日本人の定番調味料であり、身近な健康食品である味噌。その歴史は古く、現在では抗がん作用など多くの健康効果が期待されている。そのパワーを見直してみよう。 目次 奈良時代から存在した調味料 昔の人も知っていた味噌の健康効果 大豆+微生物=栄養価アップ+α! それだけじゃない味噌パワー 奈良時代から存在した調味料 味噌汁、田楽、味噌漬けなど、日本の食卓ではおなじみの味噌。昔話にも登場する味噌には、やはり古い歴史がある。 味噌は、中国や朝鮮半島から渡ってきた「醤(ひしお)」という調味料が発達したもの。小麦や米、豆などの穀類を、塩と共に発酵させたものが「穀醤」、魚を使えば「魚醤」、肉なら「肉醤」となる。漁醤はタイ料理などによく使われるナムプラー、秋田地方のしょっつるなどが知られるが、日本で主に発達したのは穀醤である。奈良時代にはさまざまな醤が作られ、鎌倉時代には、すでに現代の味噌に近いものが発達していたらしい。 寒い地方の味噌は塩味が強く、暖かい地方は甘いなど、味噌は郷土色の強い食品である。昔、農村では、味噌は各家庭で作るものだった。製法が代々伝えられ、嫁が味噌を作れるようになったときに世帯を譲るということもあったらしい。「手前味噌」という言葉は、味噌が家庭で作られることを前提に生まれた言葉といえる。 今はスローフードの時代。手作りのよさが見直され、レシピ本を見ながら「手前味噌」作りに挑戦する人が増えているようだ。今回は、そんな味噌の健康話である。 昔の人も知っていた味噌の健康効果 昔から日本の暮らしに深く根付いてきた味噌。現在のように調味料として使われることが主体になった歴史は、実は浅い。昔はむしろおかずとして食べる「なめ味噌」として発達した。「金山寺味噌」「鯛味噌」「鰹味噌」といった名物味噌は、なめ味噌の一種である。 東北地方では、山に行くときにご飯と味噌だけを持って山仕事をしていた暮らしぶりが伝えられている。ほかにも、日常食はご飯のおかずが味噌であったという地方がいくつもある。肉食が禁じられ、魚もめったに手に入らなかった時代、庶民にとって味噌は貴重なたんぱく源だった。そして、「味噌の医者殺し」といわれるように、病気を防ぎ、健康を保つ薬としても重宝されていたのである。 大豆+微生物=栄養価アップ+α! 味噌には、米味噌、麦味噌、豆味噌などさまざまな種類があるが、いずれも大豆を使う点では共通している。まず、この主材料である大豆そのものが、良質なたんぱく質や脂質、糖分、ビタミン、ミネラルなど栄養豊富な食品である。そこに発酵という微生物のはたらきが加わることによって、栄養分は消化吸収しやすい組成に分解されるとともに、栄養価もさらに高まる。牛乳よりもヨーグルトやチーズのほうが栄養価が高いのと同じだ。発酵とは、多種多様な微生物が、多量の栄養成分を生産し、食品の中に蓄積する工程とも言える。 味噌に含まれる栄養成分のはたらき たんぱく質 コレステロールの低下、血管の弾力保持 ビタミンB12造血作用、神経疲労防止 ビタミンE老化防止 酵素消化を助ける イソフラボン酸化防止、肩こり解消 コリン老化防止、脂肪肝防止 レシチンコレステロール低下、ボケ防止 それだけじゃない味噌パワー さらに驚かされるのは、味噌が日々の健康維持に有効なだけではないことだ。現代人を悩ませるがん、高血圧、脳卒中、糖尿病、脂肪肝、ボケなどの予防効果、コレステロール抑制など、生活習慣病予防にも強い味方となる成分が豊富に含まれていることが、さまざまな研究の結果わかってきている。 味噌の抗がん作用に関する研究 味噌には、発酵によって「脂肪酸エチル」という物質ができている。これは、がんを引き起こす変異原の力を抑える作用があると言われている。また、酵母、乳酸菌、麹菌には、変異原性物質を除去する効果が期待できる。1981年には、がん学会で、味噌汁を飲む回数が多い人ほど、胃がん死亡率が低くなるという調査結果が報告されているほか、ラットを使った動物実験でも、がん発生率が減少することが確かめられている。 味噌は、まさにこれからの健康が心配な人にはピッタリな食品なのである。日本人の食事の定番であり、外食でも簡単にとりやすい味噌の秘めたるパワーを、改めて見直してはどうだろうか。 公開日:2004年10月4日
いまでは見る機会が少なくなった「新巻鮭」ですが、鮭の栄養価は決して侮れません。また、おせち料理には、さまざまな料理があり、土地柄で重箱に詰める中身はさまざまです。お正月ならではの食べ物の栄養を紹介します。 目次 鮭の栄養価に注目!新巻鮭 中身はさまざま!おせち料理 試してみよう!「よめな飯」&「万葉汁」 鮭の栄養価に注目!新巻鮭 かつてはお歳暮の代表選手として広く親しまれた新巻鮭。これがお歳暮の品になったのは、江戸時代、徳川家に献上されたことに端を発しているとか。内臓を取り除いた鮭の腹に塩をたっぷり加え、荒縄で巻く製法から新巻(または荒巻)鮭と呼ばれた。 今では一軒の家で一匹まるごとの鮭を食べ尽くすのはなかなか難しいためか、新巻鮭を見る機会は少なくなっているようだ。だが、ここで注目したいのは鮭の栄養価。決して侮れない特徴があるのだ。 鮭は健康面からも美容の面からも、たくさん摂りたい食品。ぜひ、このお正月には鮭を使った料理も供してみてほしい。 ●カロリーは低く、たんぱく質は高く 可食部100g当たりのカロリーを比べてみると、牛肉(肩ロース)や豚肉(肩ロース)が250kcal前後のところ、生鮭は150kcal程度。また、たんぱく質を比較しても、牛肉や豚肉に含まれるのは18g程度だが、生鮭には20g程度含まれている。鮭はとてもヘルシーな食材なのだ! ●ビタミンDが多い カルシウムやリンの吸収を助け骨を丈夫にするビタミンDが、イワシの約3倍!ほかの魚類に比べても群を抜いている。 ●魚類で唯一!抗酸化物質「アスタキサンチン」を身肉に 抗酸化物質の一種「アスタキサンチン」は、悪玉コレステロールを抑制するはたらきがあるとされる成分。これを含む代表的な食材としてはエビやカニがあげられるが、含有しているのは殻の部分。また、鯛でも皮の部分にしか含有されていない。だが、鮭はこれを身肉に含んでいるのだ。もちろん魚類で身肉に含有しているのは鮭だけ。 ●皮にはコラーゲンが 鮭の皮は、肌のハリと弾力を保つためには欠かせないとされるコラーゲンを含有。つまり、美容にも良い食材なのだ。 中身はさまざま!おせち料理 おせち料理はもともとは「五節供」といって、年に5回ある節句の際に年神様にお供えしたもの。このお供えをさげて家族の幸福を願って食べる習わしが、いつのまにかお正月だけのごちそうをさして「おせち料理」といわれるようになったのだとか。鏡餅も同様に、年神様へのお供え物。大小の餅を重ねるのは、月(陰)と日(陽)を重ねるという意味があるという。 お餅はエライ!おめでたいときにお餅を食べる理由 さて、このおせち料理だが、現在ではさまざまな料理があり、土地柄で重箱に詰める中身はさまざま。そこで代表的なものについて栄養面を見てみよう。ただし、おせち料理は保存のためもあり、味がかなり濃いのが難点。食べる量は控えめに。 黒豆 「マメに暮らせるように」などと言うように、これは家族の健康を願った食材のひとつ。黒豆は大豆の一種で、肌を美しくする良質なたんぱく質を含む。また、コレステロールや脂肪酸の増加を抑えるリノール酸やリレイン酸、疲労回復に効果的なビタミンB群を多く含む。さらに皮の部分には食物繊維も多い。 数の子 アイヌ語でニシンのことを「カド」ということから「カドの子」=数の子と呼ばれるようになったなど、名前の由来には諸説があるが、子孫繁栄を願う食材のひとつだ。コレステロールが多いことで知られるが、血液の流れをよくするエイコサペンタエン酸(EPA)や脳のはたらきをよくし、視力を向上させるドコサヘキサエン酸(DHA)も含まれている。 昆布巻き 「養老昆布」と書いて「よろこぶ」と読ませるなど、さまざまなめでたい説のある昆布巻き。この昆布には、ヨードが多く含まれ、体内の代謝を活発にする。また、利尿作用を促して塩分を排泄するカリウムの含有量は食物のなかでも最高を誇る。食物繊維も豊富で、ごぼうの2倍以上含まれている。 ごまめ(田作り) 「五万米」とも書き、五穀豊穣を祝う食材。これは、カタクチイワシの稚魚を塩水で洗って干した物で、カルシウムやミネラルが豊富。15g程度で1日に必要なカルシウム量600mgの3分の1を摂取できるというのだから驚きだ。 紅白なます 紅白の彩りがおめでたさを演出する縁起もの。にんじんはビタミンA、B、Cを多く含む野菜の優等生。特にカロチンを多く含んでいる。また、大根はでんぷん消化酵素のジアスターゼなどが多く、消化を助けるはたらきがある。 ちなみに、にんじんと大根を混ぜると、にんじんのビタミンC分解酵素がはたらき、せっかくのビタミンCが破壊されてしまう。これを回避するのが仲介役の「酢」。酢が分解酵素のはたらきを抑えるので、ビタミンCがより多く摂れるのだ。 試してみよう!「よめな飯」&「万葉汁」 宵っ張りの朝寝坊になりやすく、毎日おいしいものを食べ続けがちなお正月。そこで、ときには胃にやさしい食事も取り入れたい。万葉集の時代に愛された料理を現代的にアレンジした、こんな料理はいかが? よめな飯 春を呼ぶ若々しい香りが楽しめる一品。「よめな」とは、万葉集に「ウハギ」とうたわれた植物で、キク科の多年草。その若葉は食用になる。 ■材料 よめな(田ゼリ)、米、だし汁、昆布、塩 ■作り方 よめなをサッとゆがいて水にさらし、かたく絞って細かく切る。 米を水とだし汁、昆布、塩を少し加えて炊きあげる。 炊きあがったら、よめなの刻んだものを加えてできあがり。よめなの代わりに、田ゼリを使ってもいい。 万葉汁 みそ汁と、とろろいもの相性が良く、体の芯から暖まりそうな一品。 ■材料 里芋、かぶ、ねぎ、しいたけ、みそ、とろろいも ■作り方 里芋は厚さ4~5mmに、かぶは4つ割にして厚めの小口切りにする。しいたけは薄切りにしておく。 みそ汁を作る要領で、里芋、かぶ、しいたけをだし昆布と一緒に煮る。 煮えたらみそを加えて味を整え、最後にすったとろろいもを流し入れる。 器に盛り、ねぎのみじん切りを散らしてできあがり。 公開日:2002年12月24日
ちっちゃくても秘められたパワーはとても大きいのが大豆。大豆にはさまざまな栄養分が凝縮されています。 目次 脅威!大豆パワー 大豆クイズQ&A 脅威!大豆パワー ●たんぱく質 大豆のたんぱく質は、血圧を調整する作用や血中コレステロールを下げる効果があると言われ、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病に有効だと言われている。また、必須アミノ酸(体内で合成できないアミノ酸)を含んだ良質なたんぱく質は、肉類には負けていない。 ●カリウム カリウムは、体内の余分なナトリウムを外へ排出させてくれる大切なはたらきのあるミネラル。ナトリウムの摂り過ぎは高血圧を招くため、血圧を下げたい場合には、積極的に摂るべし。 ●ビタミンB群 ビタミンB1やビタミンB2が豊富。皮膚や粘膜を健康にし、肌荒れを予防したり、疲れにくくなる効果がある。大豆より、納豆のほうがさらにパワーアップ。 ●ビタミンE 俗に老化防止効果があると言われるビタミンE。血行をよくし、皮膚をつややかにする。また、ビタミンEの抗酸化作用がリノール酸の酸化を防ぎ、そのはたらきを助ける。 ●食物繊維 不溶性の食物繊維が多く、便のかさを増やして便秘を解消し、大腸がん予防に効果的にはたらく。また、水溶性の繊維には、血中コレステロール値を低下させる、血糖値をコントロールするなどの作用がある。 ●レシチン リン脂質の一種で、脂質なのに親和性(水となじむ性質)がある。レシチンには血管内でコレステロールが固まらないようにするはたらきがあるため、動脈硬化予防の成分として注目されている。 ●リノール酸 レシチンとともに大豆脂質に含まれているもの。リノール酸は、多価不飽和脂肪酸と言われるもので、肉類に含まれる飽和脂肪酸に比べ、悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロールを減らさない特徴があるため、動脈硬化予防に効果があると言われている。 大豆クイズQ&A Q. 大豆は「○の肉」と言われるけれど、何の肉? A.「畑の肉」 大豆は、栄養組織が肉などの動物性たんぱく質にとても近く、畑で穫れるため、「畑の肉」と呼ばれる。 Q. 大豆の主成分は糖質(でんぷん)である A. × 大豆の主成分は、たんぱく質。100g中に35~40gも含んでいる。ただし、ほかの豆の多くは糖質が主成分。 Q.「もやしっ子」という表現で使われるように、もやしには栄養がない? A. × 豆類や種子を暗い所で発芽させたものを総称して「もやし」という。「もやしっ子」というのは、日陰でひょろひょろっと育つところからマイナスイメージで使われることが多いが、もやし自体は、実は栄養に富んだ食品である。種子にはほとんど含まれていなかったビタミンCが発芽によって増えるし、そのほかに、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄、食物繊維などの栄養素も備えている。 もやしの種類には、大豆もやし、緑豆もやし、アルファルファなどがある。 Q. 枝豆は、大豆を若いうちに収穫したものである A. ○ 枝豆は、大豆になる前に枝ごと収穫したもの。だから、大豆と同様にたんぱく質が豊富である。また、ビタミンA、B1、B2、カルシウムも多く、大豆には含まれていないビタミンCがたくさん含まれているのも特徴である。また、ビタミンB1、Cはアルコールの分解を助け、肝臓に負担を掛けないようにはたらくため、ビールのつまみとしては最高だ。ただし、消化がよくないのが難点。 Q. 大豆とごぼう。同じ100gなら、食物繊維は大豆のほうが多い A. ○ 大豆100gに含まれる食物繊維は、17.1g、ごぼうは、5.7g。大豆のほうが多い。大豆に含まれる食物繊維は、水溶性:不溶性=10.5%:89.5%で、不溶性が多く、便秘解消に効果的である。 Q. 血栓を防ぐと言われている、納豆の成分「ナットウキナーゼ」は、大豆にも含まれている A. × ナットウキナーゼは血栓を防ぐ物質として話題の物質。これは、納豆菌により合成させるもので、大豆には含まれていない。ちなみにこの名称は、心筋梗塞や脳梗塞の治療に使われる血栓溶解剤、ウロキナーゼにちなんでつけられたとか。 公開日:2001年11月26日
そのまま食べるという手もありますが、大豆は加工食品も豊富にあります。豆を食べるのに飽きたら、ほかの食品も食べてみましょう。大豆を使ったレシピや、家庭でできる豆腐づくりについてもご紹介します。 目次 大豆を使った製品はいろいろ こんなレシピで食べてみよう 豆腐づくりにチャレンジ! 大豆を使った製品はいろいろ ●納豆 蒸し煮した大豆に納豆菌を植え付けて容器に入れ、適温で熟成させたもの。大豆をそのまま食べられ、しかも大豆より消化吸収がよい。発酵途中で生まれるグルタミン酸のおかげで、大豆にはないうまみ成分が納豆にはある。 ●豆腐 大豆加工食品の代表。特に、豆腐を作る過程でできる豆乳は、大豆の栄養素をほとんど受け継いでいる。ちょっと固い木綿豆腐は、水分が少ない分重量当たりの栄養価は高くなり、カルシウムや鉄などのミネラル類も豊富。一方、絹ごし豆腐は、豆乳をそのまま固めるため、水溶性のビタミンB1などは木綿豆腐より多い。 ●生揚げ 豆腐を揚げて加工したもの。木綿豆腐が使われている。揚げてあるため、さらに煮たり焼いたりしてもうまみが逃げず、調理しやすい食品のひとつ。 ●凍り豆腐 高野豆腐とも言われる。豆腐を低温で凍らせ、解凍・脱水し、乾燥させたもの。豆腐と同様、ミネラルが豊富で、消化がいいのが特徴。 ●おから 豆乳のしぼりかすだが、たんぱく質は2割ほど残っている。別名「卯の花」「雪花菜(きらず)」と呼ばれることも。 ●湯葉 豆乳を温め、表面にできた黄色い皮膜を棒ですくい、乾燥させたものが湯葉。たんぱく質と脂質が凝集し、煮物や吸い物など幅広く使える。 ●枝豆 加工食品ではないが、枝豆を収穫しないでおくと大豆になる。枝豆は、大豆と同様にたんぱく質が豊富で、大豆にはないビタミンCが含まれているのが特徴。 こんなレシピで食べてみよう 豆というと、五目煮などが王道。でも、もうちょっと別の食べ方をしてみたい時におすすめのレシピ。大豆の意外な味にちょっとびっくり!? 洋風に食べるには…大豆グラタン ■材料(4人分) 大豆1カップ+水3カップ、ベーコン30g、タマネギ1/2個、固形スープのもと1個、ピザ用チーズ(とろけるタイプのもの)適宜 ■作り方 大豆を水につけ、1晩おく。そのまま火にかけ、ふきこぼれないようにふたの間に箸をはさみ、こまめにアクを取りながら煮る。 豆だけを取りだし、ひたひたの水と固形スープのもとを入れ、10分ほど煮る。 ベーコン、タマネギはみじん切りにし、フライパンで炒める。 2と3を合わせて耐熱皿に入れ、上にピザ用チーズをかけてオーブンかオーブントースターでこんがりするまで焼く。 こんなコロッケ見たことある?…大豆コロッケ ■材料(4人分) 大豆(ゆで)400g、豚ひき肉 200g、タマネギ1/2個、バター大さじ1、生クリーム大さじ4、塩、こしょう、衣(小麦粉、卵、パン粉) ■作り方 大豆は水気を切ってフードプロセッサーか、すり鉢ですりつぶす。 タマネギをみじん切りにしてバターで炒め、さらにひき肉を加えていため、塩、こしょう少々で味付けする。 1と2を混ぜ、生クリームを加え、塩、こしょう少々で味付けし、よく混ぜる。 適当な大きさの俵型にし、小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけ、180度の油でからっと揚げる。 豆腐づくりにチャレンジ! 家庭で豆腐を作れば、豆乳やおからを味わうこともできる。専用の道具がなくてもボールがあればOK! ■材料 大豆300g、にがり大さじ1 ※にがりとは、豆乳に加えて固める凝固剤のこと。天然にがりは、海水を煮詰めて塩の結晶を作り出す過程でできる液体で、主成分は塩化マグネシウム。自然食品店や薬局、デパートなどで手に入る。 ■作り方 大豆は洗って約3倍の水に1晩つけておく。 大豆をミキサーにかけ、すりつぶす。つけておいた水も一緒に。 大きめの鍋に水5カップを煮立てて2を入れる。煮立ってきたら、弱火で5~6分煮る。こがさないように。 ボールの上にガーゼを敷き、3をあけて絞る。絞ったカスがおからで汁が豆乳。 にがりをぬるま湯で溶かしておく。豆乳を鍋に戻し、70度前後まで温め、にがりを2~3回に分けて入れる。 にがりをすべて入れたら、10~15分おく。ふきんを敷いたざるにすくい入れる。 ふきんで全体を包み、平らな皿にのせ、800gくらいの重しをして15~30分おく。 ふきんを取り、できあがった豆腐をたっぷりの水に30分ほどさらしてできあがり! 公開日:2001年11月26日
男性ホルモンが多いとか少ないとか、女性ホルモンが足りないとか…。あなたは、ふだんの生活の中で口にすることがあるだろうか?いつも体内をめぐっているものでありながら、あまり意識することのなかった男性ホルモン・女性ホルモン。それが近ごろ、美容と健康の両面から話題を集めている。なかでも気になるのが、前立腺肥大や更年期障害、骨粗しょう症といった病気への影響。男性ホルモン・女性ホルモンは、健康に過ごす上で見逃せない大切なポイントのひとつだったのだ。 男性ホルモンと女性ホルモン 「男性ホルモン」「女性ホルモン」が、体内でどんなはたらきをしているかを見てみよう。 男性ホルモンのはたらき 男性特有の筋肉質な体のラインにする たんぱく質を筋肉や内臓に変える助けをする 皮脂の分泌を促す 体毛の発育を促す 性欲を高める 女性ホルモンのはたらき 女性特有の丸みをおびた体のラインにする 女性の生理や妊娠をコントロールする 肌や髪を美しく保つ 骨を丈夫にする 自律神経を安定させる 記憶力を保つ 食欲を抑制する 「男性ホルモン」「女性ホルモン」は、男性・女性それぞれ特有の体格や体質づくりばかりでなく、他にもさまざまなはたらきをしている。特に皮脂の分泌を促す、記憶力を保つといったはたらきは、性別を超えて見逃せない大切な役割と言えるだろう。実際に、男性のカラダの中でも女性ホルモンが、女性のカラダの中でも男性ホルモンがつくられ、分泌されているのだ。 もちろん量は大きく違う。男性の体内でつくられる女性ホルモン量は女性の約半分。女性の体内で一生の間につくられる女性ホルモン量がスプーン1杯程度といわれているから、男性は一生でスプーン半分くらいといったところだろう。 一方、女性の体内でつくられる男性ホルモン量は男性の約1/10。健康な男子が1日に分泌する男性ホルモン量は約7mgといわれるので、1日約0.7mg程度の計算になる。 量はごくごくわずかだが、男女ともに、両方のホルモンが必要とされ、つくりだされているのだ。また、こんなわずかな量で、記憶力を保つはたらきまでこなすのだから、その影響力は実に大きい。 女性ホルモンとともに注目される“イソフラボン”とは? 性別を超えて、誰もが必要とする男性ホルモンと女性ホルモン。その中でも熱い話題となっているのが、女性ホルモンだろう。女性ホルモンは当初、肌や髪を美しく保つはたらきから美容界で脚光を集め、医学界では更年期障害の治療法のひとつとして注目されるなど、女性への効能に着目されることが多かった。だが、研究が進むにつれて、前立腺肥大といった男性特有の病気に対しても良い影響があることがわかり、さらにはがんや高血圧といった生活習慣病にも好影響があることがわかってきている。 その一方で、ホルモンそのものを投与することのカラダへの影響の大きさから、より自然な形で女性ホルモンのはたらきを体内に取り込む、つまり女性ホルモンに似たはたらきをする食べ物などを積極的に摂ることで、女性ホルモンのはたらきを助ける方向に、考え方がシフトしてきている。 実際、大豆や葛の根、クローバーなどには女性ホルモンに似たはたらきをする成分が含まれていることがわかっている。なかでも、ふだんよく口にする大豆に含まれている女性ホルモン様成分「大豆イソフラボン」は、身近さの点からも注目され、人気を集めている。また、研究も進み、大豆イソフラボンの健康への好影響もいろいろ解明されてきている。
美と健康の救世主!?…女性の場合 肌のうるおいやハリを保ち、美しさを保つとされ、化粧品にも使われている大豆イソフラボン。実際、大豆イソフラボンを摂ると、メラニンの生成を抑える効果があるなど、美しさへの貢献度は高いようだ。 また、健康面でも注目度は高い。更年期障害による顔のほてりといった諸症状の改善をはじめ、閉経後の女性に多い骨粗しょう症の緩和、さらには乳がんの発生を抑制するはたらきがあるとされ、熱い期待を集めている。 なかでも乳がんについては、日本女性2万人を対象にした調査で、大豆イソフラボンを多く摂ったグループの乳がん発生率は、他のグループに比べて約54%も少なかったという驚くべき結果も報告されている。 通風や男性特有のがんにも効果!?…男性の場合 女性の美と健康への効能が大きく取り沙汰され、女性だけのものといったイメージが強いが、男性の健康に対しての効果が今、見直されてきている。 そのひとつが、前立腺肥大・前立腺がんの抑制効果だ。これはご存知の通り、男性特有の病気で、ホルモン依存性のがんといわれている。これに対して、女性ホルモンと似たはたらきをする大豆イソフラボンが効果を発揮し、発生を抑制するというのだ。 また、患者の90%以上が男性とされる痛風も、大豆イソフラボンを積極的に摂ることで抑制されるのではないかといわれている。 生活習慣病の分野でも熱い期待 高血圧、動脈硬化、がん…。男女の別なく増え続ける生活習慣病の治療と予防の現場でも今、注目を集めているのが大豆イソフラボンだ。 このキッカケとなったのは、日本では女性の更年期障害や骨粗しょう症などが比較的軽く、心筋梗塞などの心臓疾患も少なく、世界一の長寿国であることから、欧米の医学者が日本の伝統食を研究しはじめたことにあるとされている。そして1999年には、米国のFDA(食品医薬品局)が『大豆たんぱく質は心臓病の予防に役立つ』という健康表示を承認。大豆の、ひいては大豆イソフラボンの健康への効果が脚光をあびることになったのだ。 その後、高血圧やコレステロールなどに関するさまざまな研究成果が発表され、生活習慣病の予防のためにも、大豆イソフラボンを積極的に摂る生活が薦められている。なかでも現段階で、効果のほどが着目されているのが、コレステロールと血圧に対する影響。 脂質などの摂り過ぎによって、血液中のコレステロール値が高い状態が長く続くと、動脈硬化などの疾患を招きがち。ところが、大豆イソフラボンを1日約40mg摂る生活を4週間続けたところ、グラフのようにコレステロール値を低く抑えることができたと実験でも実証されている。 また、同様の実験では、血圧も変化。血圧を低く抑えることができることがわかっている。 今後ますます研究がすすめば、さらに大豆イソフラボンの生活習慣病への好影響が実証されていくのかもしれない。
「大豆食といえば日本!」は昔話? 毎食、おみそ汁を食べていますか? 毎日、お豆腐や納豆が食卓に並びますか? 今日、いくつ大豆食品を食べましたか? あなたの答えはどうだろう?毎日3食のなかで、どれだけの大豆食品を摂っているか、おぼろげながら自覚してもらえただろうか? かつての伝統的な食生活では、豆腐に納豆、おみそ汁…と大豆食品が多く、十分に大豆イソフラボンも摂取できていた日本人。それが食の洋風化が進んで久しい現代、摂取量は急激に減少してきている。グラフを見ても一目瞭然。年齢が若ければ若いほど、大豆イソフラボンの摂取量が少なくなっているのだ。 欧米が、日本の伝統食をヒントに、健康のために大豆食品を積極的に取り入れる方向になったというのに、逆に日本では減少しているというのだから、皮肉なもの。ここで、大豆大国として食を見直し、健康的な生活へともう一度、方向修正をしていこう! 積極的に、食事で摂ろう! 大豆イソフラボンを積極的に摂って健康的な生活をめざすなら、まず目標にしたいのが1日約30mgといわれている。 これは、おみそ汁なら6杯、豆腐なら1/2丁、納豆なら2パックに相当する。 日本のかつての伝統的な食生活では、難なくクリアできたであろう量だが、食の洋風化が進んだ現代ではなかなか…。ついつい弱気になりがちだが、例えば今夜は冷奴を半丁、明日の朝は納豆を2パック、その次の日は豆腐ステーキにして…と、上手に洋風化した現代の食生活に組み込んでいってみよう。 また、油揚げやがんも、厚揚げといった豆腐のバリエーションを活用するのもおすすめ。具だくさんのおみそ汁にしておかずがわりにしたり、煮物などの味付けにみそを使うといった手もありそうだ。 季節によっては、枝豆などもおいしく大豆イソフラボンが摂れる食品だ。 外食が多いビジネスマンでも、意識の持ち方で、1日1回は豆腐料理にするなどで、今よりも大豆イソフラボンの摂取量は増やしていけるのではないだろうか。 足りないと感じたら、こんなアイテム 意識して積極的に摂っても、1日約30mgは難しい…。そんな人におすすめなのが、豆乳。グラス1杯ほどで1日に摂りたい大豆イソフラボン量が摂れるスグレモノ。飲むだけだから、時間も手間もかからないと、いいことづくめだ。 だが、豆乳は、独特の青くさいニオイのために、苦手とする人も少なくないようだ。そんな人のためのサポートアイテムも、最近は多く出回っている。特に飲料やサプリメントなら、摂りやすいのでおすすめ。ドリンクタイプなら、吸収性の高い水溶性のイソフラボンを使っているものを選んでみよう。 大豆イソフラボンのよいところは、あくまでも女性ホルモンと似たはたらきなので、作用が穏やかなこと。また、体内の女性ホルモンが過剰になると、そのはたらきを抑える効果もある。不足しがちなときは、賢く補っていきたい。 ただし、食事以外で摂る場合は妊娠中の女性や乳幼児は少し注意が必要。子宮内膜症や乳がんといった婦人科系疾患の治療中の女性は、かかりつけの医師と相談してから摂るのがベスト。上手に摂って、さらに一歩、健康生活を推し進めよう
ほとんどが輸入の大豆 納豆や豆腐の原料となる大豆は、食用油になるもの、調味料のみそ、しょうゆになるものを合わせて約500万トンも輸入されています。 日本の大豆自給率はわずが5%程度ですから、大豆製品の原料のほとんどは輸入品なのです。そこで気になるのが残留農薬です。 大豆加工品の残留農薬テスト 1995年(平成7年)に東京都消費者センターが行った大豆加工品の農薬の残留量のテストによると、納豆では16品目中、産地表示のなかったもの12品目中4品目から3.4ppm~1.0ppmの臭素が検出されました。 しかし、検出値は食品衛生法などで決められている残留基準値を超えていたものはありませんでした。とはいえ、市販されている品のすべてをテストしたわけではありません。 一方、害虫をいぶし出すために何度も臭化メチルで蒸されているのは事実なのですから、基準値を下回る結果が出たとはいえ用心するにこしたことはないでしょう。できれば国産大豆を使用したものを購入した方がより安全です。
理想的食品・大豆 大豆は昔から「畑の肉」といわれてきました。良質のたんぱく質と共に、カルシウム、ビタミンB1、食物繊維などを豊富に含んだ食品です。また、こうした栄養価の高さだけでなく、大豆製品はさまざまなはたらきを持っています。 大豆の成分であるサポニンは、肥満防止、肝機能障害、がん、エイズなどに対しての効用が分かってきました。 さらに大豆に含まれるレシチンは動脈硬化や痴ほうの予防にも役立つことが確かめられています。レシチンだけを抽出して健康食品として商品化されているほどです。 魚の脂肪酸、カルシウム、DHAの効果 一方、魚に含まれる脂肪酸は、血栓を防止する作用のあることが分かっています。 魚はカルシウム供給源でもあります。骨ごと魚を食べるにはシラス干しや煮干しが最適です。ただ、魚のカルシウムはそのままでは消化吸収率が低いという難点があります。 頭が良くなるとして一時期話題となったDHA(ドコサヘキサエン酸)は、老化を抑制する作用もあります。DHAを多く含むサバ、イワシ、サンマといった背の青い魚を食べることをおすすめします。 大豆製品と魚は、健康体を維持するには不可欠の食品です。