気温が30度を越す暑い季節。いつもにまして欲しくなるのが水分たっぷりの果物類だが、なかでもおすすめは夏が旬のパイナップル。パイナップルの健康効果を紹介する。 目次 今がおいしいパイナップル! パイナップルの選び方 パイナップルで夏バテ予防! パイナップル料理を食べよう! 今がおいしいパイナップル! 気温が連日30度を超す猛暑の季節。この時期、いつにもまして欲しくなるのが水分たっぷりの果物類だが、なかでもおすすめはパイナップル! 日本にはフィリピン産のものが多く輸入されているが、最近では、手でちぎって芯の部分まで食べられる台湾産のスナックパインという品種も出回っている。また、日本で唯一栽培している沖縄から生で露地モノが出るのは7~9月。フレッシュジュースやパフェ、アイスやケーキ、ドライフルーツ、酢豚など、食べ方はさまざまで缶詰など加工品で見かけることも多いが、この季節にはぜひ、丸ごと買って生で食べて欲しい。なぜなら、生のパイナップルは健康にもよいからだ。 パイナップルの選び方 ●選ぶなら新鮮なものを。 ●表面の溝が深く、緑色が濃く残っているものが新しく、全体に赤みがあるツヤのよいものがおすすめ。葉の部分が枯れているようなものは避けよう。 ●できるだけ大きめのサイズで、持ってみたときにずっしりと重みがあり、下のほうが膨らんだ人間でいえば安産型を選ぼう。 ●日持ちはあまりしないので、カットしたら数日くらいで食べきろう! パイナップルで夏バテ予防! プロメリンの消化作用 未熟なパイナップルを食べると、舌がピリピリすることがある。これは、プロメリンというたんぱく質分解酵素がたくさん含まれているせい。これは、熟すにつれてなくなり、加熱すると効力を失う。よく、ゼラチンなどの箱に「生のパイナップルは使えません」といった説明書きを見かけるが、これは、プロメリンがゼラチンのたんぱく質を分解し固まらないようにするからなのだ。 夏に生のパイナップルをおすすめする最大の理由が、プロメリンのたんぱく質を分解する性質にある。酢豚に入っているパイナップルを思い出してほしい。プロメリンはたんぱく質を分解するため、パイナップルを使うと、肉を柔らかく味をまろやかにし、消化を助けるのだ。そのため、食欲を失いがちな夏こそ出番!熱帯地方でも、食後にパイナップルを食べるとよいと言い習わされているそうだ。ただし、プロメリンのたんぱく質分解作用は60度以上の熱を加えると効力を失う。料理に使うことで消化への作用を期待するなら、料理の最後に入れるなどの工夫が必要。 消化という面で言えば、パイナップルは食物繊維も豊富なので、便秘予防にもなりそう。 食欲増進にクエン酸・リンゴ酸 クエン酸やリンゴ酸も豊富に含まれている。レモンや梅干の酸味の元として知られるクエン酸は、疲労回復によく、エネルギー代謝を活発にする。リンゴ酸はクエン酸より甘みが強く、クエン酸を助けて新陳代謝を活発にする。 また、リンゴ酸は熱に強いので、パイナップルに加熱調理をすると、甘みが増す。料理にパイナップルやパイナップル果汁を用いると、味に深みを増し、食欲を増進させるので、夏バテ気味で、食欲がないときにおすすめだ。 夏に不可欠な栄養素がたっぷり そのほか、パイナップルには、日焼け予防に役立つビタミンCや、疲労回復に役立つビタミンB1など、夏の健康を守るうえで必要不可欠なさまざまな栄養素が含まれている。 パイナップル料理を食べよう! パイナップルを使った料理で一番馴染み深いのはなんといっても酢豚だろうが、ほかにもカレーやチャーハン、サラダなどに使うこともできる。東南アジアでは料理に使うことも多い。パイナップルの甘酸っぱさが、暑さにやられがちなこの時期の食欲を刺激してくれるのだ。 ●酢豚(中華料理) 豚肉やたまねぎ、ピーマンも一緒に摂れるので、栄養のバランスもよい。 ●パイナップルチャーハン(タイ、ベトナム料理) チャーハンに、パイナップルを刻んで加えたもの。ナムプラーなどを使えばより本格的な味に。 ●ピニア・コラーダ(ハワイのカクテル) パイナップルジュースにココナッツミルクなどを加えたもの。ピニア・コラーダとはスペイン語で「パイナップル畑」の意味。 公開日:2005年8月22日
食べ物は、組み合わせることによってそれぞれが持つ力以上に効果を発揮することがある。でも、それぞれの食品には、得意、不得意がある。上手に生かせるよう、あなたの食生活を変えてみよう。 目次 「ワカメの酢の物」は科学的な食べ物!? 食べ合わせのいろんなタイプ 食は薬の代わりになる!? 食の基本をおさらい!食べ物の得意・不得意 「ワカメの酢の物」は科学的な食べ物!? 食べ合わせと聞くと「天ぷらとスイカ」や「うなぎと梅干」のように、組み合わせるとよくないものが頭に浮かぶかもしれない。でも、食べ物には一緒に食べたほうがいいものもある。 例えば、さっぱりとして口当たりのよい「ワカメの酢の物」。ワカメは栄養価の高い食品だが、じつはそれだけでは消化があまりよくない。ところが、酢をかけて食べると吸収率がアップする。このように、食べ物を組み合わせることによってそれぞれが持つ力以上に効果を発揮することがあるのだ! これを上手に生かせば、あなたの食生活もぐんと変わる!? 食べ合わせのいろんなタイプ たし算タイプ 食べ物の性質や作用が似かよったものの組み合わせ。効果がたし算的に現れる。 例:レモンとグレープフルーツ(疲労・美肌効果)、大根とかぶ(胃腸活性効果) かけ算タイプ 効果は同じでも、作用の違う成分を含む食品の組み合わせ。相乗的に効果が現れる。 例:煮魚としょうが(酸化防止作用)、ごぼうとたまねぎ(高コレステロール血症の改善) ひき算タイプ 片方の食品の有害な部分や体にかかる負担を減少するはたらきがある組み合わせ。 例:冷奴とネギ(体を冷ますものと温めるもの) 食は薬の代わりになる!? 人は食べることなしでは生きられない。その食をおろそかにすると、生活習慣病をはじめとするさまざまな病気にかかってしまう。が、糖尿病や高コレステロールで困っていたとしても、食生活を見なおせば、薬に頼らなくてもかなり改善されるのだ。 ところで、天然の食物は、ビタミンやアミノ酸、必須脂肪酸など体のなかでつくることができない栄養を含んでいる。これらの栄養素は人体のさまざまな機能を調節するはたらきがあるため、かかせないものだ。サプリメント類でこれらの栄養を補給することもできるが、やはり食べ物そのものから吸収したほうが有効性が高いという事例も発表されている。 正しく食べれば薬にもなり、健康な体がつくられるというわけ。食生活を見直すチャンスかも!? 食の基本をおさらい!食べ物の得意・不得意 それぞれの食品には、得意、不得意がある。これらを上手に組み合わせることで、それぞれがもつ良さがさらにパワーアップするのだ。基本的なことではあるが、一度おさらいしてみよう。 食べ物の得意・不得意 種類 得意 不得意 野菜類 野菜によって差こそあるものの、ビタミン類や食物繊維が豊富。カルシウム、カリウムなどのミネラル類も含まれており、低カロリー。 ビタミン、ミネラルを摂取するには、かなりの種類・量を食べなければならないこと。また、野菜によってビタミン・ミネラルの差が大きいため、きちんと摂取するには、かなりの知識が必要。 肉類 高たんぱく質、高エネルギー。必須アミノ酸が多く、鉄分・ビタミンB群も含まれる。特にレバーはビタミン・ミネラルが豊富。 とり過ぎると高コレステロールになる。ビタミンCや食物繊維はほとんど含まれていない。 魚介類 青魚の脂肪にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸が多く含まれている。 ビタミンCはほとんどない。一部の魚を除き、ビタミンAもほとんどない。貝類はコレステロールが高い。 海草類 食物繊維が豊富。カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛、銅などのミネラルも豊富。 エネルギー源にはなりにくい。のり以外はビタミンCはほとんどない。 参考文献:「食べあわせ健康法」増尾清著 農山漁村分化協会 公開日:2001年3月12日
食べ合わせとは、本来その食材が持つ効力を他の食材と合わせることによって2倍以上の相乗効果が得られるもののことだ。例えば、ワカメの酢のものはワカメだけでは消化があまりよくないのに、酢とあわせることで吸収率がぐんとアップする。今回は、男性・女性それぞれの悩みに効く食べ合わせをいくつか紹介しよう。 目次 冷え性には… 貧血には… 肌荒れには… 便秘には… インポテンツには… 強壮効果には… 冷え性には… タイのかぶら蒸し 白身魚のタイには、疲労回復作用のあるタウリンが含まれており、おなかを温めて胃腸を整えるはたらきがある。かぶの根にも胃腸を温めて腹痛を和らげるはたらきがあるため、一緒にとると効果的。 しょうがと鶏肉のお粥 しょうがは漢方でも体を温める作用があるとして重宝されている。鶏肉とともにお粥にすれば体を温めて冷え性にバッチリ効く。 貧血には… ほうれん草とレバーの炒め物 貧血は鉄分不足により起こるが、ほうれん草やレバーには鉄分や葉酸、マンガンなどの増血作用のある成分もたっぷり含まれており、貧血予防効果が最大にはたらく。 アサリのレモン蒸し アサリは鉄分やカルシウム、ビタミンB2・B12が豊富。ビタミンB12には増血作用があり、鉄分の吸収を促進するクエン酸が含まれているレモンと一緒にとると効果的。鉄分豊富なパセリを加えるとさらにいい。 肌荒れには… きゅうりとのりの酢のもの ビタミンAやCには活性酸素を除去する作用があり、肌にハリや潤いを与え、メラニン色素が沈着するのを防ぐ。のりのメラニン色素を還元する作用、酢の代謝促進作用などがシミ・ソバカスに有効。 さやいんげんとイカの炒め物 えんどう豆を若いうちに摘み取ったものがさやえんどう。成長途中で摘み取るため、ビタミンCが多いのが特徴。ビタミンCは皮膚や骨などをつくるたんぱく質であるコラーゲンの合成を促すはたらきがある。 便秘には… さつまいもとにんじんのゴマサラダ さつまいもは食物繊維が豊富で腸内で吸収されず、吸水性が高いため、便のかさを増やして便秘解消に効果的。ニンジンのカロチンと繊維によってさらにパワーアップ。 バナナヨーグルト ヨーグルトは腸内の掃除屋としてあまりにも有名。それにバナナの排便を容易にする効果と合わせれば便秘解消の強力な味方。 インポテンツには… 肉料理とゴマだれ ゴマに含まれるカルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルが肉のアミノ酸と結びついて体内の恒常性をアップ。 牡蠣とワカメの蒸し物 牡蠣(かき)に含まれる亜鉛・カルシウムは「セックス・ミネラル」ともいわれるほど性機能に効果大。海草類にも亜鉛やカルシウムなどのミネラルが豊富なので、合わせて食べればインポテンツ知らずになるかも。 強壮効果には… ネギ納豆 納豆のネバネバはアミノ酸がつながったもの。この中に含まれるナットウキナーゼには強壮効果がある。その効果は朝鮮人参に匹敵するほどとか。また、ネギに含まれる硫化アリルは疲労回復・食欲増進効果があるため、強壮効果がアップ。 牛肉のニンニク焼き 想像するだけで精力がつきそうな一品。ニンニクにはホルモンを刺激して精子の増殖を促す作用がある。牛肉と一緒に調理すると、肉が柔らかくなり消化を促進するので効果的。 参考文献:「効き目が2倍、3倍になる食べ合わせ事典」田村哲彦著 ブックマン社 「医者から見た 健康食べ合わせ」谷津 三雄著 三天書房 公開日:2001年3月19日
ここでは民間薬、いわゆる「生活の知恵」を集めました。あなたはいくつご存じですか? こんな症状に、こんな植物あんな食品 症状 植物・食品 摂り方 下痢ゲンノショウコ 1日20~30グラムを煎じてお茶代わりに飲む。 吐き気を伴う下痢梅肉エキス 青梅を陶器製のおろし器ですりおろし、ガーゼに包んで絞り汁をとり、その汁を陶器の鍋で弱火で2時間ほど煮詰めてエキスをつくる。1回あたりスプーン半量をお湯に溶かして飲む。 二日酔い大根、甘柿、ひね生姜 大根・絞り汁/甘柿・2~3個食べる。なければ干し柿でもOK/ひね生姜・スライスしたものを1枚口に含むだけで吐き気がおさまる。ただし、目が充血しやすい人や痔疾がある人は生姜は避ける。 貧血プルーン、羊肉、生姜、トウガラシ、ワイン プルーンには血を増やす作用が、羊肉・生姜・トウガラシ・ワインには、身体を暖める作用があるので、定期的にとるとよい。 夜尿症モチ、ギンナン 寝る前に焼いて食べる 水虫ニンニク ニンニク風呂・一かけのニンニクをスライスしてお風呂に入れる。足湯でもよい。 あせも桃の葉 桃の葉の風呂・100~200ccの葉をガーゼなどの袋につめてお風呂に入れ、沸かす。手で袋をもむと、さらに効果的。 不眠症シソの葉・ネギ シソの葉とネギのスープ・あたたかいものを寝る前に飲む。 声がれ大根おろし・ピーナッツ 大根おろし・お湯を入れて薄口しょうゆで味付けしたものを1日数回飲む/ピーナッツ・皮付きのものを水に入れ、柔らかくなるまで煮込み、皮も実も汁も全部食べる。 疲れやすい体質アズキ あずき1回30グラム分の煮汁をお茶代わりに飲む。
体重も体脂肪も気になるところですが、食欲の秋ともなれば、やはりおいしいモノの誘惑がたくさんあります。秋のおいしいモノの栄養や特色を知って、旬のおいしさを極めましょう。 目次 サンマ:全部食べるのがイチバン ナス:血液に効く!? さつま芋:ヘビースモーカーはたくさん食べよう! 里芋:やせて食欲のない人にはうってつけ ぎんなん:ファイト一発の素!? 栗:ストップ!渋皮むき! 柿:飲み会の前に食べよう! サンマ:全部食べるのがイチバン ■栄養: サンマの栄養で特筆すべきはタンパク質です。牛肉やチーズより質が優れています。脂肪の多価飽和脂肪酸の中で、EPAには血栓防止効果、DHAは脳にはたらき学習能力を高める効果があります。貧血に効果のあるビタミンB2、苦めの腹わたにはビタミンAも豊富に含まれています。 ■効能: サンマは胃腸を温め、疲労を取り元気を出してくれます。まさに夏に疲れた体を回復するにはうってつけの食べ物。また上記のEPA、DHAは生活習慣病の予防やぼけ防止に効果があります。 ■おすすめ調理法: 焼いたおいしさは捨てがたいものの、丸ごと食べるのには炊き込みごはんや、煮るのもよいでしょう。 ナス:血液に効く!? ■栄養: ナスは秋になると皮は柔らかく、実が引き締まりおいしくなります。ナスは94%が水分で、ほかに食物繊維や糖質が主です。 ■効能: 中国ではナスは体の熱を冷ます、血液の滞り(とどこおり)をなくす、はれを取るなどの効果があると言われ、腹痛や下痢、関節炎、口内炎、内痔などの治療に用いられてきました。これらはルチン、エルセチンといった成分のはたらきであることがわかってきました。血管の柔軟性を保つ、出血の防止などその効果が次第に注目されてきています。 ■おすすめ調理法: ナスは油の吸収率が良く、また油と一緒にすると血中コレステロールを抑制するはたらきが高まるという説もあります。油炒めやしぎ焼きなどがおすすめです。またナスは体を冷やす効果も高いので、緩和のためにも加熱して食べるのがよいでしょう。 さつま芋:ヘビースモーカーはたくさん食べよう! ■栄養 熱に強いビタミンCが豊富。またビタミンEは玄米の2倍、コレステロールに強い食物繊維も多いです。 ■効能 さつま芋は消化器系のはたらきを高めて、胃腸を丈夫に体を元気にします。気力のないとき、ストレスのために食欲がないときも有効です。また最近のアメリカの研究でさつま芋のベータカロテンやプロテアーゼ阻害物質が肺がんの予防に役立つことがわかりました。 ■おすすめ調理法 栄養を丸ごと食べるには焼くこと。焼き芋は最高ということです。また煮るときにショウガを加えれば消化器系の強化に、レモンを加えると消化器の機能が高まります。 里芋:やせて食欲のない人にはうってつけ ■栄養 「いも類はカロリー高そう」と思っている方はぜひ里芋を。カロリーが低く、食物繊維も豊富です。 ■効能 慢性の便秘に悩んでいる人におすすめ。胃腸の調子を整え、食欲も増進するので痩せて食欲のない人にはうってつけです。 ■おすすめ調理法 昔ながらの煮付けはもちろん、さっとゆでてグラタンやコロッケなどの洋食メニューにもおすすめです。また消化の良い大根や人参、タンパク質の豆腐、繊維の豊富な里芋の組み合わせのけんちん汁は、便秘、高血圧、糖尿にも効果的な健康料理です。 ぎんなん:ファイト一発の素!? ■栄養 注目すべき栄養素はコレステロールを減らすレシチンと良質タンパク質、血圧を調節する効果のあるカリウムも多く含まれています。 ■効能 ぎんなん(イチョウ)は非常に生命力の強い植物ゆえに、昔から滋養強壮の効果があると言われてきました。元気がないときに体に元気を復活させ、咳止めなどの漢方薬の主原料にもなっています。 ■おすすめ調理法 ぎんなんは生で食べると中毒を起こしたり、また子供は大量に食べてはいけません。大人もあまり一度に大量に食べずに、焼いたものを1串とか、炊き込み御飯や茶碗蒸しに入っているのを食べるのが良いでしょう。 栗:ストップ!渋皮むき! ■栄養 栗はデンプン、ビタミンB1、Cを多く含んでいます。また渋皮に含まれるタンニンは抗がん物質として、脚光を浴び始めています。 ■効能 栗は筋肉や骨を丈夫にするはたらきがあると言われ、胃腸を丈夫にし、血液の流れを良くするはたらきもあります。足腰に自信がなくなってきたら、毎日1、2粒の栗を食べてみましょう。 ■おすすめ調理法 せっかくの渋皮をむいてしまうのはもったいないので、渋皮煮がおすすめです。またお手軽おやつをスナック菓子ではなく、甘栗にするのもいいでしょう。 柿:飲み会の前に食べよう! ■栄養 柿にはビタミンCが多く、大きめのモノ1個には1日に必要なビタミンCが摂れます。またビタミンAや食物繊維ペクチンやカリウムのはたらきで動脈硬化や高血圧の防止にも効きます。 ■効能 酒の酔いざましに効果のあるのは知られたところです。しかし実は飲酒の前に食べておく方が効果が高いようです。 ■おすすめ調理法 生食することが多いのですが、柿は消化があまり良くないうえに、体を冷やす作用も強いので胃腸が冷えやすい人・病後の人はたくさん食べるのは禁物です。 疲れや、飲み過ぎ、運動の後で体が火照ったときは酢の物が良いでしょう。体内の余分な熱を冷まし(柿・キュウリ)、肝臓の解毒作用を高め(柿)、ミネラル(ワカメ)豊富と三拍子揃った組み合わせがおすすめです。 また柿の葉はビタミンCが多く、利尿効果、新陳代謝の促進、高血圧に効果的。むくみや血圧の気になる人は、柿の葉茶がおすすめです。
熟していないリンゴ(未熟果リンゴ)は、味が渋いのでこれまでは捨てられるだけでした。 リンゴの渋味には害虫を寄せ付けないはたらきがあることは分かっていましたが、渋味がネックになり、なかなか商品化されていなかったのです。 しかし、数年前に、未熟果リンゴの渋味には、お茶のポリフェノールと同じ成分が含まれていることが明らかになり、有効利用が進んできています。 がん予防のほか、虫歯予防や美白効果も ポリフェノールは、がんを予防すると注目されていますが、それ以外にも、虫歯予防、アトピー性皮膚炎のかゆみの抑制、肌を白くするという効果などがあります。これをいち早く商品化したのが、洋酒メーカーのニッカウヰスキーでした。 当初ニッカでは、発泡酒「シードル」をきれいなバラ色に染めるのに未熟果リンゴの渋味を使っていました。その後、渋味の中にポリフェノールとほぼ同じ成分が含まれていることが分かり、本格的に製造を開始しました。 菓子や化粧品にまで広がる 未熟果リンゴのポリフェノールは、お茶や赤ワインと違って苦みが少なく、水に溶けやすいのが特長です。最近では水に溶けやすい性質を生かして、粉末や液体の形で次々と食品メーカーを中心に商品化が進んでいます。 最も多いのが、虫歯の予防効果を狙ったガムやあめなどの菓子類です。今ではかなりの数の商品が出回っています。 広がりを見せる未熟果リンゴの再利用に対して、青森県の弘前市周辺のリンゴ農家から1500tのリンゴが集められるという動きもあります。 ただし、ポリフェノール成分濃度が高いのはピンポン玉程度の大きさのものに限るということです。
オフィスにいてもなんだかボンヤリ。 たくさん寝てもだるさが残る。 そんな“お疲れ症状”を改善するには梅がおすすめ。 朝食にひと粒の梅干しを添えるもよし、お惣菜として梅あえにするもよし。 体も目覚める壮快な酸味は、実は万能薬のはたらきをもっている! ひと粒の梅干しで一日快調 なんとなく体がだるい、十分に寝ているはずなのに疲れがとれない…。 そんな症状を自覚したこと、ありませんか? 食べ物をとり、それを燃焼させたエネルギーで動いている私たちの体。 でも、その燃焼がうまく行われないと、疲労物質である乳酸がたまり、これが俗にいう「疲れ」を引き起こすことに…。 こんなときには、「梅」がおすすめ。 梅の成分には有機酸類が豊富で、とくにクエン酸の含有量はほかの食品に比べてもトップクラス。 クエン酸とは「酸っぱさ」のもとになっている成分で、乳酸の過剰生産をおさえ、エネルギー代謝をスムーズにして元気を生み出す手助けをしてくれるもの。 また、殺菌作用や整腸作用、血液浄化作用などの効果にも優れ、胃液の分泌を促すので下痢や便秘にも効果的。 まさに万能薬のはたらき。 昔から、家庭の中での身近な薬として使われてきた梅。 毎朝の梅干しひと粒で、元気な一日をおくりましょう。 アルカリ性食品の代表 梅というと、「酸っぱいから酸性食品なのでは?」と思いがちかもしれませんが、実はアルカリ性食品。 毎日食べる米やパン、肉類や魚類、酒やビールなどが酸性食品にあたります。 本来、私たちの体液は弱アルカリ性なので、食物摂取のバランスがくずれると酸性に傾き、体調をくずしやすくなります。 これを中和し、体の中を清浄化するアルカリ性食品の代表が、梅干しや梅肉エキスです。 疲れがとれないときには、梅干しをひと粒食べてみる。 ふつか酔いの朝には、梅肉をお湯でといてゴクゴク。 のどが痛いときには梅肉エキスを水で薄めてうがいをすると殺菌になる。 お弁当に梅干しを入れるのも雑菌の繁殖を防ぐため。 あげればきりがないほど、私たちの役に立ってくれる食品、梅。 今頃の季節は、ジメジメとした空模様のように心も体もパッとしないもの。 「酸っぱさ」とじょうずにつき合って疲れがちな体をシャキッとさせたいもの。
歴史は古く神武天皇の時代から 香辛料とは料理の味を引き立てる材料のことで、いわゆるスパイスと呼ばれているものです。 日本でのスパイスの歴史は古く、神武天皇の時代にすでにショウガが使われていたことが分かっています。その後、乾姜(ジンジャー)、丁字(グローブ)、肉経(カシア)、唐辛子(レッドペパー)、胡椒(ペパー)などが漢方薬として、山しょう、シソ、ゴマ、三つ葉などが和風スパイスとして利用されていました。 明治時代になり、西洋スパイスも徐々に使われるようになりましたが、日本人が本格的なスパイス料理を楽しむようになったのは1970年代以降のことです。 スパイスの効用は幅広い スパイスには防腐・静菌効果、酸化防止効果、防カビ効果など、食物を保存するためのさまざまな効果がある外、だ液や胃液中に存在するアミラーゼやジアスターゼのような消化酵素機能を強め、活性化するはたらきがあることも分かっています。 また、古代よりスパイスの薬理作用は知られており、近代医学が発達するまで薬草として盛んに使われていました。 例えば唐辛子は頭痛、健胃、整腸、下痢止めに、ガーリックは強壮剤、駆虫、脱毛防止に、ショウガは頭痛、鼻づまり、吐き気、せきなどの症状を改善するために活用されていました。最近では、このようなスパイスの薬効が見直されつつあり、健康を増進させる食品として注目されています。
大根に含まれるジアスターゼが発がん物質を中和 干物をつくるには魚を光に当てなくてはいけません。その際、魚内のたんぱく質が変成し、硝酸塩、亜硝酸塩、二級アミンなどの物質が発生してしまいます。これらがだ液や胃液によって、発がん物質・ニトロソアミンに変性する可能性があるのです。 一方、大根おろしの大根には、リグニンという植物繊維や消化酵素のジアスターゼが含まれています。これらは発がん物質を中和する作用があります。 ですから、干物の魚に大根おろしを添えるのはとても良いことなのです。