胸やけ、呑酸(どんさん)、お腹の張り…。もしかして、逆流性食道炎!?あなたはこんな症状ありませんか?気になる方は、こちらでチェックしてみましょう。 目次 胸やけ、呑酸(どんさん)、お腹の張り…。もしかして、逆流性食道炎!? 逆流性食道炎セルフチェック 本来は閉まるはずの胃の入口が閉まらず、胃液が食道へ逆流することに 食事・姿勢・服装を見直して、逆流性食道炎を予防しよう! 胸やけ、呑酸(どんさん)、お腹の張り…。もしかして、逆流性食道炎!? 逆流性食道炎は、胃液などの胃の中身が食道まで逆流して、しばらくとどまることで起きる病気です。食道は、強い酸性の胃液への抵抗力を胃ほどはもたないため、炎症を起こし、さまざまな症状が現れます。以下の中に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。 逆流性食道炎セルフチェック 胸やけ 呑酸(どんさん:のどや口の中で酸っぱさを感じる) お腹の張り のどのヒリヒリとした違和感 咳 げっぷ 胃もたれ 胃の痛み 胸の痛み 吐き気 …など 本来は閉まるはずの胃の入口が閉まらず、胃液が食道へ逆流することに 逆流性食道炎は、下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という、食道と胃をつなぐ部分にある筋肉がゆるむことによって起こります。この部分は通常は閉まっていますが、食べたものが通るときに開き、通過すると再び閉まることで、逆流を防いでいます。この開閉をコントロールしている下部食道括約筋がゆるみ、正常に閉まらなくなると、胃の中身が逆流してしまいます。 そのほかに、胃液の量が増えることや、腹圧が高くなることなどでも、逆流は起こります。これらを引き起こす原因として、以下が挙げられます。 その習慣が逆食のもと! ●脂肪分の多い食事 ●タンパク質の多い食事 ●加齢 ●背中が曲がること ●肥満 ●ベルトをきつく締めすぎること ●他の病気の薬 ●ストレス …など 食事・姿勢・服装を見直して、逆流性食道炎を予防しよう! 逆流性食道炎は、主に内科や消化器内科で、問診や内視鏡検査などを受けて診断されます。一般的に、食生活や姿勢の改善、胃酸の分泌を抑える飲み薬などによる治療が行われます。ただし、ゆるんだ下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)を根本的に治せるわけではないので、症状が治まったからといって服薬をやめると、再発してしまうことがあります。そのため、症状が治まった後も維持療法として、服薬を続けるケースは少なくありません。 薬による治療では症状の改善がみられないときや、再発を繰り返すような重症のときは、手術が行われる場合もあります。 日常生活において逆流性食道炎を予防するには、以下の方法があります。症状が治まった後も服薬を続ける維持療法を行っている場合には、再発の防止法としても役立ちます。 ●食事 食べすぎに気を付けましょう。特に、脂肪分やタンパク質の多い料理には注意が必要です。洋菓子などの甘いものや、香辛料、柑橘類などは、胸やけを悪化させる恐れがあるので、控えましょう。飲み物は、胃酸を分泌させるとともに、下部食道括約筋をゆるめるアルコールや、胃酸を分泌させるコーヒー・緑茶、腹圧を高める炭酸飲料は控えましょう。 ●姿勢 背筋を伸ばし、前かがみにならないようにしましょう。寝るときは、上半身の腹部から上が、やや高い位置になるような姿勢をとると良いでしょう。なお、食後2~3時間以内に横になると逆流しやすいため、気を付ける必要があります。 ●服装 ベルトや着物の帯、コルセット、ガードルなどで、お腹を締め付けすぎないようにしましょう。 公開日:2015/08/17
乗用車やバス、飛行機などの乗り物で起きる乗り物酔いは、体のバランスをとる働きをもつ内耳の器官に伝わる刺激や、視覚とバランス感覚とのズレによる自律神経の失調などが、原因と考えられています。乗り物酔いを防ぐ方法や酔ってしまったときの対処法を紹介します。 目次 乗り物酔いの原因は、体のバランスをとる器官への刺激など 乗る前と乗ってから、それぞれの予防法 それでも酔ったときは… 乗り物酔いの原因は、体のバランスをとる器官への刺激など 乗用車やバス、電車、船、飛行機など、どの乗り物でも起きる可能性がある、乗り物酔い。体のバランスをとるはたらきをもつ、内耳の器官に伝わる揺れ・加速の刺激、視覚や嗅覚への刺激、視覚とバランス感覚とのズレによる自律神経の失調などが、乗り物酔いの原因だと考えられています。また、以前に乗り物酔いをした記憶がストレスとなり、乗り物酔いの症状が誘発されることもあります。 特に、体のバランスをとる機能が発達しはじめる小学生から中学生にかけては、乗り物に酔いやすいことが知られています。この年齢を過ぎると酔いにくくはなるものの、大人でも乗り物酔いが起きることはあります。 乗る前と乗ってから、それぞれの予防法 乗り物酔いをしないためには、あらかじめ対策をすることが大切です。乗り物に乗る前と乗ってからで、それぞれ次のことに注意しましょう。 乗り物酔い予防の10ヵ条 【乗る前】 (1)前日は十分な睡眠をとる。 (2)乗り物酔いの薬を、乗る前に飲んでおく。 ※眠気が引き起こされる場合があるので、運転手は運転前に服用しないようにする。 (3)空腹時や食事直後に乗るのを避ける。 (4)臭いや味の強い食べ物、アルコールなどは乗る前に口にしない。 (5)乗る前に食事をする必要がある場合は、脂肪分が少なくでんぷん質が多いもの(白米、パン、麺類、芋類など)を少量食べるようにする。 【乗ってから】 (6)揺れにくい座席(乗用車なら前の席、船なら中央、飛行機なら主翼の近く)を選ぶ。 (7)窓や換気口を開けて、新鮮な空気を吸えるようにする。 (8)ゆったりとした姿勢で、前方(進行方向)を向いて座る。 (9)景色を眺めたり、同乗者と会話をしたりして、気をまぎらわせる。 (10)読書や、携帯電話やゲーム機の操作をしない。 それでも酔ったときは… たとえ予防をしても、乗り物酔いを確実に防げるわけではありません。乗り物に酔い、吐き気などの症状が起きたときは、次の対処法を行うと良いでしょう。 ●乗り物から降りて休む 風に当たり、外の空気を吸っているうちに、リラックスできます。 ●衣服の締め付けをゆるめる 乗り物から降りられないときは、せめて洋服のボタンやベルトをゆるめ、横になるなどできるだけラクな姿勢をとりましょう。 ●乗り物酔いの薬を飲む 薬には予防効果がありますが、酔った後に服用しても、症状を和らげる効果が得られます。 ●吐き気を抑える食べ物や飲み物を口にする クラッカーを食べたり、ジンジャーエールなどの炭酸飲料を少量ずつ飲んだりすると、吐き気が和らぐことがあります。ミントティーも、胃をすっきりさせる効果があると言われています。 ただし、自分では乗り物酔いだと思っていても、実際には脳や耳の病気が隠れていることもあります。大人になってからも乗り物酔いが治らない場合や、長らく乗り物酔いをしていなかったのに急に症状が出た場合は、耳鼻科などで相談しましょう。 公開日:2014/08/11
食中毒は一年中みられますが、梅雨の時期には、O157をはじめとした大腸菌やサルモネラ菌などによる食中毒が問題になります。予防するには食品の管理はもちろん、しっかり手洗いをすることも重要です。今回は流水で手を洗う方法「スクラブ法」についてご紹介します。 目次 開幕しています!夏の食中毒シーズン戦 食品管理だけで食中毒は防げるか?? スクラブ法をマスターしよう 開幕しています!夏の食中毒シーズン戦 食中毒は一年中みられますが、梅雨明けが待ち遠しいこの時期には、O157をはじめとした大腸菌やサルモネラ菌などによる食中毒が問題となります。O157においては、学校や飲食店などで多くの人が感染し、話題となったことをご存知の人も多いでしょう。 食中毒を防ぐために、わたしたちはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。 ■教えて!O157による食中毒ってどんな病気? 感染しても症状の出ない人もいますが、多くの場合は発熱、吐き気、吐く、胃やお腹が痛い、下痢といった胃腸症状がみられます。さらに抵抗力の弱い人では、溶血性尿毒症症候群や脳症などの病気を引き起こし、死亡することもあります。 食品管理だけで食中毒は防げるか?? 食中毒というだけに、食品の管理や調理に気をつかっている人は多いはずです。しかし、人から人への感染を防ぐには「手洗い」が重要だといわれています。もちろん食品管理も大切ですが、いくら新鮮な食材を使っていても細菌がついている手で調理をすれば感染してしまうからです。 では普段、あなたは何秒ほど手を洗っているでしょうか?手を水でぬらしただけで、手洗いをしているつもりにはなっていませんか? 医療施設では抵抗力の弱い患者さんが多いため、感染対策に力を入れています。その現場で手に付いた汚れを十分に落とすためには、流水のもと液体石けんをつかって15秒以上の手洗いをする必要があるといわれています。さらに推奨されている手洗い方法もあることをご存知でしょうか? ■教えて!固形石けんより液体石けんのほうがいいの? 乾燥していない固形石けんは、細菌が増殖しやすい場所のひとつになるため、液体石けんのほうが推奨されています。 スクラブ法をマスターしよう 流水で手を洗う方法をスクラブ法といいます。この方法をマスターし、トイレへ入った後、調理や食事をする前、下痢をしている乳幼児や高齢者の世話をしたときなど、石けんと流水でしっかりと手を洗って食中毒を予防しましょう。 スクラブ法をご紹介 (1)手を流水でよくぬらす (2)液体石けんを手のひらにとる (3)手のひらを洗う (4)手の甲を洗う(反対も同様) (5)指をからませて指の間を洗う (6)片方をじゃんけんのグーの形にし、その手の指の背や爪の部分を洗う(反対も同様) (7)親指をもう片方の手のひらで包み、親指をくるくると回すように洗う(反対も同様) (8)指先、爪の部分 をよく洗う (反対も同様) (9)手首をもう片方の手のひらで包み、手首をくるくると回すように洗う(反対も同様) (10)流水でよく洗い流し、ペーパータオルや乾燥し清潔なタオルで拭く(反対も同様) ■教えて!お湯で手を洗ってもいいの? お湯のほうが水より汚れが落ちやすいため、洗ってかまいません。しかし、皮脂をうばって手あれを起こすことがあります。手あれ部分には細菌が付着しやすいので、手洗いのあとにはハンドクリームなどを使い、手のケアをしましょう。 公開日:2008/06/30
熱中症は、ちょっとした注意で防ぐことができます。熱中症予防のために、普段から心掛けておきたいことは?さっそく今日から試してみましょう。また、「熱中症かもしれない」と思ったら、まずまっ先にしなければならない基本中の基本をまとめました。いざというときのために、覚えておきましょう。 目次 熱中症にならないために 熱中症になってしまったら 回復後もしばらくは静かにすごそう 熱中症にならないために ●体調を整える 睡眠不足や風邪ぎみなど、体調の悪いときは暑い日中の外出や運動は控えましょう。 ●服装に注意 通気性の良い洋服を着て、外出時にはきちんと帽子をかぶりましょう。 ●こまめに水分補給 「のどが渇いた」と感じたときには、すでにかなりの水分不足になっていることが多いもの。定期的に少しずつ水分を補給しましょう。特に夏場は汗と一緒に塩分が失われることを考えると、スポーツドリンクなどがおすすめです。 ●年齢も考慮に入れて 体内の機能が発育途中の子供や、体力が衰えはじめた高齢者は熱中症になりやすい傾向があります。年齢を意識して、予防を心がけることも大切です。 熱中症になってしまったら 「熱中症かもしれない」と思ったら、まずまっ先にしなければならない基本中の基本をまとめました。いざというときのために、ぜひ、覚えておきましょう。 ●涼しい日陰やクーラーの効いた室内などに移動する ●衣類をゆるめて休む ●体を冷やす 氷や冷たい水でぬらしたタオルを手足に当てます。氷や冷たい水がない場合は、タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎ、風を送って冷やしましょう。 ●水分を補給する このとき、水分だけではなく、汗によって失われた塩分も補給する必要があります。スポーツドリンクなどを少しずつ何回にも分けて補給しましょう。 ここまでは、自分でもできる応急処置です。軽い症状の場合はこれで良い場合もありますが、気分が悪くなるほどなら、ここから先は、周囲の人にサポートしてもらう必要があります。あなたの家族や友人・知人が熱中症になったときのことを考えて、ぜひ頭に入れておきましょう。また、レジャーなどにでかけるときは、タオルや冷たい水を入れた水筒、スポーツドリンクや日陰をつくれるようなパラソル、レジャーシートなどを持参しましょう。 ●筋肉がけいれんしているなら(熱けいれん) けいれんしている部分をマッサージします。また、体の特定の部分(例えば脚など)が冷えているなら、その部分もマッサージしましょう。 ●皮膚が青白く、体温が正常なら(熱疲労) 心臓より足を高くして、あおむけに寝かせます。水分が摂れるなら、少しずつ薄い食塩水かスポーツドリンクを何回にも分けて補給します。 ●皮膚が赤く、熱っぽいなら(熱射病) 上半身を高くして座っているのに近い状態で寝かせ、とにかく体を冷却します。首、脇の下、足のつけ根など、血管が皮膚表面に近いところを氷などで集中的に冷やします。氷がない場合は、水を体にふきかけ、風を送って冷やします。アルコールで体を拭くのも良いでしょう。このとき注意したいのは、体の表面だけを冷やしてふるえを起こさせないことです。 ●意識がはっきりしない場合は 反応が鈍い、言動がおかしい、意識がはっきりしない、意識がない。こういった場合はすぐに救急車を呼びましょう。同時に、応急処置をします。また、意識がはっきりしない、もしくは意識がない場合の水分補給は厳禁です。吐いてしまった場合にのどを詰まらせないよう横向きに寝かせましょう。 ●症状が回復しても必ず病院へ 回復したつもりでも体内に影響が残っていたり、再発のおそれもあります。熱中症になったら、回復した後でも必ず病院で診てもらいましょう。 回復後もしばらくは静かにすごそう 熱中症は、回復してしまえば終わり、というものではありません。一説によると、熱中症になった経験のある人は熱中症になりやすいともいわれています。 また、熱中症で体温が高くなると、大腸菌でつくられた内毒素が血液中に漏れ出て、体温が正常に戻っても体の抵抗力が弱まるという研究結果もあります。 熱中症になった後は、病院を受診して大事をとるとともに、しばらくの間は体をいたわる生活をする必要があるようです。くれぐれも「もう大丈夫」とばかりに、翌日からまた活発に活動をはじめる、なんて無謀なことをしないようにしましょう。 こんな症状があったら熱中症を疑ってみて 公開日:2003/08/11
吐き気・二日酔いに効くツボ、漢方薬を紹介します。 目次 吐き気・二日酔いに効く!ツボ指圧 吐き気・二日酔いに効く!漢方薬 吐き気・二日酔いに効く!ツボ指圧 ■合谷(ごうこく) 頭痛、腹痛、下痢、便秘、二日酔いによる気分の悪さなど、幅広い症状に効くツボです。月経痛など女性の生理に関係する症状にも効果があります。 ■巨闕(こけつ) 二日酔いなどの吐き気をおさめる特効ツボです。みぞおちの中央で胸骨の下端から指3本分下にあります。吐けるだけ吐いた後ふとんの上にあおむけになり、背中に枕をあてて体をそらせます。ツボに親指以外の4本の指をそっと食い込ませるような感じで指圧します。 ■内関(ないかん) 歯磨き中にウッときたときなどに、吐き気を静めるツボです。腕の手のひら側で手首のしわの真ん中から上へ指3本のところにあります。吐き気をもよおしたらすぐここを親指でグッと押しましょう。 吐き気・二日酔いに効く!漢方薬 タイプ 漢方薬 二日酔いに(水を飲んでもすぐのどが渇き、尿も少ない) 五苓散(ごれいさん) みぞおちが重苦しく、トイレに何度も通うとき。風邪による吐き気にも 半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) のどに何かひっかかった感じのとき。女性のつわりにも 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) ワンポイントアドバイス 飲みすぎ・食べ過ぎ・食あたりによる嘔吐は、むしろ吐いてしまいましょう。吐いた後はスープやみそ汁などを食べて体力の回復をはかります。 二日酔いには大根のおろし汁が効果的です。弱った肝臓や胃腸のはたらきを整えてくれます。また、甘柿が血中のアルコール分解を早めるはたらきがあるので食べてみるとよいでしょう。 吐き気止めには、ひね生姜をスライスしたものを1枚口に含むとよいようです。
生活習慣と老化による各種の眼病についてご紹介します。糖尿病性網膜症は失明する原因の第一位です。眼病に良くない生活習慣の改善が大切となります。 目次 正しい生活が眼を救う! 主に生活習慣によって起こりやすい眼病 主に老化によって起こりやすい眼病 正しい生活が眼を救う! 近視や遠視ではなく、視力が落ちるような病気の原因はどこから来るのでしょうか? 眼病の原因は流行性や外傷でない限り、主に老化と生活習慣にあります。生活習慣なら改善の余地もあるかもしれませんが、「歳のせいじゃ、しょうがない」と思いがちです。しかし老化というのは、悪い生活習慣によるストレスが体にかかることで進んでいきます。 つまり老人性の眼病であっても、以下のような点に注意すると、発病を遅らせる・防ぐことができるようです。 原因 ポイント 眼病の例 眼の酷使 無理な眼の使いすぎは、すべての眼病の原因になります。すべての眼病、眼精疲労 紫外線 紫外線が細胞にあたると活性酸素が発生し、老化は進みやすくなります。- 糖尿病 高い血糖値が持続することで障害が起こりやすくなります。- ストレス 体も眼も緊張し、疲労が蓄積します。ドライアイ たばこ 煙が眼に入り障害が起こりやすくなります。体の老化も早めます。ドライアイ、すべての眼病 食生活 ビタミンA、B群、C、E、タンパク質の不足やバランスの悪い食事はよくありません。すべての眼病、鳥目 主に生活習慣によって起こりやすい眼病 糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう) 全国で500万人いると言われる糖尿病患者。現代において、最も失明の原因となっているのが糖尿病です。 カメラで言うフィルムの役割をする網膜は、まさに突き出た脳と言われるほど神経の集中しているところで、脳同様、血液にとても依存しています。従って、高い血糖値が持続すると障害が起こりやすくなります。初期段階では、血糖値のコントロールにより経緯を見ます。さらに進行した場合には、レーザー治療や手術となります。 糖尿病と診断されたら、たとえ自覚がなくとも、必ず眼の定期検診を受けること!早期発見・早期治療が失明しないための最大の手だてです。 中心性網膜症(ちゅうしんせいもうまくしょう) カメラのフィルムのはたらきをする網膜の中でも、特に際立って感度が良いのは、黄斑部(おうはんぶ)と呼ばれる中心部です。その黄斑部の網膜下に血液成分が流れ込んでしまい、丸く腫れ、見え方にさまざまな障害が起こります。 原因は不明ですが、過労、ストレス、睡眠不足などが引き金となり、40歳前後に出やすいようです。レーザー治療や、循環促進剤・血管強化剤などの薬物治療を施しますが、完全に治るには時間のかかる場合もあります。失明することはないようですが再発しやすいため、注意が必要です。 眼精疲労(がんせいひろう) 眼精疲労の「せい」は精神の「精」。もはや単なる疲れ眼とは言えず、立派な病気です。頭痛、肩こり、吐き気など大きな苦痛が続きます。軽く考えずに、ぜひ眼科医に相談するべきでしょう。 そもそも眼は一般に考えられているほど疲れやすいものではなく、体調や「見る」環境に無理がなければ、長時間使っても大丈夫なように作られています。それが、どこかに無理が生じている場合、疲れがひどく深刻になります。しかも眼精疲労は、そのほかの病気の初期症状や、体の不調などとして現われる場合もあるので、正確な診断が必要です。 主に老化によって起こりやすい眼病 白内障(はくないしょう) 白内障とは、眼の中でレンズのはたらきをする水晶体が濁る病気。加齢にともなって起こるものがほとんどですが、糖尿病などの全身疾患、先天的にあるもの、外傷などが原因となる場合もあります。 白内障の治療は初期の場合、まず薬物治療をします。しかしこれは単に「遅らせる」ことができるだけで、もとに戻せるわけではありません。また、一度ひどく進んでしまった場合、薬のみで治療することは、ほとんど不可能です。従って、手術が必要となります。全体にかすんで見えたり視力が落ちますが、痛み・充血はありません。 緑内障(りょくないしょう) およそ35~40人に1人は緑内障の可能性があり、40~50歳代以降に発症する人が多いようです。 眼の玉というのは、ゼリー状の水がつまった風船のようなもので、絶えず中に水が注ぎ込まれては排出されています。しかし出口となる排水口(偶角ぐうかく)がつまることによって排出されにくくなり、眼球内の眼圧が上がるために起こるのが「緑内障」です。 原因は人によって異なり、ただ排水口が詰まっている場合、眼の中の炎症、外傷、悪性腫瘍、白内障、先天性の要因などが挙げられます。多くの病気の集まりが緑内障となって現われることも多いです。治療は眼圧降下剤などの薬物治療、レーザー治療、手術治療です。 視野障害や視力低下となり、ひどく進行してしまうと、まず回復不可能なので、早期発見・早期治療が肝心となります。老眼と思い込み、発見された時には手遅れというケースも多いようです。眼圧の上昇により、視力低下、充血、吐き気、頭痛などが起こります。 飛蚊症(ひぶんしょう) 水晶体(レンズ)の奥、いわゆる眼の玉の中の、水っぽいゼリー状のものが入っているところを「硝子体」と言います。通常ここはクリアーな視界のために、うまく透明に保たれているのですが、何かの原因により、そこに濁りが生じ、絶えず小さな虫や糸クズのようなものが飛んでいるかのように見えます。これを「飛蚊症」と言います。ゼリー状のものは加齢により、さらに水っぽくなってきます。すると眼の中のゼリー状の固さにバラつきが出ます。大抵は、そのために起こるケースが多いのですが、なかには眼底からの出血が硝子体の中に入り込んでいたり、網膜がはがれて濁りが生じているという恐ろしい場合もあるので、きちんとした診断を受けるようにしましょう。
アルコールによる胃粘膜障害 お酒を飲んだ後に時々、気持ちが悪くなったり、吐いたり、胃が痛くなったします。ひどいときには吐血や下血がみられることもあります。そのため、古くから飲酒について研究されてきました。そして、アルコールによって急性の胃粘膜障害が起こることが明らかになっています。 しかし、アルコールによる胃粘膜障害は基本的には一過性です。ですから、原因であるアルコールがなくなれば速やかに回復します。 ただし、痛み止めや熱を下げるなどのために使われる非ステロイド性抗炎症剤という薬を飲んでいる時は、アルコールによって胃粘膜障害が、さらに悪くなる危険があるため注意が必要です。また、胃粘膜障害があると、胃で行われるはずのアルコール代謝がほとんど行われなくなり、肝臓に負担を掛けることになってしまいます。 アルコールは胃・十二指腸潰瘍ができるのにも影響するといわれていましたが、多くの研究が行われたところ関連性は少ないのではないかと考えられています。 吐き気による障害 お酒を飲み過ぎた後の吐き気によって、マロリー・ワイス症候群という病気が、まれに起こることがあります。吐き気などによって急に腹圧が上がった時に、胃の入り口に裂け目ができて血を吐く病気です。普通は自然に血は止まり1週間程度で回復しますが、出血が多いときは内視鏡を使って血を止めたり、手術をしたりします。