プロバイオティクス(体にとってよいはたらきをする細菌)、乳酸菌サプリメントなどのコマーシャルを目にします。このところ、その機会が増えたように感じるのですが、みなさんはいかがでしょう。規制もあるので、TVなどのコマーシャルでは「腸の調子を整える」とか、「健康にいい」という宣伝しかしませんが、実は、うつ病などの心の病と大腸に棲みついているプロバイオティクスとの間には深い関係があることがわかっています。ここでは、健康な人とうつ病患者さんの腸内に棲みついている細菌の組成の違いに注目して行われた研究と、プロバイオティクスサプリメントを摂取するとどのような変化が起こるのかをみた研究を紹介します。 目次 健康な人とうつ病患者さんでは大腸に棲みついている細菌の組成が違う プロバイオティクスサプリメントを摂り続けると、うつ病の症状が軽くなる? 板倉先生ワンポイントアドバイス 健康な人とうつ病患者さんでは大腸に棲みついている細菌の組成が違う うつ病にかかっている人の全人口に占める割合は、少し前のデータですが4.4%だと言われています*1。世界の人口を80億人として計算すると、うつ病の患者数は1億8千万人という大変な数になります。 うつ病は、慢性的なストレスがきっかけになって起こる病気で、気分が落ち込み、何もする気がなくなって、眠れなくなるなどの症状が出現します。うつ病は心の風邪という言葉が一時よく使われたように、誰もがかかる可能性のある病気なのですが、実は、女性の患者さん方が多くて、その数は男性の2倍だそうです*1。 人の体にはストレスを弱めるための仕組みが備わっていて、その中で腸内細菌も重要な役割を担っています*2。では、慢性的なストレスをきっかけにうつ病になってしまった人の腸内細菌は一体どうなっているのでしょうか。 日本で行われたうつ病患者さんと健康な人の腸内細菌を比べた研究では、うつ病患者さんの腸では、ビフィズス菌と乳酸菌が健康な人よりも明らかに少ないことがわかったと報告されています*3。 プロバイオティクスサプリメントを摂り続けると、うつ病の症状が軽くなる? この日本の研究では、同じうつ病患者さんの中でも、ヨーグルトや乳酸菌飲料をよく飲むグループは飲まないグループよりも腸内のビフィズス菌の数が多いことも報告されていますので*3、プロバイオティクスを多く摂って腸内の細菌を増やせばうつ病の症状を軽くできるかもしれません。 この考えについて、実際に、確かめようとした研究があります。うつ病の患者さん40人を、抗うつ薬とプロバイオティクス(乳酸菌とビフィズス菌含有)サプリメントを飲む20人グループと抗うつ薬とプラセボ(プロバイオティクスサプリメントの偽薬)を飲む20人のグループに分け、研究開始から8週間後までのうつ病症状の変化を比べるという方法が採られました。その結果、抗うつ薬とプロバイオティクスサプリメントを飲んだグループは、抗うつ薬とプラセボを飲んだグループに比べて、うつ病症状の重さを現すスコアの減り方が明らかに大きかったことがわかりました*4。 この研究を行った医師たちは、プロバイオティクスサプリメントにはうつ病の症状を軽くする効果がありそうだけれども、研究に参加した人の数が少ないこともあって、もっと多くのデータを積み重ねる必要があるとしています。 腸内細菌と生活習慣病との間に関連のあることが多くの研究からわかってきました。なかでも、うつ病の人では健康の人と腸内細菌数が違うことから、プロバイオティクスやプレバイオティクスによってうつ病が改善できないか研究がすすめられています。プロバイオティクスやプレバイオティクスは炎症を緩和させるはたらきがあることから、精神・神経系の病気にも良い効果が期待されています。 ■参考文献 *1:Ferrari AJ, et al. Plos One 2013; 8: e69637 *2:Kunugi H, et al. Neuropsychopharmacology 2006; 31: 212-220 *3:Aizawa E, et al. J Affect Disord 2016; 202: 254-257 *4:Akkasheh G, et al. Nutrition 2016; 32: 315-320 公開日:2021/04/06 監修:芝浦スリーワンクリニック名誉院長 板倉弘重先生
食生活や栄養のバランスが崩れることがうつ病の発症や悪化に関わりやすいとの指摘があります(参考:うつ病に良い栄養は葉酸や鉄分)。最近では、腸内細菌との関わりや、過敏性腸症候群についても研究論文で指摘されています。国立精神・神経医療研究センターの功刀浩先生が第22回病態栄養学会学術集会*1で講演した内容を紹介します。 目次 日本で腸内細菌とうつ病との関係や過敏性腸症候群の合併率を検討 ビフィズス菌や乳酸桿菌が体内で少ないとうつ病のリスクが高い可能性 過敏性腸症候群の合併率は健康な人に比べて高い 乳酸菌飲料やヨーグルト摂取が少ないとうつ病リスク 善玉菌のプロバイオティクスを摂取するとうつ病リスクが低くなるエビデンス 日本で腸内細菌とうつ病との関係や過敏性腸症候群の合併率を検討 過敏性腸症候群は、明確な原因がないのに下痢や便秘などの便通異常を伴う腹痛や腹部不快感が慢性的にくり返され、不安やストレスを感じると症状が強くなるもので、腸内細菌が関わっている可能性が指摘されています。 功刀先生らの研究グループは、43人の大うつ病患者さんのグループ(以下、うつ病グループ)と、57人の健康な人のグループ(以下、健康グループ)で、腸内細菌とうつ病との関わりや、過敏性腸症候群の合併率を検討しています*2。以下、紹介します。 ビフィズス菌や乳酸桿菌が体内で少ないとうつ病のリスクが高い可能性 まず、腸内細菌に関する検討結果です。便を採取して善玉菌のビフィズス菌と乳酸桿菌(ラクトバチルス)の菌数を、うつ病グループ、健康グループで比較しました。 その結果、うつ病グループでは健康グループに比べてビフィズス菌の総菌数が統計学的検討で有意*3に少なく、ラクトバチルスの総菌数も低下傾向にありました。 また、うつ病グループと健康グループとを区別する便1g当たりの菌数(カットオフ値)を算出し、それぞれの菌のカットオフ値以下であった割合を比較しました。 その結果、ビフィズス菌がカットオフ値以下であった人の割合は、うつ病グループでは49%で、健康グループの23%に比べて高いことがわかりました。 統計学的に分析した結果、便1g当たりのビフィズス菌の数がカットオフ値以下だと、うつ病を発症するリスクが約3倍になることが示唆されました(図1)。 ラクトバチルスがカットオフ値以下の割合は、うつ病グループでは65%と健康グループの42%に比べて高く、便1g当たりのラクトバチルスの菌数がカットオフ値以下だと、うつ病を発症するリスクがおよそ2.5倍になることが示唆されました(図2)。 図1:大うつ病患者さんと健康な人のビフィズス菌の比較 図2:大うつ病患者さんと健康な人の乳酸桿菌(ラクトバチルス)の比較 出典:J Affect Disord. 2016;202:254-7、国立精神・神経医療研究センタープレスリリース(2018年6月9日)*2 過敏性腸症候群の合併率は健康な人に比べて高い 過敏性腸症候群を合併している人の割合を検討すると、健康グループでは12%、それに対しうつ病グループでは33%でした。 上記の割合を統計学的に分析した結果、うつ病の人では健康な人に比べて過敏性腸症候群を3倍合併しやすくなることが示唆されました。 さらに、ビフィズス菌やラクトバチルスの数が上記のカットオフ値より低い人は、過敏性腸症候群症状をもつリスクが高くなることがわかりました。 乳酸菌飲料やヨーグルト摂取が少ないとうつ病リスク 体内の腸内細菌の構成には日常の食生活が深く関係しているので、ビフィズス菌や乳酸菌を多く含む飲料やヨーグルトなどの摂取頻度と腸内細菌の関係を調べました。 その結果、うつ病グループでは摂取習慣が週に1回未満の人では、週1回以上の人に比べて腸内のビフィズス菌の菌数が有意に低いことが確認されました(図3)。 図3 うつ病患者さんにおけるヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取頻度と腸内のビフィズス菌の比較 出典:J Affect Disord. 2016;202:254-7、国立精神・神経医療研究センタープレスリリース(2018年6月9日)*2 善玉菌のプロバイオティクスを摂取するとうつ病リスクが低くなるエビデンス また、海外では乳酸菌飲料やヨーグルトなどのプロバイオティクス(生きた善玉菌を含む食品などのことです)を8週間摂取したうつ病患者さんのグループと、プロバイオティクスそっくりのプラセボを摂取した患者さんのグループで比較した研究があります*4。 結果を見ると、うつ病の症状や糖尿病に関連する評価指標、症状に関わる指標の体内物質のC反応性タンパクなどからみた病気の改善度は、プロバイオティクスを摂取したグループのほうが高いことが明らかになりました。 以上から、うつ病患者さんは善玉菌が少ない人が多く、乳酸菌飲料やヨーグルトなどのプロバイオティクスを摂取すると、うつ病の予防や治療に有効となる可能性があります。 最後になりますが、功刀先生は日常の食生活がうつ病に深く関係しているので、栄養素(葉酸や鉄分、腸内細菌など)に気をつけることが重要になるとのことです。 *1:第22回日本病態栄養学会年次学術集会(会長=横浜市立大学・寺内康夫先生)は2019年1月に開催されました。学術集会では、医師や管理栄養士、薬剤師など医療従事者が最新の研究成果や臨床上の課題について報告されました。 *2:Journal of Affective Disorder 2016,;15 :254-257 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27288567 国立精神・神経医療研究センタープレスリリース https://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=105 *3:有意とは統計学的検討によりグループ間で大きな差が認められたことをいいます。 *4:Nutrition 2016 Mar;32(3):315-20. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26706022 ■関連記事 子供が「うつ病」になったら…大人はどうする? 増え続ける不登校、うつ病も増加? うつ病と糖尿病は合併しやすい うつ病チェックで糖尿病悪化を防ぐ うつ病、統合失調症など精神疾患も生活習慣病のひとつ? うつ病 公開日:2019/07/22 監修:国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長 功刀浩先生
アトピー性皮膚炎などのアレルギー対策として注目されている乳酸菌。外用薬の適正使用と、乳酸菌の効果について解説します。 目次 全国民の半数がアレルギー アトピー性皮膚炎の外用薬は適切に塗布 腸内環境を整える乳酸菌 乳酸菌を継続して摂取する 検証データなどの医学的根拠を確認する 自分に合った乳酸菌を 全国民の半数がアレルギー 花粉症など、アレルギーは外部から異物が体内へ入ってきたことで、私たちの体の防衛機能である免疫反応の誤作動、あるいは過剰反応により起きます。日本では全国民の半数が何らかのアレルギーを抱えているとされ、診療科として「アレルギー科」を掲げている医療機関も増えています。 アトピー性皮膚炎の外用薬は適切に塗布 アトピー性皮膚炎もそんなアレルギーの一つ。原因は未解明で、その患者数は2014年の厚生労働省のデータによると、推定総患者数は45万6千人余りとなっています。アトピー性皮膚炎の治療は主に免疫を抑制するためのステロイド系などの外用薬が用いられます。 ステロイド外用薬は薬効の強さ別に5段階に分かれ、使用は適切な強さの薬を適切な期間、適切な場所に塗布しなければなりません。世の中には皮膚が黒くなる、体の中に蓄積してしまうなどといった根拠のない噂も流布していますが、むしろ医師の指示に従わず、中途半端な量を使用すると、副作用が出やすくなる傾向があります。 腸内環境を整える乳酸菌 このようなアトピー性皮膚炎に対する治療は、痒みなどの皮膚症状を抑えるための対症療法になります。アトピー性皮膚炎を含めて、アレルギーに悩まされている人にとっては、体の内側からアレルギーが起きなくするようにしたいものです。 そんなアレルギーの根本的な対策として注目されているのが乳酸菌。乳酸菌とはその代謝機能により、乳酸を作り出す細菌のことをいいます。乳酸菌は古来より、漬け物やチーズなど、世界中の発酵食品に用いられていますが、近年は研究が進んで、アレルギー症状を改善するとされている乳酸菌も見つかっています。 乳酸菌を継続して摂取する 私たちの腸内は、さまざまな種類の細菌が無数に生息しています。この腸の中の細菌のバランスが崩れると、健康を損ねると考えられていて、乳酸菌にはそのバランスを整える機能が期待されています。現時点では、「L-55」「L-92」などの乳酸菌が、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を緩和するとされています。 そして、これら乳酸菌による効果は対症療法とは違い、アレルギー全般、多くの人が悩まされている花粉症などにも効果が期待できます。もちろん、これらには即効性はありません。乳酸菌は継続して摂取することで、腸内を改善しようとするものなのです。 検証データなどの医学的根拠を確認する ただ、こういった健康情報というものは無数に存在し、そのなかには根拠が不明なものもあるので、情報を闇雲に信じ込むと、期待通りの効果がないだけでなく、体によくない影響があるかもしれません。 体質を改善し、体の内側からアレルギー症状を改善しようというのですから、逆に悪化させるようでは本末転倒です。ぜひ、その製品が謳っている効果のエビデンス(医学的根拠)を確認してください。 皮膚科医師で、金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚科学教室の竹原和彦教授は、アトピー性皮膚炎患者の気持ちにつけ込んだ商法を「アトピービジネス」と呼び警鐘を鳴らしていて、特にアトピーで悩んでいる人は注意が必要です。 自分に合った乳酸菌を アレルギーを体質から改善したいと考えるからのであれば、これらの乳酸菌を摂ることが一つの方法となります。自分の体質や好みに合った乳酸菌はどれなのか、それぞれ試してみるのもよいのではないでしょうか。 ■関連記事 うつ病は過敏性腸症候群や善玉菌が関係あり 公開日:2016/04/04
食生活の乱れや加齢、ストレスなどで免疫力が低下するとインフルエンザに感染しやすくなります。免疫力アップにおすすめの乳酸菌とは? 目次 インフルエンザが流行中!さらに拡大の恐れも 整腸作用だけではない!乳酸菌のインフルエンザ予防効果 BCGワクチンより免疫活性化力が強い乳酸菌「HK L-137」とは? インフルエンザが流行中!さらに拡大の恐れも 毎年、冬の季節になると、猛威をふるうインフルエンザ。食生活の乱れや加齢、ストレスなどで免疫力が低下すると、インフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスに感染しやすくなります。免疫力は、健康な人でも20~30代をピークに、年齢を重ねるごとに低下していきます。そのため高齢になるにつれて、インフルエンザのリスクは高くなると言えます。 整腸作用だけではない!乳酸菌のインフルエンザ予防効果 免疫力を高めるには、普段から栄養バランスのよい食事を心がけ、睡眠を十分にとることが重要です。免疫力を高める働きをもつものとして、主にヨーグルトやチーズ、みそ、ぬか漬けなどの発酵食品に含まれている乳酸菌があります。乳酸菌は整腸作用でおなじみですが、免疫細胞を活性化する作用もあります。免疫細胞が活性化され、免疫力が高まった状態は、ウイルスに対していわばバリアで守られているようなもの。つまり、乳酸菌を摂取することで、インフルエンザを予防する効果も期待できるのです。 BCGワクチンより免疫活性化力が強い乳酸菌「HK L-137」とは? 乳酸菌にはいろいろな種類があり、その一つにL-137があります。L-137は漬け物などの発酵に関わる安全性の高い乳酸菌で、免疫活性化力が強いことで知られています。そんなL-137を加熱殺菌して、さらに免疫活性化力を強く、かつ腸に届きやすくした乳酸菌があります。それがHK L-137です。 HK L-137がもつ免疫活性化力の強さは、BCGワクチン以上。免疫活性化力を調べる実験で、あまりにも高い数値が出たために実験ミスを疑い、何度も実験をやり直したというエピソードがあるほどです。 HK L-137の免疫力アップ効果は、摂取して数週間後から現れます。また、免疫細胞の寿命は数日だと言われています。そのため、免疫力が高い状態をキープするには、HK L-137を継続的に摂取することが必要だと言えます。日頃のインフルエンザ対策として、手洗い・うがいやマスクの装着とともに、HK L-137も取り入れてはいかがでしょうか? 公開日:2015年1月19日
食事から腸を元気にしよう 普段の生活にプラスアルファするだけで腸を活発に活動させることができる。そんな腸を元気にするための3つのポイントをご紹介! 乳酸菌&オリゴ糖をプラス! 腸を元気にはたらかせるには、まずは善玉菌を増やしたり活性化させるのがポイント。乳酸菌やビフィズス菌に代表される善玉菌は、腸内を酸性にして悪玉菌の増殖を抑えてくれるもの。ヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品には乳酸菌をはじめとする有用微生物が豊富に含まれ、善玉菌のえさとなったり、生きたまま腸に届いて自ら善玉菌としてはたらくものもある。 また、バナナやはちみつなどに含まれるオリゴ糖は、善玉菌にとっては大事なえさ。消化されないまま大腸に届き、善玉菌の増殖や活性をサポートしている。 食物繊維をプラス! お通じをうながしたり、善玉菌のえさになってくれる食物繊維。水溶性と不溶性の2種類あるが、どちらも腸内美化には大切な存在だ。おから、切り干し大根などの乾物、ひじきやわかめなどの海藻類、ごぼう、ナッツ類のほか、バナナやパイナップルなどの果物にも豊富。果物の場合、生でもOKだが、干し柿や干しあんず、干しプルーン、レーズンなど、ドライフルーツにすると食物繊維量がアップする。小腹が空いたときナッツと一緒につまんだり、ヨーグルトなどとも相性がいいので、一緒に食べるといいだろう。 水分をプラス! 私たちの体にとって、水分は欠かせないもの。水分が不足すると、腸がせっせと便から水分を吸収するため、便が硬くなり、排出されにくくなってしまう。1日に必要な量は、食事や飲料などを含めて約2~2.5リットルといわれている。便秘気味の人は、水分不足になっていないか普段の生活を見直してみて! おすすめなのが、『朝起きてコップ1杯の水を飲む』という習慣。空っぽの胃に冷たい水が届いて刺激されると、脳が大腸に「動け」という指令を出し、自然なお通じがつきやすくなるといわれている。ちなみに朝ご飯を食べることにも同様の意味があり、これを『胃・大腸反射』という。 フルーツ由来の「植物性乳酸菌」が登場! 乳酸菌にはいろいろな種類がいて、古来より世界中で発酵食品が作られてきた。動物性乳酸菌を利用したものには、ヨーグルトやチーズなどがあり、ヨーロッパの酪農が盛んな地域で多く見られる。いっぽう、植物性乳酸菌のほうは、ドイツのザワークラウト、中国のザーサイ、韓国のキムチ、日本の漬物などが該当する。 「乳酸菌」という文字のイメージからか、日本では、「乳酸菌といえば、ヨーグルト(乳製品)」というイメージが続いていたが、ここ数年、日本でも植物性乳酸菌を使った飲料などが続々登場。漬物由来の乳酸菌などを利用したものだが、最近はパイナップル由来の植物性乳酸菌を使った飲料も開発され、話題を呼んでいる。昔から日本人にとってなじみ深い植物性乳酸菌だが、美容と健康のために今後も要チェックだ。 コラム:パイナップルは美人腸の味方 ブラジル原産で、コロンブスの西インド諸島探検の際に発見され、以後世界に広まったといわれるパイナップル。松ぼっくりに似た形で、リンゴに似た味がする― こんなことから「パイナップル」という名前がついたのだとか。 パイナップルの特徴は、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、疲労回復に役立つクエン酸のほか、食物繊維が豊富に含まれていること。また、「プロメリン」というたんぱく質分解酵素を含み、消化を助けたりガスの発生を改善させたりする作用もあり、「畑の整腸剤」とも呼ばれる。お通じに悩む人にとっては、お助けフルーツともいえそう!?
日本人をとりまく健康不安 世界にも類をみない超高齢大国、ニッポン。厚生労働省の試算によると、2050年には3人に1人が高齢者になるという。日本人がとても健康なような錯覚にとらわれるが、平均寿命がのびつづける一方で、何種類もの薬を飲むことを日課としている高齢者が増えているのも事実だ。 たとえ日本人の平均寿命をまっとうしたとしても、長く病気をわずらい、「最後の10年は寝たきりだった」では元も子もない。健康であってこそ長生きする本来の意味がある。 私たちは今、健康不安という重い荷物を抱えたまま長い老後を迎えようとしている。 20歳がピーク!免疫力は下り坂に 人間は生まれながらに病原体と闘う力、「免疫力」を備えもっている。 例えば健康な体内でも毎日3,000~4,000個ほどのがん細胞が生まれているが、すぐにがんを発病することはない。日々、体内で免疫システムとがん細胞との攻防が繰り広げられているからだ。 この頼もしい免疫システムにも苦手な相手がある。それは加齢だ。私たち人間の免疫力は、加齢にともない容赦なく失われていくという。しかもそのピークは意外に早く、20歳前後。個人差はあるものの、20歳を過ぎると、免疫力は下降の一途をたどるのみ。同時に感染症やがんなどの発症率が高まっていくのは不気味な限りだ。 ※体内に侵入したウイルスやがん細胞などを撃退する免疫細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞のはたらきの強さをNK活性という。NK活性の強さ=免疫力を意味する。 「ラブレ菌」がオトナの体を救う! 加齢のほかにも免疫力の低下に影響をおよぼすものがある。不規則な生活、過度のストレス、そして栄養バランスの悪い食事だ。とくに食生活の欧米化により、植物性乳酸菌を豊富に含む食品の消費量が減っていることが懸念される。日々の食生活から免疫力をアップさせるためにも、ぜひ、植物性乳酸菌の力を借りたいものだ。 健康を左右する腸内環境、これは日々変動する。いうなれば、日々の心がけによってある程度はコントロールできるのだ。どんな過酷な環境でも生き抜く植物性乳酸菌「ラブレ菌」は、これからが健康維持の正念場というオトナの体にこそ必要な乳酸菌だ。
100兆個の腸内戦争をも左右する 私たちは腸内に、約100兆個もの腸内細菌をかかえている。 腸内細菌には人体にいいはたらきをするもの(善玉菌)、悪いはたらきをするもの(悪玉菌)、場合によってどちらのはたらきもするもの(日和見菌)の3種類がある。この3大勢力が日々権力争いをくりかえし、腸内環境をつくりあげている。 生後間もない赤ちゃんのときには9割あった善玉菌も、成人になると1~2割まで激減。食生活やストレスの影響で、さらに減り続ける。これらの善玉菌を乳酸菌が増やし、乱れた腸内環境を改善してくれることは、誰もが知っている健康の常識だ。 免疫システムにスイッチ・オン! さらに、乳酸菌を摂ることで、腸が健康の司令塔として活発にはたらくようになるという。 腸管、とくに小腸の終わり付近にある「パイエル板」という器官には、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞がひそんでいる。そして人体を攻撃しようとするがん細胞や感染細胞などの敵を見つけると即座に戦闘モードに入り、攻撃をしかける。このはたらきを「腸管免疫」システムという。私たちが健康を保てるよう、つねに体内を監視してくれているわけだ。 乳酸菌は腸に到達すると腸管の「パイエル板」に直接作用し、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞にスイッチを入れる。そして「腸管免疫」システムをより活発にはたらかせるのだという。 腸で生き抜く力がなんと10倍! しかし、乳酸菌が腸までたどりつくには険しい道のりがある。食べたものを消化するための胃酸や胃液・腸液が待ちかまえているからだ。 「動物性乳酸菌」は牛乳などをエサに、栄養豊富な環境でぬくぬくと育つ。一方、「植物性乳酸菌」は、味噌やしょうゆ、漬物など、塩分を含み栄養分も少ない過酷な環境で育つ。そこで培われた強靭な体力が胃酸や消化液をくぐり抜け、目的の腸に到達して私たちの体を健康に保ってくれる。 なかでも「ラブレ菌」の強さには、目をみはるものがある。人工的に胃液・腸液をつくった試験管で、動物性乳酸菌の代表格「L.カゼイ菌」と「ラブレ菌」を放置する実験をこころみたところ、L.カゼイ菌はみるまに約1,000万個にまで死滅。ラブレ菌はほとんど死滅することなく、1億個強も生き残った。腸内生存率はなんと10倍というから、驚きだ。 乳酸菌といえば、あのすっきり作用は? 乳酸菌といえばおなじみなのが、女性にうれしい「すっきり作用」。 何日もお通じが良くない、あっても量が少ないなど、便通に関する悩みを持っている人は多い。あたらしい植物性乳酸菌「ラブレ菌」にはそんなはたらきはないの? 心配はご無用。「ラブレ菌」も乳酸菌に定番のすっきり作用をちゃんとあわせもっている。しかも強く、たくましいのが特徴の菌。お腹へのはたらきかけもさぞかしすごい?
広くて多彩!乳酸菌ワールド 「乳酸菌」と聞いて思い浮かぶのはどんな食品だろう? 「乳」という文字からヨーグルトやチーズなど、乳製品を挙げる人が多いのではないだろうか。「乳酸菌」とは、乳糖やブドウ糖などを栄養分として増殖し、乳酸をつくりだす細菌の総称。 そのなかで牛やヤギなど動物の乳をエサに増殖するものを「動物性乳酸菌」といい、米・麦・果物など植物をエサに増殖するものを「植物性乳酸菌」という。 人間は太古の昔からこれらの菌と共存し、活用してきた。その土地の気候・風土にあった形で加工され、いまでは世界各地で健康によい食品として愛されている。乳酸菌は私たちにとって、とてもなじみ深い菌なのだ。 日本人と相性ピッタリ。植物性乳酸菌 日本で「植物性乳酸菌食品」というと味噌やしょうゆ、漬物など、食卓でおなじみの食品が挙げられる。その歴史は古く、例えば味噌は、古く奈良時代に中国から日本に伝えられたとされている。室町時代には庶民の常食としてひろく普及していたというから、少なくとも数百年、食べ続けられてきたことになる。植物性乳酸菌が日本人の腸にいかになじみが深く、相性がよいかがうかがえる。 いっときこれらの食品は「塩分が多いのでは?」という誤解から敬遠された時期もあった。しかし肉食・カロリーオーバーの弊害に苦しむ現代人を救う健康バランス食品として、あらたに脚光を浴びている。 京都の漬物から発見された「ラブレ菌」 「京都の男性は全国2位の長寿」-この新聞記事にひときわ強い関心を抱いた人物がいた。 財団法人ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士だ。 岸田博士は、京都人が好んで食べる食品の中に、京都男性の長寿の秘訣がかくされているのではないかと着目。もともと長寿と乳酸菌との関連を研究していた博士は、京都人がよく食べ、乳酸菌が豊富に含まれる食品「漬物」を片っぱしから調査した。 そのなかのひとつ、独特の酸っぱさが特徴の漬物「すぐき」に目をつけ研究を開始したところ、これまでにないまったく新しいタイプの乳酸菌-「ラブレ菌」が発見されたのである。
腸の元気がなぜ美肌と関係があるのでしょうか。また全身の健康になぜ腸が影響を与えるのでしょうか。そのナゾをひもとくカギを握るのが、腸内に定住している細菌「悪玉菌」と「善玉菌」の存在です。腸の元気を左右する「乳酸菌」について紹介します。 目次 腸と美肌の微妙な関係 なぜ減る!?腸内の善玉菌 腸内の健康の決め手は乳酸菌! 腸と美肌の微妙な関係 体の奥深くにある腸と、表面を包む素肌。一見あまり関係がなさそうなものですが、実際には密接に結びついています。いえ、腸は美肌をはじめ、全身の健康に大きく関係していると言ったほうが正しいでしょう。では、なぜ腸が全身に影響を与えるのでしょうか。 そのナゾをひもとくカギを握るのが、腸内に定住している細菌「悪玉菌」と「善玉菌」の存在です。腸内に生息する細菌の数は、いつでもほぼ一定に保たれているので、この2種類の細菌が仲良く棲み分けをしてくれていれば何の問題もないのですが、現実はそうはいきません。どちらの菌も常に領地を拡大しようと戦闘を繰り返しています。 そして、もし善玉菌の勢力が弱まり、悪玉菌が増えだすと、さあ大変!腸内では腐敗が進み、アンモニアやアミン、フェノールといった有害物質が発生してしまうのです。もちろん、発生するだけではありません。有害物質は腸管から吸収されて全身を駆け巡り、肌のブツブツの原因になったり、風邪をひきやすくしたり、さらには心臓などにも悪影響を及ぼしてしまうのです。 なぜ減る!?腸内の善玉菌 腸内には約100兆個、重さにして実に1kg以上の細菌が存在していると言われます。健康からすると、当然、善玉菌が優勢をキープしているのが理想です。ですが、善玉菌はもともと年齢とともに減る傾向があるうえに、食生活の乱れやストレス、過労などによっても減少しやすくなります。 一方の悪玉菌は、悪役らしくしぶといようです。食生活の乱れやストレスの多い生活でも簡単に増えてしまいます。さらに悪玉菌が増えて腸内が腐敗すれば、それをエサにしていっそうパワーアップしてしまうのです。 つまり、私たちの普段の生活が、腸内の善玉菌の増減にダイレクトに影響してしまうということです。みずみずしくハリのある素肌のためにも、健康のためにも、今こそ生活を見直して、積極的に善玉菌を増やしていきましょう。 腸内の健康の決め手は乳酸菌! 積極的に腸内の善玉菌を増やすには、ズバリ「乳酸菌」を摂るのが一番です。ちなみに、「乳酸菌」とは、乳糖やブドウ糖を栄養源に、乳酸などの有機酸をつくる菌の総称のこと。よく聞くビフィズス菌なども乳酸菌の一種です。 また、乳酸菌というと、ヨーグルトなどの乳製品が真っ先に思い浮かびそうですが、こうした動物性の乳酸菌のほかに、キムチや味噌・醤油などに含まれる植物性の乳酸菌もあります。 動物性であれ、植物性であれ、「生きて腸まで届いた乳酸菌」は、善玉菌の増殖を促し、さらには、みずからも悪玉菌を退治するべくはたらく、なんとも頼もしい細菌なのです。 善玉菌を増やすコツには、もうひとつあります。それは、腸内善玉菌の栄養源となる「乳糖」を積極的に摂ること。乳糖は、砂糖などと比べて分解されにくいため、そのまま腸まで届き、シッカリ善玉菌の栄養源となるのです。
乳酸菌は骨密度が気になる人にもおすすめです。そのワケは、乳酸菌と骨との関係にあります。乳酸菌がつくる「乳酸」には、カルシウムの吸収を促すはたらきがあるため、一緒に摂れば骨も丈夫になります。ヨーグルトやチーズなら、乳酸菌もカルシウムも一度に摂れるので便利です。 目次 乳酸菌は体内でこうはたらく 乳酸菌がカルシウムをサポート 乳酸菌の上手な摂り方 乳酸菌は体内でこうはたらく ヨーグルトや乳酸菌飲料など、食べ物で摂った乳酸菌は、体内に入ると、2種類にわかれます。ひとつは「生きたまま」腸まで届くタイプ、もうひとつが胃酸などの影響で死滅してしまうタイプです。 生きて腸に届いた乳酸菌は、腸内に定住している善玉菌が増えるのを促す一方で、みずから悪玉菌を退治する働き者となります。この乳酸菌のバックアップを得た善玉菌は、パワー全開。病原菌を撃退し、コレステロールの上昇を抑えるなど、多方面に活躍し、美肌と健康を押し進めてくれるのです。 もちろん、途中で死滅してしまった乳酸菌も決してムダ死にではありません。これらは食物繊維と同じように、退治された悪玉菌を吸着して外へと排出するのにひと役買い、腸内をすっきりキレイにしてくれます。 また、乳酸菌には虫歯を予防するはたらきをはじめ、アトピーや花粉症などのアレルギーを抑えるはたらきがあることもわかってきています。 主な腸内細菌とそのはたらき ■善玉菌 代表的な腸内の定住菌の名前:乳酸菌、ビフィズス菌、乳酸棹菌 主なはたらき: ・ビタミンの合成 ・腸内で「酸」を作り出し、病原菌を撃退する ・腸のぜん動運動を促し、便秘を抑える ・免疫機能を刺激し、免疫力を整える ・コレステロールを吸収されにくい物質に変え、コレステロールの上昇を抑える ・血圧を下げる ■悪玉菌 代表的な腸内の定住菌の名前:大腸菌、ウェルシュ菌、ユウバクテリウム、バクテロイデス 主なはたらき: ・腸内を腐敗させる ・有害物質を発生させる ・病気の引き金となる 乳酸菌がカルシウムをサポート さらに興味深いのが、乳酸菌と骨との関係です。乳酸菌がつくる「乳酸」には、カルシウムの吸収を促すはたらきがあるため、一緒に摂れば骨も丈夫になります。ヨーグルトやチーズなら、乳酸菌もカルシウムも一度に摂れるので便利です。 日本人は昔からカルシウム不足といわれますが、特に女性の場合は深刻です。それは閉経後、ホルモンのバランスがくずれて骨粗しょう症の危険性が高まるから。「乳酸菌+カルシウム」を積極的に摂るようにしましょう。加えて、骨を丈夫にするためにも、大豆イソフラボンも摂るとよいでしょう。イソフラボンは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑え、骨量を調整するはたらきが期待できます。 出典:平成13年国民栄養調査「年齢階級別 栄養素等摂取量」 乳酸菌の上手な摂り方 乳酸菌を手軽に摂るなら、やはりヨーグルトを食べるのが簡単でしょう。しかもヨーグルトには、善玉菌の栄養源となる乳糖まで含まれているのですから、腸内バランスの改善に効果的です。 ただし、ヨーグルトといっても種類は多種多彩。機能性がうたわれているものも多いのですが、私たち一人ひとりの体との相性もあるため、相性が合わなければ効果が期待できないこともあり得ます。この相性の善し悪しを見分けるには、実際に試してみるほかありません。少なくとも1週間は続けてみて、体調を見てみましょう。 また、乳酸菌が生きたまま腸まで届くタイプの乳酸菌でも、腸に定住することはほとんどありません。たとえ同じビフィズス菌でも、腸内に住むものと食べ物などで摂るものでは種類が異なります。つまり、乳酸菌は「今日摂ったから、もういい」というものではなく、定期的に摂ることこそが大切なものだといえるでしょう。そこで、ヨーグルトの場合の乳酸菌の上手な摂り方を紹介します。 ヨーグルトによる乳酸菌の摂り方3ヵ条 1.毎日100g以上を目安に摂る 2.食後に摂る 3.同じヨーグルトを最低でも1週間以上、続けて効果と相性をみる さらに、ツルスベ美肌をめざすなら、ビタミンCと組み合わせるのがおすすめです。実はヨーグルトには、「美容ビタミン」とも呼ばれるビタミンB2をはじめ、ビタミンAなど、肌を美しく整える成分がたっぷり。たんぱく質も消化吸収の良いカタチで含まれているのですが、残念ながらビタミンCが含まれていません。補うためにも、フルーツ入りヨーグルトにしたり、ビタミンCのサプリを一緒に摂るなどすれば、美肌度もグンとアップするはずです。
美しい肌と密接に関係する「腸年齢」。腸は美肌をはじめ、全身の健康に大きく関係しています。そこで、あなたの腸年齢をチェック!あなたの腸は、実年齢よりも若いでしょうか?それとも老けているでしょうか?あわせて、骨の元気度もチェックしてみましょう。 目次 腸年齢は肌年齢!?腸年齢チェック 骨の元気度チェック 腸年齢は肌年齢!?腸年齢チェック 美しい肌と密接に関係する「腸年齢」。あなたの腸年齢の「現在」を、チェックしましょう。 腸年齢チェック あてはまるものをチェックしましょう。 朝起きたときに体がだるい 顔色が冴えず、肌にハリがない(老けて見られる) 便秘気味・便が黒く臭い 疲れやすく、風邪をひきやすい 階段を昇ると息切れがする(運動不足) トマトや野菜が嫌い たばこを長年吸っている 飲酒の機会が多く、飲み過ぎてしまう ストレス解消できる趣味がない 寝つきが悪く睡眠不足気味 チェックの数が… ◆2個以下の人 要ケア度/低 実年齢よりも腸年齢が若く、健康的!この調子をずっとキープしていきましょう。 ◆3~5個の人 要ケア度/中 実年齢と腸年齢がほぼ同レベル。食生活の見直しや運動で、腸年齢のダウンエイジングをはじめましょう。 ◆6~8個の人 要ケア度/高 腸年齢が実年齢を完全にオーバー!食事、運動など生活全般の見直しが必要です。 ◆9~10個の人 要ケア度/∞ ハッキリ言って腸はかなりの高齢。体への影響が心配です。早速、生活の改善を! 腸年齢を改善!腸を制して、美肌も健康度もUP 骨の元気度をチェック! 腸年齢とともに気になるのが骨の健康です。未来の骨粗しょう症を予防するためにも、今のうちに、あなたの骨の元気をチェックしてみましょう。 骨の元気度チェック あてはまるものをチェックしましょう。 女性である 家族や親戚に、骨粗しょう症の人がいる 痩せているほうだ 体を動かすことが嫌い 飲酒の機会が多く、飲み過ぎてしまう コーヒーなどカフェインをよく摂る 豆乳は好きではない 過度なダイエットをしたことがある 牛乳やヨーグルトが嫌い たばこを長年吸っている チェックの数が… ◆2個以下の人 要ケア度/低 骨は元気いっぱい!油断せずに、この調子をずっとキープしてイキイキした毎日を過ごしましょう。 ◆3~5個の人 要ケア度/中 元気ではあるけれど、注意を怠ると骨の健康が崩れてしまいそうです。食生活の見直しや運動で、しっかり元気にしていきましょう。 ◆6~8個の人 要ケア度/高 骨に元気がなくなりはじめているかもしれません。食事、運動など生活全般をもう一度、見直すとよいでしょう。 ◆9~10個の人 要ケア度/∞ 言うなれば、骨に「気合い」が足りない状態です。カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなど、骨の元気のモトを積極的に摂っていきましょう。 骨の元気度を改善!骨にもしっかりはたらく乳酸菌
乳酸菌食品の種類や乳糖不耐症の人への効果、カルシウムの吸収促進、ビタミンB群の合成などのメリットについてご紹介。プロバイオティクスの条件についても知っておこう。 目次 乳酸菌食品はこんなにたくさんある 食品に含まれる乳酸菌がすべて腸内に棲みつくわけではない 生きて腸まで届く乳酸菌をとることが肝心 プロバイオティクスに望ましい条件 乳酸菌食品はこんなにたくさんある 腸内の乳酸菌(ビフィズス菌含む)を増やしたい場合には、乳酸菌をたくさん含む食品を摂取するのがいちばん。では、乳酸菌の豊富な食品にはどんなものがあるのだろう。代表的なものとしては、はっ酵乳やヨーグルト、バターやチーズなどの乳製品、またや脱脂粉乳を乳酸菌で発酵させた乳酸菌飲料などがある。ヨーグルトや乳酸菌飲料は乳糖の吸収をよくするはたらきがあるため、乳糖を分解する酵素の力が弱く、牛乳を飲むとおなかをこわしてしまう人(乳糖不耐症)でも、安心して口にできるのがよいところである。 乳酸菌食品のメリットはそれだけではない。乳酸菌がつくる乳酸には乳製品に含まれるカルシウムの吸収をよくするはたらきがあるため、乳酸菌食品は骨を強くするためにもとても有効である。また、乳酸菌の一種であるビフィズス菌には、糖質やたんぱく質、脂質などを燃焼させるために不可欠なビタミンB群を、腸内で合成するはたらきもある。ビタミンB群には疲労を回復させる効果もあるため、疲れやすい現代人が積極的に摂取したいビタミンとしても知られている。 食品に含まれる乳酸菌がすべて腸内に棲みつくわけではない ところで、乳製品や乳酸菌飲料を飲むと、そのなかに含まれる乳酸菌がすべて腸内に棲みつくことができると思われる人も多いだろうが、これは間違い。腸内に定住する細菌は、腸内環境での生息に適したものに限られており、同じ乳酸菌の仲間であっても食品に含まれる細菌とは異なるのだということをまずおぼえておこう。 私たちが乳酸菌食品を食べるのは、腸内に乳酸菌を送り込むことで腸に生息する善玉菌を優勢にし、腸内環境をバランスのよい状態に保つことが目的なのだ。つまり、腸内の善玉菌を優勢にするには、毎日続けて乳酸菌食品をとり、善玉菌の増殖を促進することが大切なのである。 生きて腸まで届く乳酸菌をとることが肝心 「プロバイオティクス」という言葉をよく耳にすることがないだろうか?プロバイオティクスとは、生きたまま腸に到達し、体によいはたらきをする微生物のことを意味する。腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善するのにもっとも適した方法のひとつが、乳酸菌食品、特にプロバイオティクスを摂取することなのである。では、プロバイオティクスとなる菌には、どんな特徴があるのだろう? プロバイオティクスに望ましい条件 安全性が保証されている もともと腸内細菌の一員である 胃液や胆汁に耐え、生きたまま腸内に到達できる 腸内に付着して増殖できる 人体に明らかなよい効果を発揮する 食品などの形で有効な菌数を維持できる 安価であり、取り扱いが容易なもの このような条件を満たしたプロバイオティクスをとることは、医療費を抑え、病気をかかる前に予防することが必要とされる時代に、もっとも有効な手段のひとつになるといえよう。プロバイオティクスなど、体によいはたらきをする食品を積極的に摂取することで、クオリティ・オブ・ライフの向上を目指し、いつまでも元気な体を維持することがますます求められていくだろう。 公開日:2004年4月19日
腸内に乳酸菌が増えたときのさまざまな効果について、便秘、下痢、食中毒、高血圧、血中コレステロールの上昇、風邪、ガン、アレルギーの予防などのポイントで紹介する。 目次 乳酸菌ってどんな菌? 食品に含まれる代表的な乳酸菌 腸内の乳酸菌が増えるとどうなるの? 乳酸菌ってどんな菌? 腸内の善玉菌を活性化させるためにまず実践したいのが、食生活の改善。悪玉菌を増やす要因ともなる高たんぱく、高脂肪の食生活を改めることが大事だが、ぜひあわせて心がけたいのが乳酸菌の豊富な食事をとることである。乳酸菌にはたくさんの種類があり、腸内の善玉菌の多くを占めるビフィズス菌も、実は乳酸菌の一種なのである。 乳酸菌は、円筒形をした乳酸桿菌、Y字や棒のような形をしたビフィズス菌、球状の乳酸球菌の大きく3つに分けられる。主に乳酸桿菌や乳酸球菌は小腸に多く棲みついており、食物に含まれる悪玉菌の増殖を抑えるはたらきをする。一方、ビフィズス菌は大腸に多く棲みついており、大腸内の悪玉菌の繁殖を抑えたり、悪玉菌がつくる有害物質を吸着し、排出するはたらきをしている。 食品に含まれる代表的な乳酸菌 L.カゼイ菌乳酸桿菌 L.カゼイ菌 ヨーグルトに多く含まれ、乳酸菌飲料にもよく利用される。生きて腸までとどくことができる。 ビフィズス菌 B.ブレーベ菌 腸内でもっとも多く検出される菌のひとつ。乳酸菌飲料などによく利用されている。 S.サーモフィルス乳酸球菌 S.サーモフィルス 多糖類を産出し、ヨーグルト独特のなめらかさを付与する。腸内からは検出できない。 腸内の乳酸菌が増えるとどうなるの? ところで、腸内に乳酸菌(ビフィズス菌含む)が増えると、体にとってはどんなよいことがあるのだろう?代表的な効果をあげてみたので、参考にしてみよう。 便秘や下痢、食中毒の予防 乳酸菌によって作られた乳酸や酢酸が、腸の蠕動運動を促すため、便秘を予防してくれる。また、善玉菌の勢いが増すために悪玉菌の関与する細菌性の下痢が抑えられ、食中毒なども予防できる。 血中コレステロール上昇・高血圧を抑える 乳酸菌が腸内に入ったコレステロールの半分以上を、腸壁から吸収されにくい「コプロスタノール」という物質に変えてくれる。また、特に乳酸桿菌には、血圧を下げる作用もある。 風邪を予防したり、ガンを予防・抑制する 腸には、腸内に入ってきた異物の侵入を抑えて体を守る免疫機能が備わっているが、乳酸菌にはこの機能を活性化させるはたらきがある。また、NK(ナチュラルキラー)細胞など、異物に対して中心となって闘う免疫細胞を活性化させるため、ガンを予防・抑制したり、風邪などの感染症を未然に防ぎ、回復を早める効果がある。 食物アレルギーの予防 乳酸菌には体の免疫機能を正しく機能させ、異物と体に必要な栄養分との違いを正しく認識できるよう助けるはたらきがある。そのため、異物と間違えて食物を攻撃してしまう過剰なアレルギー反応を抑えることができる。 公開日:2004年4月19日
腸内フローラに棲む善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えることがなぜ必要なのか。一生のうち腸内環境はどう変化していくのか、また、腸内環境を悪くする生活習慣について紹介。 目次 腸内フローラにはこんな菌が棲みついている 腸内は一生でこんなに変化する こんな生活が腸内環境を乱す 腸内フローラにはこんな菌が棲みついている 栄養分の消化・吸収機能を担う腸には、100種類以上、100兆もの細菌が棲んでいることをご存知だろうか?これらの腸内細菌は、体にとって有用なはたらきをする発酵型細菌(善玉菌)と、有害をもたらす腐敗型細菌(悪玉菌)がある。腸の中では善玉菌と悪玉菌がそれぞれ種類ごとにまとまって、「腸内フローラ」という集団をつくっているが、この勢力がどちらに優勢に傾くかによって、私たちの健康も左右されるのである。 腸内フローラの状態は、人によってそれぞれ異なっており、加齢や生活の状況にも影響される。善玉菌が優勢であれば乳酸や酢酸など、体に必要な物質を生み出してくれるが、悪玉菌が優勢になるとたんぱく質やアミノ酸を腐敗させ、アンモニアやアミンなどの体に悪影響を及ぼす物質を作り出してしまう。つまり、腸内を善玉菌優勢に保っていないと、有害な物質が日々作り出されてしまい、しまいには思わぬ病気を招くことにもなりかねないのだ。 代表的な善玉菌の種類 乳酸菌、 ビフィズス菌、 乳酸棹菌など 代表的な悪玉菌の種類 大腸菌(毒性)、 ユウバクテリウム、 バクテロイデス、 ウェルシュ菌など 腸内は一生でこんなに変化する 腸内が無菌であるのは、胎児のときだけ。しかし、出産とともにお母さんの膣(産道)にいる細菌が体内に入り込み、また、生まれてからも空気中にいる細菌や周りの人間の肌などに付着していた細菌が侵入し、徐々に腸内に悪玉菌が増えるようになる。しかし、離乳前の赤ちゃん、とくに母乳で育てられた赤ちゃんの腸内は善玉菌が最も多い。これは、母乳のなかにたくさんのビフィズス菌が含まれるためである。赤ちゃんにはまだ免疫機能が整っていないため、腸内をビフィズス菌優勢の状態に保つことで、異物の攻撃から体を守っているのだ。 やがて離乳食を開始して大人と同じような食事をとるようになると、腸内には悪玉菌が急に増え始める。一方、ビフィズス菌の勢いも依然として強く、腸内フローラは安定した状態を保つようになる。しかし、老齢期になると急にビフィズス菌の量が減り始めるため、腸内は悪玉菌が優勢になりやすく、さまざまな病気を引き起こしやすい状態になるのだ。 こんな生活が腸内環境を乱す では、腸内環境を悪くする要因には、加齢のほかにどんなものがあるのだろう?代表的な要因をあげてみたので、あなたの生活習慣に当てはまっていないか、チェックしてみてほしい。 偏った食生活 たんぱく質や脂肪が多く、食物繊維の少ない食事をとっていると、腸内フローラは悪玉菌優勢に。肉類などはひかえめにし、野菜の多い食生活を心がけよう。暴飲暴食も腸の負担となるため、腸内環境を乱すもとになるので、注意。 ストレス 過労などでストレスがかかりすぎると胃酸や腸内分泌液の量が減り、腸内フローラが悪玉菌優勢になる。十分に睡眠、休息をとり、ストレスをためない生活を送ろう。また、急激な温度や気候の変化もストレスとなるため、季節の変わり目にはご用心。 病気・抗生物質の使用 細菌やウイルスに感染したり、ガンなどの病気にかかると、腸内フローラは悪玉菌が優勢になりやすくなる。また、抗生物質を服用すると腸内細菌自体が死んでしまうため、腸内環境は大きく乱れる。薬の効果を過信せず、病気はかかる前に予防することが肝心だ。 公開日:2004年4月19日
植物性乳酸菌には、免疫力を高める、発がんの抑止、高コレステロール予防など、さまざな健康効果が期待されている。また、マサイ民族が世界で最も健康といわれる秘訣にも、植物性乳酸菌が関係しているとも。 目次 腸内の免疫力がアップする 食中毒菌の繁殖を防ぐ 生活習慣病予防に絶大な期待 マサイ民族が「世界でいちばん健康」といわれるワケ 腸内の免疫力がアップする 腸は消化吸収を行うだけでなく、「免疫」というシステムをコントロールする場所でもあるということをご存知だろうか? 小腸の粘膜に分布する「パイエル板」という器官がその司令塔的な役割を果たしている。パイエル板は、「IgA(免疫グロブリンA)」という抗体を出すことによって、病原菌やウイルスをはじめとした異物を攻撃してくれる。これによって、腸内の免疫力がアップするばかりか、「ホーミング現象」と呼ばれるはたらきによって、体中の粘膜の免疫細胞にIgAを増やし、全身の免疫力もアップさせる作用もあるのだ。 ところが、悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなると、どうなるだろう?腸内の免疫機能がうまくはたらかなくなるばかりか、鼻や気管支などの粘膜組織のバリア機能も弱くなり、病原菌やウイルスの侵入を許し、さまざまな病気にかかりやすくなってしまうのだ。 しかし、乳酸菌などを摂ることで、ビフィズス菌などの善玉菌が増え、悪玉菌よりも優勢になれば、腸内の環境は改善する。つまり、腸の機能もアップし、免疫システムもスムーズにはたらくようになるのだ。 一方のマウスに牛乳を、もう一方には植物性乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムで調製したはっ酵乳を8~14日間与え、IgAの量を測定。その結果、ラクトバチルス・プランタラムはっ酵乳を飲んだ方がIgAが高くなることがわかった。 食中毒菌の繁殖を防ぐ 食中毒菌は夏場に多く繁殖するため、冬になると無関心になる人も多い。しかし、冬でも鮮度の落ちた生の魚介類や生肉を食べたり、保存状態の悪い食品を摂ったりすると、食中毒になる怖れがあるため注意したい。 ところで家族全員が同じ物を食べたのに、食中毒になる人とならない人がいるのはなぜだろう。その人がすでにある病原菌に対する免疫を持っているためと考えられることも多いが、実は、腸内環境の悪化が影響している場合もあるのだ。善玉菌が少なくなって腸内環境が悪くなると、IgAがうまくつくられなくなる。すると、腸の粘膜から食中毒を引き起こす病原菌が体内に侵入しやすくなり、食中毒にかかりやすくなってしまうから。 また、よく手入れしたぬか床は悪玉菌が繁殖せずいつまでも使えるのだが、乳酸菌自体にも悪玉菌をやっつけるパワーがある。 生活習慣病予防に絶大な期待 乳酸菌を積極的に摂ることによって発がんを抑える効果に期待が集まり、研究が進んでいる。腸内に乳酸菌が増えると、マクロファージ(細菌やウイルスなどを包んで分解する免疫細胞)が乳酸菌を捕らえて分解し、がんを攻撃するリンパ球の活性が高められ、がんに対する免疫システムがはたらきやすくなるためではないかと考えられている。 また、コレステロールが腸壁から吸収される前に、腸内の乳酸菌がコレステロールを吸着し、排出するため、血液中のコレステロールの増加を防ぐこともわかっている。 乳酸菌は生活習慣病の予防に大いに期待されているのだ。 マサイ民族が「世界でいちばん健康」といわれるワケ マサイ民族の主食の入った水筒 1986年、87年のWHO「食と健康の関係」調査により、アフリカ大陸のケニア南部からタンザニア北部に住むマサイ民族が、世界トップクラスの健康水準であることが明らかになった。体力に優れ、肥満もなく、コレステロール値も良好、高血圧の心配もほとんどないという理想的な健康状態。 さらに研究を進めることで、マサイ民族の健康の秘訣が、主食としているはっ酵乳(ヨーグルト)にあることが分かった。そして、なんと、そのはっ酵乳には、植物性乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムが豊富に含まれていたのだ。はっ酵乳にこの乳酸菌が含まれていることは大変珍しく、世界的に注目を集めている。 公開日:2004年2月16日
植物性乳酸菌は生きたまま腸の奥まで届き、善玉菌を力強くサポートする。代表的な植物性乳酸菌の種類や、日本人にオススメの理由など紹介。 目次 植物性乳酸菌は善玉菌を力強くサポート 日本人には植物性乳酸菌がオススメ? 代表的な植物性乳酸菌の種類と特徴 ウンチで腸内環境をチェック! 植物性乳酸菌は善玉菌を力強くサポート 乳酸菌の健康効果としてまずあげられるのは、便秘や下痢の解消に役立つということ。では、乳酸菌なら何でもよいのか?というと、そうはいかない。乳酸菌ならではのプロバイオティクス効果(腸内細菌のバランスを改善し、体の防御機能を高めること)を十分に得るには、乳酸菌が生きて腸まで届くことが必須条件。 動物性乳酸菌にも生きて腸まで届く乳酸菌があるが、植物性乳酸菌もまた、胃酸のなかでも生き抜き、腸の奥まで生きたまま届くことができる。しかも、酸やアルカリにも強く、動物性乳酸菌よりも、より過酷な環境でも生息できるものがほとんどだ。 乳酸菌が腸に届くと、腸内に住みつく「善玉菌」であるビフィズス菌を増やして、大腸菌などの悪玉菌をやっつけてくれる。腸内で善玉菌が優勢になると、腸の機能は高まり、消化吸収が促進され、結果的に便秘や下痢などを防ぐのである。 また、漬け物などのように、野菜を利用した植物性乳酸菌食品は、食物繊維の摂取量が増えることも特筆すべきメリットのひとつ。漬け込むことで野菜の水分が抜けるため、サラダなどで食べるより一度にたくさんの野菜が摂れるのだ。 参考:「腸内細菌学雑誌 第16巻 第2号 別冊」 日本人には植物性乳酸菌がオススメ? 日本人の腸は、欧米人よりも長いことをご存知だろうか?それは、日本人が消化に時間のかかる繊維質の多い食物を食べてきたため。もちろん、発酵食品においても漬け物など植物性のものを好んで食べてきた。つまり、乳酸菌についても、植物性の乳酸菌を摂取してきたことになる。植物性乳酸菌は苛酷な環境でも生き抜くことのできる強い菌。昔から日本人は自らの体にあった乳酸菌をうまく摂り入れ、腸内環境を守ってきたのではないだろうか。 最近では、和食を食べる機会が少なくなっている人も多いかもしれないが、ぜひ、この機会に食卓を見直してみよう!植物性乳酸菌と動物性乳酸菌を上手に組み合わせれば、食卓もよりバラエティ豊かに、栄養面でのバランスもよくなるので、より一層の健康維持に役立つはず。 代表的な植物性乳酸菌の種類と特徴 ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) 日本をはじめ、世界中で広く漬け物に含まれる乳酸菌。日本では、ぬか漬け(ぬか味噌漬け)やしば漬けに使われている。韓国のキムチやドイツのサワークラウト、ヨーロッパのサワーブレッドなどにも。美味しい酸っぱさのもと。 ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis) ラクトバチルス・プランタラムと同様、漬け物やキムチなどの発酵に関わる乳酸菌。香り付けにひと役買っている。 テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus) 味噌に多く含まれる乳酸菌。耐塩性が強く、独特の風味が生まれる。 ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus) 耐酸性、耐塩性が強い乳酸菌。野菜の青臭みをまろやかにしてくれる。 ウンチで腸内環境をチェック! ■形や大きさはバナナに似てる? つるっとバナナのような形と大きさのウンチが出たら合格!コロコロしていたり、水っぽい便が続いたら食物繊維や善玉菌が足りなくなっているかも。 ■刺激臭が強くない? ウンチが異様ににおうようになったら、悪玉菌が増えている可能性も!健康なら刺激臭は少なく、発酵性のマイルドなニオイになるはず。 ■黄土色をしている? 胃や十二指腸からの出血があると、黒っぽいウンチになることもあるため、続く場合は要注意。また、胆汁が少なくなると、白っぽいウンチが続くので、肝臓のトラブルの可能性も。 公開日:2004年2月16日
あまり知られていないが、乳酸菌には、ヨーグルトなどの動物性乳酸菌だけではなく、漬け物や味噌、キムチやサワークラウトなどに含まれる植物性乳酸菌が存在する。しかも、動物性のものに比べて、栄養バランスや刺激の強い、過酷な環境でも生き抜くことができる強い乳酸菌なのだ。 目次 漬け物?キムチ?古くて新しい植物性乳酸菌 日本食は植物性乳酸菌の宝庫 ワールドワイドな植物性乳酸菌グルメ 漬け物?キムチ?古くて新しい植物性乳酸菌 腸内環境をよくし、体調を改善してくれる「乳酸菌」。ヨーグルトやチーズなどの乳製品に含まれていることはよく知られている。「乳」という言葉が入っているため、乳製品のみに含まれるものと思いがちだが、実は植物性の食べ物にもたくさんの乳酸菌が含まれている。そもそも、乳酸菌とは糖を発酵し、乳酸などの有機酸(動植物がつくる酸)を生成する菌のこと。 そして、植物性の発酵食品に含まれる「植物性乳酸菌」は、実にたくさんの種類の食べ物に存在している。なぜなら、植物性乳酸菌は、動物性のものに比べて、栄養バランスが悪く刺激の強い、過酷な環境でも生き抜くことができるからだ。 植物性乳酸菌の生息場所とその環境 どこに?植物に由来するすべて どんな糖と関係している?ブドウ糖・果糖・ショ糖・麦芽糖など多糖類多様 糖の濃度は影響する?濃淡はまちまちでも生息できる 栄養状態は影響する?栄養が豊富ではない所やバランスが悪い所でも生息できる ほかの微生物と共存できる?さまざまな微生物と共存できる 食塩も影響する?高濃度でも生息できる 動物性乳酸菌の生息場所とその環境 どこに?ミルク どんな糖と関係している?乳糖のみ 糖の濃度は影響する?一定 栄養状態は影響する?栄養が豊富で、バランスがよい所 ほかの微生物と共存できる?おおむね単独 食塩も影響する?生息できない 出典:「植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の比較」岡田早苗(東京農業大学)調べより 日本食は植物性乳酸菌の宝庫 伝統的な日本食である漬け物や味噌などの調味料。実は、これらの発酵食品こそ、「植物性乳酸菌」の宝庫なのだ。 日本は世界一の漬け物大国といわれ、昔からさまざまな種類の漬け物を食べてきた。なかでも日本特有の「ぬか漬け(ぬか味噌漬け)」の「ぬか」には、植物性乳酸菌が実にたくさん含まれている。乳酸菌や酵母のバランスがよいぬか床からは野菜に栄養がたっぷりしみわたり、酸味や風味もほどよく仕上がるのだ。 また、日本の調味料の代表ともいえる味噌にも、植物性乳酸菌が豊富。ほんのりと香るアルコールのにおいも、乳酸菌によって生み出されている。 ワールドワイドな植物性乳酸菌グルメ 植物性乳酸菌が豊富な発酵食品を好むのは、日本人だけではない。 例えば、お隣の韓国の伝統食としてもおなじみの「キムチ」。乳酸菌の発酵によって得られる酸味と唐辛子の辛味が食欲を増進させてくれる。酸味は疲れを癒すなど、唐辛子の発熱効果とあわせて風邪の予防にも役立つ。 また、ドイツの家庭料理には「サワークラウト(ザワークラウト)」というキャベツの塩漬けがある。通常、煮込んだり湯がいたりと火を通して使うことが多いのだが、乳酸菌の整腸効果を利用してか、便秘解消には生のまま食べることもあるという。 さらに、中国のザーサイも代表的な植物性乳酸菌食品として名高く、冬の貴重なビタミン源である。生のまま食すほか、炒め料理やスープなどさまざまな料理の材料としても頻繁に利用されている。 日本をはじめ、世界には植物性乳酸菌食品がいっぱい! 公開日:2004年2月9日
体に良い乳酸菌を含んだヨーグルトは、研究によりさまざまな効果が確認されています。便秘や肌荒れの改善、体づくりなど、腸内ビフィズス菌が増えることで、さらにいろいろな健康効果が期待できます。 目次 便秘に効果!ビフィズス菌が増えた! 肌荒れ、ニキビ、吹き出物を解消 体・骨を丈夫に作る 老化を防止! 血中コレステロール値を下げてくれる! 食品添加物から発がん性物質を減らす 体の免疫力を高める 便秘に効果!ビフィズス菌が増えた! 体に良い乳酸菌を含んだヨーグルトは、研究によりさまざまな効果が確認されています。特にすぐに確認できるのが、下のグラフの通り、便秘の解消です。そして、腸内ビフィズス菌が増えることで、さらにいろいろな健康効果が期待できます。 お通じが週6回以下の31名に、1日100gのヨーグルトを7日間食べてもらった結果。 79名の方に、1日100gのヨーグルトを7日間食べてもらった結果。腸内の善玉菌(ビフィズス菌)の数は2倍以上に増加。 ヨーグルトの乳酸菌が作る乳酸や酢酸は腸に刺激を与えて、その動きを活発にします。すると食物の消化吸収がスムーズに進み、便もすみやかに排泄されるようになります。それによって、悪玉菌が食べ物を分解して作る有害物質を腸内に長時間ためず、体外に出すことができます。 しかも便そのものも、悪玉菌の減少で、有害物質の少ない良い便となります。 肌荒れ、ニキビ、吹き出物を解消 腸内の悪玉菌のはたらきがおさえられると、腸から吸収されて血液などとともに体中にまわっていた有害物質が減ります。すると、お肌も健康回復へ。いつまでも「つるつるすべすべ」の肌を保つ「美の秘訣」は、腸内の善玉菌をヨーグルトで増やすことなのです。 体・骨を丈夫に作る ヨーグルトのたんぱく質は、発酵の過程で、なかば消化されたような形になっています。そのため、消化・吸収がとても良く、体づくりに役立ちやすくなっています。また骨を丈夫にするカルシウムや、血液を作る鉄分の消化吸収を良くするはたらきもあります。さらに腸内では、ビタミンB群を合成し、炭水化物の代謝を助けて、体力をつくります。 老化を防止! 「老化」の原因のひとつに、悪玉菌が作る有害物質の「悪さ」が考えられています。データを見てみると、年をとるにつれて腸内の悪玉菌が増えていっている様子。一方でヨーグルトで有名なブルガリアでは、長寿者が多いようです。ヨーグルトが老化を防止しているのです。 血中コレステロール値を下げてくれる! まだメカニズムは解明されていませんが、乳酸菌のアシドフィルス菌とビフィズス菌は、血液中のコレステロール濃度が上がるのをおさえる力を持っており、心筋梗塞などにかかりにくくなる効果が期待できます。 食品添加物から発がん性物質を減らす 私たちが食べている食品に含まれている食品添加物の中には、体の中で発がん物質に変わる変異原性という性質を持っているものがあります。乳酸菌のアシドフィルス菌はこれをおさえるはたらきをしてくれます。 体の免疫力を高める 外から来るウイルスや細菌から体を守るのが免疫の力です。その力が落ちたとき、人は病気に感染します。また免疫の力に変調が起きたときに発病するのが「がん」です。ヨーグルトで元気になる善玉菌の中には、免疫機能を活性化させ、ウイルスや細菌、がんから私たちを守ってくれるインターフェロンの生産を助けるものがあります。また、がん細胞を殺すキラー細胞と呼ばれる免疫細胞を活性化するものもあります。
賞味期限切れのヨーグルトは食べても大丈夫?ヨーグルトの上澄みは飲む?毎日食べたいヨーグルトの疑問をまとめました。楽しく健康なヨーグルトライフを送りましょう。 目次 賞味期限切れのヨーグルトは食べても大丈夫? ヨーグルトの上澄み、飲んだ方がいいの? ヨーグルトって、どのくらいの回数・量を食べれば効くの? 一時流行った「ヨーグルトきのこ」って何だったの? 美容パックに使うとキレイになるの? 牛乳でお腹がゴロゴロする人は食べられない? フローズンヨーグルトの乳酸菌は生きてるの? 賞味期限切れのヨーグルトは食べても大丈夫? 食べても大丈夫か?という意味では、ある程度は大丈夫のようです。しかし、もちろん風味と健康効果は劣ります。 ヨーグルトの中の乳酸菌は製造後、お店に並んでいるときも、乳糖を分解して、酸性物質を作り続けています。つまり乳糖が減少し、どんどん酸っぱくなっていくのです。乳糖は、腸内ビフィズス菌の「食べ物」となってくれる大切な栄養です。その栄養が失われず、適度な乳糖が残っている期限を示しているのが「品質保持期限」です。おいしさと健康のため、期限内に食べましょう。 またヨーグルトは開封すると、乳酸菌が空気に触れ死んでしまい、代わりに空気中の雑菌が入って繁殖します。早く食べ切りましょう。 ヨーグルトの上澄み、飲んだ方がいいの? ほんのり黄色い上澄みは乳清またはホエ-というものです。乳酸菌の発酵が進むと分離してくる自然のもの。この中には、水溶性のビタミン、たんぱく質、ミネラルが豊富に含まれています。捨てるなんてもったいないので、一緒に飲んでしまいましょう。ただし酸味が強いので、注意してください。 ヨーグルトって、どのくらいの回数・量を食べれば効くの? ヨーグルトは、腸の中を通り抜けながら酸を作ったり、悪玉菌の死骸を取り去ったりしています。つまり腸内をすぎてしまえば、ほぼ効果は終わりということ。したがって、ヨーグルトはできれば毎日摂りましょう。健康のことを考えると、量は約100g(カップ1杯程度)を目安にどうぞ。 一時流行った「ヨーグルトきのこ」って何だったの? ケフィアまたはケフィール(kefir)といって、アゼルバイジャン、主にコーカサス地方で伝統的に摂られている乳発酵食品です。 ヨーグルトとの違いは、発酵に乳酸菌だけでなく酵母も使用している点にあります。 ヨーグルトきのこの乳酸菌は、ネバネバした物質(多糖)を作り、そこにくっつく形で乳酸菌と酵母の固まりが形成されます。この固まりが「きのこ」に似ていることから、この名前がつきました。牛乳に入れて発酵させた後、発酵乳の液体だけを飲みます。 ヨーグルトと同じ効果が得られますが、家庭で作る場合には、よほど殺菌に気をつけないと、雑菌が繁殖してしまうので注意が必要です。 美容パックに使うとキレイになるの? バリ島のエステなどでも使われているヨーグルトパック。現在、肌への科学的な効果は研究中でありますが、歴史は古いようです。具体的に肌に良いと言われているのが「乳清」で、上で述べたヨーグルトの上澄み液です。乳清は肌に近い成分でできていますので、自然になじみ、保湿力を高めると言われています。ほかに、お肌の老化の原因である酸化の進行を止めて炎症をおさえる、肌本来の防御機能を高める、老廃物や異物を浄化するなどのはたらきがあると言われています。 しかしヨーグルトは酸素に触れると雑菌も増えやすいので、注意しましょう。またパックより先に、食べることもお忘れなく! 牛乳でお腹がゴロゴロする人は食べられない? 牛乳でお腹がゴロゴロするのは乳糖不耐症といって、日本人には割合多くいます。牛乳に含まれる「乳糖」をうまく分解できません。しかしヨーグルトなら大丈夫です。乳酸菌が発酵中に、この乳糖を約50%も分解してくれているからゴロゴロしにくいのです。 フローズンヨーグルトの乳酸菌は生きてるの? フローズンヨーグルトは、液状のヨーグルトを急速に冷凍して作られています。このとき、乳酸菌も凍って活動が一時停止の状態になっています。しかし口の中で溶ければ、再び活動を始めることができます。
ヨーグルトの乳酸菌は、腸内の善玉菌にはたらいてお腹に良いものです。なぜ、お腹に良いのでしょうか?ヨーグルトのお腹でのはたらきをまとめました。 目次 腸内ビフィズス菌応援団!ヨーグルト 手助け1「乳糖」のはたらき 手助け2「生きて腸に届いた乳酸菌」のはたらき 手助け3「死んでしまった乳酸菌」のはたらき 腸内ビフィズス菌応援団!ヨーグルト ヨーグルトの乳酸菌は、腸内の善玉菌にはたらいて、お腹に良いとよく聞きますが、具体的にはどんなメカニズムで効くのでしょうか? ヨーグルトを食べると、ビフィズス菌などの乳酸菌が、そのまま住みついて良いはたらきをしてくれるような錯覚をしていませんか?実は残念ながら、ビフィズス菌の多くは胃の中などで死んでしまいます。しかし、それでもヨーグルトを毎日食べることは確実に健康効果があります。それはヨーグルトが、もともとお腹に住んでいる善玉菌の腸内ビフィズス菌などを増やし、勢力を拡大する手助けをしてくれるからなのです。 手助け1「乳糖」のはたらき 善玉菌にも、生きて増殖していくためには「食べ物」が必要です。好物は糖分。なかでも食べ物となりやすいのが、乳製品に含まれている糖分=乳糖です。乳糖は、普通の砂糖より分解されにくいため、そのまま腸まで届き、ビフィズス菌のエサになってくれます。そして乳酸、酢酸などの酸性物質を作り出し、悪玉菌をおさえこむのです。 乳糖は、ヨーグルトはもちろん牛乳、チーズなどさまざまな乳製品に入っています。これを摂っていれば、腸内ビフィズス菌は豊富な食べ物に恵まれ、よくはたらいてくれます。ヨーグルトの良さは、乳酸菌だけではなく、この乳糖にもあるのです。 手助け2「生きて腸に届いた乳酸菌」のはたらき ヨーグルトの乳酸菌の多くは、実は胃酸などで死んでしまいます。それでも腸の中の乳酸菌と同じ種類のもののうち、いくらかは生きたまま腸に届き、比較的長い間そこで活躍してくれるものもいます。ビフィズス菌やアシドフィルス菌などの「定住菌種」と呼ばれるものです。ヨーグルトのビフィズス菌は腸内ビフィズス菌と同じではないため、腸内には永住はできませんが、ゆっくりと通過する間に酸を作り出し、酸性に弱い悪玉菌をおさえます。こうして、腸内ビフィズス菌などの善玉菌が活躍しやすいように手助けしてくれるのです。 手助け3「死んでしまった乳酸菌」のはたらき 残念なことに、生きて腸まで到達できる乳酸菌はわずかです。しかし、実は死んでしまった乳酸菌も、十分役に立ってくれます。 死んだ乳酸菌は、まるで食物繊維と同じようなはたらきをしてくれます。つまり、ジャマな悪玉菌の死骸を吸着して、体外へと連れ去ってくれるのです。おかげでキレイになった腸内は、善玉菌が住みやすく、増えやすい環境になります。