せっかくの楽しい旅行にもかかわらず、ストレスや暴飲暴食でおなかをこわしてしまった…。そんな経験はありませんか?旅行中の胃腸の痛みの原因や対処法について解説します。 目次 旅先のご飯はおいしい!でも、食べすぎると… 楽しい出来事が、実はストレスの原因!? 旅も胃腸も、ひと休み 旅先のご飯はおいしい!でも、食べすぎると… せっかくの楽しい旅行にもかかわらず、旅先の水や食事が体に合わず、おなかをこわしてしまった…。そんな体験談を聞いたこと、あるいは実際に体験したことはないでしょうか。水道が日本ほど整備されていない地域では、細菌や寄生虫に感染して下痢や嘔吐が起きる「旅行者下痢症」になってしまうことも。「海外では生水や生野菜に気をつける必要がある」ということは、もはや常識とも言えるでしょう。 そこまでの症状が現れなくとも、国内外を問わず、旅行中に胃腸の痛みを感じる人は、少なくないようです。原因の一つとして考えられるのが、暴飲・暴食。ウキウキとした、開放的な気分になる旅先では、お目当ての名物料理がある場合などは特に、食が進みます。その結果、ついつい食べすぎ、あるいはお酒を飲みすぎてしまうことに。海外は特に、一人前の量が日本より多かったり、胃腸を刺激する香辛料がふんだんに使われたりすることもあり、胃腸に負担がかかりやすいと言えます。 楽しい出来事が、実はストレスの原因!? 旅行中の胃腸の痛みの原因が、ストレスである可能性も考えられます。ストレスは、不安感や辛いことなどから生まれると思われがちですが、楽しい出来事の刺激から生まれることも。旅行のリフレッシュ効果は、楽しい出来事が刺激となって得られますが、実はこの刺激は、ストレスの原因でもあります。ストレスが積み重なると、旅行中に胃腸の痛みが引き起こされるほか、なんとなく食欲がない、おなかの具合が悪い(便秘・下痢など)、といった状態になることがあります。 旅行中にかかるストレスの例 国内旅行 楽しい出来事を詰め込みがちな日帰りや1泊2日などの短い日程では、移動が旅行中の時間の多くを占めることがあります。長時間の移動は体に疲れが残りやすく、知らずしらずのうちにストレスがかかっていると考えられます。 海外旅行 複数の都市を短期間で巡るパッケージツアーなどは、楽しい出来事も多く刺激的ですが、移動も観光も過密スケジュールになりがち。国内よりも緊張感が高まることや、集団行動による気疲れを伴うことも、ストレスのもとになります。 旅も胃腸も、ひと休み 胃腸を健康に保つために、旅行中は胃腸に負担をかけすぎず、適度に休ませましょう。暴飲・暴食は控え、必要に応じて残すことも大切です。ストレスのかかりすぎを防ぐためには、旅行の日程をあまり詰め込みすぎず、余裕をもって行動しましょう。 もしもの場合に備えて、旅先には市販の胃腸薬を携帯すると安心です。カモミールやミントなど、胃腸に良いと言われているハーブのお茶を試しても良いかもしれません。ただし、旅行の後も胃腸の痛みが続くようであれば、症状が重いか、思いもよらない病気の可能性があります。そんなときは、病院で診てもらいましょう。 公開日:2014/06/23
ユニークな食文化を持つタイに注目 何かと疲れやすい梅雨の季節。そんなときこそ、暑い気候を乗り切る知恵が生かされている、アジアの料理でしゃきっとしたい。その中でおすすめなのが、最近食べられる店が増えてきた人気のタイカレーだ。一度も植民地にされることなく独立を保ってきたこの国では、独自の食文化が発達してきた。もちろん健康を保つ食の知恵が生きている。 タイ人は昔から肥沃な大地に水田を作り、川から獲れる魚を食べてきた。仏教が盛んなことから、肉はできるだけ避け野菜を積極的にとる点では、日本と似ている。そして、周りを囲む中国やインド、遠くは貿易を通してペルシャやポルトガルなどから、数百年をかけて徐々に多様な食材を取り込んできた。外国から来た素材を伝統料理に取り込んできた点でも、日本と共通しているといえそうだ。 もうひとつ、日本と似ているのは、地理的条件を反映した地方色が豊かなことである。 タイ北部 20世紀の初めまで孤立していた山岳地方で、独自の食文化が発達した。ミャンマー(ビルマ)の影響が強い。肉や内臓料理が多く、薄味でしょう油を使う。カオ・ヌン(蒸したもち米)やミャンマー色の強いカオ・ソーイ(揚げ麺のせカレーラーメン)などが代表的な料理。 東北部 イサーンと呼ばれるこの地域は、やせた土地が多く雨も少ない。そのためか、カタツムリやアリの卵を使う珍味料理も多い。食文化はラオスと共通している。トウガラシをふんだんに使う。辛い、塩辛いと言われることが多い。ソム・タム(青いパパイヤのサラダ)などが代表料理。 中央部 600年以上に渡る政治と経済の中心地。平野部で水が豊かな穀倉地帯。果物、野菜の生産も盛ん。タイ湾に面しているため、漁業も盛ん。麺類や炒め物など、華僑が持ち込んだ中国料理が日常食となっている。宮廷料理が食べられるレストランから、バンコク名物屋台料理まで、さまざまな食を楽しめる。東北部からの出稼ぎも多いので、その影響もある。ケーン(カレー・汁物)やヤム(和え物、サラダ)が代表料理。 南部 細い半島のこの地域は、うっそうとしたジャングルが山を覆う熱帯地方。マレーシアに隣接した地域ではイスラム教徒が多く、彼らはマレー語も話す。プーケット島などには中国人が多い。ココナッツや油、地元で獲れる魚介類もよく使われる。ターメリックや乾燥スパイスを使うインド料理の影響も強い。インド風カレーのパネン・ガイなどが代表料理。インドネシア料理のナシゴレンなども。 タイカレーの特徴 多様な食文化を持つタイの人たちが食べるカレーは、もちろん私たちが馴染んできた日本的家庭カレーとも、インドカレーとも違う。多くはスープカレーで、色あざやか。そして辛い。タイカレーは世界一辛いという説もあるほどだ。その辛さを和らげるのがココナッツの甘さとたっぷり入った生ハーブの爽やかさ。そんな独特の個性にこそ、ヘルシーの秘密が隠されている。例えば、日本でもポピュラーな3種類のカレーには、健康によいこんな材料が入っている。 グリーンカレー(ゲーン・キャウワーン) プリッキーヌーという小粒で激辛の青トウガラシを使ったカレーペーストが入っているので、味も激辛。日本のレストランで食べる場合、その辛さを和らげるココナッツクリームがたっぷり入っていてそれほど辛くない場合も。バジル、バイマックルー、レモングラスといった生ハーブの爽やかさも特徴のひとつ。具材は鶏肉やナスが定番。ビタミンCやカロテンの多いホム・デーン(赤小たまねぎ)を使うのは、他のカレーとも共通する。 レッドカレー(ゲーン・ペッ) プリック・チーファーという辛味の少ない大型トウガラシを使っているので、グリーンカレーより辛味は少ない。しかし、スパイスの辛味が直接舌を刺激するので、逆に辛さを感じる場合も。具材はさまざまで、豚肉や合鴨、鶏肉などの肉類または海老を使い、パイナップル、バジル、たけのこなどを入れることが多い。 イエローカレー(ゲーン・カリー) インドの香辛料を使った日本でも馴染みのあるカレー。トウガラシは、プリック・チーファーを乾燥させたプリック・バンチャンという韓国産トウガラシに近い甘みと香りのあるもの。クローブやシナモン、コリアンダーパウダーなどの乾燥スパイスを使うのが特徴。具材には、骨付き鶏肉、豚肉、ジャガイモ、ピーナッツなどがよく使われる。 健康の元は食材にあり タイカレーによく使われる食材には、それぞれ健康によいさまざまな成分が含まれている。その中でも特徴的なのは、なんといっても薬用植物である生ハーブ・スパイスをたっぷり使うこと。トウガラシやこしょう、ニンニクといった薬効がよく知られた定番スパイス以外に、タイカレーならではの食材の薬効を紹介しよう。 ●バジル イタリア料理などでもおなじみの甘くすっきりした香りが特徴のしそ科のハーブ。サポニンを含み、咳を鎮める作用がある。強い強壮作用で、疲労回復に役立つ。イライラや落ち込みを和らげ精神を安定させる効果もあり。 ●レモングラス レモンに似た香りのイネ科のハーブ。タイ料理では、トム・ヤム・クンに入れるハーブとして知られるがカレーにも必須。強い抗菌作用があり、利尿作用や月経促進に役立つほか、胃腸の調子を整え感染症の予防に役立つ。血小板凝集抑制作用があるので、脳梗塞や心筋梗塞の予防にも。脂肪分解作用もあり。 ●パクチー 英語ではコリアンダー、中国語では香菜として知られる。タイ料理には欠かせないハーブだが、独特の強い香りが日本では好き嫌いが分かれる。抗菌性があり、解毒薬としても利用される。消化器系にはたらきかけ胃腸を丈夫にする。口臭予防や咳止めにも役立つ。ビタミンCも豊富。最近、余分なものを体から排出するデトックスに役立つハーブとして注目を浴びている。 ●バイマックルー 日本語ではコブみかんの葉。かんきつ類特有の爽やかで強い芳香を持つ。その香りが食欲増進に役立ち、におい消しの役割を果たす。 公開日:2006年6月5日
「ローズヒップ」はバラ科のハーブだが、ビタミンCが豊富に含まれていることで知られている。ストレスを感じている人や、たばこを吸っている人、風邪をひきやすい人は、要注目! 目次 自慢は「レモンの20倍ものビタミンC」 免疫力アップに欠かせないビタミンC 女性にとって嬉しい"C" 効果 ローズヒップの楽しみ方 自慢は「レモンの20倍ものビタミンC」 ローズヒップ(Rose Hips) 英名:Rose Hips(Wild Dog Rose) 和名:バラノミ 科名:バラ科 ローズヒップはバラ科のドッグローズなどの果実で、レモンの約20倍ものビタミンCを含むといわれているハーブ。手榴弾のような形をしていることから「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれている。 薬用ハーブとしては長い歴史を持ち、中国の伝統医学では"金桜子(きんおうし)"と呼ばれ、腎臓や泌尿器の不調に用いられている。 イギリスでは、飢饉が広がっていた頃にローズヒップが食糧として利用されていたという説も。 免疫力アップに欠かせないビタミンC ローズヒップに多く含まれているビタミンCは、私たちにとって最も身近なビタミン成分のひとつだろう。壊血病を予防するとして発見されたビタミンで、別名をアスコルビン酸という。1970年代に、ノーベル賞を受賞したアメリカ人の生化学者ライナス・ポーリング博士が「ビタミンCは風邪やがんを予防できる」と提唱したことがきっかけで、一躍ビタミンCに注目が集まった。 ビタミンCは強い抗酸化力を持つ水溶性ビタミンで、血液中で活性酸素を除去するはたらきがある。また、発がん物質を除去したり、ウイルスやがんの増殖を阻止するインターフェロンという物質の生成を促進する作用も。また、コラーゲンの合成にも欠かせない成分で、細胞と細胞をつなぐ結合組織を丈夫にし、体内に入ったウイルスが活動できないようにさせている。 健康にとってこんなに必要でありながら、ビタミンCは体内では合成されず、食品から補うしかない。体内にわずかしか蓄積されず、摂取後2~3時間で排泄されてしまうので、朝・昼・晩と回数を分けて摂取するようにしよう。 女性にとって嬉しい"C" 効果 ビタミンCは、免疫力アップだけでなく、体にとってさまざまなはたらきかけをしてくれる。その中でも、とくに女性にとってありがたい効果をご紹介しよう。 肌のハリを保つ コラーゲンは細胞の接着剤としてはたらいているが、そのコラーゲンの生成に不可欠な成分がビタミンC。ビタミンCが欠乏すると肌のハリが失われる。 お通じをうながす ビタミンCには腸内物をやわらかくし、排泄をうながす作用がある。ただし、過剰摂取すると下痢をすることがあるので要注意。 抗ストレス作用 ストレスがかかると副腎皮質ホルモンを分泌させて、全身の防御体制をととのえようとするが、その合成に貢献しているのがビタミンC。ストレスが多いとビタミンCもどんどん消費されてしまうので、補給を心がけたい。 ローズヒップの楽しみ方 ハーブティーにすると、甘酸っぱい味が楽しめるローズヒップ。ビタミンCのほか、ビタミンB群・ビタミンE、ビタミンA(b-カロテン)などのビタミン類を豊富に含んでいる。エキスの浸出を早めるために、すり鉢などで実をつぶしてから熱湯を注ぐとよい。相性のいいハイビスカスとブレンドしたり、ハチミツを加えたりしてもおいしく飲める。お茶を抽出した後の実は、ジャムやタルトの材料に使っても。 公開日:2005年2月28日
刺身のツマや漬物、てんぷらに活躍するシソは、いわば日本のハーブ。赤ジソと青ジソの違いから、その高い健康効果、実生活に役立つ選び方や食べ方まで、シソをあらゆる角度からご紹介。 目次 シソは古代から伝わる日本のハーブ 青と赤、色の違いは何の違い? シソは野菜のマルチビタミン 古くから認められてきた高い健康効果 シソを使いこなしてたっぷり食べよう! シソは古代から伝わる日本のハーブ 刺身のツマや漬物、てんぷらに活躍するシソはおなじみの香味野菜だ。今は、年間を通して手に入るのが当たり前のように感じている人は多いと思うが、1975年までは、6~7月にしか出回らない季節野菜だったのだ。それが、ハウス栽培が行われるようになり、食の多様化もあって食べ方のバリエーションも広がったというわけだ。 古い歴史を持つシソは、7つの顔を持つといわれ、さまざまな薬効が認められてきた。「紫蘇」という文字の「蘇」は死者をよみがえらせるという意味があり、魚などの毒消しとして重宝されていたという。原産地はヒマラヤやミャンマー、中国。東洋の温帯地帯に広く分布しているもので、日本にも縄文時代にはすでに伝わっていたらしい。いわば、日本のハーブの代表選手なのだ。 青と赤、色の違いは何の違い? シソには2種類あり、大葉とも呼ばれ年間を通して出回っているのが青ジソ、梅干に入っているのが赤ジソだ。では、この2つは何が違うのだろう? 青ジソ ●時期…年間を通して販売 ●特徴…赤ジソよりカロチンが多いなど、栄養価が高い ●利用法…刺身のツマ、てんぷら、麺類の薬味など 赤ジソ ●時期…6~7月頃に販売 ●特徴…薬効が青ジソよりあるといわれている ●利用法…梅干や紅ショウガの色づけなど ※アントシアニン系の赤い色素(シソニン)が含まれ、酸と反応して赤色に発色することを利用 シソは野菜のマルチビタミン 青ジソ、赤ジソの成分は、先ほど挙げたカロチン、シソニン以外は、実はほぼ同じ。ビタミン類やミネラルが豊富だが、1枚はたった1g。下記の表は100gあたりの栄養成分を示すが、実際のところ一度にたくさん食べるものではない、という点にご注意! シソに豊富な栄養成分 カロチン……11000μg レチノール…1800μg ビタミンE …3.9mg ビタミンB2…0.34mg ビタミンC …26mg カルシウム…230mg 鉄…1.7mg 食物繊維……7.3g 可食部100gあたり。五訂食品成分表より 古くから認められてきた高い健康効果 シソで注目すべきは、ハーブとしての高い薬効。発汗、解熱、鎮痛、鎮静、解毒剤として使われてきた。爽快な香りのもとであるペリルアルデヒドは、胃液の分泌をうながし、食欲を増進させたり胃を丈夫にする作用があるといわれている。 また、この成分は強い防腐作用を持ち、食中毒の予防にも役立つ。昔からシソが刺身のツマや薬味として使われてきたのもうなづけるだろう。それだけでなく、現代特有の病気対策にも有効だと、注目度は高い。 ●アレルギー シソに含まれるαリノレン酸は、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を緩和すると言われている。 ●がん 青ジソに豊富なbカロチンは、体内でビタミンAに変わり、粘膜や皮膚を保護し、抵抗力を強くする。また抗酸化作用もあり、がん予防の効果が期待できる。同じくたくさん含まれるビタミンCもがん予防作用がある。 ●うつ シソは精神安定作用のあるカルシウムが多く、うつにもよいといわれている。 シソを使いこなしてたっぷり食べよう! 栄養たっぷり、病気予防や緩和にもつながると、よいことづくめに思えるシソ。難点は量を取れないことだ。こんなシソを上手に食べる方法をご紹介しよう。 ■選び方 色鮮やかで葉先までピンとしたものがよい。大きくなりすぎたもの、傷があるもの、表面が乾燥しているもの、変色しているものは避けよう。 ■調理・保存の注意 農薬が残留しやすいが、水にしばらくつけた後、両面をこすりながら数回洗えば大丈夫。余ったものは、水で湿らせたキッチンペーパーに1枚ずつ挟んで、密閉容器に入れて冷蔵庫に保存すると1週間ぐらいもつ。 ■使い方 梅干と漬けた赤ジソは、乾燥させた後に細かく刻めばふりかけになる。 アレルギー抑制効果があるといわれるαリノレン酸は、シソの加工品であるシソ油(エゴマ油)に多い。少々高いがこれらの油を炒め物などに使ってはどうだろう。 サラダやパスタに混ぜたり、肉や魚を巻いて揚げると爽やかな香りで食欲がわく。 赤ジソの葉を煮詰めてシソジュースにすれば、たくさん摂ることができる。 シソはまだまだ利用価値がある。使いこなしてうっとおしい梅雨、暑い夏を乗り切ろう! 公開日:2004年6月14日
ガーデニングには心身にとてもよい効果が認められている。特に5月初旬におすすめのガーデニングについて実践編を紹介する。ベランダでもできるかんたんな植物の育て方、種のまき方、この時期に育て始めたい植物の種類、5月初旬でもできる夏野菜の植え付け方などについて入門的に紹介していく。 目次 どうせなら種まきから楽しもう! 5月の種まきにぴったりなのはこんな植物 キッチンで使えるハーブもいまが種まきどき 夏野菜もいまが植えどき! どうせなら種まきから楽しもう! 「庭もないし、うちじゃ無理」という人でも、ベランダでかんたんに楽しめるガーデニングもある。どうせなら種まきから楽しもう!ガーデニングの醍醐味を味わいたいなら、やはり植物に「生命」を吹き込むところから。種まきからはじめると植物への愛情が倍増! ■種のまき方の基本 種の種類によってまき方は大きく3つに分けられる。小さな種は土全体にばらまき、発芽後の管理を楽にしたい植物や野菜類は一列にすじまき、大粒の種は2~3粒ずつ点まきをするとよい。それぞれのまき方は、種の袋に書いてあるので、よく注意してみてみよう。 ばらまき コスモス、インパチェンス、プリムラ、ペチュニアなど すじまき ガーベラ、マリーゴールド、ニチニチソウ、野菜類など 点まき アサガオ、スイートピー、オシロイバナ、ひまわりなど ■用意するもの 鉢、土入れ、ブレンド用土、軽石、鉢底ネット、鉢よりひとまわり大きいバケツ 1. 鉢の底に鉢底ネットをしき、軽石を鉢の6分の1程度入れる。 2. 鉢の8割程度まで用土を入れ、平らにする。 3. バケツの底に水を入れ、鉢の下から水を吸わせる。 4. 土にまんべんなく水が行き渡ったら、鉢を取り出し、植物にあったまき方で種をまく。 直接雨が当たらない所に置き、発芽するまでは土が乾燥しないようにジョウロで水をあげる。 芽が出たら、日光に十分当てる。 5月の種まきにぴったりなのはこんな植物 アサガオ おなじみ夏の定番の花。いまから種まきすると夏に可憐な花が見られる。 コスモス 秋の風物詩としてもなじみ深い花。うすピンクの花が一面に広がった庭を見ると、秋の訪れを感じられる。 サルビア 夏から秋にかけて咲く。赤や紫の花が房のようにいっぱいになるあでやかな花。 キッチンで使えるハーブもいまが種まきどき セージ 消化を促進し、血液をきれいにする。葉っぱを肉料理に使うと肉の臭みや脂っぽさを消してくれる。胃もたれも解消。 バジル 疲労回復効果や殺菌、消化促進効果がある。パスタやサラダのアクセントに。トマト料理と相性のよいハーブ。 タイム 食欲を増進させ、殺菌効果もある。煮込み料理のブーケガルニに必ず使われるハーブ。肉や魚の臭み消しに。 レモンバーム 精神を安定させる効果がある。ハーブティーやサラダなどに。お風呂に入れてもリフレッシュ。 ローズマリー 疲労や口臭に。酒や料理の香りづけ、肉の臭み消しなどに用いる。香りが強いので、使い過ぎないように。 夏野菜もいまが植えどき! ガーデニングのなかでも収穫の楽しみを堪能できるのは、やはり野菜。夏野菜は5月が植えどき。庭や畑がなくても大きめのコンテナがあれば十分。5月初旬であれば、トマトやナス、キュウリなどの苗がまだ植えられるので、チャレンジしてみよう。 育て方のポイント ●鉢底に水がたまると根腐れや虫がわく原因となるため、コンテナの下にレンガなどを置き、風通しをよくしておく。 ●庭土に腐葉土を3割程度加え、肥料を混ぜ合わせておく。 ●コンテナの底に鉢底ネットを敷く。土を8割程度まで入れ、底から水が出るくらいたっぷり水をあげておく。 ●買ってきたポットの苗に十分に水を含ませておく。 ●コンテナに苗を入れる穴を掘り、苗を植えつける。 ●土をなじませ、もう一度ジョウロで水をまく。 日当たりのよい所で育てるのがポイント。ひと月ほどで支柱を立てて茎を支える。約2カ月ほどで実がなり始め、食べごろに。 公開日:2003年4月28日
ハーブって本当に体に効くの?ワインの健康効果って?カフェインは体にいいの?悪いの?気になる食材の健康パワーについてご紹介します。 目次 ハーブって本当に体に効くの? ワインの健康効果について教えて カフェインは体にいいの?悪いの? ハーブって本当に体に効くの? ハーブは広辞苑では「薬草・香味料とする草の総称」と定義されており、一般的には薬効のある植物のことを指します。ハーブと人類の関わりは古く、たくさんの神話や伝説に出てくるさまざまな薬草や、聖書の創世記にある青草もハーブと考えられています。古代エジプト王朝のミイラにも防腐剤としてハーブが使用されていたようです。また、ハーブの種類は数千とも言われます。もちろん、日本にも、日本独特のハーブが昔から存在しています。さんしょう、しそ、ねぎ、みょうが、わさびなどがそうです。 欧米ではハーブは医薬品や栄養補助食品として分類され、効能の強さ(大きさ)のレベル表示などがされていますが、日本の場合、ハーブサプリメントは「食品」として分類されています。正しい知識を持って使いたいものです。 ハーブの健康パワー リラックス効果、抗酸化作用、免疫力向上など ハーブにはたくさんの種類がありますが、ここではメディカルハーブとして特に有名なものだけを紹介しましょう。 さまざまな健康パワーをもつハーブですが、使用に当たっては注意も必要です。まず、過剰な摂取はやめること。なかには薬剤と併用すると、薬の作用を弱めてしまうものもあります。病気などで薬を服用中の人は、医師に相談することをおすすめします(購入の際には成分や注意表示があるかどうかチェックしましょう)。 ハーブの種類と効能 イチョウ葉 イチョウ科 抗酸化作用、血流改善、精神安定などの作用があります エキナセアキク科風邪やインフルエンザなどに対して免疫力向上や免疫機能を活発化させるはたらきがあります ノコギリヤシヤシ科前立腺の不調を緩和、抗炎症、利尿作用など ローズヒップバラ科ビタミンCを多く含み、肌を若々しく保ちます。ストレスを感じるときにも セントジョンズウォートオトギリソウ科ストレスを和らげ、気持ちをリラックスさせます リコリスマメ科咳やのどの痛みを和らげます キャッツクローアカネ科リウマチ改善、抗アレルギー、抗炎症、免疫力向上などの作用があります ハーブ=メディカルハーブ!?ハーブの薬効に注目 ワインの健康効果について教えて ワインとは、よく熟したぶどうから果汁を絞って発酵させたお酒のこと。そのほかの原料はもとより、水すら必要としません。赤、白、ロゼがあり、赤は酸味や渋味が強く、白やロゼは適度な酸味や甘味があります。 ワインの作り方 赤はぶどうの果皮が黒・赤色のぶどうを果汁、果皮、種子を使って発酵させたものです。白は果皮が白(緑)色のぶどうの果汁だけを使って発酵させたものです。ロゼは赤ワインを作る途中で果皮と種子を取り除いたものです。 ワインの健康パワー 抗酸化力、抗菌力 ワインの健康パワーのカギは何と言っても「ポリフェノール」です。ポリフェノールとは植物が作る天然物質で、全部で10種類以上もあります。ワインの原料・ぶどうの場合、その皮に赤い色素のアントシアニン類、リスベラトロール、種子にカテキン類やタンニンなどが含まれています。赤ワインはぶどうの皮や種子も一緒に醸造するため、大量のポリフェノールを含んでいるのです。 ポリフェノールは抗酸化力が強く、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を抑え、心臓病を防ぐと言われています。 ポリフェノール効果で赤ワインばかりがクローズアップされていますが、白ワインには健康パワーは期待できないのでしょうか?確かに白ワインは赤ワインに比べてポリフェノール類は少ないのですが、実は大腸菌やサルモネラ菌に対する抗菌力が強く、殺菌効果という赤ワインにはない健康パワーを持っています。また有機酸の含有量も赤ワインより多く、大腸の腸内細菌のバランスを整えるのに役立っているのでし。赤でも白でも!お好きな方を、「ほどほどに」お召し上がりください。 カフェインは体にいいの?悪いの? カフェインとは、植物の葉、幹、種などに含まれる成分のこと。無色の針状結晶で熱湯に溶けやすく、苦味があります。私たちの身近な飲み物では、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、栄養ドリンクなどに含まれていますが、実は風邪薬をはじめいろいろな薬にも配合されているれっきとした医薬品でもあります。 カフェインの健康パワー 脳への覚醒作用、利尿作用 カフェインは大脳皮質を刺激して感覚や思考を高め、眠気を覚ます効果があることが知られています。また、摂取後数時間は、腎臓を刺激し尿の排泄を促す作用も。よく「食後の1杯」としてコーヒーが出されるのは、コーヒーに含まれるカフェインが胃酸の分泌を促し、胃内での食物の消化を助けるためです。 ただしカフェインを過剰に摂ると健康に害を及ぼしかねず、急性中毒症(神経過敏、興奮、睡眠障害、顔面紅潮、嘔吐などの胃腸症状など)を指摘する声もあります。また、カフェインによる胃酸の分泌促進作用のため、胃酸過多の人が空腹時に摂取すると胃を荒らすこともあります。 とはいえ、1日数杯程度ならもちろん大丈夫です。上手に摂ってリフレッシュに役立てましょう。 胃に悪い?お肌に悪い?コーヒー7つの誤解を解く 身近な飲み物のカフェイン含有量(可食部100g当たり) 玉露(抽出液) 0.16g 煎茶(抽出液)0.02g 番茶(抽出液)0.01g ウーロン茶(抽出液)0.02g 紅茶(抽出液)0.03g コーヒー(抽出液)0.06g 出典:「2002新食品成分表FOODS」一橋出版 公開日:2002年12月2日
人気を集めるメディカルハーブ。ですが、安易に服用すると、思わぬ副作用が出ることもあります。医薬品に近いものとして慎重に利用したいメディカルハーブの現状を紹介します。 目次 ハーブ=メディカルハーブ!? 薬との併用に「待った!」 メディカルハーブ 基本の注意事項 どう摂る?メディカルハーブのいろいろ ハーブ=メディカルハーブ!? 近頃よく聞く「メディカルハーブ」。「今までのハーブと何か違うの?」と疑問に感じたことはないだろうか。実は、似ているようで少し違う。辞書などを引くと、たいてい【ハーブ=香草、薬草】などと出ているが、メディカルハーブとは、言葉通り、ハーブの中でも薬効に注目した薬用植物のこと。 範囲も、シンプルに「薬用植物」というだけあって、幅広い。お料理やアロマテラピーにも使われるミント、ラベンダー、レモンバームといった欧米生まれのものから、高麗人参や葛根といった漢方薬に使われるもの、さらには昔から日本の民間療法として親しまれているヨモギや南天なども含まれる。その数、なんと世界で数千種類にものぼると言われている。 また、薬効も多彩だ。がんに効果があるとされるもの、血糖を下げるもの、風邪の症状をやわらげるものなどなど。なかには医師が処方してくれる薬と大差ないほど効果が強いものまである。このため、イギリスでは「ハーブ医学校」があり、卒業した人は医療ハーバリストとして活躍しているほどだ。また、ドイツでは、メディカルハーブのサプリメントの多くは医薬品として扱われている。つまり、メディカルハーブは、もはや医薬品に近いものなのだ。 こうしたメディカルハーブが日本でも人気を集めはじめたキッカケは、アメリカで医療費を抑えるために、メディカルハーブなどの栄養補助食品の効能が公表され、人々が積極的にセルフメディケーションに取り組みはじめたため。「病院に行くほどではないけれど、体調が芳しくない」といったときには、メディカルハーブから試してみよう!ということらしい。だが…。 薬との併用に「待った!」 平成12年、厚生労働省は、医療関係機関や医薬品製造メーカーに、異例の注意を指示した。 気分の落ち込みを緩和するハーブとして人気が高く、優れた抗うつ作用も認められているメディカルハーブ「セントジョンズワート」と、強心剤などを併用すると、薬の作用が弱まってしまうというのだ。 また、薬との併用を続けていた人が、急に併用を止めるのも危険。今度は薬が効き過ぎてしまう可能性があるのだ。 セントジョンズワートとの併用が危惧される主な薬 抗ウイルス剤 血液凝固剤 経口避妊薬 強心薬 抗てんかん薬 さらに平成14年には、国民生活センターが、イチョウの葉(ギンコウ)に、アレルギーを引き起こす物質が含まれていると発表。 イチョウの葉は、特に脳の血液循環を改善する作用が認められ、体内の活性酸素を除去するはたらきもあると注目を集めるハーブ。だが、これに含まれる「ギンコール酸」が、人によっては腹痛や湿疹、ひいては皮膚障害や消化器障害を招いてしまうのだ。 国民生活センターでは今後、特有成分の含有量や注意を表示するなどの改善点を各メーカーに要望していく、としている。 このように、メディカルハーブは、その薬効ゆえに、医薬品に近いもの。日本ではメディカルハーブのサプリメントは「食品」扱いとなっているが、私たちが普段の生活の中で利用する場合は、薬効はもちろん、禁忌・注意事項まで含めて正しい知識を持ち、くれぐれも慎重に取り入れたい。 メディカルハーブ 基本の注意事項 最初は少しずつ取り入れ、分量は多すぎないこと。 メディカルハーブによっては「妊娠中は服用禁止!」などの禁忌・注意があるので、必ず確認すること。 専門家の指示を受けない場合は、長期間の服用を避けること。 薬を服用中の人は、併用する前に必ず、医師に相談すること。 出典:「メディカル・ハーブ」ペネラピ・オディ著 中埜有理訳 河出書房新社 どう摂る?メディカルハーブのいろいろ メディカルハーブ=医薬品に近い、となると服用の仕方も薬のようにサプリメントが普通…というワケではない。それぞれの薬効と注意点がわかっていれば、ベランダで育てて生で摂ってもいいし、市販のハーブティーを利用してもいい。特に欧米のメディカルハーブには味や香りの良いものが多く、味覚的にも楽しめる点も魅力のひとつといえそうだ。ぜひ、一人ひとり自分の好みに合った利用法で、取り入れてみてほしい。 メリット:使う部位や使用法によって違う薬効を、まるごと利用できる。 例えばバーべイン(クマツヅラ)なら、お湯に浸して飲めば肝臓機能の回復に、生の葉をつぶして塗布すれば虫さされに、煮出して湿布にすればネンザや筋違いに効果的、といった具合だ。 利用時の注意:種類によって利用できる部位が異なるので、注意が必要。また、生で利用する場合は、農薬などが使われていないものを選ぶこと。育てるときも無農薬で。 メリット:長く保存ができ、お茶にしたり、湿布薬にしたりと、用途が広い。 利用時の注意:信頼のおけるハーブショップで、品質の良いものを選ぶこと。また、ショップで利用法を説明してもらい、無農薬のものなど、安心して服用できるものを選ぶこと。不安な場合は服用しない。 メリット:味や香りが良く、味覚的に楽しみながら服用できる。また、いつでも手軽に利用できる。 利用時の注意:一種類が入っているもの、複数をブレンドしているものと種類はさまざま。使われているメディカルハーブをよく確かめること。 メリット:いつでも手軽に利用できる。 利用時の注意:服用時の注意点などがキチンと表示された信頼できるメーカーのものを選ぶこと。 公開日:2003年1月27日
人気のメディカルハーブを中心に8種をピックアップ。それぞれの特長と、適応、摂り入れ方などを紹介します。 目次 人気のメディカルハーブ 身近にもある「和」なメディカルハーブ 人気のメディカルハーブ サプリメントでも人気のメディカルハーブを中心に5種類をピックアップ。自分の体調に合わせて、少しずつ利用してみたい。ただ、ここで紹介するのは、メディカルハーブの基本的な効能や適応。市販のティーバッグやサプリメントの場合は、他のハーブとブレンドされていることが多く、効能や適応が異なることも。購入時には、必ず注意事項などの表示も含めて、よく確かめてから利用しよう。 エキナセア キク科。アメリカ先住民が昔から風邪や歯痛、伝染病などの治療に使ってきたメディカルハーブ。現在、欧米で日常的によく利用されている。 和名=ムラサキバレンギク 別名=パープルコーンフラワー 効能:免疫系の強化、抗ウイルス、抗菌など 適応:インフルエンザ、膀胱炎といった感染症や炎症に 禁忌・注意:大量に摂ると吐き気やめまいなどを生じることがある。 ミルクシスル キク科。ヨーロッパで古くから、肝臓のはたらきを助けるハーブとして利用され、親しまれてきた。 和名=マリアアザミ、オオアザミ 効能:肝臓機能の回復・亢進 適応:アルコール性肝炎、ウイルス性肝炎、慢性肝炎、病中病後の免疫力低下などに 禁忌・注意:人によっては摂りはじめ軟便に。 バレリアン オミナエシ科。古代ギリシア時代から利用されてきた、神経を静めるハーブ。日本にも江戸時代に「蘭方薬」として渡来している。 和名=西洋カノコ草 効能:神経の鎮静、入眠作用など 適応:不眠症、神経過敏のときに 禁忌・注意:大量に摂ると頭痛、気持ちが落ち着かない、倦怠感が生じることがある。また、処方薬などを服用している場合は避けること。 ウッドベトニー 中世には邪気や毒気を払うお守りとしても使われたとか。アングロサクソン人が好んだハーブ。育てやすく、ハーブティーにしても味が良いので、ベランダなどで育てても。 和名=カッコウチョロギ 効能:神経の鎮静、消化促進など 適応:頭痛、神経の緊張や不眠症、肝臓の強化に。 禁忌・注意:妊娠中は避けること。 ローズマリー シソ科。香辛料としてよく知られるローズマリーは、優れた強壮薬。また、「心を陽気にするハーブ」としても親しまれている。 和名=マンネンロウ 効能:神経の刺激・強壮、血行の促進、肝臓機能の亢進、抗酸化作用など 適応:記憶力や集中力の低下、頭痛、疲れ、抑うつ、老化防止などに 禁忌・注意:重度の高血圧症の人は使用不可。また、妊娠中は多量に摂らないこと。 身近にもある「和」なメディカルハーブ 「欧米生まれのメディカルハーブには、まだ少し抵抗がある」「もっと身近なものからはじめたい」といった方には、私たちの暮らしに根づいたものがおすすめ。 ニンニク ユリ科。日頃のスタミナ源として、お料理にもよく使われるニンニクは、エジプトに端を発する立派なハーブ。最近では、がん予防に効果が期待できる食品としても注目を集めている。 英名=ガーリック 効能:コレステロール低下、抗菌、血糖値低下、胆汁分泌促進など 適応:循環器系の強壮、感染症、消化器の不調に 禁忌・注意:人によって胃があれることも。妊娠中や授乳期には大量に摂らないこと。 桑の葉 クワ科。血糖の上昇を抑えるとともに、血中の脂質濃度を下げるはたらきもある。また、便秘の解消や、色素沈着を抑えて肌を整える効果も。 英名=マルベリー 効能:糖吸収抑制、緩下、美白、抗コレステロールなど 適応:糖尿病、肥満、便秘、色素沈着の予防、高血圧 禁忌・注意:特になし。 キダチアロエ ユリ科。アメリカなどではアロエといえばアロエべラを指すようだが、日本ではキダチアロエが一般的。アロエは約4,000年前のエジプト時代から広く親しまれ、「医者いらず」などとも言われる。 効能:緩下、健胃、抗菌など 適応:便秘、胃腸の不調に 禁忌・注意:特になし。 公開日:2003年1月27日
「海のしずく」という意味をもつローズマリーは、料理のみならず健康や美容のためにも積極的に利用されてきた。若返りの水「ハンガリアンウォーター」のエピソードも紹介。 目次 「海のしずく」という意味をもつさわやかな香りのハーブ 若返りの水「ハンガリアンウォーター」で有名に 「海のしずく」という意味をもつさわやかな香りのハーブ ローズマリー(Rosemary) 学名:Rosmarinus officinalis 科名:シソ科 代表的な成分:1,8-シネオール a-ピネン カンファー カンフェン 地中海沿岸の地方を原産とするシソ科のハーブ「ローズマリー」は、繁殖力が強く丈夫な常緑低木であるため、家庭でも栽培しやすい。かつて、ヨーロッパではローズマリーの木を1本庭に植えておくと魔女除けになるといわれていたため、多くの家の庭先で栽培されていたという。ローズマリーの花は、学名「Rosmarinus」の由来とも関係している。Rosmarinusは「海のしずく」という意味をもつが、これはローズマリーが海岸沿いに多く見られ、つゆのような紫色の小さな花をつけることからつけられたのではないかと考えられている。 ローズマリーは、樟脳(しょうのう)のような刺激のある香りが特徴。西洋ではこの香りを活かした料理が多く、オリーブオイルやビネガーなどに漬け込んだり、肉料理の臭み消しや炒め料理、煮込み料理の風味づけなどにもよく利用されてきた。しかし、ローズマリーは料理だけに限らず、古くから健康や美容への効果が注目されている。 若返りの水「ハンガリアンウォーター」で有名に ローズマリーが有名になったきっかけとしては、14世紀のハンガリー女王 エリザベート1世に献上された痛み止めのチンキ(ハーブをアルコールで漬けたもの)、「ハンガリアンウォーター」のエピソードがある。このチンキの主成分がローズマリーだったのである。 当時、70歳を過ぎていた老齢の女王は、痛みのある持病に苦しんでいた(痛風か慢性関節リウマチだったのではないかと伝えられている)。そこで、献上されたこのハンガリアンウォーターを使用したところ痛みがすっとなくなり、健康を取り戻したといわれる。さらに、これをローションとして用いると肌の張りがよみがえり、隣国の20代のポーランド王子からプロポーズされるようになったとも伝えられている。このことから、ローズマリーは「若返りの水」とも呼ばれるようになったという。 公開日:2004年5月17日
今日、ローズマリーにはたくさんの健康・美容効果があることが明らかになり、幅広い用途で用いられている。その代表的なものをご紹介しよう。 目次 頭をすっきりさせる・神経を刺激する リウマチ痛・関節痛・痛風を改善する 胃腸の調子を改善する セキ・タンを鎮める 肌をひきしめる すぐれた抗酸化作用を持つ もっと料理にローズマリーを! 頭をすっきりさせる・神経を刺激する ローズマリーは刺激作用があることから、脳のはたらきを促してボーッとした頭をクリアにしたり、頭の混乱をすっきりさせたりする効果が知られている。そのほか、神経を刺激することにより、知覚神経、運動神経などさまざまな神経障害の回復にも効果があることがわかっている。 また、疲れた心を元気づけ、やる気や集中力を取り戻すはたらきもあるため、「心を陽気にするハーブ」とも呼ばれることもある。 リウマチ痛・関節痛・痛風を改善する 「ローズマリーってどんな植物?」のところで紹介したように、リウマチや関節痛、痛風などの痛み止めとしての効果は古くから知られている。湿布やぬり薬として用いられるなど、使い方はさまざま。 胃腸の調子を改善する 消化器系を刺激し、痛みを除去したり、たまったガスを排出する作用などもあるため、胃腸の調子を整え、胃痛や消化不良などにもよい効果があるとされる。また、消毒作用もあるため、腸内の感染症を抑え、下痢を解消する効果もある。 セキ・タンを鎮める ローズマリーには、ユーカリなどにも含まれる1,8-シネオール、またカンファー(樟脳)などの成分が多く含まれており、これらの成分がのどの炎症を抑え、セキやタンなど風邪の症状を解消してくれる。 肌をひきしめる 「ローズマリーってどんな植物?」のところで紹介したように、スキンケアにも有効。収れん作用(肌をひきしめる作用)があるために、とくに脂性肌のケアに向いている。ローションなどの形で用いられることが多い。 すぐれた抗酸化作用を持つ ローズマリーは、すぐれた抗酸化作用を持つことでも知られている。昔から、食品の保存や殺菌目的で使われているが、これは、ローズマリーの持つ高い抗酸化力が食品の変質を防ぐため。また、最近では、ローズマリーの抽出物の揮発成分にも抗酸化力があるとして注目されている。 ローズマリーの揮発成分にも抗酸化パワーあり! もっと料理にローズマリーを! 栽培のかんたんなローズマリーは、ガーデニングにも人気のハーブ。手間をかけなくても、大きな鉢や庭先に植えておけばどんどん繁殖する。気軽に摘み取って、料理に利用しよう。 利用量は、2人分に対して1~2枝が目安。ゆでたポテトと一緒にちぎった葉をバターで炒めると、かんたんなポテトソテーができあがり。また、フライパンでステーキを焼くときは枝ごと一緒に炒めれば、臭みが消える。煮込み料理にも枝ごと入れてOK。ローズマリーのすっきりした風味が料理のおいしさをグーンと引き立ててくれる。 公開日:2004年5月17日
ローズマリー抽出物の揮発成分を利用して、体内の活性酸素の害を予防する方法が注目されている。吸入によって健康を増進するメカニズムや、そのメリットについてご紹介。 目次 ローズマリーの揮発成分には活性酸素を抑制する効果が! 全身イキイキ、空気で抗酸化 ローズマリーの揮発成分には活性酸素を抑制する効果が! 体内で発生すると、細胞の脂質、たんぱく質、DNAなどを変質させ、細胞や組織の機能を低下させてしまう「活性酸素」。活性酸素の害に多くさらされると、各組織でがんが発生しやすくなったり、老化が早まることが知られている。長く健康に過ごすには、体内で活性酸素による害があらわれる前に、抗酸化物質を上手に取り入れたライフスタイルを心がてみてはいかがだろうか。 ところで、「抗酸化物質は食事やサプリメントから摂るもの」と思われる人も多いかもしれないが、空気中に抗酸化作用のある揮発成分を浮遊させ、取り込む方法もある。なかでも、最近注目を集めているのが「ローズマリー」抽出物の揮発成分なのだ。 ローズマリーには、「体にも心にも美容にも!ローズマリーのワイドな効果」で紹介した通り、すぐれた抗酸化作用も代表的なものとして知られる。天然のハーブであるローズマリーは安全で効果も高い。ローズマリーの抽出物を利用した食品やサプリメント、化粧品なども多く出回っているため、試したことのある方もいるだろう。一方、揮発成分の利用に関しては、これまではあまり注目されてこなかった。しかし最近では、すぐれた抗酸化作用を示すローズマリー抽出物の揮発成分を空気中に放出する空調機器などもある。 全身イキイキ、空気で抗酸化 空気中の揮発成分を利用することは、健康に関心のない人にもメリットを与えてくれるのがすぐれたポイントだといえる。なぜなら、家族の健康のために食生活の改善やライフスタイルの見直しを勧めても、本人にその気がなければなかなか続かないのが現実だ。しかし、「呼吸」という誰もが無意識に行う行為のなかで自然に抗酸化物質を取り込むことができれば、家族も本人も負担やストレスを感じることなく健康が管理できるだろう。また、抗酸化対策を含め、健康管理には、必要な栄養素を大量に摂取するのではなく、1日に必要な量を毎日継続して摂取することが大切である。空気を通じて健康を増進する方法は、毎日継続できるという点でますます注目されていくに違いない。 公開日:2004年5月17日
「薊」と書いてアザミ。英名Thistle(シスル)。あなたはこの花にどんなイメージを持っているだろう!?「トゲがある…」。そう、あまり深い印象がないのではないだろうか。アザミは植物の分類上ではキク科アザミ属というひとつの属を持ち、日本に約80種類、世界に約300種類の仲間を持つ植物。また、人との関わりも古く、旧約聖書にも登場しているというほど。そしてまた、日本でも世界でも、さまざまなカタチで利用されている。 目次 アザミを食べる アザミで癒す アザミで装う アザミは由緒正しいスコットランドの国花です! アザミを食べる キク科アザミ属で、日本に存在するのは約80種。アザミは属の名前なので、当然ながら、約80種のそれぞれは、○○アザミ、といった固有の名前を持っている。しかし、共通点がひとつ。そのほとんどが、昔から食べられてきたということ。 早春のアザミは、新芽の部分を茹でておひたしやみそ汁の具に、少し大きいものは葉を取り除き、茎の部分だけをアク抜きして油炒めにしたり、塩漬けにしたり。天ぷらにしてもおいしい。 さらに、アザミの根は漬け物として食べられ、市販もされている。しかし、「アザミの根」として堂々と出てはいない。実は、「ヤマゴボウ」の名で市販されている漬け物が、アザミの根の漬け物なのだ。ちなみに、本物のヤマゴボウの根は有毒で食べられないシロモノなのだとか。 欧米でも高級食材として活躍しているものがある。アーティチョークだ。ご存知の人も多いだろうが、アーティチョークは和名を「チョウセンアザミ」といい、これはカルドンという巨大アザミが原種とされる立派なアザミの仲間なのだ。 では、なぜ人々はアザミを食べてきたのだろう?ヨーロッパでは2000年以上前から、アザミの種子が肝臓や消化管の民間薬として使われており、現在では、ハーブのひとつとして楽しまれている。そして、最近では、アザミに含まれる「シマリン」に注目が集まっているのだ。 「健康に役立てる」~メディカルハーブとしてのアザミ アザミで癒す アザミはまた、民間薬としても利用されてきた歴史がある。日本では、利尿や健胃、さらには神経痛に良いとして、根を煎じて飲んでいたようだ。また葉の絞り汁は、腫れ物や湿疹ができたときの塗り薬に用いられてきたのに加え、ときには痔疾の塗り薬としても活用されていたとか。 漢方でもアザミは大薊(たいけい)などと呼ばれ、体の熱をさまし、止血する薬として利用されている。 アザミで装う 案外、知らない人も多いのではないだろうか?アザミはさまざまな衣料に活用されている。 日本の着物には江戸時代あたりからアザミが使われ、5~6月の季節感を楽しむ柄として愛されてきている。着物以外でも、身近な草花として、さらに素朴で力強く生命力にあふれた存在として、陶芸の絵柄や日本画の題材として多く取り上げられてきたのだ。 また、衣類の加工にもアザミは利用されている。特に上質の毛織物の表面をふんわり柔らかく起毛させるのには、今でもアザミの実が使われているという。そう、あなたの羊毛衣料も、実はアザミで起毛された一品かもしれないのだ。 アザミは由緒正しいスコットランドの国花です! ヨーロッパ大陸の西に位置するイギリス、正式名称「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」は、北アイルランド、イングランド、スコットランド、ウェールズの4つの国からなる連合国。 その一角をなすスコットランドの国花が「アザミ」だ。アザミがスコットランドの国花になったのは15世紀になってからとされるが、その由来となった伝説は古く、13世紀の話とされる。 ひそかにスコットランドに攻め込んだノルウェー軍の兵士が、アザミを踏み、その痛さに大声を上げてしまったために、スコットランド軍に気づかれ、不意討ちは失敗、スコットランド軍が勝利をおさめることができたといわれている。アザミの特徴ともいえる「トゲ」が、スコットランドを勝利に導いたのだ。 同じような勝利劇の話は、その以前にもあったといわれ、スコットランドは一度ならずアザミに国を救われ、アザミを国花にしたという。 公開日:2003年10月6日
数あるアザミの中でも今もっとも注目されているのがマリアアザミ。別名オオアザミ、ミルクシスルともいう。メディカルハーブとしてのマリアアザミに注目。肝臓が気になる人は必見だ。 目次 肝臓にはたらくマリアアザミ~シマリンに注目 抗酸化作用 肝臓へのはたらき 肝臓にはたらくマリアアザミ~シマリンに注目 アザミの中でも、今最も注目されているのが「マリアアザミ」だろう。マリアアザミは、別名オオアザミ、ミルクシスルなどとも呼ばれ、その種子はヨーロッパでは2000年以上も前から肝臓や胆嚢、脾臓、消化管の民間療法として、さらには母乳不足のときにも利用されてきた伝統あるハーブ。このハーブとしてのマリアアザミの効果は、現在、医学的にも実証されつつあり、期待を高めている。 マリアアザミの種子から抽出される有効成分は「シマリン」と呼ばれ、精製されたものは、ドイツで抗肝毒性薬として承認されたのをはじめ、現在ではフランス、イタリア、中国など、世界各地で医薬品として承認する国が増えてきている。 このマリアアザミから抽出されるシマリンには、肝臓を活性酸素による弊害から守るはたらきをはじめ、肝細胞を修復し、活性化させるはたらきもあるとして期待が高まっている。 抗酸化作用 シマリンのはたらきを簡単にいうと、肝細胞を包み込んで保護すること。つまり、肝細胞にバリアを張るのだ。これによって有害な活性酸素を無毒化し、肝細胞が傷つくのを防ぐとされている。このはたらきは動物実験でも実証され、人間の肝臓においても活性酸素の影響を抑えることができるものとして期待されている。 肝臓へのはたらき シマリンのもうひとつのはたらきとして注目されているのが、肝臓の機能を回復させること。傷ついた肝細胞の修復・再生を促すことで、肝臓のはたらきを改善させていく。つまり肝障害の治療にも役立つのではないかと期待されているのだ。 現在、さまざまな実験が行われ、少しずつ効果が実証されつつある。 ■アルコール性肝硬変 アルコール肝硬変の患者を対象にしたテストでは、シマリンを飲んだ群と、飲まなかった群では、あきらかにシマリンを飲んだ群において肝機能の向上が見られた。 ■慢性肝炎・肝硬変 慢性肝炎・肝硬変、それぞれの患者を対象に実験が行われ、シマリンを飲んだ群では肝機能の回復が見られた。 そのほか、向精神薬によって肝機能に影響が出ている患者に対しても、肝機能の改善が見られたという実験結果がある。 また、異色なところでは、シマリンは、毒きのこの解毒にも効果があるといわれる。ヨーロッパで猛毒として知られるタマゴテングタケは、きのこによる中毒死の90%以上を占めるという怖ろしい存在。 ほんのひと口食べただけで、急激な肝臓障害を引き起こし、激しい中毒症状があらわれるといわれる。しかし、シマリンを飲んでいると、肝細胞がシマリンのバリアで守られているため、中毒が起きることは少ないのだという。 また、毒が入り込んでしまった後でも、肝細胞を正常に回復させることができるとされ、ドイツでは毒きのこの緊急治療にシマリンの静脈注射が使われているとか。 こうしたことから、マリアアザミの種子から抽出されるシマリンは、肝臓を病気から守り、治癒させる両方の側面を併せ持つハーブとして高い期待を寄せられているのだ。 しかし、残念ながら現在のところ医学的には「効果が期待できる」という範囲にとどまっている。 公開日:2003年10月6日
肝臓のはたらきを改善してくれるというメディカルハーブ「マリアアザミ」。飲酒や喫煙の習慣がある人、ストレスがたまりがちで肝臓が気になる人は、こんなカタチでマリアアザミを利用してみてはいかが? 目次 マリアアザミの活用法 マリアアザミを育てる マリアアザミのサプリメントを利用する マリアアザミの活用法 医学的に実証されてはいないが、マリアアザミが肝臓によいらしいことは、ヨーロッパ2000年の歴史が物語っている。とくにその種子から抽出される「シマリン」には、期待が寄せられる。アルコールの飲み過ぎが気になる人、スレトスがたまっている人、そしてたばこがやめられないという人は、上手に利用してみたいもの。 「健康に役立てる」~メディカルハーブとしてのアザミ そこで、マリアアザミの活用法をご紹介しよう。マリアアザミは、ハーブの一種だけあって、庭で育てて楽しむことができる。また、最近ではマリアアザミのサプリメントも出回っているので、それを利用する方法もある。あなたは、どちらを利用する!? マリアアザミを育てる マリアアザミは、ヨーロッパなどでは道ばたに野生のものが自生しているくらいポピュラーなもの。当然、育てやすい。ただし、丈は1~2mにもなるので、ベランダで育てるのは少し難しいかもしれない。 育てるなら種を秋ごろに蒔けば2年生、春に蒔けば1年生で楽しめる。光沢のある葉に、聖母マリアに捧げるミルクがこぼれたという伝説のある白い斑点があるのが特徴。夏には美しい赤紫の花を咲かせるので、観賞用としても心安らぐ。 育てたマリアアザミをメディカルハーブとして利用する場合は、種子を粉砕し、3gの種子粉に熱湯を150ml注いで10~15分そのままにしてから飲む。1日3~4回、食前に飲むのがよいとされる。 自然の植物とはいえ、メディカルハーブとされるものは薬に準ずる性質を持つもの。飲む量や回数にはくれぐれも注意したい。 マリアアザミは、葉はサラダに、茎や根は調理に マリアアザミは、すべてが食用になる植物。ヨーロッパでは若葉をサラダなどによく使うが、葉と皮を取り除いた茎もアスパラガスのように食べることができる。また、花はアーティチョーク(チョウセンアザミ)と同じように、根はお漬け物などにして食べるとおいしいとか。育てるなら、こうした珍味も味わえそう。 マリアアザミのサプリメントを利用する 手軽にマリアアザミを摂る方法として、マリアアザミのサプリメントもおすすめだ。信頼できるメーカーやブランドのものを選んで利用してみよう。 サプリメントの場合は、シマリン換算で1日200~400mgが目安。一般的には、1日3回に分けて420mgを飲み、5~8日くらいで肝臓の障害状況を見る血中のGOTやGPTが下がってくるので、下がってきたら1日の量を減らして280mgくらいにするのがよいようだ。 マリアアザミは、長い歴史を持つだけに、大きな副作用などはない安心なハーブとされているが、一部では吐き気や下痢、消化不良、腹部の膨満感、また頭痛やかゆみ、発疹、不眠症などが出る場合もある。飲みはじめてから体調が思わしくないようなら、飲むのを止めて医師などに相談すること。 公開日:2003年10月6日
コンビニのお弁当や外食に偏ると、栄養不足になって頭痛を改善することができません。「頭痛持ち」のあなたは、普段から緑黄色野菜や大豆、乳製品を多く摂るように心がけましょう。反対に、身近な食品が頭痛を誘発することもあるのでご注意!また、ハーブを上手に使うことで頭痛の予防&改善もできるのです。 目次 食生活の改善こそ頭痛予防の王道! 意外な食べ物が頭痛の原因…あなたの頭痛に、これOK? ハーブの力で頭痛改善 おいしいハーブティーのいれ方 食生活の改善こそ頭痛予防の王道! 食生活とあなたの頭痛の深~い関係で説明したように、食事と頭痛は深い関係がある。ところが「平成12年度 国民栄養調査(厚生労働省)」によると、ほとんど毎日1回は外食を利用する人の割合が男女とも若い世代で多く、外食率の高い人ほど緑黄色野菜が足りない傾向にあるという結果が出ている。 外食の利用頻度 外食の利用頻度別に見た緑黄色野菜の摂取量 特に女性の緑黄色野菜の摂取量が少ないことが気になる。緑黄色野菜といえばビタミン類の宝庫。またマグネシウムは魚介類や大豆製品に多く含まれ、本来なら和食で補えるのだが、外食ではどうしても洋食メニューにかたよりがち…。こうした食生活では、自ら頭痛を招いているようなもの。バランスよく食べることを心がけ、頭痛を予防・改善しよう! 意外な食べ物が頭痛の原因…あなたの頭痛に、これOK? 食事はあなたの生活を楽しく、豊かにするもの。あれもこれも食べちゃダメ!となると日常生活がストレスだらけになってしまう。頭痛のタイプによって、OKとNGが別れてくるものもあるので、代表的なものだけでも覚えておくと便利かもしれない。 ただし、頭痛と食品の関係には個人差があるもの。NGとなっていても、いつも食べていて特に頭痛の引き金にならないものなら、もちろんあなたにとってはOKな食品なのだ。 片頭痛と緊張型頭痛のメカニズム 片頭痛は血管が拡張して痛む 緊張型頭痛は後頭部などの筋肉が収縮して痛む 頭痛と食品の関係 ●アルコール(特に赤ワイン) 片頭痛NG、緊張型頭痛OK これらに含まれている「チラミン」という成分には血管を拡張させる作用がある。 ●カフェイン 片頭痛OK 血管収縮作用があるが、多量に摂ると頭痛の原因になる場合も。そのほか、片頭痛のきっかけとなる可能性として「チョコレート」「熟成チーズ」「亜硝酸塩」「グルタミン酸ナトリウム」などがあげられる。 ハーブの力で頭痛改善 ハーブも頭痛改善の味方。「片頭痛持ち」のあなたは、血管収縮作用や鎮痛効果のあるものを選んでハーブティーにして飲んだり、お料理に使ってみてはいかが? 「緊張型頭痛」のあなたなら、筋肉の緊張を取り除くため、お風呂に浮かべてリラックスする方法もおすすめだ。 ●フィーバーフュー(ナツシロキク)カナダ・イギリス両政府により「片頭痛に有効」と認定されている。 ●ペパーミント消毒の効果のほか、消化・強壮にも。血管収縮作用があるため、片頭痛に。 ●イチョウイチョウ抽出物が片頭痛に有効であるといわれている。 ●ラベンダー殺菌・鎮静・鎮痛作用があり、頭痛をやわらげる。 ●ローズマリー生葉や乾燥葉が、殺菌や酸化防止、消化促進剤として用いられている。葉からとったお茶は鎮痛薬に。 ●シソ殺菌・解毒作用がある。ミントとシソを合わせたお茶は、頭痛をやわらげる。 ●カモミール鎮静、鎮痛、発汗作用があり、頭痛をやわらげる。 おいしいハーブティーのいれ方 ひとり当たりのハーブの分量…生なら5~6輪(枚)、乾燥させたものなら小さじ1杯を目安に。 あらかじめ温めた陶製または耐熱ガラスのポットに人数分のハーブを入れ、沸騰したお湯を注ぐ。 ふたをして5分ほど待つ。 温めておいたカップに注ぐ。香り高いハーブティーが楽しめる。 公開日:2002年11月11日