30代男性のよくみられる乾癬(かんせん)は赤く盛り上がった発疹ができる皮膚病の一つです。「かんせん」という名前から感染症と誤解されることもありますが他人にうつることはありません。乾癬の正しい知識を身につけましょう。 目次 赤い発疹と、銀白色の鱗屑(りんせつ)がはがれ落ちるのが典型的な症状 感染症ではないので、ほかの人には決してうつらない! 塗り薬、飲み薬、紫外線の照射、生物学的製剤などによる治療 乾癬の主な治療法 赤い発疹と、銀白色の鱗屑(りんせつ)がはがれ落ちるのが典型的な症状 乾癬(かんせん)は慢性の皮膚病の一つで、日本の患者数は約10万人と言われています。30代の男性でもっともよくみられますが、子供から高齢者まで、また女性でも発症します。 紅斑(こうはん)という盛り上がった赤い発疹ができ、その上に付いた銀白色の鱗屑(りんせつ)と呼ばれるフケのようものがポロポロとはがれ落ちるのが、乾癬の典型的な症状です。かゆみが生じることや、爪が変形することもあります。乾癬は皮膚症状の現れ方が異なるいくつかの種類がありますが、この紅斑や鱗屑などの典型的な症状が現れると尋常性(じんじょうせい)乾癬に分類されます。「尋常性」というのは「普通の」という意味で、乾癬患者の約9割がこの尋常性乾癬です。 発疹の数や大きさ、形、できる部位は様々ですが、肘、ひざ、腰、頭などに出やすいことが分かっています。尋常性乾癬のほかには、関節炎を伴う「関節症性乾癬」、発疹が全身にできる「乾癬性紅皮症」、喉の痛みが生じる扁桃腺炎の後に続いて滴状の小さな乾癬皮疹ができる「滴状乾癬」などがあります。症状の出方は人それぞれですが、決してほかの人にうつらないということは共通しています。 感染症ではないので、ほかの人には決してうつらない! 乾癬のはっきりした原因はまだ分かっていませんが、遺伝が関係していると考えられています。さらに、環境因子と呼ばれる不規則な生活、食習慣、ストレス、肥満、感染症、薬の影響などが加わることで発症すると言われています。発疹が出やすいのは、ストレスがかかったときや皮膚がこすれたとき、風邪や扁桃炎などにかかったときなどです。 「かんせん」という名前から感染症と誤解されることがありますが、細菌やウイルスが原因ではありません。発疹に触れても同じ風呂やプールに入っても、ほかの人には決してうつらないのです。 塗り薬、飲み薬、紫外線の照射、生物学的製剤などによる治療 乾癬の主な治療法は、以下の4種類です。どの治療法が行われるかは、症状の状態や治療効果の現れ方などによって決められ、単独で行われることもあれば、組み合わされることもあります。かゆみがあるときは、かゆみ止めを服用することもあります。慢性的な病気である乾癬は発疹が繰り返しできますが、治療によって長期にわたり発疹が出なくなるケースもあります。納得して治療を受けられるように、皮膚科医とよく相談しましょう。 乾癬の主な治療法 (1)外用療法 塗り薬による治療法です。炎症を抑えるステロイド外用薬や、表皮細胞の増殖を抑えるビタミンD3外用薬などを使用します。 (2)内服療法 飲み薬による治療法です。皮膚の新陳代謝をコントロールするレチノイド(ビタミンA誘導体)や、免疫反応を抑えるシクロスポリンなどを使用します。 (3)光線療法 紫外線を皮膚に当てる医療機器による治療法です。紫外線は太陽光線に含まれるので、日光を適度に浴びることも推奨されていますが、紫外線は皮膚がんを引き起こす作用もあるため、過度に日焼けをしないよう注意する必要があります。 (4)抗体療法 バイオテクノロジーの技術を用いて開発された、生物学的製剤による治療法です。生物学的製剤には、炎症にかかわる物質の働きを抑える作用があり、皮下注射または点滴での投与が行われます。 公開日:2016/02/22
爪が厚くなりすぎて靴が履きづらい、歩行時に痛みを感じる、といった症状は爪白癬かもしれません。水虫などと同じ白癬菌が原因で起こる病気です。予防法や爪白癬に似た病気をチェックしましょう。 目次 爪白癬や水虫を引き起こす「白癬菌」 家庭内で白癬菌の感染を防ぐには…? 爪白癬のほかにも!爪が変色したり、厚くなったりする病気 爪白癬(つめはくせん)や水虫を引き起こす「白癬菌」(はくせんきん) 自分の足の爪を見てみると、変色していたり、厚くなったりしていないでしょうか。それは、水虫などと同じように白癬菌(はくせんきん)が原因で起きる爪白癬(つめはくせん)かもしれません。痛みやかゆみといった症状はありませんが、重度の場合、爪が厚くなりすぎて靴が履きづらくなることや、歩行の際に痛みを感じることもあります。 爪白癬であることを確かめるために行われるのが、医療機関で爪を採取し、顕微鏡で白癬菌を確認する検査です。白癬菌が見つかり、爪白癬と診断されると、医師から飲み薬や塗り薬が処方されます。治療にかかる期間は、白癬菌を死滅させ、新しい爪が生え変わるまでの1年から1年半です。痛みやかゆみなどの症状がないからといって、自己判断で治療を中断すると、せっかく治りかけていたのが再発してしまう恐れがあります。医師から治療の完了を告げられるまでは、根気よく続けましょう。 なお、水虫にもなっている場合は、爪白癬と一緒に治療する必要があります。 家庭内で白癬菌の感染を防ぐには…? 白癬菌は、家庭内で感染が広がりやすいと言われています。爪白癬や水虫になった人は、家族にうつさないために、次のことに気を付けましょう。 白癬菌の感染予防チェックリスト 足は毎日洗い、しっかりと乾燥させる 靴や靴下は通気性のよいものを選ぶ 靴は何足かを毎日履き替え、同じ靴を続けて履くのは避ける 爪切りの際は切った爪がまわりに飛び散らないようにする 切った爪は床に落ちたままにしない 浴室の足ふきマットやスリッパ、サンダルなどは、家族どうしで共用しない …など 爪白癬のほかにも!爪が変色したり、厚くなったりする病気 爪白癬のほかにも、足の爪が変色したり、厚くなったりする病気はあります。また、爪を強くぶつけた外傷により、爪の色が濁ったり、変色したりすることもあります。見た目ではどの病気なのか分からないので、医療機関で検査を受けて原因を確かめ、原因に応じた適切な治療を行いましょう。 爪白癬と似た症状が現れる病気 ●カンジダ性爪真菌症 カンジダというカビが原因で、爪の周りが赤くなったり厚くなったりします。 ●爪乾癬(つめかんせん) 乾癬という皮膚の病気が爪の症状として現れ、爪が厚くなったり色が濁ったりします。乾癬のはっきりした原因は不明ですが、遺伝が関係すると考えられています。 ●爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう) 爪が厚くなったり、カーブを描くように曲がって生えたりします。 足に合わない靴を履くことによる圧迫や、外傷が原因です。 ●爪異栄養症 爪の発育不全で、爪に溝ができたり、裂け目ができたりする病気です。 …など ■関連記事 爪の水虫は10人に1人、30歳以降から増加しやすく家族への感染に要注意 水虫の蔵元は爪!医療機関で塗り薬の治療を受けて最低1年は継続 公開日:2015/11/02
魅せ足ポイントは爪、かかとのケアにあり! 顔や体はマメにケアするのに、足はボロボロ…なんてことはないだろうか?よく見てみると、かかとはガサガサ、タコやウオノメができている、巻き爪が痛むなど、足にはトラブルがいっぱいだ。 実はこうしたものの多くは、靴の選び方 に問題があると言われている。足の一部に強い負担がかかるとそこが角質化しやすく、そのままにしておくとタコやウオノメ、巻き爪の原因にもなる。また、足に合わない靴を履き続けることで、骨格がゆがんでしまうなんてことも。 これからの季節はサンダルやミュールでおしゃれを楽しみたいという人も多いだろう。しかし、せっかくのおしゃれも、そこから覗く爪やかかとの手入れがおろそかでは台無しだ。人がうらやむような魅せ足には、キレイな爪とツルツルなかかとが欠かせない。正しいケアで本物の美脚を目指そう! 気になる足のトラブル対処法 ●爪:あま皮、ささくれ 足浴などでやわらかくしてから、綿棒などでよく汚れを落とし、専用のリムーバーを塗る。専用のニッパーであま皮やささくれなどを取り除く。傷をつけてしまうと、そこからバイ菌が入るのでやさしくていねいに。 ●爪:巻き爪 爪の切り方と、足に合わない靴を履いていることが原因となって起こる。爪は丸く切ったり、深爪をしないことが大切。横にまっすぐ切る(スクエアオフ)ことで、指の肉に爪が埋もれるのを防ぐことができる。爪切りではうまく切れないという人は、ヤスリで削るとよい。 ●かかと 足浴などでよく温めてから、尿素入りのクリームやワセリンを軽くマッサージしながらかかとに塗ることでやわらかくなり、乾燥を防ぐことができる。 硬くて痛い!タコ・ウオノメはこう対処する とくにヒールの高い靴やミュールなどを履いていると、足の指の背、指と指の間や、指のつけ根(とくに人差し指と中指の間)にタコやウオノメができやすくなる。また先の細いものでは、小指の外側にタコやウオノメができやすく、小指の変形にも注意が必要になる。 タコ、ウオノメの違い ●タコ 足の裏や指が靴にあたることで角質化した状態のこと。慢性化すると白くカサカサになる。 ●ウオノメ 角質化したところの中央に硬い芯ができてしまい、皮膚の真皮へと入り込んでしまった状態。神経を刺激してしまうので、痛みが出てくる。 タコ、ウオノメの原因「開張足」とは? 足に合わない靴を履きつづけていると、足のアーチを支えるじん帯が伸びたり緩んだりしてしまい、アーチが崩れてしまう。とくに親指のつけ根から小指のつけ根にかけてのアーチが崩れる「開張足」になってしまうと、タコやウオノメができやすくなる。 ●自宅でできる簡単セルフケア 1. 床に置いたタオルを足の指でつかんで拾ったり、手の指を 1本1本足の指の間に入れ、指をそらせて足底筋を伸ばす 2. 床に置いたタオルを足の指でつかんで拾う 3. 足指でジャンケンする フットケアの基本は「足浴」から フットケアは毎日続けてこそトラブルの予防になる。ベストは入浴時に足の間をよく洗うこと、そして爪の周りをよく泡立てた爪ブラシで洗い、汚れや古い角質、あま皮を取り除くことだ。しかし夏場は毎日シャワーで過ごしてしまうという人も多いだろう。そんな人におすすめなのは、乾燥したかかとにうるおいを与えたり、靴があたっている場所が赤くなったり硬くなりかけているようなタコやウオノメの初期症状の改善に有効な「足浴」だ。足を清潔に保つこともできるので、最近若い女性に増えているという水虫の治療薬をつける前にもぜひ取り入れたい。 とくに女性の場合は、夏場でも冷えがある人が多いといわれている。冷えがあると血行が悪くなり、皮膚が角質化しやすくなるので、暑い時期こそ足浴でしっかり温まろう。 足浴をした後はタオルでよく水分をふき取って、足全体を尿素入りのクリームやアロマオイルなどをたっぷり塗ってマッサージしよう。とくにタコやウオノメが気になるところや、かかとは入念に。足浴で温まったところにマッサージが加われば、血行はさらに促進され、冷房によって水分が奪われることによる乾燥も防ぐことができる。就寝前に行えば、マッサージによるリラックス効果で、寝苦しい夏場でも安眠できるので、一石二鳥だ。 公開日:2007年6月25日
水虫と爪白癬(つめはくせん)はどう違う? 人には、他人にはなかなか言いにくい体の悩みがあるもの。なかでも水虫と言えば、その代表格ではないでしょうか。冬のブーツの流行などで、若い女性にも水虫の人が増えていると言われています。蒸し暑い季節になると、症状が悪化する危険性がある上に、慢性化するとやっかいな爪白癬(つめはくせん)になってしまうケースもあります。 爪白癬という病名は知っていても、水虫との違いは分かりにくいかもしれません。そもそも水虫とは、皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)というカビ(真菌)の一種である白癬菌(はくせんきん)が、皮膚につくことで起こる病気です。足にできる水虫がいつまでも治らずに慢性化すると、白癬菌が爪の中にまで繁殖し、いっそう治りにくくなります。これを爪白癬と呼びます。 爪白癬の何がいけないの? 「爪が厚くなった」「色が濁っている…」これは、爪白癬のサイン。加齢によって爪の色が変わることはあっても、健康な爪であれば、このような変化をきたすことはありません。 爪白癬になっても、痛みやかゆみを感じることもなければ、出血をすることもありません。そのため多くの人は気にとめることもなく、放置してしまいます。その間にも白癬菌は活発に繁殖を続け、気がついたときには爪が変形し、厚くなった爪に押されて指が痛くなったり、歩行に支障をきたしたりします。 白癬菌は、股部や頭など体の他の部位にうつり、インキンタムシやシラクモになるほか、タオルやバスマット、スリッパなどを通じて周囲の人まで感染させてしまうことがあります。一家そろって水虫、という状態も引き起こしかねません。 1年から1年半、飲み薬や塗り薬を続けよう 市販されている水虫の塗り薬やスプレータイプの薬では、爪白癬に対する十分な治療効果が得られません。爪白癬を治すには、医師から処方される塗り薬や飲み薬が用いられます。 飲み薬は血流にのった有効成分が体内をめぐって爪まで運ばれ、塗り薬は直接作用します。どちらの薬も、爪の内側や、爪の内側の皮膚にまで運ばれて白癬菌を死滅させます。薬は、新しい爪に生え替わるまでの1年から1年半の間、使用を続けます。 爪白癬は、すぐに治る病気ではありません。まだ治りかけの段階で「もう大丈夫だろう」と自分で判断して治療を中断すると、再発する恐れがあります。完治のためにも医師に診てもらい、適切な治療を根気よく続けましょう。 ■関連記事 爪の水虫は10人に1人、30歳以降から増加しやすく家族への感染に要注意 水虫の蔵元は爪!医療機関で塗り薬の治療を受けて最低1年は継続 公開日:2015年11月2日
フットケアというと、アロマオイルを使ったマッサージやペディキュアを想像する人が多いかもしれない。だが医療現場ではいま、足は全身の健康状態をも左右する大事な部位として、ケアの大切さが認識されはじめている。今回は、ふだん意識する機会の少ない「足」に注目してみた。 目次 足は、全身の健康状態をあらわす鏡 寝たきりをもひき起こす、足のトラブル マスターしたい!自分でできるフットケア タコ・ウオノメ、水虫、ひびわれ…症状にあわせたフットケア 足は、全身の健康状態をあらわす鏡 あなたにとって足とはどのような存在か、考えたことがあるだろうか。移動のための手段?それともペディキュアなどオシャレを表現する場所?―おそらく体の中でも足は、あまり深く考えることのない部位だろう。しかし、一度でも足を怪我したり、骨折したりした経験のある人はその大切さを知っているはず。 事故で一時足の機能を奪われた人は、その不自由さから笑顔を失い、快活さまで消えてしまうことがあるという。「足で歩く」この何気ない動作が、人間にとって生きる活力の源となっているのだ。 また、足は全身の健康状態をあらわす鏡とも言われている。というのも心臓から最も離れた位置にあるため、末端の血管や血流の状態が顕著にあらわれるからだ。内臓や骨格といった各器官の状態があらわれる「反射区」も集まっているため、ふだんから足を観察し、適度な刺激を加えることで、全身の健康維持・増進につながる。 「反射区」とは? 寝たきりをもひき起こす、足のトラブル 医療の現場では、以前からフットケアの重要性が叫ばれていた。 例えば糖尿病になると、合併症として神経障害が進み、末端にある足の感覚が鈍くなるため、小さなケガなどに気づきにくくなる。抵抗力が低下して感染しやすくなっていることもあり、やけど、タコ、小さなケガなどが原因で入院治療が必要なほど悪化する。進行すると壊疽(えそ)になって足を切断することも。 一方、高齢者においては、足のトラブルは寝たきりにもつながる問題だ。高齢者に多いつま先やかかとの変形、腱膜症※などは、足のバランス機能を低下させ、転倒の原因となる。 転倒のせいで骨折をすると、いちどの転倒が恐怖心を呼び、外出や家の中の移動さえ控えるようになる高齢者がいる。行動を制限することで、全身の筋肉が低下してしまう。また骨折の痛みから動けなくなったり、治療のために安静を余儀なくされ、気づいたときには日常生活に必要な動作さえままならない「廃用症候群」をひき起こしてしまう。 たかが足とあなどってはいけない。足の裏を日常的に観察し、小さなキズや皮膚の変化を早い段階でキャッチして、症状に見合ったフットケアを実践しよう。 ※外反母趾で親指が他の指の方へ曲がってしまい、足の親指つけ根の関節が肥大した状態。歩くとかなりの激痛が走る。 マスターしたい!自分でできるフットケア フットケアの基本は、(1)清潔、(2)水分のふき取り、(3)保湿、(4)正しい爪きり、(5)足に合った靴、(6)よく歩く。 日常的にはどのようなケアをすればよいのか、足のトラブル別のケアもあわせて紹介しよう。 ●まず、足を観察 〈足全体〉カサカサ度/足全体の形/皮膚の色 〈爪〉爪の形/色/表面の状態 〈病気チェック〉水虫/タコ・ウオノメ/傷/できもの ●入浴、または足湯で足を清潔にして、皮膚をやわらかくする ●ヤスリやスクラブを使って角質を除去 ●乾燥を防ぐクリームをつける ●クリームをのばしながら、血行促進のマッサージをする ●爪を切る 爪の先は、水平になるように切るのがポイント。深爪にも注意を タコ・ウオノメ、水虫、ひびわれ…症状にあわせたフットケア タコ・ウオノメ どちらも、足に合わない靴が原因。足に負担のかからない靴を選ぼう。 タコは、入浴後にスクラブなどでのマッサージを何日か続けながら、タコ取り用の軟膏をつける。 ウオノメは再発しやすいのが特徴。つぶさないようにし、患部を清潔にした後ヤスリでこすり、パットを当てて保護する。よく似ている「イボ」はウイルス性なので、わからない場合は皮膚科に相談を。 水虫 基本は清潔に保つこと。白癬菌などが足に定着するには、およそ1日かかるといわれている。石けんを使ってぬるま湯で毎日すみずみまで洗うこと。靴下は裏返して洗濯を。また、家族に水虫の人がいる場合は、マットやスリッパを共用しないこともポイント。症状がある場合は、市販薬に頼る前に皮膚科の診断を受けることが大切。 ひびわれ かかとの固くなっている部分は、傷にならないように、かかと専用のヤスリ(薬局などで手に入る)で削る。ローションで皮膚をやわらかくし、尿素配合のクリームなどをすり込み、しばらく靴下などをはいておく。皮膚の生まれ変わりサイクルは28日なので、およそ1ヵ月、ケアをきちんとくり返すことでなめらかになる。 公開日:2005年12月12日
舌と爪は健康のバロメーター。普段からチェックをして、心身に異常が起きていないか確かめよう! 例えば、舌の色が白いときは貧血、紫色のときは血行障害の可能性が。分厚い舌苔が生えていたら、胃腸障害や水分代謝の不良の疑いが。黒っぽい爪は、肝硬変や腎臓病、悪性貧血、心臓病のほか、肺疾患のサイン。横すじは体調不良や栄養障害、ストレスなどが原因。 目次 心身の健康状態が反映されやすい舌 さっそく舌で健康チェック! 健康な爪とは? 舌や爪が発信するサイン 心身の健康状態が反映されやすい舌 舌は全身の鏡とも言われ、心身の健康状態が反映されやすい場所だ。とくに東洋医学では、舌を観察する「舌診」が重視されている。診察のポイントは2つ。 健康な舌 ポイント1:舌そのものの質 どんな色をしているか、形が萎縮したり腫れたりしていないか、周囲に歯痕がついていないかなどを診る。 ポイント2:「舌苔(ぜったい)」の状態 舌にできる白い苔のようなものが「舌苔」だ。 舌苔は色調や、厚さ、性状を診る。これだけで体調や病気の有無、精神的なストレス、血液や体液の状態までわかってしまうというのだから、驚きだ。 さっそく舌で健康チェック! まず、鏡で自分の舌を観察してみてほしい。健康な舌はピンク色でうっすらと白い舌苔に覆われているもの。もし以下のような状態なら、なんらかの疾患にかかっている可能性も。 舌そのものの質は? ■舌の色 白っぽい貧血 真っ赤血液中水分の減少・発熱による血管拡張 暗赤色・紫色・斑点血行障害 ■舌の形状 大きくてぶ厚い水分や脂肪が体内に溜まっている 薄い栄養不良・体液欠乏 歯形がある 胃腸障害 軟らかい抵抗力低下 溝がある 粘膜再生力低下・栄養不良 ■舌苔の様子は? 舌苔が厚い場合胃腸障害・水分代謝の不良 ※舌体が見えないほどびっしりと苔がはえているときは、なんらかの重い病気にかかっている可能性あり 黄色い舌苔発熱・胃炎 黒色の舌苔高熱・ひどい冷え 舌が痛いのはなぜ? とくに外傷がないのに舌の痛みを感じる場合は、次のような原因が考えられる。 ピリピリと舌先が痛いホルモンのアンバランスや亜鉛不足 しみるような感じがあるビタミンB12欠乏 激痛がある神経の異常 このほか腫瘍やがんの可能性もあるので、しばらく続く場合は専門医を受診しよう! 健康な爪とは? 爪の色や形は、顔色と同じくらい心身の状態をよく表している。健康な爪はピンク色で、表面もつるつるしている。 もし以下のような状態なら要注意だ! ■爪の色 白っぽい 黒っぽい・暗い赤色 赤い 貧血 肝硬変・腎臓病・悪性貧血・心臓病・肺疾患・膠原病 多血症・脳血栓・心筋梗塞 ■爪の形状 横すじ 体調不良・皮膚病・高熱・栄養障害、精神的ストレス ※不規則な生活・偏った食生活が原因のことも 縦すじ ダイエットによる影響・病気など ※加齢によることも多いのでさほど気にする必要はない 匙状爪(先がスプーン状に反り返っている爪) 鉄欠乏性貧血・甲状腺機能亢進症など 二枚爪 鉄欠乏性貧血・血行不良 ヒポクラテス爪(中央が盛り上がって、先端を包むように伸びている爪) 肺気腫・慢性気管支炎・肺がん 点状陥凹(表面に針で突いたような穴が無数にできている爪) 円形脱毛症・皮膚疾患 爪を見れば病気が分かる 舌や爪が発信するサイン 舌や爪が発信するサインを見逃さず、「おや?」と思ったときは迷わず病院へ。いきいきと健康な色・形をした舌や爪を保てるよう、規則正しくバランスのとれた食生活を心がけるようにしよう! 公開日:2003年12月15日
水虫は、春から夏にかけて徐々にその患者が増えてくる。その水虫の正体は実は「カビ」。白癬菌と呼ばれるカビは、足だけでなく体や手にも発生するのだ。そのカビの正体を解説する。 目次 4人に1人は水虫? 水虫の原因は…「カビ」だ! 足の裏だけじゃない、水虫の種類 水虫はどこからうつる? 4人に1人は水虫? 梅雨どきから夏にかけて足の裏や指の間がかゆくなったりじくじくしてくると、「あ~、また水虫の時期になった~」と憂うつになってしまう。でも、「水虫ぐらいじゃなあ」とめんどくさがって病院にも行かず、自分で薬を買って塗っている。だけど、なかなか治らない…。そんな繰り返しを毎年送ってはいないだろうか。 現在、水虫患者は全国で1,500万人いるとも推測されている。さらに、治療に通っていない潜在的な水虫患者まで入れると、その数は3,000万人以上にものぼると言われている。なんと、4人に1人が水虫に悩んでいる計算になる。 水虫患者は高齢者になるほど増える。その理由は歳をとるほど皮膚が角化(硬く厚くなる)し、水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)というカビが住みやすくなることや、長年水虫を放置し、慢性化させてしまうことなどが挙げられる。 また、最近では若い女性の水虫患者が増えている。これは、ハイヒールやストッキングなど、風通しの悪いものを長時間身につけて働く女性が増えていることや、裸足で利用する公共の場が増え、水虫に接する機会が増えていることなどが原因だ。特に女性は、「水虫なんて恥ずかしくて病院に行けない」と思っている人も多く、実は慢性化してしまっているケースも少なくない。 水虫の原因は…「カビ」だ! 一般的に足がかゆい、皮膚がただれているなど足に起こる不快症状を総称して「水虫」と呼んでいるが、医学的には「虫」ではなく「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれるカビが水虫の正体である。白癬菌は人間を宿主として、皮膚の表面に寄生するもの。その結果として、かゆみやただれなどの皮膚病が起こるのだ。 皮膚と白癬菌はどんな関係? 皮膚の構造 人の皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」という三層構造になっている。その表皮の中で最も深部にある基底層では絶えず細胞分裂を繰り返しており、古くなった細胞は上へ押し上げられ、垢となって剥がれ落ちる。これは表皮のターンオーバー(新陳代謝)と呼ばれる仕組みであり、ひとつの細胞が垢となって剥がれ落ちるまでには約1ヵ月間かかる。しかし、白癬菌はこのサイクルと同じ速さ、またはそれ以上の速さで増殖する力があるのだ。 足の裏など、皮膚がちょっと硬くなっている箇所だと、ワンサイクルで約3ヵ月かかることもある。このため、一度水虫になると、皮膚を新しいものに総とっかえするまでには最低でも半年、長ければ1年ほどかかる。これが、水虫の治療に時間がかかるワケなのだ。 この表皮にある垢となって剥がれ落ちる前の核のない細胞群(角質層)は「ケラチン」と呼ばれる。ケラチンは、異物の体内への侵入や暑さ、寒さなどから内臓を守る役目があるのだが、困ったことに白癬菌はケラチンが大好きなのである。ケラチンを栄養にして繁殖するため、ケラチンがあって高温多湿な場所ならどこにでも寄生する。つまり、水虫は足の裏だけでなく、どこにでもできるものなのだ。 ターンオーバーについて:健康な肌は28日周期で新しく生まれ変わる 足の裏だけじゃない、水虫の種類 高温多湿な場所を好む白癬菌。特に好きなのは足の裏や指の間だが、そのほかの場所にも寄生する。 水虫の種類 ●足白癬(俗称:水虫) 最も白癬菌が寄生しやすいのは、やはり足。土踏まずや足の縁にできるものを「小水疱型」、足の裏全体やかかとにできるものを「角質増殖型」、足の指の間にできるものを「趾間(しかん)型」という。 ●頭部白癬(俗称:しらくも) 白癬菌は頭に寄生し、白い雲がかかったようになることから「しらくも」とも呼ばれる。思春期以前の髪の短い男子に発生しやすいが、最近では髪を短くする子が減ったことや衛生環境が整っていることなどから、激減している。が、ペットからうつされることもあるので要注意。 ●体部白癬(俗称:たむし) 体にできる水虫は、「小水疱性斑状白癬」ともいい、初めはぽつんと湿疹状の隆起がかゆくなり、徐々に10円玉くらいの大きさに広がっていき、健康な部分との境界がはっきりした斑状になる。症状が進むと中心部は自然に炎症が治まるのが特徴。また、股にできるものは「股部白癬」で、俗称「いんきんたむし」である。非常にかゆくなって寝ている間に無意識に掻いてしまい症状が悪化することも少なくない。 いずれも、自分の水虫が感染源になる場合と、飼っているペットから感染する場合がある。 ●手白癬(俗称:手の水虫) 手にできる水虫で、「脂掌白癬」とも呼ばれる。症状は、足白癬と同じ。 ●爪白癬(俗称:爪の水虫) 水虫は爪にもできる。爪白癬にかかると、爪の先端や両側から白くなったり、爪の中に白い筋が現れたりする。初期段階ではかゆみなどの自覚症状がないため、爪白癬だと気づかずに放置し、爪がボロボロになってしまうこともある。治療にはかなりの時間と根気が必要だが、治療効果は他の水虫に比べるといまひとつ。 水虫はどこからうつる? 「お父さんが私のスリッパを履いたから、私に水虫がうつったじゃない!」と娘に怒られている中高年のお父さん、「そんなくらいで水虫がうつるワケないじゃないか!!」なんて言っては娘に嫌われてしまうこと、間違いナシ。 水虫は空気感染するほどの感染力はないものの、水虫の人が使ったバスマットやスリッパを共用すれば、水虫がうつる可能性は高い。例えば銭湯やプール、フィットネスクラブなど、裸足で歩く所や大勢が使用するスリッパを利用する場所などは、感染する危険性が高いのである。もちろん、家族に1人でも水虫患者がいるなら、裸足で歩いた床にも白癬菌はうようよしている。そこを歩けば、やはり白癬菌に寄生されてしまうのだ。 また、動物も白癬菌をもっていることがあり、可愛いペットからうつされることもある。可愛くても水虫には要注意だ。 ■関連記事 爪の水虫は10人に1人、30歳以降から増加しやすく家族への感染に要注意 水虫の蔵元は爪!医療機関で塗り薬の治療を受けて最低1年は継続 公開日:2003年5月26日
リフレクソロジー(足裏マッサージ)はかなり歴史が深く、現在では「台湾式」「英国式」「ドイツ式」など、いろいろな種類のリフレクソロジーがあります。それぞれ特徴や痛さ度をまとめたので自分にあったものを選びましょう。 目次 リフレクソロジーの歴史 あなたに合ったリフレクソロジーを探そう 自分で試してみよう リフレクソロジーの歴史 リフレクソロジーの起源はかなり古い。5000年前に書かれた中国の書物の中には足裏の反射区について記述があると言われ、またエジプトのサッカラで発見された今から4000年以上も前の医師の墓に見られる壁画には、足や手にリフレクソロジーを施す様子が描かれている。また、今から2500年以上前のインドに存在していた「仏足跡」(釈迦が入滅する前に残した足の裏の形を石に刻んだもの)には人体図が描かれているものもあり、それが反射区を表しているのではないかとも言われている。 日本では江戸時代中期に、近世臨済宗の僧・白隠が「白隠ひとりあんま」という本の中で「足のひとりあんま」について触れている。一方ヨーロッパでも、ドイツ語圏の国々では早くから民間療法のひとつとしてリフレクソロジーが行われていた。 古くから人間は反射区を刺激することで体の不調を改善することを経験から知っていたのだ。 こうした足の反射区療法に初めて興味を持ち、系統立てて研究をしたのは、アメリカ人の耳鼻咽喉科医ウィリアム・フィッツジェラルド博士(1872~1942年)だった。20世紀初頭にフィッツジェラルド博士が確立した「足の反射区療法」が今日のリフレクソロジーの基本となっている。 あなたに合ったリフレクソロジーを探そう 街角にはたくさんの「リフレクソロジー」や「フットマッサージ」の看板が出ている。ちょっと注意して見ると、「○○式」といろいろな種類が…。何か違いはあるのだろうか?ここでは代表的な「英国式」「ドイツ式」「台湾式」リフレクソロジーについて、まとめてみた。 台湾式 英国式 ドイツ式 特徴 中国5000年の歴史をもとに発展した、最もポピュラーなフットマッサージ。体調を整えることを目的とする。 意外にも日本生まれ。イギリス・ノルウエーなどのマッサージにさらに日本人に合うように改良を重ねてでき上がったもの。アロマオイルやハーブなどを使って、リラックスすることを目的に掲げたものが多い。 足に対する意識の高いドイツ人。「ポドロジー(足学)」に基づいたフットケアで、マッサージと言うよりも巻き爪や角質ケアなど足のトラブルを解消することが目的。 痛さ度 ★★★★★ (申告により調整可能) ★★ ★★ おすすめ 冷え、むくみ、二日酔いなどの改善に 心からリラックスしたいときに 巻き爪、タコ、魚の目などの改善に 自分で試してみよう 体がなんだか重いとき、胃がちょっともたれるとき、自分でリフレクソロジーをしてみよう!リフレクソロジー初心者も大丈夫! ●リフレクソロジー初心者 「反射区なんてわかんないよ~」というあなたはゴルフボールをひとつ用意しよう。足の下で転がせば足裏全体の反射区をほどよく刺激することができる。 ●リフレクソロジー中級者 本などを見ながら足裏の反射区を刺激していこうと思うあなたにオススメなのが、歯ブラシの柄を使って刺激する方法。力を加えやすく、手を使って刺激する よりも疲れにくい。ドクターフット・與那嶺氏によれば、「いろいろ試したが、歯ブラシの柄が折れにくく、一番適している」とのこと。 ●リフレクソロジー上級者 慣れてきたら、「もむ」、「押す」、「ねじる」などのさまざまな方法でのマッサージに挑戦してみよう!また、身近な人もマッサージしてあげては? 公開日:2002年8月26日
爪は指先を保護しており、小さいけれど大切な存在です。爪の役割や構造は、どのようになっているのでしょうか。また、爪にもトラブルは起こります。あなたの爪、こんな症状は起きていませんか? 目次 爪はなぜ必要か? 爪の構造はこうなっている トラブル発生!あなたの爪は大丈夫? 爪はなぜ必要か? 爪とは、いったい何だろうか? ライオンには獲物を捕らえるためにするどい爪がある。馬には速く走るために硬い爪がついている。 人についているのは、板状の平爪。その形にも存在にも意味があるのだ。 人の爪の役割は? 指先を保護する 指先で物をつかむ時、指先に力を入れるが、爪が支えとなるために物がうまくつかめる。もし、足指に爪がなかったら、歩く時にもつま先に力が入らず、うまく歩けないことになる。爪は指先を保護しているのである。 細かい作業が可能 爪があるおかげで物がつかめるため、細かな作業が可能。小さなものでも爪のおかげで力の入れ加減を調節することができるのだ。とくに、人の爪は扁平な板状で、このようないわゆる平爪は、高等霊長類以上に見られる特徴である。 爪の構造はこうなっている 爪は髪の毛と同様に、普段あまり注目したことがないかもしれないので、ここで爪の構造を見てみよう。 爪甲 一般的に「爪」と呼んでいる、板状の硬い部分 爪廓、後爪廓爪甲の周りを囲んでいる皮膚。後甲廓は、根元の部分の上を覆っている皮膚 爪母爪甲をつくっているところ 爪半月付け根のほうにある乳白色の三日月の部分 爪上皮甘皮のこと。爪甲の上に伸びている半透明の角質 爪下皮爪が伸びてくると指より先に不透明な部分があり、その裏側の角質で覆われている部分 爪甲は爪の根元、爪母という部分で作られるが、できたてのほやほやはまだ柔らかい。そのため、爪甲を爪上皮という皮膚で覆っている。 ちなみに、爪は硬いけれども骨や軟骨とは関係ない。骨はカルシウムからできているのに対し、爪は「ケラチン」というたんぱく質からできている。 トラブル発生!あなたの爪は大丈夫? 爪にもトラブルは起こる。あなたの爪にはこんな症状は起きていないだろうか。 陥入爪(かんにゅうづめ) 爪の先端のはしっこが周囲にある皮膚を傷つける病気。食い込んだ部分の皮膚は赤く腫れて痛む。 陥入爪は足の親指に起きやすく、その原因はハイヒールを履くなど靴にあると思われているが、必ずしもそうではない。いちばんの原因は、爪の切り過ぎ(深爪)にある。 爪を切る時には、指先よりも1mmくらい長くしておけば陥入爪にはならない。 鉤わん爪(こうわんつめ) 爪甲が分厚く硬くなって、褐色を帯びてキタナイ色になった爪。爪がだんだん硬くなるため、普通の爪切りでは切れず、そのまま伸びた状態にしていると、ますます傷みが増す。 原因は、爪が真菌症になると鉤わん爪になることがある。また、陥入爪と同様に、深爪も原因。深爪になると先端部分が下から受ける圧力に耐え切れず、上に押し上げられてしまう。 巻き爪 先が細い靴を履きつづけると外反母趾になるが、それと同時に爪の形も変わってしまう。陥入爪のように深爪の場合には、足の爪が邪魔をして一定以上は爪が曲がらないが、深爪でないと爪の側縁が足の指に食い込んでいないため、横からの圧力で爪が彎曲してしまう状態。 爪の外傷 指先をドアではさんだり、足先に重たいものを落としたり踏まれたりすると、爪甲の下に出血することがある。出血が多すぎると、爪がはがれることもある。しかし、骨折がなく、爪がはがれたのでなければ、そのままにしておいて観察するのがいい。 公開日:2002年3月4日
こんなに小さな爪だけど、変色したり、変形したりすることがあります。それは、必ずしも足に合わない靴や深爪などが原因、というわけではありません。爪自身も病気になったり変色・変形することがあるのです。 目次 まだある?爪自身の病気や変化 こんな爪は体が病気の疑いあり 爪半月がたくさん見えるほうが健康?爪よろず情報 まだある?爪自身の病気や変化 こんなに小さな爪だけど、変色したり、変形したりすることがある。それは、必ずしも足に合わない靴や深爪などが原因、というわけではない。爪自身も病気になったり変色・変形することがあるのだ。 爪自身の病気や変化 ●爪につくカビがある!? 爪の色が部分的に白くにごってきたら、まず考えられるのは「爪白癬(つめはくせん)」。つまり、爪の水虫だ。水虫になるのは白癬菌というカビで、このカビは皮膚の表面を覆っているケラチンをエサとして繁殖する。多くは足の水虫が先に始まり、進行すると爪白癬になるのだ。 他人ごとではない!?水虫の話 ●薬によって爪の色が変わる! 内服薬を常飲していると爪の色が変わることがある。例えば、下剤のフェノルフタレインや細菌感染などの病気に使われるテトラサイクリン系の抗生物質などは、爪にさまざまな影響を与えることが知られている。 もし、薬を飲んでいて爪の色が変化してきたら、その薬を飲むのをやめ、医師に相談しよう。 こんな爪は体が病気の疑いあり 体のどこかが悪くて、その症状が爪に出ることもある。毎日爪を見て要チェック! 体のこんな病気が爪で分かる 爪の色が白っぽくなる 肝臓の病気の疑いあり。そのほか、鉄欠乏性貧血も考えられる。ただし、1~4歳ぐらいの乳幼児の爪は健康でも白っぽく見えることがあり、乳幼児は肝硬変にかかることはほとんどないので、心配はいらない。 爪の根元半分は白っぽく、先半分は赤褐色調になる 腎臓病の疑いあり。また、爪甲の先端に横縞の線が出る場合もある。 足の爪が暗赤色に変わる 冬の寒い時、指先が紫色になることがある。このように、爪も紫色になることがあるが、足の爪にだけ認められる時には、糖尿病や閉塞性動脈硬化症の疑いがある。 指・爪がまるくなる「ばち指」 「ばち指」は指先が大きくふくらみ、そのために爪甲が丸く大きくなること。指先を曲げて横から見ると、爪の根元を覆っている皮膚と爪でできる角度が、正常な場合は160°程度なのに、ばち指がひどくなると200°以上になる。この爪になると、肺がんや心臓疾患の疑いあり。とくに、肺がんの初期症状(咳、たん、血痰など)が見られなくてもばち指になることがあるので、早期発見につながる。 スプーン爪 スプーンのように爪の先が反り返って中央がへこんだ状態。鉄欠乏性貧血の場合、スプーン爪になることが多く、とくに毎月定期的に月経のある女性は注意。 爪半月がたくさん見えるほうが健康?爪よろず情報 最後に爪にまつわる情報を集めてみた。さて、あなたはどのくらい知っている? Q:爪半月がたくさん見えるほうが健康なの? A:「爪半月が見えないと不健康」といわれることがあるが、そんなことはない。爪甲が完全にできあがっていない爪半月の根元は、あま皮(これを後爪廓の爪上皮という)で覆われていてできたての爪を保護する役目がある。この半月がたくさん見えるかどうかはだいたい生まれつき決まっており、健康には左右されないのである。 Q:爪にタテジワがあると、病気なの? A:爪の表面をよく見ると、つるつるしている人とタテジワの線がある人がいる。この線は「爪甲縦条」といわれるもので、2~4歳ころに見られる場合は爪が急速に成長している証拠だ。しばらくすると目立たなくなってくる。その後、40代くらいからまたシワが目立つようになる。 つまり、このシワも病気とは関係なく、年齢によるものなのである。 Q:爪ってどのくらいの速さで伸びる? A:大人でおよそ1日に0.1mm。つまり、10日で1mm程度。指先を使う仕事をする人の中には、「あまり爪が伸びないから切らなくてもいい」と言う人もいるが、これは伸びないのではなく、摩擦によって爪が削られているから、伸びていないように見えるだけ。 公開日:2002年3月11日
爪は健康のバロメーター 爪は昔から健康のバロメーターとされてきた場所。 よくいわれるのは爪の根元の半月部分が少なかったり見えなかったりすると病気、というもの。 しかし医学的な根拠はあまりないので、それよりも、爪全体の発育状況や色・形に注目しよう。 [爪で分かる健康状態] 健康な爪 毛細血管の色が透けて見えるため、全体に薄いピンク色。一日に約0.1ミリ伸びる。 血の色が見えずに白い爪は貧血気味の場合も。 黒っぽい紫色になっている場合は、唇にも現れるチアノーゼ状態。悪性の貧血、心臓病の可能性が。 ピンクを通り越して真っ赤な爪は多血症。脳血栓や心筋梗塞を引き起こす危険がある。 爪の伸びが遅い場合は偏った食生活による栄養不足。爪がほとんど伸びず、色も悪くてガタガタの人は、リンパの流れが悪く重大な病気の可能性もある。 体調を崩した後や大きな病気の後などに、爪に入る横スジ。これは、爪が正常に成長するときに現れるものなので、スジそのものを気にするよりも、不規則な生活や偏った食生活などを改めよう。 [爪の病気]~こうなったら大変! ヒポクラテス爪 中央が異常に盛り上がり、指の先端を包み込むような伸び方をしている場合は要注意。肺気腫、慢性気管支炎、あるいは肺ガンなどの重い病気の可能性もある。 鉄の欠乏 爪が反り返って、スプーンのように中央がへこんだまま伸びる場合は、鉄の欠乏による重い貧血。女性に多く見られる。 皮膚が教える病気の危険信号 皮膚がカサカサ状態になる、湿疹ができやすく化膿しやすい、陰部がかゆい。 これは皮膚が教える糖尿病の三大特徴。 中年で肥満タイプ、運動不足、甘い物や油っこいものが好き、という人は特に注意を! アレルギー性皮膚炎以外で、関節の痛みや発熱を伴うみみずばれは、膠原病の恐れが。 「つねられてもいないし、ぶつけてもいないのに、紫色のアザができていることがある」という人は、大半は細い血管が切れておこった皮下出血で問題はない。 しかし、歯肉や血尿など他の場所からも出血が見られるようだったら、重病の可能性もあるので医師の検査を。