体のゆがみ(姿勢)に関する記事をご紹介します。体のゆがみ(姿勢)の正しい知識を身につけることで、予防や改善にお役立てください。
肉体的な疲労が溜まってくると肩がこる、腰が重い・痛いと感じる人は多いでしょう。しかし、単に腰が痛いだけでなく、歩いていると足に痺れを感じる、歩きにくくなるといった症状を伴う腰痛は「腰椎椎間板ヘルニア」の可能性があります。 目次 腰痛と思っていたら… 症状が出てしまったら、どう治療するの? 日常生活でケアを こんな時はヘルニアを疑おう 腰痛と思っていたら… 肉体的な疲労が溜まってくると肩がこる、腰が重い・痛いと感じる人は多いようです。特に2足歩行をする人間にとって身体を支える腰には負担がかかる比率は高く、多くの人が日常生活に支障をきたさない程度には「腰痛」をもっていることでしょう。 しかし、単に腰が痛いだけでなく、歩いていると足に痺れを感じる、歩きにくくなる、荷物を持ち上げた時にお尻から足にかけて痛みが走る、腰から脚にかけて痛みが響く、前かがみになったり座っているのがツライ、といった症状を感じたら要注意。このような症状を伴う腰痛は「腰椎椎間板ヘルニア」の可能性が高いのです。 現在、腰痛に加えて前述のような症状を訴えて整形外科を受診する人は全受診者の20~30%と多いといいます。また、老化に伴う疾患というイメージのある腰痛ですが、実は比較的若年層の腰痛の原因として腰椎椎間板ヘルニアが挙げられるため、年齢が若くても腰痛の症状によっては「疲れて腰が痛いだけ」と軽く見ることは禁物です。 症状が出てしまったら、どう治療するの? 椎間板の一部(髄核)が飛び出して神経を圧迫することで痛みを引き起こす腰椎椎間板ヘルニアですが、この痛みは白血球が反応して起こる炎症反応の一つです。 この白血球のはたらきにより、基本的には炎症が続いた後、自然治癒をすることが多いようです。そのため重度の麻痺を伴わない限りは、最低3ヵ月は手術をせずに楽な姿勢で安静に過ごし、痛みの強い時だけ鎮痛剤などを服用して炎症を押さえて様子を見るというのが主流になっています。ただし薬で炎症を抑えすぎると経過が長引くこともあるので薬に頼るのは必要最小限にします。 腰椎椎間板ヘルニアとは、発症してしまうと回復するまで痛みに耐えるという苦しい治療法が選択される疾患なのです。 日常生活でケアを 体の中心部に激しい痛みを抱えたままの生活は苦痛を伴うため、できればこのような症状が発症するのを避けたいもの。 では、日常生活で腰椎椎間板ヘルニアを予防する方法を考えてみましょう。 椎間板ヘルニアを引き起こす人には、激しい運動をしている、前かがみの姿勢で長時間作業をしている、座り続けている、腹筋や背筋が弱い、肥満といった条件が当てはまるといいます。 そこで、日常生活の中では、姿勢に気をつける、腹筋や背筋を鍛える、腹式呼吸をする、荷物を持ち上げたり、中腰の姿勢に気をつける、水泳、ウォーキングなど適度な運動を習慣づけて肥満を予防し健康体重を維持するなどに気を配ることが大切です。 さまざまな要因の中で少なくとも「肥満」だけは日々の健康管理で回避できるもの。痛い思いをする前に体重計のチェックからはじめてみることが大切かもしれません。 こんな時はヘルニアを疑おう ●お尻から足にかけ猛烈な激痛がある ●腰から足先にかけてしびれや痛みがある ●筋力が低下してきた ●排尿障害がある ●立っているとすぐツラくなる ●少しの時間(15分くらい)で、椅子に腰掛けているのがツラくなる ●30分以上歩くと腰が痛くなる ●下半身に放散痛(ビリビリとした痛み)がある ●前かがみの姿勢で痛みが強くなる ●下半身の一部に触っても感覚が鈍い ●座った状態から立ち上がるのがツライ ●膝を伸ばした位置での足の持ち上げが困難だ 公開日:2009/04/13
目次 座り心地と健康を考えた椅子が増加中! 「座る」は「立つ」より疲れる 体によい椅子、悪い椅子 手持ちの椅子を座り心地のよいものに 座り心地と健康を考えた椅子が増加中! 公共空間の椅子の座り心地が、ずいぶんよくなっている。映画館や電車の椅子も適度にクッションがきいて、適度に硬い。人間にとっての使いやすさという観点から、機械や道具のあり方を研究する「人間工学」(エルゴノミクス)という学問があるが、その考え方をとりいれた製品が増えている。またビジネスシーンでも、パソコンの普及により長時間椅子に座ったまま過ごす人が増えたこともあり、体に負担のかからない椅子が注目されている。 椅子が進化し、よい製品と出会えそうな今、いつも座っている椅子について見直してみよう。 「座る」は「立つ」より疲れる 正しい姿勢の基本は、あごを引き、首をできるだけ長く伸ばし、背筋も伸ばして、腰をあまりそらさず、お尻も後ろに突き出さないまっすぐな姿勢である。こうすると、背骨や背骨を支えている筋肉に無理な負担がかからない。座っているときも立っているときも同じ。ただし、立っているより座っているほうが、腰に大きな負担がかかるのだ。 楽に立っているときに、腰の椎間板にかかる力を100とすると、背もたれのない椅子に腰かけたときは、40%も増えるとか。座った姿勢のときは、立っているときより体の重心線が椎間板の近くを通ることになり、腰の筋肉などがより強くはたらいて腰椎への圧力を増すためだと考えられる。それだけ、座ることは体に負担がかかるのだ。 ちなみに、座る姿勢が悪いために起こる体のトラブルや病気で、最も警戒すべきは腰痛。そのほか、背中の痛みや肩こり、精神的なストレス、内臓のトラブル(胃腸の調子を崩したり便秘になるなど)などが考えられる。また、パソコンを長時間使っている場合だと、視力低下や眼精疲労、腱鞘炎を招くこともある。 体によい椅子、悪い椅子 では、さまざまなトラブルを回避するためには、どんな椅子を選べばよいのだろうか。パソコンに向かう場合を中心に、体によい椅子選びのポイントを紹介しよう。 体に悪い椅子 ●背もたれのない椅子 背骨をまっすぐに支えようとして、背中や腰の筋肉が休まらない。 ●背もたれが直立した椅子・背もたれが硬い椅子 自然な姿勢でまっすぐに座ると、お尻の部分が背中より少し後ろに出る。ところが、直立した背もたれだと、寄りかかろうとしたときにお尻を前にずらさなければならないので、腰の筋肉がやわらがない。また背中を後ろ側に反らせるなど姿勢を変えることができないため、背もたれの硬い椅子もよくない。 ●背もたれが背中の半分より低い椅子 本来なら腰の負担を軽くするはずの背もたれが、体の負担となる。寄りかかろうとすると、体が後ろに倒れてしまうため、腰によけいな力がかかるからだ。 ●クッションが柔らかすぎる椅子 あまりクッションが柔らかく厚すぎると、反動がつけにくく立ったり座ったりがしにくい。 体によい椅子 背骨は通常、S字状のカーブを描いている。正しい姿勢で座るためには、この背骨のカーブが保たれ、背もたれに背中がぴったりついて体重を十分支えてくれる椅子が、体に負担がかかりにくくてよい。パソコンを使う場合、高さや背もたれの角度が調節できる、肘かけのある椅子を選ぼう。ちなみに、机の高さは、椅子に座ってキーボードに手を置いたとき、肘が90度になることが望ましい。 1. 座面の高さ:足が床にペッタリついたとき、太ももとふくらはぎの角度が90度になる。 2. 足から座面の距離:腰かけたとき、膝の裏と座面のふちの間にこぶしが一つ入るくらい。 3. 座面の傾斜角度:座面が前に向かって傾斜していると、背筋がよく伸び、腰のカーブがより自然になる。 4. 膝の裏側:膝の裏側の部分は、なだらかにカーブしている。(太ももや膝の裏がこの部分に当たると、足がしびれたり冷えてしまう) 5. 肘かけ:腕の重みは肩こりの原因となる。滑りにくい素材で、座面の前より長くないものが使いやすい。 6. 背もたれ:高さは背中の中ほどより少し上くらい。ウエスト部分が盛り上がっており、座ったときに背中にフィットするもの。姿勢を変えても腰への負担が大きくならないよう、材質に適度な柔軟性があることが望ましい。 手持ちの椅子を座り心地のよいものに もちろん、普段使っている椅子が理想に叶わないからといって、すぐ椅子を買い換えるわけにはいかない人もいるだろう。最後に、椅子を座りやすくする簡単な工夫を紹介しよう。 ●背中のカーブが合わない クッションその他を腰あてに使い、楽になる角度を調節する。腰痛のある人などにおすすめ。 ●シートが後ろに傾斜し座りにくい シートの後ろを高くする敷物・座布団などを敷く。 ●座面が高すぎる椅子(あるいは机が高く、座面を高くせざるを得ない場合) フットレストまたは電話帳、箱などなるべく長くて広い台を置いて足を支える。 公開日:2005年10月24日
両膝がOの字のように外側に湾曲したO脚。実は生まれたときは誰でもO脚だが、成長するとともにほとんどの人が改善される。しかし、成長してもO脚のままだったり、膝を傷めやすい生活習慣を行っていると、高齢になってから「変形膝関節症」を引き起こすことも。膝の痛みに苦しむ前に、O脚は早めに改善しておこう。 目次 3~4歳まではほとんどがO脚 扁平足や外反母趾もO脚・膝のゆがみにつながりやすい O脚や膝のゆがみを放っておくと「変形膝関節症」になることも 3~4歳まではほとんどがO脚 膝痛を引き起こす膝の湾曲には、O脚とX脚がある。 (A)正常な膝の状態。関節がまっすぐになっている (B)関節の軟骨の内側がすり減り、O脚になっている (C)関節の軟骨の外側がすり減り、X脚になっている 正常な膝は、(A)の図のように、脚の骨がまっすぐになっているが、(B)のように、膝をまっすぐ伸ばして直立したときに両膝の間に隙間ができてしまうのがO脚である。また、(C)のように膝が内側に入り、膝下と太ももが外側に湾曲した状態をX脚と呼ぶが、日本人にはほとんどいないといわれている。 人間は生まれたときには自然にO脚となっている。3~4歳頃になると次第にX脚となり、その後成長するにしたがってまっすぐになっていく。しかし、乳幼児期に早く歩かせようとすると膝の内側の骨の発育が鈍り、O脚になったまま成長してしまう例も多い。3~4歳になってもO脚のままの場合は、整形外科で治療をし、悪化する前に改善しておこう。7歳以上になると、手術をしなければ治らない場合もある。 扁平足や外反母趾もO脚・膝のゆがみにつながりやすい 扁平足はこうして起こる 足裏には前後、左右の方向に立体的なアーチがつくられている。このアーチがあることで体重が支えられ、地面を蹴ったり着地するときに、衝撃を和らげることができる。長時間歩いたあとには、足の骨と骨を結ぶ靭帯が伸び、誰でも扁平足気味になるが、安静にしていれば回復する。 しかし、合わない靴を長い期間履いていたり、立ち仕事を続けているとこの靭帯が伸びて戻らなくなってしまい、足裏のアーチが消えて扁平足となり、かかとをまっすぐに支えられなくなる。その結果、次第にかかとの骨が外向きにずれてしまい、O脚を引き起こしやすくなってしまう。 特に、太っている人は靭帯に与える力も大きいため、より扁平足になりやすい傾向がある。また、生まれつき足首からかかとにかけて骨が外側に脱臼している人や、かかとの骨を骨折した人も扁平足になってしまうこともある。 外反母趾・ハンマートゥはこうして起こる 足先のとがったハイヒールなどを履くことで、足の親指のつけ根が外側に曲がってしまう外反母趾。親指の関節が炎症を起こしてしまうため、ひどくなると歩くたびに痛みを感じる。 外反母趾は足裏の筋力が弱って、足の5本の指のつけ根を横に結んでいる靭帯が伸び、親指のつけ根が外側に張り出してしまった状態。痛みを避けるために、外側に重心をおいて歩くようになり、O脚・膝のゆがみを引き起こしやすくなる。 また、同じくハイヒールなどの影響で足の指先が直角に曲がってしまうハンマートゥも膝のゆがみにつながる。この状態のままでいると、足指のつけ根とかかとに負担がかかり、地面に足をついたときの衝撃をこの部分だけで受けることになる。その結果、膝にも大きな衝撃が伝わり、膝がゆがみやすくなってしまうのだ。 O脚や膝のゆがみを放っておくと「変形膝関節症」になることも 膝の関節の軟骨がすり減って、関節が変形することを「変形膝関節症」という。この軟骨がすり減ると、関節が変形し、膝の関節に炎症が起こって痛みを感じる。 変形膝関節症の前期・初期 レントゲンで見ても変化が見られないが、関節軟骨の表面に小さな傷ができている状態が前期。さらに進行し、レントゲンで関節の骨と骨の隙間が狭くなっていることを確認できるころを初期と言う。この時期には、激しい痛みを感じることはほとんどないため、病気の進行に気づかない人が多い。 主な症状 ●前期では、起きたときや歩き始めたときに、膝が重く、鈍痛を感じることがあるが、しばらくすると消える。 ●初期には、正座や階段の昇り降り、しゃがむ姿勢をするときなどでも、前期と同様な違和感や鈍い痛みを感じるようになる。痛みは日を重ねるうちにだんだん強くなり、長引くようになる。 ●膝をまっすぐに伸ばしきれない、完全に曲げきれない症状が起こる。 ●関節の組織や太ももの筋肉の柔軟性がなくなり、可動域が狭くなる。その結果、歩幅が狭くなり、膝を曲げて歩くことが多くなる。 この段階では、痛みを感じても湿布を貼ったり、安静にすることにより、数日で回復する。また、筋力トレーニングなどの運動療法を行うことで、進行を食い止めることができる。 変形膝関節症の中期 中期このころになると、膝の軟骨が磨耗してしまう。そのため膝に痛みを感じ、熱をもったり、腫れたりする。また、もともとまっすぐな膝の人でも、この段階では内側の軟骨がすり減ってO脚に変形してしまう。 主な症状 ●初期のときに感じていた痛みは強くなり、正座やしゃがむ動作ができなくなる。階段の昇り降りのときはさらに痛みが激しく、特に降りるときのほうが痛みが強い。 ●膝が炎症を起こし、特に膝の内側から前側にかけて熱や腫れを感じる。関節液の分泌が促進されて膝に水がたまると、膝が重く、だるく感じられる。 ●関節を包む「関節包」が引っ張られて痛みを感じるため、膝をまっすぐに伸ばすことができなくなる。 ●軟骨が磨耗しているため摩擦が大きくなり、膝を動かしたときにガリガリ、ギシギシと音がする。 中期には、膝の痛みを訴えて受診する人が多くなる。日常生活の動作も苦痛になるほど痛みが強くなることがあるが、運動療法によって改善していく。 変形膝関節症の末期 さらに症状が進むと、軟骨がほとんどなくなるまですり減ってしまい、骨と骨が接するようになる。こうなると、負担を少なくするために大腿骨と軟骨にトゲや土手のようなものがつくられて変形してしまう。日常の動作をすることも困難になり、次第に外出するのがおっくうになる。 主な症状 ●膝が完全に変形してしまい、歩くだけで膝が痛むようになる。スポーツや旅行などに限らず、買い物や散歩などの日常生活の動きも苦痛になる。 ●しだいに家に引きこもりがちになり、気持ちがふさぎ、なかにはうつ状態になる人も。 ●運動が制限されることやうつ状態が長く続くことで、認知症につながることもある。 公開日:2003年4月14日
地球上には重力があります。その重力に対して、どのように立ったり座ったりしているかによって、人の体に歪みなどが生じます。体に歪みが生じると、さまざまな部位で支障が生じてきます。原因不明の肩こりや腰痛、さらに頭痛などを感じているなら、それは体の歪みが原因かもしれません。 目次 こんな症状、ありませんか? どうして体が歪む? 背骨ってこんな構造 こんな症状、ありませんか? 幼い頃、親に「そんな姿勢で字を書いていると、目が悪くなるよ!」なんて言われた経験、ない? または、「あの人は背筋がピンと伸びていて、姿勢がいい」と思ったことはない? 姿勢が悪いと、人の体は正直なもので、さまざまなところに異常が生じてくる。もし、あなたも次のような症状を感じているのなら、その原因は「姿勢」にあるのかもしれない!? こんな症状感じていない? 視力が低下する 肩こり、腰痛などがなかなか治らない 原因不明の頭痛が続く 歯の噛み合わせが悪い 疲れやすい 胃腸の調子が悪い なかなか寝つけない どうして体が歪む? 地球上には、重力がある。人がこの重力の方向に対してどのような位置関係にいるのかによって「よい姿勢」「悪い姿勢」が決まる。このうち、「悪い姿勢」でいると、重力が無理な方向にかかり、体が歪んできてしまうのだ。 その原因は以下のようなこと。右利きか左利きかによって、体の左右どちらかをよく使うことになるため、どうしても左右均等ではなく、どちらかに歪みが生じてしまうのだ。 特に、スポーツをする人はたいてい左右どちらか利き手・利き足があり、同じ方向ばかり練習することで、体が歪みやすくなる。それは、どのスポーツにも言えることだ。 体が歪む原因 体の左右のアンバランスによる歪み ●足を組むとき、上にする足がたいてい決まっている ●床に横座りをするとき、左右のどちらに足を出すのか決まっている ●かばんや買物袋を持つ手が決まっている ●傘をさすとき、持つ手が決まっている ●ショルダーバッグをかける肩が決まっている ●横を向いて寝るとき、右向きか左向きかが決まっている スポーツによる体の歪み 例えば ●野球:バッティングやピッチングなど、左右どちらか決まっていると、常に一定方向に力がかかる ●サッカー:蹴り足が決まっている ●水泳:クロールの息継ぎをするときの顔の方向が決まっている ●ゴルフ:バッティングと同様に、スイング時の腰の回転が一定方向になる 背骨ってこんな構造 体を支える大切な骨格。なかでも、とくに体の芯のような役割を持っているのが背中を通っている脊柱である。 さて、人の脊柱はどんな構造をしているのだろうか。 人体は、33~35個の椎骨が積み木のように連結されている。これらは、横から見ると直線的ではなくゆるいS字状にカーブしている。 その椎骨と椎骨の間に椎間板と呼ばれるクッションの役割をもった板があり、このおかげで何らかの衝撃があっても吸収できるようになっている。 また、この脊柱に沿って全身をめぐって神経が通っている。脊髄には、刺激を脳に伝える知覚神経や脳からの司令を筋肉に伝える運動神経が通っており、もしなんらかの原因で椎骨が変形した場合、これらの神経が圧迫され、知覚・運動に障害が出てしまうのだ。 原因不明の体の不調は、こんなところからきているのかもしれない。 脊髄神経と関連する症状の代表例 神経 支配する領域 関連する症状 C1 頭部への血液供給、下垂体、頭痛、脳、耳、自律神経系 頭痛、高血圧、めまい、不眠症、健忘症、てんかん、慢性疲労など C7 甲状腺、肩、肘 肩こり、風邪、甲状腺異常症など T1 前腕・手首・指、食道、気管 前腕、手、指の痛み、喘息、咳、息切れ、呼吸困難など T6 胃 消化不良、胃炎、胸焼けなど T10 腎臓 腎臓病、動脈硬化、慢性疲労など 出典:「姿勢を直せば健康になる」野沢秀雄著 福昌堂より抜粋 公開日:2002年4月22日
体の歪みを直すには、マッサージやトレーニングが必要です。それ以外に、毎日の生活でも気をつけることがあります。また体の歪みを直すには、脊柱だけでなく骨盤から見なおすことも必要です。 目次 体の歪みの見分け方 正しい姿勢で歪みを直す 日常生活で気をつけること 骨盤から見なおそう 体の歪みの見分け方 自分の体が歪んでいるのかどうか、まずはチェックしてみよう。ひとりではチェックしづらいものもあるので、誰かに見てもらうといいかも。 体の歪みチェック 仰向けにまっすぐ寝て、全身をリラックスする。この時、両足のかかとは5~20cm開けること。その状態で、左右のどちらの足がより外側に開いているかをチェック。自分でチェックする場合には、頭をあげて見るが、この時足や体に力が入らないようにするのがポイント。 仰向けに寝て、全身をリラックスし、膝を曲げて両足裏を軽く合わせてみる。ズボンやスカートなど、服に引っ張られないようにすること。左右どちらの膝のほうがより外側に開いているかどうかをチェック。 歩き方のチェック。まっすぐに歩いてみて、左右どちらの足が外側に向いているか、また、肩がゆれたりあごが上向きになっていないかどうかをチェック。正しく歩けていれば肩や腰がゆれずに歩ける。 正しい姿勢で歪みを直す 自分の体に歪みがあるかどうか分かったら、それを正そう。前述のチェックで左右どちらかの足が外側に開き過ぎている場合、その足を内側に入れるよう、トレーニングを行おう。 歪みを直すトレーニング ●外側に開いたほうの足を内側に入れるようにするトレーニング 歪みチェック1、2でより外側に開いたほうの足を内側に入れるようにするトレーニング。例えば、左足が開いていた場合、仰向けに寝て左膝だけを曲げ、左の手のひらをあてて、胸のほうへ引き寄せる。その足を右側へ15秒倒す。左足を倒したままの角度でゆっくりと伸ばす。 ●骨盤のマッサージ 仰向けに寝てリラックスし、開きにくいほうの足のそけい部(足のつけ根)をよくマッサージしてほぐすと足が開きやすくなる。 ●骨盤のトレーニング 同じく、骨盤のトレーニング。仰向けに寝て、両膝を曲げ、両手を膝に当てる。両膝を合わせたまま、胸のほうに引き寄せ、頭を少しあげる。これを繰り返す。 ●脊柱の歪みを直すトレーニング 仰向けに寝て膝を伸ばし、両足をそろえる。膝を伸ばしたまま腰を持ち上げて、両足を頭のほうへ伸ばす。手は腰に当てて支える。脊柱が歪んでいる場合には、この時足が頭の真上にこないで、右や左に動いてしまう。そこで、両足をゆらゆらさせて真ん中にくるようにし、その姿勢をしばらく続ける。慣れてきたら、頭をこえて足を床につける。 日常生活で気をつけること 体の歪みは1日では直らない。トレーニングやマッサージをしながら、さらに日常生活で気をつけることによって、歪みを矯正&予防することになるのだ。 ちょっとしたことだけど、実践してみるべし。 歪みを矯正&予防する 正座する時は足の甲を組まず、並べて座る 横座り(両足を左右どちらかにずらして座る)をしない あぐらを組む時は、組み方を一定にせず、どちらの足でも組むようにする 歩く時は、両足先をまっすぐ前方に向けて歩く 誰かと歩く場合には、同じほうにばかり立たない かばんを持ったり、肩からかける時には、両方の手・肩で交互に持つこと リュックサックを背負う時には、猫背にならないようにする ゴルフの素振りをする時には、逆スイングもしてみる。クラブは持たなくてもOK。他のスポーツの場合も、左右両方で行うようにする 骨盤から見なおそう 体の歪みを直すには、脊柱だけでなく姿勢のかなめである骨盤にも注目しなければならない。 骨盤は、上体を支えているだけでなく、股関節とつながっており、日常動作で最も強い負担がかかる部分である。 この骨盤に歪みができると、それが脊柱に影響し、姿勢が崩れてくるのだ。また、骨盤の歪みは子宮筋腫や卵巣のう腫、不妊症などの婦人科疾患の発症原因のひとつにもなり、特に出産についても大きな影響を与える。 女性に見られがちなベタ座りは骨盤変形を起こしやすく、さらに股関節の角度が左右不均衡になってくる。このようなベタ座りや横座り、足を組むなど、歪みの原因になるような姿勢をやめよう。 参考文献:「姿勢を直せば健康になる」野沢秀雄著 福昌堂 「礒谷式 猫背矯正法」礒谷良仁著 健友館 「名医のわかりやすい 姿勢の矯正」丹羽昇著 同文書院: 公開日:2002年4月22日
背中や腰が痛い、だるい、肩がこりやすい、頭痛がするなど、日常生活の中で何となく感じる不調。これらの原因は、実はあなたの姿勢にあるのかもしれません。 目次 2本足で立てる歩ける、人間の「姿勢」の仕組み 直立姿勢を支える体の仕組み 現代生活が人の姿勢を退化させる!? 2本足で立てる歩ける、人間の「姿勢」の仕組み 人間の頭脳が、ほかの動物と比べ格段に進化をとげたのは、2本足で立ち上がる「姿勢」をまず手に入れたため、というのが定説です。この進化が脳の発達を促し、現在の生活を築くモトとなりました。 ところが、2本足で直立する姿勢は、地球の重力に対してかなり無理がある状態だといいます。それを何とか支えるために、背骨、骨盤、それを支える筋肉、足部の骨や筋肉などが発達してきました。 直立姿勢を支える体の仕組み 背骨 上半身を支える核となる部分です。専門用語では、「脊椎」または「脊柱」と呼びます。約26個の骨(堆骨:ついこつ)と椎間板という弾力性のある組織が交互に並んでいます。上半身を前後左右に曲げられるのは椎間板がゴムのようなはたらきをするためです。 堆骨や椎間板は中が空洞になっていて、このトンネル中に脳からの指令を体に伝える中枢神経(脊髄)が走っています。 脊椎は、首から胸のあたり(頚椎:けいつい)が前に出っ張り(前彎:ぜんわん)、胸のあたり(胸椎:きょうつい) が後ろに出っ張り(後彎:こうわん)、腰のあたり(腰椎:ようつい)が再び前に出っ張っています(前彎)。横から見るとゆるやかなS字型のカーブを描いているのが自然な姿です。 靭帯、腹筋、背筋など 背骨の堆骨と椎間板は、それ自体は積み木のように重なっているだけなので、そのままでは簡単にバラバラになってしまいます。これをしっかりと留めるテープのはたらきをしているのが、靭帯(じんたい)や腹筋、背筋などの組織です。 腰 一般的に「腰」と呼んでいる部分は、脊椎の下部から骨盤にかけての部分です。上半身にかかる力を骨盤を介して両足に伝えています。また、歩行を始め、立ったり座ったり、物を持ち上げたりなどの運動の要となります。腰の部分も骨を支える臀部(でんぶ)や大腿部の筋肉などが体のバランスを安定させるために重要な役割を果たしています。 足部 言わずと知れた、2足歩行の要。大腿骨と脛(けい)の骨(頚骨)は、新生児のときは膝が外を向くO脚ですが、成長するにつれ、真っ直ぐな形になります。また、足の裏(底)の部分はゆるやかなアーチ状になっていて、歩くときの衝撃を吸収する役割をしています。 現代生活が人の姿勢を退化させる!? 2足歩行の姿勢が人間の頭脳を進化させ、その頭脳が現代の便利な生活をうみました。しかし、この生活はいまや人間の姿勢を支えるシステムに危機的な影響を与えようとしています。生活の便利さゆえに骨や筋肉が衰え、重力に対して無理のない直立姿勢(良い姿勢)がとれない人が増えてきたこと。デスクワークなど、不自然な姿勢を長時間とることによって起こる体のゆがみ…。 悪い姿勢が我々の体にどのような影響を与えるのか例をあげてみましょう。 悪い姿勢の例その1 字を書くとき、食事をするときなど背中を丸めた姿勢をとる、いわゆる猫背です。姿勢の悪い子の多くがこのタイプ。高さが合わないキッチンで仕事をする主婦にも多くみられます。 体が受ける影響(ゆがみ) 胸椎の後彎が極端になったり、本来前彎している腰椎が後彎気味になるなどのゆがみが生じます。また、資料を見ながら文字を書くなどの作業で、常に資料を体の同じ側に置いていると、胸椎や腰椎に横方向のゆがみも生じます。 ゆがみによる体の不調 腰痛や背中の痛み、肩こりのほか、脊髄に負担がかかると、心筋、肺、消化器官のトラブルをもたらすこともあります。歯の噛み合わせが悪くなったり、呼吸が胸式呼吸になり血流量が減少します。 悪い姿勢の例その2 パソコンに文字を打ち込むとき、顔を斜め下の方に向けている人が多いのですが、横からみると背中から腰にかけては真っ直ぐですが、首から上が下を向いている姿勢となります。 体が受ける影響(ゆがみ) 本来後彎している頚椎に前方への力がかかり、頚椎が平らな状態になってしまいます。 ゆがみによる体の不調 真上を見づらくなります。歯が浮くような感じになり、いつもポカンと口をあけています。脳の血管障害や、目の障害などをもたらす恐れもあります。
体のゆがみをまねく悪い姿勢は、日常生活の中で無意識にとっていることが多いもの。ここでは、悪い姿勢のパターンをチェックしてみましょう。 目次 背骨の前後へのゆがみをまねく姿勢 体の左右へのゆがみをまねく姿勢 背骨の前後へのゆがみをまねく姿勢 日常的に悪い姿勢をとっていると、筋肉がアンバランスに発達したり衰えたりします。これが骨に影響を与え、背骨や肩甲骨、骨盤などが自然な形からズレて(ゆがんで)しまうことがあります。どのような姿勢がゆがみの原因になるのか、次にまとめました。 机や作業台の位置が低く、前かがみの姿勢で仕事をしている 座って作業することが多い事務職などの場合、机と目の位置は30cmくらい離れるのが適当だということをご存知ですか?しかし、実際は目の位置に対して机が低すぎることが多いため、 (1)背中を丸める (2)首を常に下に向けている (3)イスを後ろに引いて前かがみになる などの姿勢をとることが多いようです。それぞれ、背骨の胸椎、頚椎、腰椎に負担がかかり、ゆがみの原因になってしまいます。 リラックス時に、あぐらをかいたり足を前に投げ出して座ることが多い リラックス時のあぐらなども腰椎に負担がかかる座り方です。そもそも背骨にかかる力は立っているときより座っているときの方が大きいのです。普通に座っているときに腰椎(背骨の腰の部分)の椎間板にかかる圧力は、静かに立っているときと比べ約1.4倍、前かがみで座っているときは約2倍の力がかかるといいます。それだけ、腰に負担をかけているというわけです。 自動車を運転するとき、シートとペダルの位置が離れすぎている。また、シートに浅く腰掛けて運転している 車の運転をするときの姿勢も腰に負担がかかります。特に、座席に浅く座って背もたれにぐっともたれるような姿勢の場合、腰椎や胸椎に不自然な力が加わってしまいます。 3センチより高いヒールをはくことが多い 高すぎるハイヒールをはくと、体重が足先にかかって前に傾いた姿勢になります。バランスをとろうと、重心を上半身の後ろにかけるため、骨盤が後ろにずれ、その分腰椎の前への彎曲が強くなって、腰痛を起こしやすくなってしまうのです。 体の左右へのゆがみをまねく姿勢 カバンを持つ手がいつも同じ カバンを常に同じ手で持っていると、体のバランスをとるために逆側の腰が上がりがちになり、歩くときの足の向きや立ち止まっているときの姿勢もアンバランスになります。肩にかけるバックも同じです。この場合は、片側の肩が上がり、背骨が横に彎曲した形にゆがんでしまうことがあります。 「休め」をするとき、常に同じ足を支えにしている 立っているとき、片足だけで体を支える「休め」の姿勢をとることが多いかもしれませんが、これも効き足ばかりを支えにしていると背骨が左右に彎曲してしまう原因となる。イスに座って足を組んだり、床に横座りをしているときに投げ出す足の方向が同じという場合も、背骨にゆがみが生じる原因になります。 パソコンなどが机の片側にある パソコンが机の片側にあり、反対側に資料を置いていると、体をねじった状態で作業することになります。このねじれがいつも同じ方向だと、背骨に常に無理な力がはたらくことになります。 左右非対称のスポーツをよくする ゴルフ、野球など、効き手を使うスポーツをよくする人は、左右に不自然な力がはたらくことが多くなります。肉体労働者にも同じようなことが言えます。スイミングのクロールで、息継ぎをする向きが常に同じ場合も胸椎を中心にゆがみが生じることがあります。
日頃、悪い姿勢をとることが多いと自覚はしているけれど、その影響は体に出ているのでしょうか。自分で簡単に体のゆがみの傾向を知る方法があります。さっそく試してみましょう。 目次 体のゆがみチェック 判定 体のゆがみチェック チェック1 あお向けに真っ直ぐ寝て、両足のかかとの間を5~20cm開けます。全身はリラックスしてください。このとき、右と左のどちらがより外側に開いているかチェックしてみましょう。ほかの人に見てもらうのが一番ですが、ひとりのときは頭を軽く上げて自分で見ます。このとき、頭以外はリラックスした状態でいることが大事です。 A:右の足先が開いている B:左の足先が開いている C:両方とも同じくらい開いている チェック2 あお向けに寝ます。全身はチェック1同様リラックスしましょう。そのまま膝を曲げ、両足の裏を軽く合わせます。図のように膝が開く格好になりますが、どちらの膝がより外側に開いているかチェックしてみましょう。ひとりのときは頭を軽く上げて見てみましょう。 A:右の膝が開いている B:左の膝が開いている C:両方とも同じくらい開いている チェック3 普通に歩いているところをほかの人に見てもらいましょう。真っ直ぐ前、または後ろから見て、どちらの足先がより外側に開いているかチェックします。 A:右の足先が開いている B:左の足先が開いている C:両方とも同じくらい開いている チェック4 うつ伏せに寝て、つま先をピンと伸ばしてみます。このとき、どちらかの足がより長く見えることがあります。これも、ほかの人に見てもらいましょう。 A:右足が長い B:左足が長い C:両方とも同じくらいの長さ 判定 3つ以上Aがある場合 2つでも(チェック1)(チェック2)がAの場合 右骨盤高位右骨盤高位 右側の腰が左側より高くなっているパターンです。図のように、ウエストライン、お尻の下の線などが微妙に右に上がり、逆に肩甲骨や肩のラインは右側が下がっていることが多いようです。このため、背骨の腰の部分(骨盤のすぐ上)が左に曲がってしまっています。 3つ以上Bがある場合 2つでも(チェック1)(チェック2)がBの場合 左骨盤高位 右骨盤高位と対照的なパターンです。 (チェック1)と(チェック2)がA、Bに別れた場合 骨盤高位+脊柱彎曲型 脊柱(背骨)は、前後にゆるやかなS字カーブを描くのが自然ですが、このS字のカーブがきつくなると、(1)はB、(2)はAとなるケースが多いようです。 また、逆S字カーブの場合は(1)はA、(2)はBとなります。 さらに、どちらかの開きが極端に大きいときは骨盤高位もあることが考えられます。
体のゆがみの影響は、腰痛や肩こりなど不愉快な症状として現われます。日頃の姿勢を見直すとともに、ゆがみを積極的に改善する体操も取り入れてみましょう。 目次 左右にゆがんだ腰から足に効く運動 背中の筋肉を伸ばすストレッチ お腹の筋肉を伸ばすストレッチ 以下の体操は、朝起きてからと夜寝る前に行うのが理想ですが、最初は1日1回で問題ありません。また、最初は様子をみながら無理のないように行い、慣れてから時間や回数を増やすのが鉄則です。現在腰痛などがある人は、かえって悪化させることもあるので医師の指導のもとで体操を行うようにしましょう。 左右にゆがんだ腰から足に効く運動 「あなたは大丈夫?体のゆがみの見分け方」のチェックで、左骨盤高位という判定が出た人向けの運動です。右骨盤高位の人は、右足で行いましょう。また、どちらかよくわからない場合は、この体操は省略しましょう。 あお向けに寝て、左膝を曲げて左手を添え、お腹から胸にかけてゆっくり引き上げます。 右の手も左膝の上にあてて、その膝を右腕の方にゆっくり倒します。 左足を右の方に倒したままゆっくり膝と足を伸ばしてもとの姿勢に戻ります。 背中の筋肉を伸ばすストレッチ ストレッチ1:逆さカメの子ポーズ あお向けに寝て両膝を曲げ、曲げた両膝に手をあてます。 両膝を胸の方にひきよせ、10~20秒、ゆっくり呼吸しながら静止します。 ※(2)のところで、胸の方に引き寄せたり戻したりをゆっくり20回くらい繰り返すと、腰や背中の筋力がつく運動になります。 ストレッチ2:猫のポーズ 正座をして両腕を前に伸ばします。 そのまま上半身を前に倒し、腰を後方に落とすように意識して背中を伸ばし10~20秒静止します。 ストレッチ3:エビのポーズ あお向けに寝て、両足を伸ばしたままゆっくり腰まで持ち上げます。 図のように腰を手で支えながら、両足を頭の上まで伸ばし、30秒~5分くらい静止します(膝を曲げないよう注意。最初は無理のないタイムでOK)。 ※両足が頭の右側、左側にずれるのは体のゆがみのせいです。頭や上半身を波のようにうねらすと、位置を調整することができます(これによって体のゆがみも少しずつ調整されます)。 お腹の筋肉を伸ばすストレッチ マットやたたんだ布団を背中に置いて正座をします。 ※このとき、右骨盤高位の人は右の足先を少し外に向けます。こうすると右膝が少し内側に入った格好になります(左骨盤高位の人は逆となります。左の足先を少し外に向けます。どちらかわからない人は、両足を真っ直ぐに普通の正座をします)。 両膝をできるだけ開かないようにして、上半身を後方に倒し、あお向けの姿勢になります。この姿勢で5分~10分くらい静止します。 ※布団などの高さは、(2)であお向けになったときにももの筋肉が軽く突っ張る程度がいいでしょう。
地球の重力に抵抗して良い姿勢を保つためには、筋肉がしっかりついていないといけません。気軽にできて長続きするトレーニングをご紹介します。 目次 腹式呼吸で、正しい姿勢と腹筋力を身につける トイレの時間を活用して、ストレッチ&トレーニング 腹式呼吸で、正しい姿勢と腹筋力を身につける まずは実験。図のような正しい姿勢で立ち、お腹に手をあてて深呼吸を何度かしてみましょう。息を吸うと自然にお腹が膨らみ、息を吐くとお腹がキュッと引っ込むはず。これが腹式呼吸です。このとき肩が動いてしまう人は、肩を動かさないように意識してみましょう。どうしても感覚がつかめない場合は、あお向けに寝て深呼吸をしてみるとよいでしょう。感じがわかるはずです。 次に、背中を丸めて立ち、同じように深呼吸してみましょう。正しい姿勢のときほどはお腹が膨らまず、呼吸も何となく苦しい感じがしませんか? さらに、イスに座って背中を丸めて深呼吸してみましょう。ここまでくると嫌でも肩が動き、胸が上がったり下がったりして呼吸している様子がわかるはず。これが胸式呼吸です。 腹式呼吸と胸式呼吸では、腹式呼吸の方が呼吸効率がよく、悪い姿勢で胸式呼吸になってしまう結果血流量は3分の1に減少するという実験もあるようです。これは、頭も体も疲れやすくなるということ。 また、腹式呼吸は腹筋を鍛える1番手軽な方法になります。いつでもどこでもできる筋力トレーニングは、正しい姿勢+腹式呼吸なのです。 プラスアルファの力加減で背筋力のトレーニングも! ●正しい姿勢で立ちます。 ●腰に手を当て、腹筋と背筋を同時に収縮させます(息をゆっくり吐きながら、お腹を引っ込め、 肛門をギュッと閉じるようにします)。 呼吸をしながら何度か繰り返します。通勤時の電車待ちなど、機会があるごとに意識的に行いましょう。 トイレの時間を活用して、ストレッチ&トレーニング 意識してても悪い姿勢を続けがちなオフィスワーク。できれば1時間に1度トイレに立って、こっそりストレッチで体を伸ばしましょう。体も頭もリフレッシュできること請け合いです。 体の左右を伸ばすストレッチ 両足を腰幅に開いて立ちます。膝は少しゆるめ(ちょっと曲げる)、腹部を軽く引き締め、肛門も軽く閉じます。目を閉じて背筋をスッと上に伸ばします。リラックスした気分で2~3度深呼吸をしましょう。 両足を揃えて膝を伸ばし、胸の前で手を合わせます。この姿勢で深呼吸をします。 息を吐いたら、次は息を吸いながら手を合わせたまま上に伸ばし、両腕で頭をはさむような格好にして指先をさらに上に伸ばすような感じにしましょう。 ゆっくり息を吐きながら、腰(骨盤)を左に移し、上体は指先から右に倒していきます。指先の方に体を伸ばすように意識をして、10~20秒自然に呼吸します。 ゆっくり手をおろして(2)の姿勢に戻り、今度は逆方向に(3)と(4)を行います。 体の前後を伸ばすストレッチ 「体の左右を伸ばすストレッチ」の(1)~(3)と同じ動作をします。 ゆっくり息を吐きながら、腰(骨盤)を前に押し出し、上体は指先から後ろに倒していきます。指先の方に体を伸ばすように意識をして、10~20秒自然に呼吸します。 ゆっくり手をおろして(2)の姿勢に戻ります。 再度息を吸いながら手を上に上げるが、今度は両手を合わせないようにします。 息を吐きながら体を前に倒し、足の横の床に手をつき、足の後ろ側、腰、背中を伸ばします。10秒ほど自然呼吸をします。 そのままゆっくりと腰を曲げ、腰をおろしていきます(両膝をそろえ、かかとを床から上げないようにします)。そのポーズで10秒自然呼吸をし、ゆっくりと立ち上がります。
座っているとき、立っているとき、歩いているとき、どんな姿勢が体に負担をかけない良い姿勢なのでしょうか。 目次 立っているときの姿勢 座っているときの姿勢 歩くときの姿勢 立っているときの姿勢 正しい立ち方は、図のような状態です。両方の足に均等に体重をかけること、頭が上から引っ張られているような感じを意識しましょう。駅のホームなどでよく見かける、お腹の上のあたりで腕組みしたり、両足を交差させてどちらか一方の足に重心をかけて立つような姿勢はなるべくとらないこと。体がゆがむもとになります。 座っているときの姿勢 イスに座って机の上で作業をするときは、目と作業面の距離は30cmくらいが適当です。イスが高すぎると体をかがめるような姿勢になってしまいます。また、座ること自体が腰に負担を与えますので、図のようなグッズを使って腰を守るようにしましょう。 畳やじゅうたんの上での座り方で、腰に一番負担がかからないのは、正座です。このときも、背筋を伸ばし、重心が両足に均等にかかるように意識したいものです。横座りは、脊柱が曲がった状態になるため、ときどき向きを変えるよう注意を。あぐらや、足を投げ出して座る姿勢は腰椎に負担がかかるので避けた方がよいでしょう。 歩くときの姿勢 正しい歩き方は図の通りです。日頃かばんやショルダーバックを持ち歩く習慣がある人は、 同じ手で持ち続けないよう、バランスに気を配りましょう。