている。 また、同じ日本人でも紫外線に対する抵抗力は人によって違う。大きく分けると、以下のように分けられる。 日焼けのタイプは? A:日光にあたるとすぐ赤くなるが、黒くはならずもとに戻るタイプ B:日光にあたるとそれなりに赤くなって、その後黒くなるタイプ C:日光にあたるとあまり赤くならずに黒くなるタイプ 紫外線の影響を最も受けやすいのは、A のタイプ。このタイプは、サンバーンを起こしやすく皮膚がんにかかる可能性が高いと言われている。また、C のタイプは、サンタンを起こしやすく、シミやシワができやすい。B のタイプはその中間だ。 「赤くならないから肌が丈夫」なのではなく、それなりに老化を早めているので、紫外線に強い人も弱い人もこれからの時期はしっかり対策しよう。 これで完璧!紫外線対策 これからの時期、注意しなければならない紫外線。できることなら、正午をはさんで前後2時間は外出を避けたいものだ。でも、そうはなかなかいかないので、外出するならこんな対策をしよう。 帽子、サングラス、肌をあまり出さない服を着用しよう 紫外線を避けるための常套手段としては、帽子をかぶること。今さら…という気もしないではないが、帽子は直射日光を避けることができるため、顔の肌を守るだけではなく、白内障や熱射病の予防にもつながる。 帽子は、つばが7cm以上のものがよい。約7cmのつばの帽子は、顔が浴びる紫外線の約60%をカットできるという。ただし、100%完全にカットすることは帽子だけでは難しい。 また、サングラスをかければそれだけ目が保護される。特に真夏の外出や冬のスキーなどの時には、UVカットされた安全規格のサングラスを使用しよう。また、肌をあまり出さないような服を着ることももちろん必要。 「SPF」「PA」を知って、日焼け止めを使おう 最近は、日焼け止めも幼児用から男性用、女性用などバラエティー豊富で、しかも種類もたくさんある。どんなものを選んだらいいのか、その目安となるのが「SPF」や「PA」という値だ。紫外線のUVA、UVBは波長が違うため、それぞれをブロックするための成分も違ってくる。 SPFとは? UVBを防御するレベルを表わす指標で「Sun Protection Factor」の略。 SPF=(サンスクリーン剤を使用した皮膚でのMED)/(素肌のMED)で表わされる。 ※MEDとは、個人差はあるが、真夏の快晴の時20~25分間日光を浴び、翌日その部分がほんのり赤く日焼けする程度(最少紅斑量)のこと。 つまり、サンスクリーン剤にSPF20とあれば、塗らなかった部分より日焼けするのに20倍時間がかかるということ。使用する場合は、次のことに注意しよう。 一度にたくさん塗ってもあまり効果はない。こまめに塗りなおすのがベスト。 肌に合わないものもあるので、腕などに塗ってみてかぶれないかどうかを確かめておくこと。 外国産のものは、一般にSPF値が高いが、そのまま日本人に当てはまるワケではなく、白色人種のSPFが60なら、日本人は20くらいだと考えるのがいいとも言われている。 PAとは? UVAを防御するレベルを表わす指標。「Proteciton Grade of UVA」の略。 PA+ :UVA防止効果がある PA++ :UVA防止効果がかなりある PA+++:UVA防止効果が非常にある。これが最高ランク PA値 SPFはほぼ世界共通の指標だが、PAは日本だけの基準と表示である。SPFと併せて表示されることが多いので、サンスクリーン剤や化粧品を選ぶ時の参考にしよう。 公開日:2001年5月14日
夏バテ気味の体を回復させましょう。日焼けによるダメージを受けている髪や肌をいたわるには、水分をたっぷりと与え、栄養バランスの取れた食事をすることです。 目次 紫外線や冷房によるダメージは大きい! 肌や髪を生き返らせるには? 紫外線や冷房によるダメージは大きい! 夏は紫外線の季節です。実はこの紫外線、思っているより肌や髪にダメージを与えています。 肌のシミやシワの約80%が紫外線によると言われているほどです。 紫外線を浴び続けていると、体の方が防衛反応としてメラニン色素をたくさんつくります(これで肌が黒くなります)。普通は、表皮の角化にともなってメラニン色素が抜け落ちますが、日焼けがひどいと表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ちこみ、色素沈着を起こします。これがシミの原因になります。 また、冷房の効いた部屋のような乾燥した環境にいると、水分不足により、肌や髪を傷めます。 肌や髪を生き返らせるには? 肌も髪も次々と新しく再生産されています。いきいきとした肌や髪に戻るには、次のことを実行しましょう。 バランスの取れた食事をしよう 新しい肌や髪を再生産するためには、エネルギーが必要となります。このエネルギーの三大栄養素と言われるのが、たんぱく質、炭水化物、脂肪。さらに補助栄養素として無機質、ビタミン、食物繊維があります。 これらをバランスよく摂取することが肌や髪にいい影響を与えます。 とくに、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCは皮膚と粘膜のビタミンとも言われ、抗酸化作用があります。また、ビタミンA、ビタミンEには皮膚の角化を正常にするはたらきがあります。 さらに、ミネラルでは亜鉛が髪や肌の傷みを治すはたらきをします。 各種ビタミンを多く含む食品 ビタミンA レバー、うなぎ(きも)、にんじん、バター、緑黄色食野菜 ビタミンB2 うなぎ、レバー、干ししいたけ、脱脂粉乳、 牛乳、たまご ビタミンB6 魚類、牛・豚肉、穀類、豆類、レバー、 牛乳、たまご ビタミンC みかん、グレープフルーツ、緑黄色野菜、いちご ビタミンE 植物油、小麦胚芽、パン、緑黄色野菜 ミネラル(亜鉛) 肉、レバー、魚介類 水分をたくさん与える 肌も髪も傷んでいる時は水分不足であることが多いようです。肌なら、まず化粧水などで水分をたっぷりと与えましょう。ただ、これだけでは一時的な効果しか得られません。乳液などの油分で肌にバリアを作り、水分の蒸発を防ぐようにしましょう。 髪も肌と同様に水分を補給してあげることが大切です。髪にはリンスとトリートメントがありますが、傷んでいるときは髪の表面をコートするリンスより、髪の内部に栄養分を補給するトリートメントが効果的です。トリートメントしたら蒸しタオルで頭を覆い、3~4分後によく洗い流しましょう。
抗酸化成分を食べ物から補おう 私たちの体内にも抗酸化物質が生まれつき備わっているが、残念ながら加齢とともに体内量がダウンするため、食べ物から補う必要がある。 強力な味方!「ビタミンエース」 ビタミン類のなかでも、A、C、Eは高い抗酸化力を持ち、「ビタミンエース(ACE)」と呼ばれているほど。とくにビタミンCといえば、抗酸化成分の代表選手としてなじみ深い存在だ。ビタミンEとペアになって細胞膜の保護のために活躍し、活性酸素の害を防いでいる。そのほか、シミのモトになるメラニン色素の合成を抑える、コラーゲンの生成に欠かせないなど、日差しを浴びた肌にとっては貴重な成分だ。 ビタミンCは2~3時間で排出されるので、一度にまとめてとるよりも何回かに分けてとろう。また、できてしまったシミを消すためよりも、シミを作らせないために摂るのが正解。リゾートに行くなら2週間くらい前からビタミンの補給を開始し、紫外線に対する抵抗力を高めておこう! 多種多様な姿で登場!「ポリフェノール」 また、ポリフェノールの抗酸化力にも要注目。ポリフェノールとは光合成によって作られる植物の色素成分や苦味成分の総称で、その種類は数百以上あるとも。最近ではカテキン、アントシアニン、イソフラボンなどなど、いろいろなポリフェノールが注目を集めている。 ポリフェノールは体内に蓄積されないので、1日3食でいろいろな食品から補給しよう。また、果物の皮には豊富に含まれている。できれば皮ごと食べるのがおすすめ。 ミニコラム:最古の果物ってなーんだ? 正解は、ブドウ。 神話や聖書にたびたび登場するブドウは、5000年以上前にカスピ海の南側で栽培が始まったといわれ、日本でも平安末期にはすでに栽培が始まっていた。現在も、世界でもっとも広く栽培されているそう。なるほど、生食、ワイン、ジュース、ジャム、干しぶどうなどなど、食べ方もいろいろ。主成分は、もちろんブドウ糖(糖質)。皮にはポリフェノールが含まれ、疲労回復や抗酸化に役立つ優れた果物なのだ。
なんとかしたい!「むくみ」&「毛穴」 ドーンとむくんだ脚。パッカーンと開いた毛穴。増えつつあるシミやシワ…。女性なら多少なりとも気になるのが、これらの悩み。編集OとライターAも、日々「なんとかならないかな~」と悩んでいた。ある日、美肌やむくみに効果が期待できるという第三の美容成分・『γ(ガンマ)-トコフェロール』の存在を知り、さっそく取材してみることに! ふたりがやって来たのは、エーザイフード・ケミカル株式会社。企画開発部 栄養・健食チームの市川美緒さんにお話を伺った。 お話をお伺いした、エーザイフード・ケミカル株式会社 企画開発部 栄養・健食チーム 市川美緒さん 一般的に肌のターンオーバーは約6週間といわれていますので、γ-トコフェロールの機能性をより体感していただくためにはγ-トコフェロール含有飲料やサプリメントを継続して摂取していただくことをおすすめします。 γ-トコフェロールはビタミンEの一種 「そもそもγ-トコフェロールとはどのような成分なのですか?」 「ビタミンEの一種です。天然ビタミンには、トコフェロールとトコトリエノールがあり、それぞれがさらにα(アルファ)、β(ベータ)、γ、δ(デルタ)の4つに分かれています。γ-トコフェロールはそのうちのひとつ。あまりなじみのない名前ですが、ビタミンEとして普段私たちが口にしている成分なんですよ」 「α-トコフェロールは聞いたことがあります。サプリメントのラベルに書かれていたり、スキンケア用品に使われていたり…」 「α-トコフェロールは血液中に多く含まれているので、先に研究が進んだんです。ここ10年ほどでγ-トコフェロールもさかんに研究され、むくみや美肌に効果があるとして注目を集めているんですよ」 「なるほど。だからヒアルロン酸、コラーゲンに続く【第三の美容成分】とも呼ばれているんですね」 ドリンクやサプリメントで効率よく摂ろう 「γ-トコフェロール、期待が膨らみます!どんな食品に多く含まれているのですか?」 「コーン油や大豆油などの植物油のほか、国産大豆、木綿豆腐、糸引き納豆、豆乳などに含まれています。ただ、一定の効果があるとされる100mgを、全部食品で補おうとすると…」 「木綿豆腐で約9丁、豆乳で5リットルも!?そんなに食べられない~」 「植物油はカロリーが心配…」 「γ-トコフェロールが手軽に摂れるドリンクやサプリメントも登場しています。食品と合わせて効率よく摂取してみてはいかがでしょう」 「その手がありましたか!」 食品別γ-トコフェロール含有量(100gあたり) 食品名 γ-トコフェロール含有量(mg) 100mgを食品で摂るとすると… 豆乳2.0 約5リットル (1g=1ccとする) 調整豆乳3.1約3.2リットル (1g=1ccとする) 豆乳飲料・麦芽1.8約5.6リットル (1g=1ccとする) 国産大豆(乾燥)14.4約700g 糸引き納豆5.9約34パック (1パック=50gとする) 木綿豆腐3.1約9丁 (1丁=350gとする) 絹ごし豆腐2.1約14丁 (1丁=350gとする) えごま23.6約420g あずき0.3約33,000g 資料提供:エーザイフード・ケミカル株式会社 出典:五訂増補日本食品脂溶性(脂肪酸・ビタミンA・D・E)成分表
γ(ガンマ)-トコフェロールで毛穴やシワが目立たなくなった 肌の悩みで多いのが、毛穴のひらきやシワ。一見、別のトラブルのようだが、じつはそれぞれに共通する原因もある。肌の奥深くにある真皮という部分の約70%はコラーゲンという繊維で構成されているが、このコラーゲンが紫外線や加齢などの影響で弾力を失うと、肌がハリをうしなってシワになったり、毛穴がゆるんで広がったりするといわれている。 「毛穴がだんだん目立つようになってきたかも。上からメイクをしても消せないし…」 「私は小ジワが…。保湿すれば薄くなるものもあるけど、どんどんくっきりしてきたのもあります」 「γ(ガンマ)-トコフェロールには、毛穴やシワの改善にも役立つとの実験データもあるんですよ。 20代後半から40代半ばまでの女性20人を対象に、1日100mg 、3ヵ月間γ-トコフェロールを摂取してもらったところ、『毛穴が小さくなった』、『目のまわりの細かいシワが目立たなくなった』など、肌のコンディションがよくなったという声が多く寄せられました」 「おおお~!さすが、第三の美容成分っ!」 「なぜγ-トコフェロールにこうした作用があるのか、メカニズムについては現在も解明中です」 資料提供:エーザイフード・ケミカル株式会社 メラニンの生成を抑える作用も シミにはいくつかの種類があるが、最も多いのが「老人性色素斑」と呼ばれるもの。「日光性黒子」ともいい、表皮の一番下にある色素細胞(メラノサイト)が紫外線の影響でメラニンという顆粒を増産させることで現れてくる。 「アウトドア好きのせいか、年々シミが増殖中です」 「私も仕事柄外回りが多いので、本気でシミ対策をしなきゃと思っています」 「γ-トコフェロールには、メラニンを作る酵素・チロシナーゼのはたらきを抑える作用があるため、美白効果についても期待されているんですよ。また、紫外線によって作られた活性酸素も肌年齢を一気にすすめる原因のひとつ。γ-トコフェロールにはα(アルファ)-トコフェロールにはみられない抗炎症作用がありますから、その点からも美白につながるのではないでしょうか」 乙女の悩みに効くコラム(2) 美肌づくりに役立つ成分は、γ-トコフェロールのほかにもいくつかある。代表的なものに肌の弾力を保つ『コラーゲン』、水分維持にはたらく『ヒアルロン酸』など。また『ビタミンC』も、コラーゲンの生成を助けるなどいい働きをしてくれる。さらにγ-トコフェロールと一緒に摂ることで抗酸化パワーがアップする点も見逃せない。もちろん、バランスのとれた食事を規則正しく食べること、睡眠時間を確保すること、ストレスを上手に発散することなども、美肌のベースとして重要なポイント!
女性が加齢を実感するポイントといえば、肌の健康や体型。男性よりも少し早い30代前半から、シワ、シミ、肌のたるみ、化粧ののりの悪さ、体型・体重の変化、ダイエット効果などで、加齢を実感する人が多い。また主婦の場合、育児、子供の独立、結婚など、家族環境の変化に悩まされることも多く、そういった精神的ストレスが体におよぼす影響も見落とせない。いつまでもイキイキと輝いていたい人の体に、CoQ10はどうはたらきかけてくれるのだろうか? 素肌に、ボディに、笑顔に力!「CoQ10は、オンナの体にこうはたらく」 「シワやシミ、肌荒れが気になりだした」あなたへ 美肌を作る! 体全体を覆い、常に体外から肉体を保護している皮膚。CoQ10が不足すると、肌細胞におけるエネルギーの力が減ってしまい、紫外線によって発生する活性酸素への抗力も弱まるなど、ダメージを受けやすくなる。CoQ10の日常的な補給は、それらのダメージを防ぐだけでなく、既に生じてしまっているシミ、シワ、肌荒れなどの回復力向上にも役立ち、あきらめかけていたイキイキとした肌を、取り戻す手伝いをしてくれる。 「ストレスを感じることが多い」あなたへ 気持ちの元気も応援する! 毎日の忙しさや、人間関係のトラブルなどによって生じる精神的ストレス。 精神的ストレスを受けているときは、肉体疲労時と同様に、体内ではCoQ10量が不足する。精神的ストレスも、酸化作用の促進に拍車をかけているといえる。気持ちが疲れたな、と思ったらCoQ10を補うことで、体へのダメージを最小限に留め、精神的な回復も早めることができる。 「太りやすく、やせにくくなった」あなたへ ダイエットを味方する! 頑張っているのにダイエットがうまくいかない、という人にも、CoQ10は心強い味方。糖や脂肪をエネルギーに変えて、ダイエットをサポートしてくれる。 さらにCoQ10の効果をアップしたいなら、体脂肪を燃やしやすくするカルチニンなどの成分を一緒に摂るのもおすすめ。また、ヨガストレッチや、ピラティスなど、体力に自身がない人でも毎日の習慣にしやすい運動と組み合わせることも大切。 「足がむくみやすい」あなたへ 下半身の血流を促す! むくみや冷え性、低血圧など、女性の悩みのタネにもCoQ10は活躍。こうしたトラブルは血流が悪くなっていることに一因があるが、CoQ10は心臓機能を高める作用があり、全身血流がUPするため、下半身にたまっていた血液が心臓に戻りやすくなって、むくみ改善をしたり、冷え性や低血圧を軽減すると言われている。 コラム)優良なCoQ10を選ぶなら 認知度が高まり、さまざまな製品が市場に出回るようになったCoQ10。しかしサプリメントなどの商品の中には、含有量が表示よりも少ない商品や、体内吸収性が疑われるもの、さらには偽製品などが出回り、問題となっている。そこで「日本コエンザイムQ協会」が、検査基準を満たした適正な商品に対してのみ掲載を認可する「日本コエンザイムQ協会品質認定マーク(協会ロゴマーク)」を制定。目や舌では確かめることができない品質を証明してくれる。 CoQ10を摂るタイミングは!?
おさらい! CoQ10の2大パワー マスコミなどで取り上げられ、「老化防止にいいらしい」とのイメージで一時は商品が品切れになったほど人気のCoQ10(コエンザイムQ10)。体内ではどんなふうにはたらいてくれるのだろうか。 CoQ10は体内でエネルギーを産生する酵素を助ける物質として、50年ほど前に発見された。体内のあらゆる細胞に存在しているが、特にエネルギー消費量の多い心臓、腎臓、肝臓、筋肉などに多く存在している。ちなみにコエンザイムにはQ6からQ10まであり、人間の場合はほとんどがQ10だが、生物の種類によって生体内に含まれる構成比が異なっている。 体内のCoQ10量は、食事による補給や、体内で生産されることによって維持されているが、体内での産生能力は残念ながら20歳代をピークに加齢とともに急速に減ってしまい、例えば心臓での含有量は40代で30%以上、80代では50%以上も失われてしまうといわれている。 CoQ10のはたらきは、大きく2つに分けられる。 ●CoQ10のはたらき1 体内でのエネルギー生産に貢献 体内でのエネルギー生産に貢献 CoQ10は約60兆あるといわれる体内のすべての細胞に含まれ、糖や脂質などの栄養素から生命維持に不可欠なエネルギーを生産するために、貢献している。CoQ10が不足すると細胞内がエネルギー不足になり、その結果、全身の各臓器の機能に影響が出るという説もある。 ●CoQ10のはたらき2 強力な抗酸化作用 強力な抗酸化作用 がん、心臓病、脳卒中など、生活習慣病との関わりが指摘され、シワやシミなど肌の老化の大きな原因と考えられている活性酸素。CoQ10には、ポリフェノールやビタミン類などと並んで強力な抗酸化作用があり、体内の細胞を活性酸素から守るはたらきがあるといわれている。 CoQ10に期待できること 日本では1974年からうっ血性心不全の医薬品として疲れてきたCoQ10。2001年には食品への添加が認められ、サプリメントとして登場した。加齢とともに減ってしまうCoQ10を補給すれば、病気の予防や健康維持、若さを保つのにも効果を発揮すると考えられている。 アルツハイマー、パーキンソン病などの予防・改善 脳と関連した疾患の多くは、活性酸素が神経組織にダメージを与えるためと考えられているが、CoQ10は脳細胞内のミトコンドリアを保護するはたらきがあることから、脳疾患の予防・改善にはたらきかけるのではと考えられている。 免疫系の強化 CoQ10が免疫細胞を強化させることと、強い抗酸化作用で細胞を守ってくれることから、免疫力の低下を抑える効果が注目されている。 疲労回復を助ける 体内のエネルギー産生に欠かせないCoQ10。CoQ10が十分あれば、心拍数が上がりにくく、スタミナが持続したり、筋肉の疲労回復が早まったりするといわれている。そもそもCoQ10は人体で生成されている物質なので、服用しても副作用がなく、ドーピング検査の対象にもならないことから、現在多くのアスリートがCoQ10を使用している。 肌を元気に! CoQ10を摂取することで、肌細胞の接着剤であるコラーゲンの分解を阻止し、肌の弾力成分を増やしたり、肌のターンオーバーを促すといわれている。さらにCoQ10には抗酸化作用があり、紫外線などによる酸化から肌細胞を守ってくれるはたらきも。 冷えやむくみの改善 手足の末端に血液が行き届かなくなって生じる、冷えや足などのむくみ。もともと心臓病の薬として使われてきたCoQ10には心臓のポンプ機能を高める作用があり、全身の血行がよくなることから、冷え症やむくみも改善されるといわれている。 そのほか 肝臓の新陳代謝を促進させて二日酔いを和らげたり、心臓の機能を高めて動悸・息切れなどを改善したり、抗酸化作用が歯肉の炎症を鎮めるとして歯周病の症状を改善させるなどの効果が期待されている。
オリーブオイルが健康的だといわれる第一のポイントは「オレイン酸」にある。オレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールを減らすほか、優れた抗酸化力を発揮。健康に役立つ成分が、毎日の食生活で手軽においしく摂れるのだから、オリーブオイルの魅力ははかりしれない。うまく利用しよう! 目次 オリーブオイルの健康の秘密は「オレイン酸」 ビタミンやミネラルが豊富なのも果実ジュース=オリーブオイルならでは +ビタミンEで美肌度アップ! オリーブオイルの健康の秘密は「オレイン酸」 オリーブオイルの脂肪酸比率 五訂日本食品標準成分表(可食部100g当たり) オリーブオイルが健康的だといわれる第一のポイントは、脂肪酸の構成にある。ほかの通常の植物オイルに比べて、圧倒的にオレイン酸が多いのだ(品種改良された紅花油やひまわり油の中にはオリーブオイルと同等、もしくはそれ以上のオレイン酸を含むものもある)。 オレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールを減らすほか、老化の原因とされる活性酸素の活動を抑える優れた抗酸化力を発揮。さらに血糖値をコントロールするインスリンのはたらきを助け、体脂肪をためにくくすることで注目を集める脂肪酸だ。逆に、悪玉コレステロールを増やしがちな飽和脂肪酸が少ないのもオリーブオイルの特長なのだ。 ビタミンやミネラルが豊富なのも果実ジュース=オリーブオイルならでは オリーブオイルの中でも特にエクストラバージンオリーブオイルといったバージンオリーブオイル類は、精製などの手を加えていない、果実を搾っただけの自然の恵み。このため、ビタミンやミネラルがたっぷり含まれているのも特長だ。オリーブオイルに含まれるこうした微量成分は300種以上ともいわれる。代表的な成分をあげてみよう。 オリーブオイルに含まれる代表的な成分 ビタミンA目の機能を保ち、肌荒れや風邪の予防にも欠かせない成分 ベータカロチン体内でビタミンAに変化し、抗酸化物質として効果的 ビタミンE動脈硬化や老化を防ぐ「若返りのビタミン」 ポリフェノール活性酸素に力を発揮するので、シミやソバカス、老化予防に期待大 スクワラン皮脂とともに肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎ保湿を いずれも健康促進や老化予防、美容への効果で注目される成分ばかりだというのにお気づきだろう。こうした健康に役立つ成分が、毎日の食生活で手軽においしく摂れるのだから、オリーブオイルの魅力ははかりしれない。 +ビタミンEで美肌度アップ! さらに、オリーブオイルに含まれるオレイン酸には、ビタミンEの吸収を促すはたらきもあるといわれている。ビタミンEといえば、体のサビを抑える抗酸化作用で「若返りのビタミン」と呼ばれるもの。ビタミンE不足が気になるなら、サプリメントで補うなどしながら、オリーブオイルとともに上手に摂取していきたい。 公開日:2004年9月27日
紫外線を浴びると活性酸素が発生し、シミやシワなどの皮膚の老化を招く。そのメカニズムについて解説。また、日焼け止めと紫外線カットの関係、手荒れが悪化した手湿疹への活性酸素の影響について解説。 目次 皮膚の老化を防ぎたいなら、紫外線をブロック! UVケア商品のSPF値、PA値は高ければ高いほど、活性酸素対策にはやっぱり有効なの? 手湿疹になり傷口が化膿すると、活性酸素が増えて症状が治りにくくなるのはどうして? 皮膚の老化を防ぎたいなら、紫外線をブロック! シミやシワなどの皮膚の老化。これにも実は活性酸素とのつながりがある。皮膚の老化に大きく関係するのが紫外線だが、紫外線を浴びると皮膚に含まれる脂質が酸化されて過酸化脂質が作り出され、ここに紫外線を吸収したメラニン色素が集まることでシミがつくられてしまうのだ。またシワができるのは、紫外線を浴びることによって活性酸素がたんぱく質のコラーゲンや線維組織のエラスチンを変性させ、皮膚の弾力を失わせてしまうからである。つまり、皮膚の老化を防ぎたいなら、紫外線をブロックする工夫をすることで活性酸素の発生を抑えていくことも重要なのだ。 以下に、皮膚の老化に関わる質問への回答を紹介するので、参考にしてみよう。また、手荒れが治りにくくなる「手湿疹」にお悩みの方も多いだろうが、これに関しても以下のQ&Aで回答したので参考にしてみよう。 UVケア商品のSPF値、PA値は高ければ高いほど、活性酸素対策にはやっぱり有効なの? 海水浴に行くと皮膚が赤くなってヒリヒリ痛んだ経験がないだろうか。これは紫外線のうちのUVBが引き起こした日焼け。また、紫外線を長い期間浴びていると、いずれ色素が沈着してシミができる。これはUVAが引き起こした日焼けである。日焼け止めにはこれらの紫外線の害から皮膚を守る成分が配合されているが、その強度をみるのが「SPF値」と「PA値」であり、それぞれUVB、UVAを防ぐ効果の指標となっている。 活性酸素のリスクあり!紫外線の害から身を守ろう 日焼け止めを選ぶ際、紫外線カット効果を高めるために数値が高いものを選びがちであるが、日常に使う分にはSPF20、PA++程度でも十分に効力を発揮する。ただし、日焼け止めは汗とともにはがれてしまうこともあるので、日常では数値にこだわるより塗りなおしに気を配ったほうがよいだろう。また、日焼け止めを使う際には、自分の皮膚に合っているかどうかを基準にして選ぶことも大切。化粧品には保存や乳化、香りづけなどの目的でさまざまな添加剤が含まれている。皮膚に合わないものを利用していると、活性酸素が発生して逆に皮膚のトラブルや老化を招くことにもなりかねないので注意しよう。 手湿疹になり傷口が化膿すると、活性酸素が増えて症状が治りにくくなるのはどうして? 手荒れがひどくなると、皮膚のバリア機能が衰えて傷口が治りにくくなり、1年中ジュクジュクした湿疹ができてしまうこともある。これが「手湿疹」。水をよく使う職業の人や、主婦などに多い皮膚のトラブルである。 このトラブルが長引くのも、活性酸素の害が影響している。皮膚に傷ができるとそこから細菌やウイルスが侵入するが、これらを排除しようと白血球の仲間である好中球やマクロファージが集まり、活性酸素を放出して対抗する。しかし、このとき活性酸素が振りまかれることで傷口に炎症が起こってしまい、この状態を長く放置したり、かきこわしたりすると皮膚のバリア機能がなかなか元に戻らなくなり、傷口が治りにくくなってしまうのだ。手荒れが生じたときには消炎剤や消毒液などを塗って早めに傷を治し、活性酸素の害に長期間皮膚をさらさないようにすることが大切なのだ。 公開日:2004年6月14日
紫外線を浴びることによってつくられるシミやシワにも活性酸素が関係し、皮膚ガンも活性酸素が引き起こしている。役に立つUVケア商品を知っておこう。 目次 紫外線を浴びると、皮膚や目の老化につながる UVケア商品を利用して、紫外線の害を防ごう 紫外線を浴びると、皮膚や目の老化につながる 地上に降り注ぐ紫外線。最も破壊力が強いUVCは波長が短いため地上までは届かないが、波長の長いUVA(色素沈着をつくるもとになる紫外線)とUVB(赤くヒリヒリした日焼けをつくる紫外線)はオゾン層を通り抜けて地上にまで降り注いでいる。紫外線を浴びるとシミやシワなどが現れ、皮膚の老化が進行するが、これにも活性酸素が関わっているのだ。 紫外線を浴びると皮膚に活性酸素が発生し、皮膚を構成する脂質を酸化させて過酸化脂質をつくりだす。ここに紫外線を吸収したメラニン色素が集合すると、シミをつくる原因となってしまう。また、皮膚の弾力をつくるコラーゲンや線維組織のエラスチンなども、紫外線を浴びると酸化して変性するため、弾力が失われてシワができやすくなる。特に、初夏から初秋の強い陽射しの下でたびたび強い紫外線を浴びていると、ヒドロキシラジカルや一重項酸素などの酸化力の非常に強い活性酸素が大量に発生し、皮膚がんを引き起こす要因にもなるため、注意が必要である。 また、紫外線は目に与える影響も大きい。紫外線を浴びて活性酸素が発生すると、目の水晶体を構成するヒアルロン酸が変性して、白内障を発症しやすくなる。また、陽射しの強い日に直射日光を浴びると、活性酸素の影響で結膜が傷つき、目のかゆみや痛みを感じたり、ものが暗く見えたりすることもあるのだ。陽射しの強い日には特に紫外線対策に気をつけ、皮膚や目を守るように心がけたい。 夏の瞳にダメージ!紫外線にご注意を UVケア商品を利用して、紫外線の害を防ごう 紫外線を無防備に浴びていると活性酸素が発生して皮膚の老化を招くだけでなく、皮膚がんのリスクを高めかねない。しかし、皮膚にも自ら紫外線をシャットアウトするための自己防衛システムがはたらいているということをご存知だろうか?その大事な役割を担っているのが、皮膚の表皮にある「メラノサイト」という細胞。メラノサイトは、紫外線の侵入を阻むために「メラニン」という色素を作り出しているが、このメラニンが紫外線による活性酸素のダメージを引き受け、自らが酸化して黒くなることによって皮膚の細胞に酸化の被害が及ぶのを防いでくれているのだ。 このメラニン色素は新陳代謝によってアカとなってやがて取れていくのだが、紫外線を浴び過ぎてメラニン色素がたくさん作られると、シミとなって残ってしまう。また、陽射しが強いとメラニン色素のはたらきだけでは予防しきれないため、UVケア商品を利用していくのが有効である。UVケア商品を選ぶ目安としては、SPFとPA値を見てみよう。SPFはUVBからの日焼けを防ぐ効果の指数であり、SPF1は20分間UVBをブロックする。また、PAはUVAからの日焼けを防ぐ効果の指数であり、+~+++がある。日常ではSPF20、PA++程度がよく利用されているが、状況に応じて強度の違うUVケア商品を使い分けるとよいだろう。 紫外線をブロックして「夏老け」防止!日焼け止めの選び方のコツ 公開日:2004年4月19日
紫外線はシミ、シワなど美容の観点から語られることが多いのですが、実は体にも深刻なダメージをひきおこすことをご存知ですか?皮膚の炎症や皮膚がんだけでなく、免疫機能や目への影響について紹介します。また、安全なほくろと皮膚がんとの見分け方についても取り上げます。 目次 皮膚への影響1~日焼けには「サンバーン」と「サンタン」がある 皮膚への影響2~紫外線が関係する皮膚がんは3種類! 免疫への影響~ヘルペスも紫外線によってひき起こされる! 目への影響~紫外線を浴び過ぎると白内障のリスクが高まる! 皮膚がんと「ほくろ」はここが違う! 皮膚への影響1~日焼けには「サンバーン」と「サンタン」がある 初夏から真夏はさんさんとふりそそぐ日光の下、半そで、素足でさっそうと出歩きたくなる季節ですが、日焼けには用心しましょう。「日焼け」とひとことで言っても、その種類には大きく2種類あることをご存知でしょうか。皮膚の炎症が起こり、赤くなってヒリヒリ痛むのを「サンバーン」、その後3~4日たって色素沈着し、褐色になってしまうのを「サンタン」といいます。いずれもUV-Bの影響によって起こるものですが、まずはこの2つの特徴を把握しておきましょう。 UV-Bについては:驚異の紫外線、その正体は? ■日焼けの種類 日焼けの種類 サンバーン サンタン 肌の状態 赤くなってヒリヒリ痛む 褐色になるが痛みはほとんどない 発症する時期 強い日差しに当たった後、約半日~2日 サンバーンを発症してから3~4日後。約7日で最も黒くなる。 日焼けのメカニズム 表皮の角化細胞の細胞膜でつくられた活性酸素により、血管を拡張する作用をもつプロスタグランディンEという物質が真皮に作用して血管を拡張し、血流が増えるために炎症が起こる。 サンバーンにより、プロスタグランディンEとともにつくられたサイトカイン、神経ペプチドなどの物質が、表皮の基底層にあるメラノサイト(色素細胞)に到達し、メラニンという褐色の色素をつくる。これが増えると皮膚が褐色になる。 皮膚への影響 皮膚の細胞のDNAが傷つけられるため、皮膚がんの原因になる。 メラニンがたくさんできて表皮の基底細胞を覆うため、皮膚の細胞のDNAをUV-Bの影響から守ってくれる。 サンバーンからサンタンに移行するとメラニン色素がつくられ、UV-Bの影響でDNAが傷つくのを防ぐことができます。つまり、メラニンは肌を守るために大切な役割を果たしています。しかし、一度に大量にUV-Bを浴びるとメラニンの量が多くなるため、シミの原因になってしまいます。強い日差しを浴びるのは皮膚の美しさを保つには大敵というわけです。 今はできなくても。「潜在シミ」のできるメカニズム 皮膚への影響2~紫外線が関係する皮膚がんは3種類! それでは、紫外線によってひき起こされる皮膚がんには、どんな種類があるのでしょうか。大きく分けて以下の3つがあると言われています。 皮膚がんの主な種類 ●基底細胞がん 皮膚がんのなかでは最もポピュラーながんです。最初はほくろと間違えられやすく、年をとるとともに次第に大きくなっていきます。転移することはほとんどありませんが、治療しないでいると筋肉や骨にまで到達することも。 ●有棘細胞がん 基底細胞がんの次に多い。暗紅色のしこりや潰瘍ができます。紫外線量の影響のほか、子供の頃の重度のやけどが原因になることもあります。治療が遅れると転移するので、早めの対策が肝要です。 ●メラノーマ 悪性黒色腫ともいわれ、白人に多く見られます。メラノサイト(色素細胞)ががん化し、黒褐色や紅色のほくろのようなものができます。進行すると転移しやすく、手術では広範囲の皮膚やリンパ節も切除してしまわなくてはならないこともありあmす。 また、紫外線の影響によって起こる皮膚がんのがん前駆症として注目されているものに、「日光角化症」があります。顔や鎖骨の周辺、手の甲などに紅褐色の斑点ができたら要注意です。長い年月の間に紫外線を浴びてきた高齢者に多いのですが、約2割が有棘細胞がんになるといわれているので、早めに皮膚科医に相談するのがベストです。 免疫への影響~ヘルペスも紫外線によってひき起こされる! 紫外線の影響は皮膚ばかりではなく、体内の免疫機能へのダメージも深刻です。紫外線が免疫力に影響してひき起こされる病気に、ウイルス感染性の単純ヘルペスがあり、なかでも口唇ヘルペスが代表的です。口唇ヘルペスは、多くの場合お母さんが赤ちゃんにほおずりをしたりキスをしたときに感染し、体内にウイルスが潜伏します。風邪や睡眠不足、紫外線などによって免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化し、唇にポツポツと現れます。 では、紫外線が免疫機能を低下させるメカニズムはどうなっているのでしょう。皮膚の表皮には、「ランゲルハンス細胞」という手のひらを広げたような細胞があります。この細胞は異物が侵入した情報をキャッチし、リンパ節に移動してその情報をリンパ球に伝え、異物をやっつけてもらう仲介役のような役割をしています。しかし、ランゲルハンス細胞が紫外線によってダメージを受けると、異物の情報をキャッチできなくなるためリンパ球に情報が伝わらず、免疫機能がはたらかなくなります。つまり、体の免疫力を保ち、ウイルスや細菌の感染から身を守るためにも、日焼け対策はしっかり行うことが肝心です。 紫外線が免疫機能を低下させるメカニズム 目への影響~紫外線を浴び過ぎると白内障のリスクが高まる! 紫外線は目にも影響を与えるといわれています。目のレンズの役割をしている水晶体がにごり、視力が低下してしまう白内障です。なかでも最も多いのが加齢によって起こる老人性白内障ですが、このリスクファクターのひとつにあげられるのが、紫外線となります。白内障に影響を与える紫外線は、おもにUV-Bであるといわれてきましたが、最近の研究ではUV-Aも加わるとダメージが大きくなることが明らかになっています。レンズはたんぱく質を主成分として構成されており、血管がないために新陳代謝が起こりません。長い年月をかけてレンズに紫外線が当たるとたんぱく質の変性が進み、弾力性や透明性が低下して白内障がひき起こされるというわけです。 加齢とともに進行する白内障を予防するには、まぶしい日差しの下ではサングラスを着用することが最も大切です。 皮膚がんと「ほくろ」はここが違う! メラノーマなどの皮膚がんは、最初はほくろと見分けがつかないことが多いようです。ほくろはメラニンを多く含んだ色素細胞が増えてできる「色素性母斑」というもので、がんになることはほとんどありません。短期間に以下のような変化があれば、ほくろではなく皮膚がんが進行している可能性があるので、十分に注意しましょう。 ●1~2年で倍以上に大きくなってきた ●表面がでこぼこしたり、形が崩れてきた ●赤や黒、茶色や肌色などが混ざった色をしている ●最初は茶色っぽかったのに、しだいに黒く変色してきた 公開日:2003年5月26日
コエンザイムQ10(CoQ10)には、老化防止、体力向上、美容などの効果が期待できる。また、コエンザイムQ10を補給すると心臓ポンプのはたらきがよくなり、心疾患の改善にも効果が期待できたという。そのほか、アルツハイマーやパーキンソン病、がんなどの予防・改善にも期待大。 目次 コエンザイムQ10で老化を防止! 抗酸化作用にも頼もしい存在 まだある!コエンザイムQ10のメリット 世界で初めてコエンザイムQ10の原料供給に成功したのは日本の会社だった! コエンザイムQ10で老化を防止! 心臓は血液を全身に送るポンプのようなはたらきを持っており、1日24時間休みなくはたらき続けている。コエンザイムQ10は特に心臓で必要とされる補酵素であり、コエンザイムQ10が不足すると心臓の機能が低下してしまう。その結果、足のむくみ、動悸、息切れ、疲労感、低血圧、心疾患の悪化などさまざまな疾病を引き起こすと考えられている。 心臓を強くすることは老化防止にもつながる。これから日本が迎える高齢化社会に対応するためにもしっかりコエンザイムQ10を摂取しよう。 抗酸化作用にも頼もしい存在 ■ビタミンEの酸化を防ぐCoQ10 資料提供:日清ファルマ株式会社 「活性酸素」が体にダメージを与える存在であることはご存知の方も多いだろう。 ストレスや喫煙、過度の飲酒などによって体内で生成される活性酸素は不安定で攻撃的。これが体内で適切に処理されないと、それが引き金となって心筋梗塞や脳卒中、がんなどの生活習慣病を引き起こしてしまう。この活性酸素によって体が傷つけられるのを防ぐ作用を抗酸化作用と呼ぶ。 抗酸化作用のある物質としてはビタミンEやビタミンCなどが有名だが、実は、コエンザイムQ10も強力な抗酸化物質。ちなみに、体のサビの原因でもある脂質過酸化物の生成が、コエンザイムQ10が存在する間は抑えられるという研究結果も報告されている。病気の予防や老化防止にも役に立つとの期待大である。 まだある!コエンザイムQ10のメリット エネルギーを作り出すのに必要なコエンザイムQ10。ほかにもまだまだメリットがたくさん! 肌の老化をストップ コエンザイムQ10は特に女性には嬉しい美容効果がある。 皮脂などの皮膚のオイル成分が老化や紫外線などの影響により酸化すると「過酸化脂質」になり、シミやシワ、乾燥肌などの皮膚の老化現象が起こる。コエンザイムQ10には、この過酸化脂質をもとの物質に還元し、さらにビタミンEとともに過酸化脂質の発生を抑えてくれるはたらきがあるのだ。 また、アメリカでは脚のむくみの解消や脚の部分やせができるとして、女性に非常に人気がある。コエンザイムQ10は脚の動脈を広げて血流をよくすることで、脚の水分代謝をよくしむくみを解消し、下半身の脂肪を燃焼させると言われている。 コエンザイムQ10はお肌がきれいになってさらにダイエットもできる、スグレモノなのだ。 体力向上!疲れ知らずになれる 前述の通り、コエンザイムQ10は、体内でエネルギー産生に大きく関わっている。と言うことは、コエンザイムQ10が不足すれば、当然エネルギーも減り、疲れやすい体になってしまう。また、摂取した食物はきちんと代謝し、エネルギーに変換することが必要なのだ。 慢性的な疲労でお悩みなら、コエンザイムQ10を摂取してみてはどうだろうか。 病気の改善・予防に期待 もとは心疾患患者のための医薬品でもあったコエンザイムQ10。補給すると、心臓ポンプのはたらきが高まり、心不全や高血圧、脚のむくみなどの症状が予防・改善すると考えられている。 また、パーキンソン病やアルツハイマーなど脳と関連した疾患は、活性酸素が神経組織にダメージを与えることが原因と考えられるため、コエンザイムQ10の補給で脳疾患を予防するとも考えられている。 そのほか、がんの予防や改善、肥満の改善、免疫系の強化など、さまざまな疾病の予防や改善に期待されている。 世界で初めてコエンザイムQ10の原料供給に成功したのは日本の会社だった! 1957年にアメリカの研究者たちによってコエンザイムQ10がはじめて発見され、翌年から本格的な研究が始まった。その研究のために、大量のコエンザイムQ10が必要となり、その要望にこたえて世界初の量産化に成功したのは日本の会社だ。それが、日清製粉株式会社の医薬部門(現在の日清ファルマ)だった。製粉会社と医療品原料、ちょっと遠いようだが、実は同社の創業者が健康増進に強い関心を持ち、ビタミンの研究を続けていたのだとか。またエーザイ株式会社との共同研究を重ねた結果、世界初のうっ血性心不全の医療用医薬品を発売。 このように、コエンザイムQ10の研究と開発には日本の企業が深く関わっていたのだ。 公開日:2003年3月3日
肌荒れの原因は「うるおい不足」。肌に本来備わっている「天然うるおい成分『NMF』」の主成分がアミノ酸です。アミノ酸を肌の角質層にきちんと補ってやれば、皮膚内の情報伝達によって必然的に表皮・真皮も整い、肌の代謝は正常なサイクルに戻ります。専門家の間では、このメカニズムは「コルネオセラピー」と言われています。 目次 肌のトラブル、原因は「うるおい不足」 角質にうるおいを!「コルネオセラピー(角質ケア)」 肌のトラブル、原因は「うるおい不足」 鏡に映ったあなたの顔。目元や口元がカサカサしていたり、吹き出物ができていたり、シミやソバカスが目立ったり、たるみやしわが気になるなど、何かトラブルを起こしてはいないだろうか? こうした肌のトラブルの大きな原因に「うるおい不足」が考えられる。うるおいとは水分のこと。肌の水分は角質層の3つのバリア機能によって守られている。 バリア1●天然うるおい成分「NMF」 天然うるおい成分NMF(Natural Moisturizing Factor)は角質細胞内に点在し、水分を角質層の中に閉じ込めている。 バリア2●皮脂膜 皮脂膜は皮脂腺が分泌する脂肪分で作られていて、水分の蒸散を防ぐことで肌の乾燥を防ぐと同時に外界からの刺激から肌を守っている。 バリア3●細胞間脂質「セラミド」など セラミドは角質層を構成する脂質のうちの主な成分で、角質がはがれたりめくれたりしないようにつなぎとめる役割を果たしている。 特に注目したいのは、バリア1「天然うるおい成分『NMF』」。NMFは、およそ半分がアミノ酸(約40%)とアミノ酸から作られている成分・PCA(約12%)で構成されている。NMFが不足すると角質細胞そのもののうるおいが減ってしまい、角質層の重なりが乱れて肌荒れや乾燥などのトラブルを招いてしまう。 荒れた肌や、花粉症・アトピーなどのトラブル肌のアミノ酸量を測ると、健康な肌の約6割以下にまで低下しているという調査報告があったり(味の素データ)、アミノ酸量は年齢と共に低下傾向にあることもわかっている。つまり、肌のうるおいはアミノ酸によって左右されているのだ。 角質にうるおいを!「コルネオセラピー(角質ケア)」 皮膚は真皮、表皮、角質の3層から成っている。真皮層で誕生した表皮細胞は次第に表面に押し上げられて角質層になり、やがてはがれ落ちてゆく。このサイクルを「ターンオーバー」といい、約4週間で1サイクルが終了する。 規則正しいターンオーバーを促すためには、角質層のNMFとセラミドのバランスが大切。もし肌が乾燥していたりしてNMFが不足していると、角質層から肌荒れのシグナルが表皮→真皮へと伝えられる。また、真皮層で新しく生まれる表皮細胞にも肌荒れシグナルが伝わり、本来の健康な表皮細胞ではなく、調子の悪い表皮細胞が生まれてしまう。その結果、今度は逆に調子の悪い表皮細胞が真皮→表皮→角質層へと押し出されるという、「肌荒れスパイラル」を繰り返してしまうのだ。 もちろんその逆に、角質層の状態が良好だとその状態が表皮→真皮へと伝わり、整った肌の状態を保つことができる。 このように、角質層(コルネオサイト)を整えれば、皮膚内の情報伝達により必然的に表皮・真皮も整い、その結果、正常なサイクルで代謝が行われるというメカニズムを「コルネオセラピー」と言い、専門家の間では数年前から注目を集めている。角質細胞を良い状態、つまり「うるおい状態」にするためには、NMFの主成分であるアミノ酸を肌に直接届ける方法が有効だ。 数年前、フルーツ酸などを用いて角質を無理やりはがし、ターンオーバーを促すという方法がはやったが、これは正しい意味でのコルネオセラピーではない。アミノ酸をきちんと角質層に補い、ひとつひとつの角質細胞がNMFをキープして正常な状態にすることから、肌全体を健康にしていこうというのが、コルネオセラピーの基本的な考え方だ。 もちろん、バランスのとれた食事で良質のアミノ酸を補給し、体内から真皮へとアミノ酸を送ってやることも美肌にとって大切なこと。逆にファーストフードなどの偏った食生活や睡眠不足、喫煙習慣、ストレスなどの荒れた生活は肌荒れにも直結することを心しておこう。 公開日:2002年11月25日
体のさまざまな部分で起こる老化現象ですが、ある程度の年齢になると必ず起こるものもあれば、努力次第で防ぐことができるものもあります。老化の原因として外的な要因が大きく、努力すれば防ぐことができるものをご紹介します。 目次 皮膚のシミ・しわを防ぐには 体力・筋力の衰えを防ぐには 歯のぐらつき・抜けを防ぐには 皮膚のシミ・しわを防ぐには お肌の曲がり角は○歳などとよく言われますが、皮膚の老化には個人差と部位による違いがあります。なぜなら、皮膚の老化の80%以上が日光によるものといわれ、日光のあたりやすい皮膚ほど早く老化するからです。 日光の影響下で起こる老化現象には、皮膚の乾燥、発汗の減少、毛の成長速度の低下、しわの出現などがあります。このなかで皮膚の乾燥、しわの出現などは主に40歳ごろから目立つようになります。しかし、日焼け止めや帽子の使用などで日光にさらされないようにすることで、老化を遅らせることは可能です。 また、洗顔方法にも注意をしましょう。スポンジやたわしなどでこすって皮脂を落としすぎると、皮膚が乾燥しやすくなってしまいます。石けんを使ってなで洗いするだけでも十分です。体についても同様ですので、手の届く範囲は赤すりタオルなどを使わずに手と石けんだけで洗うようにしましょう。 体力・筋力の衰えを防ぐには 体を支える元となる筋肉や骨の力は、20歳くらいまでの間に発達し、それ以後はゆるやかに衰えていきます。筋肉などを作る成長ホルモンの分泌がこの年齢を境に激減するからです。しかし、歳をとってもそれなりに運動をしていれば、体力、筋力ともに衰えを遅らせることができます。 逆に、日常最低限しか体を動かしていないと、体力・筋力ともに衰える速度が進んでしまいます。30代後半なのに、50歳代の平均以下しか筋力がないという人も、最近では珍しくありません。 歯のぐらつき・抜けを防ぐには 30代くらいではまだ現実的ではないかもしれませんが、「歯がぐらつき、抜けてしまう」のも老化現象のひとつです。これは歯周病などの病気が直接の原因です。ケア次第で80歳まで入れ歯のお世話にならずにいることもできます。 歯周病とは、歯みがきによって落としきれなかった食べ物のカスや細菌の固まり(歯垢)が歯と歯ぐきの間にたまり、毒素を出して歯ぐきなど歯の土台を弱くしてしまう病気です。そのうち、歯と歯ぐきの間に膿がたまり(歯槽膿漏)、最終的には歯がぐらついて抜けてしまいます。 15歳以上になると、歯の異常の大部分が歯周病によるものとなります。今は異常がなくても、歯を守る生活を怠ると、10年後には入れ歯や差し歯のお世話になる可能性が高くなります。 歯周病を防ぐためには、きちんとした歯みがき(デンタルフロスなどで歯と歯の間もしっかり落とす)を行うのが一番ですが、体そのものの防御力を保つことも大切です。例えば、唾液には殺菌作用のある酵素が含まれています。物をよく噛んで食べ、しっかり唾液を分泌させる習慣も意外と大事なのです。そのほか、お茶にふくまれるフッ素やカテキンも抗菌作用があるので、食後に飲む習慣を心がけたいものです。
老化のメカニズムを知るために、まずは「肌」について知っておきましょう。あわせて、あなたの肌の老化度もチェック! 目次 老化は10代後半から始まっている!? 健康な肌は28日周期で新しく生まれ変わる 肌の老化度をチェック! 老化は10代後半から始まっている!? 個人差こそあれ、誰でも若い時は生き生きした肌をもっていた(いる)はずです。しかし、年齢とともに肌は衰え、みずみずしさを失い始めます。ある程度仕方のないことです。 昔から「25歳はお肌の曲がり角」といわれてきました。しかし実際には成長期を過ぎた頃、つまり10代後半から肌の老化は始まっているともいわれています。 実際の年齢とは別に、見かけの年齢を表す「肌年齢」という言葉を聞いたことがあるでしょう。若いうちならこの2つにあまり差はありません。しかし年をとるにしたがって、この差は次第に広がります。つまり、同じ年齢でも若く見える人と老けて見える人の差がはっきりしてくるのです。確かに、40代なのにシワもほとんどなく肌がつやつやしている人もいれば、20代でも肌にハリがなく老けて見える人もいます。この差はいったいどこから生まれるのでしょうか? 健康な肌は28日周期で新しく生まれ変わる 老化のメカニズムを知るために、まずは皮膚の構造を理解しましょう。 人間の皮膚は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層に分かれます。 ●表皮 皮膚の一番外側にあり、皮膚の内部を守っています。厚さは平均0.1mm。 表皮はさらに「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層から成っています。ふつう「肌」というと一番外側の角質層を指すことが多いようです。 ●真皮 肌に弾力・ハリがあるかどうかはこの真皮の状態によります。いわば、肌の心臓部です。 ●皮下組織 体温を維持したり、エネルギーを貯蓄したりするところです。 肌にはターンオーバーという「生まれ変わる力」があります。まず表皮の基底層で新しい細胞が作られ、それが皮膚表面に向かって少しずつ変化しながら押し上げられ、最後にはフケや垢となってはがれ落ちます。こうして新しい細胞と古くなった細胞がいれかわる新陳代謝が絶えず行なわれています。 健康な肌なら約28日周期でこの新陳代謝が繰り返されています。しかし、年齢とともに新陳代謝は鈍くなり、周期も長くなります。さらに紫外線・乾燥・ストレスなどさまざまな要因によっても周期は崩れ、うまい具合に新しい皮膚が再生されなくなるのです。 肌の老化度をチェック! あなたの肌年齢はいくつでしょうか。次の項目のうち、あてはまるものが多いほど、肌の老化が進んでいるといえます。かっこよく年をとりたいなら、本気で対策を考えましょう。 頬を指で押さえても弾力がない 目や口のまわりに小ジワが目立つ 鼻や口のまわりの毛穴が横長に広がっている シミができてきた 肌が生き生きしている感じがない 日焼け後の回復が遅くなった 数年前と今の写真を見比べると肌のハリがなくなっていることに気づく 洗顔後30分たっても肌がつっぱる
肌の老化を早める要因のひとつ「紫外線」について知っておきましょう。紫外線は、波長の違いによって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。 目次 紫外線はほんとうに怖い! 紫外線によるシミはこうしてできる 紫外線によるシワはこうしてできる 紫外線はほんとうに怖い! 肌の大敵NO.1は、紫外線です。シミやシワの80%が紫外線によるものともいわれます。 農業や漁業にたずさわってきたお年寄りの首筋には深いシワがよく見られますが、これは長年にわたって紫外線を浴び続けてきたことによるものです。またシミやシワで皮膚科を訪れる人には、若い頃にスポーツなどで真っ黒に日焼けしていた人や、肌の保護に無頓着だった人が多いといいます。今は大丈夫でも、数年後に必ずしわ寄せがくるということです。 紫外線は、波長の違いによって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。 UVA 生物に与える影響はUVBの100分の1~1000分の1だが、表皮を通り越して真皮にまで達し、シワをつくります。 窓ガラスを透過するので、室内にいても浴びます(量は1/2に減少)。 曇りの日でも、量は変わりません。 UVB 角化細胞に損傷を与え、急激な日焼け(炎症)や皮膚がんの主な原因となります。 窓ガラスにほとんど吸収されるので、室内には入ってきません。 曇りの日は、量が1/3程度に減ります。 UVC オゾン層で吸収されるので、地上にはほとんど届きません。 日本では、紫外線は3月頃から強さを増し、5月から8月にかけてもっとも強くなります。1日のうちでは正午頃がピークです。 夏はしっかり紫外線対策をするという人でも、秋冬は怠りがちですが、冬の紫外線の量だってあなどれません。特にスキー場は危険地帯です。 最近、老化や成人病の大きな原因として「活性酸素」が注目されていますが、紫外線は体内にこの活性酸素を発生させるもとになります。 紫外線によるシミはこうしてできる 1. 紫外線を浴びます。 2. それに対する防衛反応としてメラニン色素がたくさんつくられ、肌は黒くなります。 3. メラニン色素はふつう28日周期の表皮の角化にともなって抜け落ち、肌色も元に戻ります。 4. しかし、日焼けの程度がひどい場合、表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ち込み、色素沈着を起こしてシミになります。軽い日焼けでも、人によっては色素沈着を起こすこともあります。 紫外線によるシワはこうしてできる 1. 紫外線を浴びます。 2. 肌の弾力とハリを司るコラーゲンが断裂・変性します。コラーゲン産生量も低下します。 3. 真皮が萎縮し、深いシワができます。
肌の老化を早める要因のうち、「乾燥」「強い刺激」「食生活」について考えます。 目次 あなたの肌、水分を欲しがっている? 偏った食生活も老化を促進する シミやシワは、一度できたら治らないの? あなたの肌、水分を欲しがっている? 紫外線の恐ろしさについては、老化を急ピッチに進める肌の敵「紫外線」で紹介したとおりですが、同様に 乾燥も肌の大敵です。例えば洗顔剤で顔を洗うと、肌がつっぱった感じがするでしょう。これは、洗顔によって皮脂が取られ、角質層の水分を保つ物質(天然保湿因子=NMF、細胞間脂質)も溶け出して、肌の水分が蒸散される状態になるため。このまま放置すると小じわのもとになります。 また、スクラブ洗顔・パック・美顔マッサージのやりすぎ、フェイスブラシの使いすぎなど、強い刺激も肌には迷惑となります。角質層(一番外側にあって皮膚を守っている)を傷め、水分が蒸散してシワができやすくなるうえ、炎症を起こしやすくなりシミや黒ずみの原因にもなります。角質層はセロテープで簡単にはがれてしまうような、デリケートなものなのです。 偏った食生活も老化を促進する 肌の新陳代謝、そして紫外線から体を守ろうとする物質の原料になるのは、各種の栄養素です。バランスの悪い食生活でこうした栄養素が不足すると、紫外線に対する抵抗力が低下し、シミやシワができやすくなります。肌のハリや弾力、みずみずしさも失われてしまいます。糖分や脂肪(特にリノール酸)の摂りすぎも問題です。 シミやシワは、一度できたら治らないの? シミができたら? シミができて慌てて美白化粧品を使い始める人も多いことでしょう。美白化粧品などには確かにシミに効く有効成分が入っています。ただし、シミの種類によって効くもの効かないものがありますし、そもそも化粧品というのは「治す」ものではありません。過度の期待はせず、「少しでも予防・改善できれば」ぐらいに考えたほうがいいようです。 エステも肌を活性化させるにはいいでしょう。結果的にシミが目立たなくなることもあるようです。ただしこれも、根本的に治すという「治療」ではありません。 きちんと治したいなら、皮膚科、美容整形外科などに相談してみるとよいでしょう。飲み薬(ビタミンC・E剤や抗プラスミン剤など)や塗り薬(ビタミンA誘導体など)、レーザー治療など、方法はいろいろあります(飲み薬や塗り薬は限界があります)。 シワができたら? 小ジワ(浅いシワ)ならスキンケアで元に戻すことは可能です。コラーゲンやフルーツ酸入りの美容液・化粧水で試してみるといいでしょう。皮膚科では塗り薬を処方してもらえます。 一方、深いシワとなるとスキンケアやエステでは無理です。どうしても治したい場合は、レーザー治療やシワ取り美容手術に頼ることになります。 いずれにせよ、まずは予防、できてしまったら早めに手を打つことが大切だ。
自分に何が足りないビタミンがわからなければ、対策も立てられません。ケース別に摂りたいビタミンをまとめたので、ぜひ参考にしてください。 目次 「生活スタイル別」不足しがちなビタミン 「悩み別」不足しがちなビタミン 「行動別」不足しがちなビタミン 「生活スタイル別」不足しがちなビタミン ●外食やインスタント食品が多い →ビタミンB1 外食などはどうしてもめん・パンといった糖質の多いものになりがちです。糖質が多いということは、それをエネルギーに変えるビタミンB1が大量に必要になるということになります。 ●甘いものや清涼飲料水が好き →ビタミンB1 糖の代謝にはビタミンB1が必要不可欠です。 ●生活が不規則で睡眠不足気味 →ビタミンB1、ビタミンB2 不規則な生活でたまった疲労を回復するには、食べたものを効率よくエネルギーに変えることが大切です。B1は糖質を、B2は脂肪をエネルギーに変えるために必要となります。 ●ダイエット中 →ビタミンB1、B2、B6、 B12(とくにB2とB12) 蓄積された脂肪をエネルギーとして活用し、新陳代謝を盛んにするはたらきがあります。 ●たばこを吸う →ビタミンC、ビタミンA たばこを吸うと体内のビタミンCが破壊されます。Aは粘膜保護のためです。 ●お酒好き →ビタミンB1、ビタミンC B1はアルコールの代謝に必要な栄養素です。Cはアルコール分解途中に生じる悪酔い物質アセトアルデヒドを減らす効果があります。 「悩み別」不足しがちなビタミン ●ストレスがたまっている →ビタミンC ストレスを解消するために、副腎が副腎皮質ホルモンを大量生産して対抗しようとします。ビタミンCはこのホルモンをつくるときに大量に使われます。 ●シミ・ソバカス →ビタミンC、ビタミンE 予防のためには、メラニンの発生を抑えるCが効果的です。できてしまったシミをとるには、Eを摂りましょう。毛細血管を広げて血流をよくし、真皮の新陳代謝をよくして細胞の入れ替わりを活発にします。 ●シワ・肌荒れ →ビタミンA、ビタミンE Aは肌をみずみずしく張りのあるものにするコラーゲンの生成に関与しています。Eは血行をよくし、皮膚の新陳代謝を活発にします。 ●便秘 →ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1 Cは一種の副作用として大量に摂ると便が柔らかくなったり下痢を起こします。Eも同様です。B1は腸のはたらきを活発にします。 ●口臭が気になる(消化不良によるもの) →ビタミンB群、ビタミンC B群には整腸作用があります。Cには胃腸の中の有害菌を殺す作用があります。 ●前日の疲れがとれない →ビタミンB1 体内に蓄積された疲労物質を分解してくれます。脳のはたらきもよくなり、神経疲労の軽減にも役立ちます。 ●風邪をひきやすい →ビタミンC、ビタミンA Cは風邪のウイルスの核酸を破壊してウイルスを殺すなどの作用があります。Aは鼻やのどの粘膜を丈夫にします。 ●肩こりがひどい →ビタミンB1、ビタミンC 目からくる肩こりには、神経の情報伝達をスムーズにして目の疲れを和らげるB1を摂りましょう。ストレスによって筋肉に疲労物質がたまった場合には、疲労物質の分解を早めるCが効果的です。 ●抜け毛・枝毛がひどい →ビタミンE 髪の老化は酸化が原因です。Eのもつ抗酸化作用が髪の毛の酸化を防ぎ、ツヤのある美しい髪を守ります。 「行動別」不足しがちなビタミン ●二日酔い →ビタミンB群(とくにB1)、ビタミンC 肝臓のはたらきを活発にし、アセトアルデヒドを早く排出します。 ●パソコンによる疲れ目 →ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンC 健康な目を維持するためには、Aが不可欠です。B1やCは水晶体の酸化・老化を防ぐ作用があります。 ●海外出張で時差ボケに悩む →ビタミンB12、ビタミンC 時差ボケの原因は、体内時計と現地の生活時間との間のギャップにあります。B12はこの体内時計を生活時間に合わせるのに役立ちます。海外でのストレス解消に役立つビタミンCとあわせて摂ると効果的です。
20代女性の喫煙が急増 日本では、男性の喫煙率は低下しつつあるものの、日本たばこ産業による調査では、96年の日本人男性の喫煙率は57.5%となっており、先進国中ではトップクラスです。 一方、女性は14.2%で世界と比較して喫煙率は低いのですが、欧米諸国が数十年前に経験したのと同様に、若い女性の喫煙率が高くなる傾向が見られます。 特に20歳代の女性の喫煙率は、75年の12.7%から95年の23.3%へと、20年間で約2倍になっています。 女性の方ががんにかかりやすい? 喫煙の女性への影響としては、まず、女性特有のがんである子宮がんについて考えられます。喫煙女性の子宮けい部粘液中に、ニコチンや、これが体内で代謝されたコチニンなどが検出されたことから、たばこの発がん作用が指摘されています。 また、近年、増加の傾向を見せる肺がんについては、男女が同じ本数を吸った場合に女性の方が発がんの危険性が高いという、女性にとっては心配な報告もあります。 たばことピルの併用は避けたい 性機能への影響では、不妊症や月経不順との関連があげられます。たばこ含有物質によって、ホルモン分泌が影響されるからだろうと考えられていますが、喫煙者は非喫煙者に比べて妊娠に至るまでの期間が延びる傾向が高いという報告があります。 また、経口避妊薬(ピル)の服用は、虚血性心疾患の発症リスクを高めるので(心筋梗塞による死亡率が非喫煙者の約6倍という調査結果があります)、ピルの服用者は喫煙を避けることが勧められます。これは喫煙、ピル共に血液凝固を促進するからだろうと推測されています。 そして、お肌の大敵 美容の面への悪影響も見逃せません。ニコチンは血管を収縮させて血流量を低下させるので、顔色が悪くなり、肌も乾燥し、しみやそばかすが増えてしわの多い皮膚になるのです。
生活習慣病の予防に効果 ビタミンEには、女性ホルモンのバランスを整えて生理不順を防止し、生殖機能を正常に保つはたらきがあります。 また、末しょう血管を広げ、血行を良くするので、栄養が体のすみずみまで行き届き、冷え症や肩こり、白髪を防ぐなどの効果もあります。 さらに、ビタミンEがもつ抗酸化作用(物質が酸化するのを防ぐ作用)は、生活習慣病の予防に効果のある大切なものです。細胞を構成する不飽和脂肪酸が酸化されてできた過酸化脂質などのフリーラジカルは、細胞膜を破壊し、細胞の老化を促進します。 そして、過酸化脂質は、血管を傷つけて動脈硬化を引き起こします。ビタミンEを十分取っていると、過酸化脂質やフリーラジカルの害を防ぎ、生活習慣病、ひいては老化を予防することができるのです。 不足すると顔や体にシミ、ソバカスが増える ビタミンEが不足すると、顔や体にシミやソバカスが増える、流産しやすい、手足が冷える、しもやけができる、肩凝りがひどくなる、などの兆候が現れます。 欠乏症としては、貧血、え死性筋疾患、反射低下、歩行困難、眼球まひなど、さまざまな症状が現れます。
コラーゲンに欠かせないビタミン 健康面だけでなく、美容の面でもさまざまなはたらきをしているのがビタミンCです。人体のたんぱく質の3分の1を占めるコラーゲンを作るのに欠かせないビタミンです。コラーゲンは、骨の強化や、細胞と細胞をつなぎ合わせるはたらきをしています。 また、シミやソバカスの原因になるメラニン色素の生成を抑える作用や、紫外線に対する皮膚の抵抗力を強めて日焼けを防ぎ、血色や肌のつやをよくする作用も持っています。 欠乏症は身体各部からの出血 欠乏の兆候として、歯ぐきからの出血、あざができやすくなる、肌荒れがひどく小ジワが増える、頭痛や肩こり、筋肉痛を起こしやすくなる、などがあげられます。さらに重いビタミンC欠乏症になると壊血症が発生します。 この病気は全身けん怠、疲労感、関節痛、身体各部からの出血をもたらします。ストレスや喫煙がビタミンC不足の原因になるので、注意が必要です。