「群発頭痛」という病名を聞いたことがありますか?一定期間集中して痛みが続き、その激しい痛みに日常生活もままならないほどだといいます。少しでも快適な生活が送れるよう、医師の診察を受けることが必要です。 目次 知ってる?頭痛の一種「群発頭痛」 ここが違う!群発頭痛の特徴 ここが違う!群発頭痛の特徴 知ってる?頭痛の一種「群発頭痛」 群発頭痛という病名を聞いたことがあるでしょうか? 「群発」と名がつくのは群発地震のように、一定期間集中して痛みが襲ってくることに由来しています。おそろしい響きですが、実際に群発頭痛に悩む患者は、その激しい痛みに日常生活もままならないほどだといいます。 痛みは季節のさかいめに始まることが多く、ひとたび痛みがあらわれると毎日のように頭痛が起きます。しかも多くの患者で数週間~数ヵ月(たいていは2週間~2ヵ月程度とされる)痛みが続き、その後しばらく痛みのない期間が続いたかと思うと、半年以上の期間を置いてふたたび同じような頭痛の期間が繰り返されるといいます。 痛みがない期間、頭痛はウソのようにおさまってしまいます。しかし「また、いつあの痛みがやってくるのか」と患者は怯えながら日々を送っています。 ここが違う!群発頭痛の特徴 群発頭痛の特徴は、症状のあらわれる場所と、その痛みの激しさにあります。 まず痛みは、しばしば片方の目の奥や、上あごのあたりから頭にかけてあらわれやすいようです。そして多くの患者が「目がえぐられるような痛み」と表現するように、強い痛みをともなうといいます。痛みが強すぎて寝ることもできず、日中も痛みを紛らわすために動き回ってしまうほどといいますから、その強さのほどが分かります。 また、涙や目の充血、鼻水・鼻づまりといった症状があらわれるのも群発頭痛の特徴です。頭の同じ側に痛みがおきることが多いが、たまに逆側や、両側にあらわれるケースもあります。 群発頭痛という病名が知られていないため、頭痛といえば片頭痛などと誤解する人も多いのですが、これらの特徴的な症状から群発頭痛と診断することが可能です。 未解明の頭痛…少しでも快適に過ごすためにできることは? では群発頭痛は何が原因で引きおこされるのでしょうか? じつは群発頭痛のおこる原因について、詳しいことは分かっていないのが現状です。分かっているのは、同じ頭痛でも片頭痛が女性に多くみられるのに対し、群発頭痛は圧倒的に男性に多いということ。飲酒が引き金になるという報告もあるため、群発頭痛の経験のある人であれば、アルコールを控えた方が良いでしょう。 また、群発頭痛そのものの治療薬はありませんが、片頭痛と同じく頭を走る血管の拡張が痛みと関係していると考えられていることから、片頭痛の治療薬(おもにトリプタン系と呼ばれる薬)が用いられることが多いようです。 まだまだ解明されていない点が多いものの、群発頭痛の痛みは日常生活に大きな影響を及ぼします。少しでも快適な生活が送れるよう、医師の診察を受けることが必要です。 公開日:2008/05/19
「若年性認知症」その名の通り、若い年齢の人が発症する認知症のこと。ストレスが多く、生活が乱れがちな現代の日本では、若年性認知症になる人が増えているそう。もう、認知症は高齢者だけの病気ではなくなってきている。症状も様々で、早期発見が難しいこの病気。病気の前兆と症状を理解して、早めに予防と対策をしておきたい。 目次 認知症は高齢者だけの病気ではない 若年性認知症の原因とは 若年性認知症の治療と予防 もしも家族がかかってしまったら 認知症は高齢者だけの病気ではない 認知症は高齢者の病気――そんな誤解をしている人が多い。しかし、実は働き盛りの年代でも認知症になることがある。それが「若年性認知症」。18~64歳で発症する認知症の総称だ。旧厚生省の研究によれば、患者数は推計27,000~35,000人。現実にはその3倍以上におよぶとも言われている。 若年性認知症の原因とは 老人性認知症 アルツハイマー病、脳血管障害など 若年性認知症 アルツハイマー病、脳血管障害、脳腫瘍後遺症、頭部外傷、薬物・アルコール依存症、クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソン病、エイズ、ピック病など、背後にさまざまな病気が考えられる ここでは代表的なアルツハイマー病や脳血管障害のほか、対応方法においてとくに注意を要するピック病について説明しよう。 うつ病と間違いやすいアルツハイマー病 ●なぜ起こる? 脳に「老人班」と呼ばれるしみのようなものができて、引き起こされる。しみの正体は、「ベータ・たんぱく」という新種のたんぱく質からなる「アミロイド」という物質。これがどんどん溜まることで、脳細胞の機能が阻害されてしまうのだ。遺伝によるケースもあり、その場合、発症年齢は30~50歳くらいと言われている。 ●こんな兆候に注意! 初期は頭痛やめまい、不眠が見られる。さらに不安感、自発性の低下、抑うつ状態も。本人も気づかないことが多いうえに、うつ病と診断されやすいので厄介だ。ポイントになるのは「人格の平板化」。以前に比べて、頑固で、自分中心になり、他人への配慮がなくなった――と感じたら要注意!ひどい物忘れや、帰宅途中で迷子になるようなことがあれば、赤信号である。 生活習慣病が引き起こす脳血管障害 ●なぜ起こる? 脳梗塞により、血管が詰まったり、血流の量が減るなどして、脳細胞のはたらきが低下するために起こる。男性に多く、50~60歳で発病しやすい。 ●こんな兆候に注意! 「物忘れが多い」「計算ができない」などのサインは見逃せない。「まだらボケ」と言い、あることは忘れても、ほかのことはしっかり覚えていたりする。抑うつ症状のほか、喜怒哀楽が激しくなるなどの変化も。脳梗塞による運動機能の低下、言語障害をともなうケースもある。高血圧や脳卒中の経験がある人は注意が必要だ。 行動に異変があらわれるピック病 ●なぜ起こる? アーノルド・ピックが発見したのでこの名がある。脳細胞が萎縮し、近辺にピック小体という異常物質ができるために起こる。はじめはゆっくりと進行するので発見しにくい。平均発病年齢は54歳。早ければ20歳で発病することも!本人または家族にピック病や認知症の病歴があれば警戒が必要だ。 ●こんな兆候に注意! 「仕事ぶりがずさんになった」「約束を破る」など、人格の変化がポイントになる。不潔になったり、衣服の乱れを気にしなくなることも。アルツハイマー病に似ているが、違うのは行動上の異変が目立つ、不安感情がさほど見られないなどの点。このほか、「話しかけられた言葉を何でも繰り返す」「言葉を一切話せなくなる」などの言語障害も危険信号。 若年性認知症の治療と予防 治療法はさまざま 一口に「若年性認知症」と言っても、治療や対応法はまちまち。例えば「脳血管障害」なら、外科手術、薬物・運動療法によって症状はほとんど改善する。またアルツハイマー病でも、早期発見し、リハビリに努めれば回復の可能性もある。しかし、ピック病の場合は、残念ながら今のところ有効な治療手段はない。錯乱して暴れるなど、介護は危険をともなうので、在宅でのケアは難しい。感染症にかかりやすく、数年で死に至るケースもある。 若年性認知症は生活改善が予防のカギ きちんとした食事や睡眠、適度な運動を心がけるなど生活習慣を見直せば、発病の確率は減らせるはずだ。また、趣味や職場以外の社交場を持つなど、毎日を生き生きと暮らす工夫も大切。 認知症の予防に役立つといわれる食品 もしも家族がかかってしまったら もしも、家計を支える働き盛りの家族が認知症になってしまったら…。やはり経済的な問題や心理的ストレスはとても大きいものだろう。高齢者と違い、若いだけに体力もあるので、介護する側もエネルギーを消耗してしまう。 現在のところ、専門施設や情報の不足も深刻だ。とはいえ少しずつではあるが、助け合いの輪は生まれつつある。自分たちだけで抱え込まず、いざというときはSOSを。また、介護する側も息抜きを忘れずに。 ■関連記事 歩きにくい、ボンヤリしている…知っておきたいiNPHの特徴 なぜ増えている? 認知症ドクターインタビュー(1) 見過ごしていませんか?ご家族の軽度アルツハイマー型認知症 心と脳の病気、糖尿病は関わりが深く合併しやすい 公開日:2003年10月20日
「頭痛で病院に行くなんて」と思いがちですが、重大な病気があって頭痛が起こっていることもあるので注意が必要です。片頭痛や群発頭痛は薬物療法に頼るところが大きいものの、緊張型頭痛の場合は、体操やツボ療法などで痛みを和らげることができるようです。 目次 どんな頭痛で病院へ行くの?頭痛を伴う危険な病気 頭痛を和らげる方法 どんな頭痛で病院へ行くの?頭痛を伴う危険な病気 「頭痛くらいで病院なんか行ってられない!」という人が多い。しかし、なかには重大な病気があって頭痛が起こっている場合がある。その危険信号を見逃して、大変なことにならないよう、注意が必要だ。 こんな症状なら病院へ行こう! 突然、激しく痛む 早朝または朝方に起こる 今まで経験したことがないような痛み だんだんひどくなる めまいや吐気を伴う 長期間(1週間以上)続く ※頭痛を伴う危険な病気 くも膜下出血 脳出血 脳梗塞 脳腫瘍 慢性硬膜下血腫 側頭動脈炎 など 頭痛を和らげる方法 なにかの病気による頭痛の場合は、もとの病気が治ってしまえば頭痛も治るが、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などの「頭痛持ち」の頭痛の場合は、そう簡単にはいかない。特に、片頭痛は遺伝的要素が大きく関係しているため、完全に治すことは難しい。 そこで、「いかに頭痛が出にくいようにするか」「頭痛が出てしまったらどうするか」がポイントだ。 片頭痛や群発頭痛は薬物療法に頼るところが大きいが、緊張型頭痛の場合は、体操やツボ療法などでかなり痛みを和らげることができる。 体操 緊張型頭痛は、主に首の後ろ側の筋肉がこるのが原因。そこで、その筋肉の血流をよくして筋肉に溜まった老廃物を除去すると、頭痛が和らぐ。 さらに、緊張型頭痛を回避するために首の筋力をアップさせて簡単には「こり「が起こらないようにしよう。 こりをほぐす 緊張型頭痛に有効なツボは首の後ろにある。とくに頭痛、肩こり、目の疲れに効くツボは天柱。 後頭部の一番でっぱったところから指2本分ほど外側にある。中指が天柱のツボにあたるように、両手の4本指を置き、数分間4本指を動かす。 頭痛・肩こりに効くのはコレ! 公開日:2001年6月11日
いったん起こると1~2ヵ月の間、転げまわるような、すごい痛みを感じる群発頭痛。原因は不明な部分が多いようです。 目次 群発頭痛とは? なぜ群発頭痛が起こるの? 群発頭痛が起こったら? 群発頭痛とは? いったん起こると連日のように続く地震のことを「群発地震」というが、それと似たような頻度で起こる頭痛のことを群発頭痛という。 群発頭痛の特徴 いったん起こると1~2ヵ月の間、続く。1~2年に1回の割合で出現する 1回の痛みが1~2時間、1日に1~数回続く 片頭痛が女性に多いのに対し、20~30歳代の男性に多いタイプの頭痛である(男性の発生率は女性の5倍とも言われる) たいていは決まった側が痛む 転げまわるような痛さを感じる。とにかくじっとしていられない 涙や鼻汁が出たり、顔に汗をかいたりするが、痛みのある側にだけ出ることが多い 群発頭痛はなぜ起こる? 「頭の中をかきまわされたように痛い」「目玉をえぐり取られるような痛み」というほど、とにかくすごい痛みを感じる、この群発頭痛。なぜ、起こるのか、その原因は実はいまだ不明である。 しかし、群発頭痛も片頭痛と同様に、「血管性頭痛」であり、脈拍に一致した痛みがあることは分かっている。とくに内頸動脈(目の後ろにあり、脳を養う太い血管)が腫れて痛むためだと考えられている。 片頭痛と異なるのは、群発頭痛の場合は顔面が赤くなったり目の結膜が充血したり、瞳孔の小さくなったりする点だ。 また、群発頭痛と間違われやすいのは、三叉神経痛である。三叉神経痛とは、顔面や後頭部でビリッとする一瞬の痛みを繰り返すものだが、群発頭痛とは有効な薬も異なるため、ちゃんとした診断を受けておくことが大切だ。特徴は、三叉神経痛はちょっとでも触ると激痛が走るが、群発頭痛は痛みをこらえるために頭をかきむしったりぶつけたりすることがある点だ。 群発頭痛が起こったら? 群発頭痛は、なぜ起こるのか、そのメカニズムが不明な部分が多いため、完全な治療は難しい。しかし、起こった時には、酸素吸入が効果的である。 酸素吸入による治療法 群発頭痛が起きてしまったら、早い段階で酸素を吸入するのが効果的。酸素を多く吸うと、頭部の動脈が収縮して痛みが和らぐ。 純度100%の酸素を毎分7リットル、約10~15分吸入すること。いつどこで頭痛が起こるか分からない人は、携帯用の酸素缶も市販されているので常備したいが、1本には約5分間分の酸素しか入っていないので、1本では不十分だ。 薬物療法 薬による治療では、主に血管収縮作用のあるものが使われる。例えば、酒石酸エルゴタミンを主成分とした、カフェルゴット、クリアミンAといった薬品である。ただし、発作が起こってからでは効果が乏しいため、頭痛が出そうな1時間くらい前に飲むのがいい(毎日頭痛の出る時間は、だいたい決まっていることが多い)。 また、2000年春から使用可能となったスマトリプタンという皮下注射は、群発頭痛の発作にかなり効き目がある。 予防薬としては、副腎皮質ホルモン、カルシウム拮抗薬、リチウム療法などが代表的。リチウム療法は躁うつ病の治療に用いられるが、群発頭痛にもかなり有効的。いずれも市販薬ではないので、医師の診察を受け、処方してもらうこと。 日常生活での注意 群発頭痛は、飲酒後によく発症すると言われている。しかし、本当に飲酒と群発頭痛が関連しているのかは、はっきりと分かっていない。 発作が起こっている時期が過ぎてしまえば、お酒を飲んでも頭痛になることはないが、それでも発作がかなり激しい痛みであることを思えば、なるべく節酒したほうが望ましい。 公開日:2001年6月11日
頭痛の原因の約半分を占めるのが「緊張型頭痛」。首筋から頭部にかけてある筋肉が、なんらかの原因で緊張することが原因で起こります。頭痛の解消には、「こり」をうまく解消してあげることがポイントです。 目次 緊張型頭痛はなぜ起こる? 緊張型頭痛の特徴は? 緊張型頭痛の治療・予防法 緊張型頭痛はなぜ起こる? 頭痛の原因の約半分を占める緊張型頭痛。片頭痛が突然起こるのに対し、緊張型頭痛は、いつとはなしに始まり、だらだらと続く。いったい、どんな頭痛なのだろうか? 緊張型頭痛の原因 片頭痛が「血管性頭痛」であるのに対し、緊張型頭痛は「筋収縮性頭痛」とも言われるように、 首筋から頭部にかけてある筋肉が、なんらかの原因で緊張する(つまり「こり」)ことが原因で起こる ジワーッとした痛みやドーンとした痛み、重い痛みを感じる 疲れが出てくる午後以降に痛みが強くなりやすい 精神的・肉体的ストレスが大きく関係している パソコンをよく使うなどによる眼精疲労でも起こる 片頭痛に比べ、年齢が高くなってから起こりやすい 片頭痛と緊張型頭痛の現れる比率 出典:「危険な頭痛 気になる頭痛」鈴木一郎 主婦と生活社 緊張型頭痛の特徴は? 緊張型頭痛の場合は、ズキンズキンという脈を打つような痛みはない。その代わり、圧迫感のような痛みを感じる。よく、「孫悟空の金輪をはめられているカンジ」と例える人がいるそうだ。頭をぎゅーと締めつけられているような痛みである。 緊張型頭痛の特徴 ほとんどの場合、肩こりや首の筋のこりを伴っている 頭痛の持続時間は比較的長い 頭の両側に起こりやすい めまいや体のだるさを伴うこともある 片頭痛で見られるような嘔吐、目の前がチカチカする、などの症状は見られない 緊張型頭痛の治療・予防法 緊張型頭痛は悪循環に陥りやすい。肩がこってくると頭痛が起こり、そのせいで首をあまり動かさないため、ますます筋肉の血行不良になり、首の筋力も弱まる。すると、余計に筋肉が疲労を起こしやすくなり、頭痛を招くことになるのだ。 この悪循環を断ち切るためには、「こり」をうまく解消することがカギを握っている。 「こり」を解消する方法 ストレスを溜めこまない マッサージ、入浴などで血行を良くする 蒸しタオルで痛いところを温める。このとき、冷たい湿布は血管を収縮させてしまうため、逆効果になる 頭痛体操をする→頭が痛いときの解消法 ツボを押す→頭が痛いときの解消法 目が疲れてきたら、遠くを見つめて休憩する それでだめなら薬物療法もある。主な薬には、筋肉の緊張をほぐすものや、精神安定剤などでストレスを解消するものがある。いずれも医師に相談してから服用すること。 公開日:2001年6月11日
急な痛みが起こった場合の薬を使わずに痛みをやわらげる方法、その予防法をご紹介ます。 目次 急な痛みが起こったら? これで片頭痛を予防しよう! 片頭痛は薬での治療がほとんど 急な痛みが起こったら? 片頭痛が起こったからといって、すぐに薬を飲んでいてはあまり良くない。少なからず、薬には副作用があるし、頻繁に使えば使うほど効き目が弱くなって、使用量が多くなってしまうからだ。そこで、まずは薬を使わずに痛みをやわらげる方法を紹介しよう。 十分に睡眠を取ること。睡眠にまさる良薬はない。軽い片頭痛なら、これだけで治ることもある。 部屋は暗く静かにする。発作時は音や光に敏感になり、明るさを嫌う兆候がある。 痛むところを冷やす。冷やすことで、痛みの原因になっている血管の拡張がおさえられたり血管が収縮して痛みがやわらぐ。 コーヒーや緑茶などのカフェインを飲む。カフェインは血管収縮作用が著しく、市販薬の鎮痛剤にも含まれているほど。 痛いほうのこめかみの動脈を指で押さえる。痛みがある時はたいてい頭蓋骨と頭皮の間にある動脈が拡張しているためなので、それを収縮させればよい。ちなみに、頭部にある動脈は上眼窩動脈、浅側頭動脈、後頭動脈などがあるが、こめかみを走っているのは浅側頭動脈。 動脈を指で押さえる代わりに、ハチマキをするのも手。昔から梅干のタネをこめかみに貼るのも同じような効果があるためだ。 これで片頭痛を予防しよう! 片頭痛は起こりやすい人と起こりにくい人がいる。現在のところ、片頭痛を完璧に消し去るような特効薬はない。しかし、片頭痛持ちの人は、日常生活において注意すればかなり回避できる。もちろん、規則正しい生活をすることは言うまでもないが、そのほかの方法をご紹介しよう。 ●ストレスをためない 「ストレスは万病のもと」とも言うほど、さまざまな病気の原因となる。頭痛も例外ではないので、ストレスを溜めないようにすることは大切だ。 ●興奮しない 血管を拡張させるような行為はすべて片頭痛を起こすもと。例えば、興奮したり怒ったりすると血管が広がる。穏やかな気持ちで暮らそう。ほかには、炎天下にいたり、熱いお風呂に長くつかっていたり、運動をした後などは全身の血管が広がっている。 ●お酒の飲み過ぎに注意 アルコールも血管拡張作用があるため、頭痛の原因となる。とくに、赤ワインが最も片頭痛を起こしやすく、蒸留酒は起こしにくいと言われている。 ●食べ物で起こることもある! 日本人には比較的関係ないと思われるが、特定の食べものが片頭痛を引き起こすことがある。例えば、ハムやソーセージ類など練り製品に含まれる亜硝酸塩や、中華料理に使われるグルタミン酸ソーダなどは片頭痛を誘発すると言われている。そのため、「ホットドッグ頭痛」という言葉があるほど。また、チーズやチョコレートの食べ過ぎにも要注意。 薬での治療がほとんど 頭痛は市販薬だけでも優に100を超えるほどあり、どれを服用するかは悩むところ。月に10回以上、頭痛薬のお世話になる人なら、医師の指導のもとで服用するのが望ましい。 また、病院で治療を受けるとしても、現在の医療では薬による薬物療法がほとんど。ただし、完全に治すのは難しく、薬物治療として行われるのには、主に2つある。 頭痛が起こった時に、痛みを和らげるための薬物療法(頭痛抑制治療) そもそも頭痛を起こりにくくする薬物療法(頭痛予防治療) 頭痛時の治療薬 鎮痛薬、エルゴタミン製剤、スマトリプタン 予防のための治療薬 カルシウム拮抗薬、βブロッカー、抗うつ剤、鎮痛薬、抗セロトニン薬、エルゴタミン製剤、抗てんかん薬、漢方薬 市販薬の鎮痛剤を服用するときのポイントは、生あくびや目の前がチカチカするなどの前駆症状が出始めたら、早めに鎮痛薬を飲むこと。痛みがひどくなってからだと、鎮痛薬の効果がかんばしくなく吐気などがあって薬が飲めないことがある。 ただし、頭痛が起こりそうだからといって毎日のように服用していては、かえって悪影響を与えてしまう。難しいところだが、「鎮痛薬は早めに服用、でも乱用してはダメ」なのだ。 解熱鎮痛剤 アスピリン、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリンなど 公開日:2001年6月4日
頭痛の多くは片頭痛に当てはまると言われています。かなり激しい痛みのため、苦しんでいる人は少なくありません。一般に20代~50代の女性に多く見られるようです。 目次 片頭痛とは? なぜ片頭痛が起こるの? 片頭痛の前ぶれ(前駆症状)にご用心 片頭痛とは? 頭痛の多くはこの片頭痛に当てはまると言われている。かなり激しい痛みのため、苦しんでいる人は少なくない。 片頭痛の特徴 脈を打つようにズキンズキン、ガンガンとした痛みを伴う 別のなにかの病気があって頭痛が起こっているわけではない 発作的に起こり、生活に支障が出るほど激しく痛むこともある 一般に20代~50代の女性に多く見られ、60歳以上で軽くなる。4~5歳で発症することも たいてい左右どちらかが痛む 遺伝要素があり、血縁者に同じような頭痛持ちがいることがある なぜ片頭痛が起こるの? 片頭痛が起こるメカニズムは、はっきりと分かっているわけではない。しかし、血管が関係して頭痛が起こっている(血管性頭痛という)という説が有力なようだ。 それには、血管そのものに原因があるという「血管説」と、血管に指令を出している神経が原因であるとする「神経説」の2つの説がある。 血管説 ストレスやかぜなど、なんらかの原因で、血液中の血小板から多量のセロトニンと呼ばれる物質が放出されると、一時的に血管が収縮する。これが片頭痛の前兆を引き起こす。 さらに、血管収縮を引き起こしたセロトニンが減少していくと、逆に血管の緊張が解けて血管拡張が起こる。そして、拡張した部分は血管を引っ張るため、痛みが生じる、という説。心臓が鼓動するたびに血管の中の血圧が上下するため、脈と一致した痛みが起こるのだ。 神経説 ストレスなどが原因となって、脳から神経活動を命令する波が広がり、それが脳底に到達するとそこを流れる血管が刺激されて頭痛が起こる、という説。 片頭痛の前ぶれ(前駆症状)にご用心 片頭痛には、なんの前ぶれもなく起こるものと、なにか前兆があるものとがある。片頭痛患者のうち、約80%はなんらかの前ぶれ(前駆症状という)を感じているそうだ。例えば、 片頭痛の前ぶれ(前駆症状) 首筋や肩のこり 生あくび、めまい、眠気 閃輝暗点(せんきあんてん。目の前がまぶしくなったり星のようなものがちかちかと飛んでいるように見える現象) など。これ以外にも「それとなく分かる」と言う人も多いそう。前ぶれは、せいぜい30~60分ほど続いて片頭痛へと変わっていく。前ぶれを感じ出したら「くるか!?」と片頭痛対策をしよう。 公開日:2001年6月4日
「頭痛」とは頭が痛いこと。日本人の約1割がその頭痛に悩まされていると言われています。その頭痛を起こり方などで分類すると、種類は170種類以上あるようです。 目次 頭痛は病名? 頭痛にはどんな種類がある? 知っていますか?頭痛の種類はこんなにたくさん 頭痛は病名? 「頭痛」とは頭が痛いこと。なにかの原因によって頭痛が起こるときには、頭痛は症状名として使われる。でも、特になにかの原因がなくても頭が痛いことがあるが、この場合は頭痛は症状であるのと同時に、立派な病名でもある。 頭痛で悩んでいる人は日本人の約1割もいると言われているが、実際「頭が痛い」と感じても、市販薬を飲んでぐっとガマンしてしまう人が多いのではないだろうか。 確かに、頭痛の多くは命に危険のないものであるが、なかには重要な病気が潜んでいる場合があるので、甘くみることは禁物だ。 頭痛にはどんな種類がある? 頭痛は、大きく分けると「一次性頭痛」「二次性頭痛」の2つに大別することができる。 ●一次性頭痛:頭痛が起こる原因がはっきりせず、ときどき痛くなるもの ●二次性頭痛:なにか明らかな病気が原因となって頭痛が起こるもの これを、その起こり方などで分類すると、国際分類では170種類以上もあると言われている(国際分類とは、1988年にオールセン博士らによってまとめられた分類の仕方)。 そこまで細かい分類は、ちょっと難しすぎるので、もう少し大まかな分類をしてみよう。 知っていますか?頭痛の種類はこんなにたくさん 1 片頭痛 最も代表的な頭痛。ズキンズキンと脈を打つような痛みが特徴的。めまいや嘔吐を伴うこともある。前側頭部の片側に痛みがあることが多い。女性によくみられる。 2 緊張型頭痛 頭部を圧迫されるような、重く感じる痛みがある。わりとだらだらと続くことがある。肩こりを伴うことが多い。 3 群発頭痛 中年男性に多く見られ、片目のあたりがえぐられるような激痛がある。頭痛の持続時間は30~60分と短く、一度発症すると1~2ヵ月ほどの間、頻発する。 4 病気を伴わない、寒冷、運動などに伴う頭痛 冷たいものを食べた時やメガネなどで頭を圧迫したときに起こるような頭痛。激しい運動に伴う頭痛なども含まれる。 5 頭部外傷に伴う頭痛 頭を強く打ったり、むちうち症のあとに起こる頭痛。頭部打撲の場合は、最初は正常でも時間がたつにつれて頭痛や嘔吐が起こることがあり、頭の中で出血している可能性がある。 6 脳血管障害に伴う頭痛 くも膜下出血などによる頭痛。くも膜とは、脳を包んでいる薄い膜のこと。脳の表面への出血だと考えるといい。突然「バットで殴られたような」激痛で始まることが多い。ただし、出血が少ないと軽く済んでしまうが、再破裂すると致命的なので突然の頭痛には要注意。 7 脳血管障害以外の頭蓋内疾患による頭痛 脳腫瘍や髄膜炎などに伴う頭痛。脳腫瘍の特徴は、頭痛・嘔吐・うっ血乳頭(眼の底のむくみ)。髄膜炎は風邪から引き起こりやすく、発熱を伴う。 8 原因物質あるいはその離脱に伴う頭痛 頭痛を起こす原因物質には、アルコール、亜硝酸塩、グルタミン酸、一酸化炭素、カフェインなどがある。これらの物質を摂取したり、離脱するとき(二日酔いなど)に頭痛が起こる。 9 頭部以外の感染症に伴う頭痛 かぜや細菌感染症に伴う頭痛。外敵から身を守るための信号として、発熱や頭痛が起こるものなので、「体を休める」メッセージとしてとらえよう。 10 代謝障害に伴う頭痛 人ごみや高山などで酸素が不足したときなどに起こる頭痛。酸素を確保しようとして、血管が拡張するため、頭痛が起こる。睡眠時無呼吸症候群(寝ているときに息が止まる病気)でも、頭痛が起こることがある。 11 眼・耳・鼻・口腔疾患による頭痛 眼精疲労、遠視、乱視、副鼻腔疾患、顎関節症などに伴って顔面や頭に痛みが発症する。 12 頭部の神経痛 頭にある神経の痛みに伴う頭痛。とくに、頭の後ろにある後頭神経が締めつけられたり痛めつけられたりして起こることが多いが、その原因は緊張型頭痛からくることも。 13 分類できない頭痛 公開日:2001年6月11日
頭痛・肩こりに効くツボ、漢方薬を紹介します。 目次 頭痛・肩こりに効く!ツボ指圧 頭痛・肩こりに効く!漢方薬 頭痛・肩こりに効く!ツボ指圧 ■印堂(いんどう) 両眉の付け根と付け根の中間にあります。親指の腹でゆっくりていねいに10回ほど押しましょう。頭全体の痛みに効きます。 ■太陽(たいよう) 眉じりの外側と目じりの外側の中間あたりにあります。人差し指または親指の腹で、始めは少し弱めに、力を少しずつ加えて、最終的にはしっかりと押しましょう。目の疲れからくる頭痛によく効きます。 ■陽陵泉(ようりょうせん) ひざ関節の外側から下へさぐっていくと、小さな丸い骨の突起があります。この突起の外側の前面を親指幅分下がったくぼみがツボです。親指で10回ほど押します。突然ズキンズキンと脈打つような痛みが頭の片側におこる「片頭痛」によく効きます。 ■天柱(てんちゅう) 首の後ろ、髪の生えぎわにある、2本の太い筋肉の外側のくぼみです。両手で、頭を後ろから抱え込むようにし、親指でツボを刺激します。肩こりからくる頭痛や目の疲れにもよく効きます。 ■肩井(けんせい) 後ろ首の根もとと肩先の中間のところです。自分で押すのはちょっと難しいかもしれません。ツボ仲間にやってもらうときは、後ろに立って肩をつかむようにして、親指で強めにもみ押してもらうといいでしょう。肩こりの特効ツボです。 近くにある曲垣(きょくえん)、肩中ゆ(けんちゅうゆ)も指圧し、周囲を手のひらで押してなでるようにすると、さらに効果的です。 頭痛・肩こりに効く!漢方薬 タイプ 漢方薬 風邪によるもの 葛根湯(かっこんとう) 片頭痛や生理痛など、血液循環の悪さからくるもの 加味逍遥散(かみしょうようさん)桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 水分代謝の悪さからくるもの 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)五苓散(ごれいさん) 胃腸障害を伴うもの 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)黄連解毒湯(おうれんげどくとう)半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう) 精神的ストレスからくるもの 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)葛根湯(かっこんとう) ワンポイントアドバイス 風邪による頭痛は、熱いものを食べて汗をかくようにしましょう。水分代謝異常によるものは、水分をとりすぎないようにして、モチ米など小便の出を悪くする食べ物はひかえます。胃腸が熱をもっているときは香辛料や刺激物をひかえ、逆に冷えている場合は刺身や生野菜をひかえます。
認知症は大きく分けて2種類。脳の血管が詰まって起こる脳血管性認知症とアルツハイマーに代表される脳の変性による認知症です。原因は親しい人との死別、引越しなどによる精神的なものや、病気によるケースも。原因を早く突き止め、適切な治療を受けることが大切です。 (監修:多摩南部地域病院・副院長 和智明彦先生) 目次 認知症の7割はアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症 認知症のきっかけはさまざま 注目!改善する可能性のある認知症 認知症の7割はアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症 実際の認知症患者の7割はアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症に分けられる。 変性性認知症…アルツハイマー 脳の実質の変性により、神経細胞が脱落し、脳が萎縮して生じる。代表的な病気がアルツハイマー型認知症。アルツハイマー型認知症の場合、原因についてはまだ明らかではないが、危険因子についてはいくつかわかっている。 脳血管性認知症 脳梗塞や脳出血などによって脳の神経細胞に酸素や栄養が行き届かなくなり、障害が起こる。梗塞や出血の程度が大きければ一度の発作で認知症が生じるが、自覚症状がないような小さな発作を繰り返すうちに神経細胞が広範囲で傷つけられ、やがて認知症がおこる。脳梗塞、脳出血の原因となる脳動脈硬化をまず防ぐことが肝心。そのほか高血圧、高脂血症、糖尿病などいわゆる生活習慣病も危険因子に数えられる。 アルツハイマー病と脳血管性認知症 アルツハイマー病 脳血管性認知症 発症しやすいのは? 女性に多い男性に多い 進行状況は? なだらかに進行する発作などにあわせて階段状に進行する 神経症状は出るのか? 神経症状は少ないしびれやマヒ、動きの低下などを伴う 物忘れの自覚は? 物忘れの自覚は失われる初期は物忘れを自覚している 人格は? 人格が変わることもある人格は保たれやすい 画像診断でわかることは? 画像診断で脳の萎縮がわかる画像診断で梗塞などの病巣がわかる 認知症のきっかけはさまざま 認知症を発症したり悪化させたりする主な理由は、病気によるものと、心理的な動揺や喪失感などが考えられる。 病気が原因と考えられるもの 認知症の症状を招く病気はいくつかあり、なかには原因となる病気を治療することで認知症の症状も改善されるケースがある。先ずは原因を見つけて正しく対処することが肝心。 ●1 脳の変性によって起こる認知症 アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症*、パーキンソン病**など ●2 脳血管性認知症 大・中梗塞性認知症、出血性認知症など ●3 混合性認知症 1と2が合わさったもの ●4 感染性の病気による認知症 進行まひ、エイズ脳症、単純ヘルペス脳炎、脳梅毒など ●5 代謝性・内分泌性の病気による認知症 肝性脳症、低血糖性脳症、甲状腺機能低下症、ダウン症など ●6 外傷性の病気による認知症 外傷性脳挫傷・慢性硬膜下血腫、ボクサー脳症など ●7 その他 脳腫瘍、正常圧水頭症、一酸化炭素中毒など ●レビー小体型認知症*:レビー小体という特別の組織が神経細胞の中にたくさんできる。もの忘れで始まり、幻視や妄想を起こしやすく、早期に手足のこわばりや動作の鈍さが見られる。 ●パーキンソン病**:脳神経の障害と考えられ、手足や顔面の筋肉がある日突然、つっぱって硬くなり、手足が震え、動作が極めて鈍くなる。 不安定な心理状態などによるもの 認知症の発病や悪化には心理的な影響も大きく関わっている。親しい人との死別や、退職や引退、住み慣れた土地からの引越しなどによる生活環境の変化に対応しきれず、寂しさがつのったり戸惑いや不安が高じて認知症のきっかけとなるケースもある。そのほか、服用している薬の量が多すぎることで物忘れや注意力散漫、物覚えが悪くなるといった認知症に似た症状が出ることも。 注目!改善する可能性のある認知症 認知症の症状が出てくると「もう治らない」と諦めてしまいがちだが、以下の例のように改善する認知症もある。 ●慢性硬膜下血腫 頭を打った際血管が切れ、1~2週間かけてゆっくりと硬膜とくも膜の間に血液がたまる病気。たまった血液(血腫)が脳を圧迫して頭痛、吐き気、手足のマヒに続いて物忘れなどの認知症状が現れる。たまった血腫を手術で取り除くと認知症の症状が改善される。 ●甲状腺機能低下症 甲状腺疾患が原因で記憶障害や意欲の低下が見られる認知症。甲状腺ホルモンを服用することで改善される。 ●正常圧水頭症 頭蓋骨の中の脳脊髄液(のうせきずいえき)が何かの理由により流れが悪くなってたまり、脳を圧迫することで起こる。歩行障害や認知症の症状を表すが、最近では効果的な手術によって症状を改善させるケースも増え、注目が集まっている。近年、これまで考えられていたよりも、有病率が高いことが分かってきた。 公開日:2003年1月20日
コンビニのお弁当や外食に偏ると、栄養不足になって頭痛を改善することができません。「頭痛持ち」のあなたは、普段から緑黄色野菜や大豆、乳製品を多く摂るように心がけましょう。反対に、身近な食品が頭痛を誘発することもあるのでご注意!また、ハーブを上手に使うことで頭痛の予防&改善もできるのです。 目次 食生活の改善こそ頭痛予防の王道! 意外な食べ物が頭痛の原因…あなたの頭痛に、これOK? ハーブの力で頭痛改善 おいしいハーブティーのいれ方 食生活の改善こそ頭痛予防の王道! 食生活とあなたの頭痛の深~い関係で説明したように、食事と頭痛は深い関係がある。ところが「平成12年度 国民栄養調査(厚生労働省)」によると、ほとんど毎日1回は外食を利用する人の割合が男女とも若い世代で多く、外食率の高い人ほど緑黄色野菜が足りない傾向にあるという結果が出ている。 外食の利用頻度 外食の利用頻度別に見た緑黄色野菜の摂取量 特に女性の緑黄色野菜の摂取量が少ないことが気になる。緑黄色野菜といえばビタミン類の宝庫。またマグネシウムは魚介類や大豆製品に多く含まれ、本来なら和食で補えるのだが、外食ではどうしても洋食メニューにかたよりがち…。こうした食生活では、自ら頭痛を招いているようなもの。バランスよく食べることを心がけ、頭痛を予防・改善しよう! 意外な食べ物が頭痛の原因…あなたの頭痛に、これOK? 食事はあなたの生活を楽しく、豊かにするもの。あれもこれも食べちゃダメ!となると日常生活がストレスだらけになってしまう。頭痛のタイプによって、OKとNGが別れてくるものもあるので、代表的なものだけでも覚えておくと便利かもしれない。 ただし、頭痛と食品の関係には個人差があるもの。NGとなっていても、いつも食べていて特に頭痛の引き金にならないものなら、もちろんあなたにとってはOKな食品なのだ。 片頭痛と緊張型頭痛のメカニズム 片頭痛は血管が拡張して痛む 緊張型頭痛は後頭部などの筋肉が収縮して痛む 頭痛と食品の関係 ●アルコール(特に赤ワイン) 片頭痛NG、緊張型頭痛OK これらに含まれている「チラミン」という成分には血管を拡張させる作用がある。 ●カフェイン 片頭痛OK 血管収縮作用があるが、多量に摂ると頭痛の原因になる場合も。そのほか、片頭痛のきっかけとなる可能性として「チョコレート」「熟成チーズ」「亜硝酸塩」「グルタミン酸ナトリウム」などがあげられる。 ハーブの力で頭痛改善 ハーブも頭痛改善の味方。「片頭痛持ち」のあなたは、血管収縮作用や鎮痛効果のあるものを選んでハーブティーにして飲んだり、お料理に使ってみてはいかが? 「緊張型頭痛」のあなたなら、筋肉の緊張を取り除くため、お風呂に浮かべてリラックスする方法もおすすめだ。 ●フィーバーフュー(ナツシロキク)カナダ・イギリス両政府により「片頭痛に有効」と認定されている。 ●ペパーミント消毒の効果のほか、消化・強壮にも。血管収縮作用があるため、片頭痛に。 ●イチョウイチョウ抽出物が片頭痛に有効であるといわれている。 ●ラベンダー殺菌・鎮静・鎮痛作用があり、頭痛をやわらげる。 ●ローズマリー生葉や乾燥葉が、殺菌や酸化防止、消化促進剤として用いられている。葉からとったお茶は鎮痛薬に。 ●シソ殺菌・解毒作用がある。ミントとシソを合わせたお茶は、頭痛をやわらげる。 ●カモミール鎮静、鎮痛、発汗作用があり、頭痛をやわらげる。 おいしいハーブティーのいれ方 ひとり当たりのハーブの分量…生なら5~6輪(枚)、乾燥させたものなら小さじ1杯を目安に。 あらかじめ温めた陶製または耐熱ガラスのポットに人数分のハーブを入れ、沸騰したお湯を注ぐ。 ふたをして5分ほど待つ。 温めておいたカップに注ぐ。香り高いハーブティーが楽しめる。 公開日:2002年11月11日
「MBT」という言葉をご存知ですか?「分子治療」といって、頭痛を食事から改善しようという治療法です。ちょっと難しい言葉ですが、要するに頭痛は体のある物質が足りなくなったり機能が弱くなったりして起こるもの。それを食事で補おう!という考え方のことなのです。 目次 慢性頭痛…痛みの原因は毎日の生活に!? 食事から考える頭痛治療法「MBT」 頭痛の「標的分子・システム」と「攻撃物質・分子」 「頭痛持ち」なら、まんべんなく食べよう! 慢性頭痛…痛みの原因は毎日の生活に!? 日常生活でふいに訪れる頭痛。忙しいときや楽しみにしていた予定の前に痛み始めると、本当につらいもの。このように日常的に起こり、命に関わることのない頭痛を慢性頭痛(または機能性頭痛)と呼ぶ。主に頭の血管が拡張したり、頭周りの筋肉のコリによって引き起こされ、ズキズキしたり、締め付けられるように痛んだり、症状もさまざま。日本では成人の3人に1人が何かしらの「頭痛持ち」と言われているほどポピュラーなものだ。 慢性頭痛は大きく「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つに分類することができる。 あなたの頭痛のタイプはどれ? それぞれのタイプによって原因や対処法が違うので、自分の頭痛を正しく認識しておくことが大切。どの頭痛も、日常生活の中に原因を見つけることができるので、つらい痛みを改善するためには、自分の頭痛を誘発する要因を日常生活からできるだけ取り除くように心がけよう。 食事から考える頭痛治療法「MBT」 「MBT(Molecule-based therapy)」という言葉をご存知だろうか?鳥取大学臨床検査医学助教授・下村登規夫先生が提唱する「主に食生活から頭痛改善を図る方法」で、日本語に訳すと「分子に基づいた治療法」という意味になる。 頭痛の原因を分子レベルから捉えようという考え方で、その人の病歴や診察の記録、生活習慣を参考に、食事を含めた生活指導や投薬を行う治療概念だ。 MBTで用いる分子は、電解質・神経伝達物質・ビタミン・ミトコンドリアといった頭痛に関与するものを指している。足りなかったり機能が低下しているときに頭痛が引き起こされる分子を「標的分子・システム」と呼び、標的分子・システムを補ったり除去するものを「攻撃物質・分子」と呼ぶ。攻撃物質・分子は主に食品から摂取する。 頭痛の「標的分子・システム」と「攻撃物質・分子」 片頭痛の場合、「標的分子・システム」はセロトニン、交感神経系、ミトコンドリア、マグネシウム、ラジカルスカベンジャー(活性酸素の毒消しをする物質)の5つ。MBTではこの5つが足りなかったり機能が低下しているときに片頭痛が引き起こされるという考え方。 標的分子・システムを補ったり除去したりしてバランスを整える「攻撃物質・分子」はビタミンC・E・A・B群、マグネシウム、ラジカルスカベンジャー、トリプトファン(アミノ酸の一種で神経伝達物質・セロトニンをつくる材料)があげられる。食品ではないが、ウォーキングなどの歩行運動も交感神経を安定させる効果があると考えられている。基本的に緊張型頭痛や群発頭痛も片頭痛における「標的分子・システム」と「攻撃物質・分子」と同じ考え方である。 「頭痛持ち」なら、まんべんなく食べよう! では実際に攻撃物質・分子がどんな食品に多く含まれているかを見てみよう。頭痛持ちの人なら、これらの食品群をまんべんなく食べることが大切! 攻撃物質・分子 含有する食品群 ビタミンCいちご、じゃがいも、緑茶、みかん、緑黄色野菜 ビタミンE大豆、うなぎ、落花生 ビタミンAにんじん、ほうれん草、バター、チーズ、牛乳、卵黄 ビタミンB群豚肉、大豆、うなぎ、ゴマ、卵、緑黄色野菜 マグネシウムほうれん草、柿、大豆製品、魚介類 トリプトファン大豆製品、卵黄、牛乳、ゴマ 公開日:2002年11月11日
何気ない生活習慣のなかにも頭痛を引き起こす原因がいくつかあります。また、同じ行動でも頭痛タイプによって問題なかったり禁止だったり異なります。命にかかわる「怖い頭痛」についても知っておきましょう。 目次 気をつけて!こんなことが「頭痛」の原因 頭痛タイプ別、こんな場合どうする!? これも立派な頭痛…日常で出会う「プチ頭痛」たち 効果的な薬の飲み方&病院の行き方 気をつけて!こんなことが「頭痛」の原因 普段何気なく暮らしているさまざまなシーンにも頭痛の原因が潜んでいます。あなたのライフスタイルをもう一度見直してみませんか? ●バタバタしちゃってご飯抜き! 空腹は頭痛を起こしやすくすると考えられています。朝ご飯抜きは片頭痛のもとと覚えておきましょう。 ●パソコンに長時間向かうことが多い 同じ姿勢をとり続けることで、緊張型頭痛になりやすいようです。ときどきストレッチをしたり、遠くをながめたりしましょう。 ●人ごみの中によく出かける 騒音・香水やタバコの匂い、暑さ、強い光などで片頭痛を誘発しやすいようです。ショッピングなどは混雑を避けるようにしましょう。また、空腹も影響するので出先でも食事はきちんととること。 ●寝不足&寝過ぎ 片頭痛が起こりやすいようです。ウィークエンドなどに限ってズキンズキンと痛み出す「週末頭痛」の原因のひとつでもあります。 ●眼の使いすぎ、眼鏡があわない 眼の周りの筋肉に余計なストレスをかけてしまうと緊張型頭痛の原因にもなります。目の酷使などにも気をつけるようにしましょう。 頭痛タイプ別、こんな場合どうする!? 頭痛のタイプによって、同じシーンでも「OK」と「NG」に分かれることもあります。知っておけば頭痛を悪化させず、早く改善させることができます。 緊張型頭痛 お風呂 OK 血行がよくなって、筋肉のコリがとれれば頭痛もラクになります。 お酒 OK 血行がよくなるため、痛みも軽減します。 マッサージ OK 後頭部から肩にかけてマッサージするとラクになるようです。 カラオケ OK ストレス発散が頭痛解消につながります。 片頭痛 お風呂 NG 血管が拡張してしまい、痛みが増してしまいます。痛みがおこりそうな時はさっとシャワーで済ませて早めに寝てしまいましょう。 お酒 NG 血管が拡張してしまうので、体調の悪いときはなるべく控えましょう。特に赤ワインやポートワインは頭痛を起こしやすいと言われています。自分の体に合う飲み物と適量を知っておきましょう。 マッサージ OK こめかみをマッサージするとラクになるようです。 カラオケ NG 騒音や汚れた空気は片頭痛のもとになります。 群発頭痛 お風呂 NG 痛みが起こる時期には長湯が痛みの引き金になることがあります。 お酒 NG 群発期(痛みがある間)は絶対禁酒です!群発期を過ぎれば飲んでも問題ありません。 これも立派な頭痛…日常で出会う「プチ頭痛」たち 「慢性頭痛」とまではいかないけれど、日々の暮らしの中で起こるちょっとした頭痛。あなたも心当たりはありませんか? ●運動したとき 水泳、テニスなど激しい運動をしたときに頭痛が起こることがあります。準備運動をきちんとすること、痛みが数時間続く場合は鎮痛薬を飲むとよいでしょう。はじめて起こった場合や激しい痛みのときは念のため専門医の受診を。 ●かき氷を食べているとき 別名「アイスクリーム頭痛」。冷たい!という口の中の刺激は三叉神経を伝って脳に伝達されるが、前頭部に痛みがあると間違えて伝達されてしまったため起こると考えられています。まったく無害なのでご安心を。 ●飛行機の離着陸とき 飛行機の下降時に副鼻腔の圧の変化が起こり、痛みが発生します。また離着陸のときの鼓膜にかかる圧の変化で耳が痛み、頭痛が起こることもあります。この症状が強い場合は一度耳鼻科の診察を受けることをおすすめします。 ●お酒を飲んだ後 二日酔いで頭が痛い場合、脱水や低血糖、アルコールの分解成分・アセトアルデヒドなどの作用によって頭痛が起こると考えられていますが詳細は不明です。こうした頭痛の場合、電解質やビタミンが含まれた飲み物を多く摂ることをおすすめします。鎮痛薬を枕もとに用意しておくことと、カフェインがある程度効果があるのでお茶やコーヒーを飲むのもよいでしょう。ただし飲みすぎて胃が荒れないように注意してください。 効果的な薬の飲み方&病院の行き方 薬をいつ飲む? 痛みをやわらげるためには薬の飲み方にもコツがあります。痛み始めたら早めに鎮痛薬(市販のものでOK)を飲むのがポイント。鎮痛薬が効かないという人は、飲むタイミングが遅すぎる場合が多いようです。 病院にいつ行く? あなたが頭痛持ちなら、一度「頭痛外来」を訪れてみてはいかがでしょうか?最近は頭痛を専門に扱う頭痛外来を設けている病院も増えています。頭痛外来では痛みの診断や頭痛の種類にあわせた治療をきちんとしてくれますので、鎮痛剤だけ渡されて帰されてしまうということもありません。 また、バットで殴られたような突然の痛みや言語障害、発熱、痙攣などを伴ういつもと違う急激な頭痛のときは大至急、脳神経外科・神経内科に行くこと。くも膜下出血や脳出血、髄膜炎の恐れもある「怖い頭痛」の可能性が高いからです。命にかかわる「怖い頭痛」のサイン、絶対に見落とさないようにしましょう。 公開日:2002/07/08更新日:2018/04/16
あなたを悩ますしつこい頭痛。慢性頭痛には「緊張型頭痛」「片頭痛型」「群発頭痛」の3つのタイプがあり、それぞれ原因や対処法が違います。思い込みや自己流ケアでは悪化させてしまうことも…。まずは頭痛の症状からあなたの頭痛タイプをチェックして治療に役立てましょう。 目次 「頭痛」って、本当はどこが痛いの? まずは頭痛のタイプを知ろう!頭痛チェック 最も多いタイプの頭痛「緊張型頭痛」とは 特に女性に多い頭痛「片頭痛」とは 20~40代男性に多い「群発頭痛」とは 頭痛持ちには多い「混合型頭痛」とは コラム:頭を打ったときは注意して!「慢性硬膜下血腫」とは 「頭痛」って、本当はどこが痛いの? 「頭が痛い」…。頭痛は万人が体験したことのある最もポピュラーな痛みのひとつです。それでは、質問。頭痛のとき、本当は頭のどこが痛んでいるのでしょうか? 脳細胞?頭の血管?頭周りの筋肉? 答えは「頭の血管」と「頭周りの筋肉」。脳みそが痛んでいるように感じますが、本来、脳細胞そのものは針でつついても痛みを感じることはありません。ふだん経験する頭痛の多くは頭の血管が拡張したり筋肉が緊張することによって起こると考えられています。 まずは頭痛のタイプを知ろう!頭痛チェック あなたを悩ますしつこい頭痛。慢性頭痛には3つのタイプがあり、それぞれ原因や対処法が違います。思い込みや自己流ケアでは悪化させてしまうことも…。 まずは頭痛の症状からあなたの頭痛タイプをチェックしてみましょう! 頭痛チェック ■締め付けられる・圧迫されるような重い痛み ■頭の両側が痛む ■ストレスや細かい仕事の後などに起こる ■痛む部分をマッサージするとラクになる ■ストレッチをしたり、お風呂にはいったりするとラクになる ■毎日うっとうしいが寝こむほどではない ■ズッキンズッキンと痛む ■頭の片側が痛むことが多い ■動くと痛みが増す ■吐き気がしたり、光や音をわずらわしく感じる ■頭痛の前にキラキラしたものが見えたり、視野がぼやける ■痛みは数時間から3日間ほど続く ■非常に激しい、えぐられるような痛み ■片側(常に同じ側)の目の奥が痛む ■夜、痛みで目が覚める ■涙が出たり、目の充血を伴う ■痛みは30分から2時間ほど続く ■1~2ヵ月の間、毎日のように痛み、それが終わるとなんともなくなる ■: ■: ■: 診断 ■が多い… 緊張型頭痛 ■が多い… 片頭痛 ■が多い… 群発頭痛 ■と■がほぼ同数… 混合型頭痛 監修:北里大学医学部内科学講師医学博士 五十嵐久佳 先生 最も多いタイプの頭痛「緊張型頭痛」とは 重苦しい感じがダラダラ続く最も多いタイプの頭痛です。デスクワークなどのうつむき姿勢を続けたときや長時間パソコンに向かって仕事をしたとき、ストレスがかかったときなどに起こるのが代表的なパターンのようです。 症状 頭を締め付けられるような痛み。ダラダラと長時間続くことが多いようです。 原因 頭や首、肩の筋肉のこり。身体的・精神的ストレス。 対処法 首すじや頭周りの筋肉の緊張をほぐすことがまず第一。首や肩を温めると血行がよくなるので効果的です。休憩する、ストレッチするのもよいでしょう。 筋肉のこりが強くてつらいときには我慢せずに市販の痛み止めを飲むと効果的です。 特に女性に多い頭痛「片頭痛」とは こめかみの辺りがズッキンズッキンと痛んだり、吐き気を伴うことがあり、特に女性に多い頭痛です。脳の血管が拡張し、周りの神経を刺激するために起こると考えられています。 症状 ズッキンズッキンと脈打つように痛むことが多く、吐き気がしたりひどいときは吐いてしまったりします。頭痛の前に目がチカチカする、視野がぼやけるなどの前兆がみられることがあります。 原因 遺伝子が関係していると考えられていますが詳細は不明です。誘因としてストレスからの解放、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下(特に生理の前など)があります。 天候(気圧の変化や、季節の変わり目、快晴、急激な気温差のある日)、寝すぎ、寝不足、騒音、光、匂い、人ごみなども関係するようです。 対処法 とにかく早めに薬を飲んで寝てしまうのがいちばんです。 ・おでこを冷やす、こめかみを押さえます。 ・コーヒー・緑茶を飲みます(カフェインには血管を収縮させて頭痛を抑える効果があります)。ただし、たくさん飲むと眠れなくなって逆効果のこともあるので注意しましょう。 ・ふだんからマグネシウム・ビタミンB2を多く摂ると予防効果が期待できます(ひじき、昆布、レバー、納豆などがおすすめの食材)。 ・頭痛がひどくならないうちに鎮痛薬を飲みます。 20~40代男性に多い「群発頭痛」とは 片側の目の奥の激しい痛みが特徴。真夜中眠っているときなどに痛みで目がさめることが多く、いったん起こると群発地震のように1~2ヵ月間、ほぼ毎日起こることから名づけられています。20~40代男性に多く見られるようです。 症状 片目の奥を中心に激しく痛みます。涙や鼻水が出ます。痛みは30分~2時間ほど続きます。 原因 内頸動脈(目の後ろにある血管)が拡張するためと言われているが、よくわかっていません。 対処法 頭痛が起こる時間帯が決まっていたら、前もって薬を飲んでおきましょう(市販薬では効果がないため、医師に相談してください)。 群発期(毎日痛みが起こる時期)にはアルコールは頭痛を誘発するため禁酒しましょう。昼寝や長湯も頭痛を誘発することがあるので避けるほうがよいです。 自己コントロールは無理なので、ぜひ、頭痛外来、神経内科へ。 頭痛持ちには多い「混合型頭痛」とは 「緊張型頭痛」と「片頭痛」の両方の症状を併せ持つタイプです。頭痛持ちにはこのタイプが多いとも言われています。 症状 普段は頭が重く、時々ズキンズキンと強く痛みます。薬の飲み過ぎで毎日頭痛が起こってくることがあります。 対処法 「緊張型頭痛」「片頭痛」それぞれの症状のときに、それに応じた対処をすることです。つい頭痛薬を飲む機会が増えてしまいそうですが、くれぐれも薬を飲み過ぎないこと(週2回まで)。それ以上飲むとさらに頭痛を悪化させてしまうことがあります。 コラム:頭を打ったときは注意して!「慢性硬膜下血腫」とは 頭を打った直後ではなく数週間から数ヵ月後に頭痛が始まり、続くようになる「慢性硬膜下血腫」という病気があります。 「慢性硬膜下血腫」は、転倒など頭への軽い打撲が引き金となり、硬膜下で出血が起こり、じわじわと溜まって血腫となるものです。その血腫が大きくなり脳が圧迫されるにつれて、さまざまな症状が起こります。なお、頭を打ってなくてもおこることがあります(酔ったときなど、頭を打ったことを覚えていない場合もあるようです)。 症状 頭を打った直後はとくに症状がみられませんが、その数週間から数ヵ月後に、頭痛や嘔吐、麻痺、しびれ、うまく言葉が話せない、元気がなくなった(意欲・活動性の低下)などがみられます。 対処法 一般的に手術をすれば治ります。 気付かずに放置してしまうと、後遺症が残ってしまうケースもあるため、頭を打った前後で少しでも違う症状があるようであれば、受診しましょう。 気をつけて!こんなことが「頭痛」の原因 公開日:2002/07/08更新日:2018/05/14
神経細胞のネットワークが脳のはたらきの根源 大脳半球の表面は、厚さ2~5mmほどの灰白質の層で、大脳皮質と呼ばれます。その内部はミエリン鞘という脂肪性物質に包まれた特有の神経細胞が集まった髄質(白質)です。大脳皮質には140億個もの神経細胞があり、神経系の最上位の中枢としての活動を営んでいます。 体が感じるあらゆる感覚は大脳から発せられます。思考、判断、記憶、創造、感情など人間らしい精神活動はすべてここで行われています。 大脳皮質は部位によって特定の機能を持っています。左右の大脳半球は、それぞれ体の反対側をコントロールします。ちなみに、右きき、左ききというのは、左右の大脳半球の一方を偏って使うために起こる現象です。 一つの神経細胞をニューロンといい、ニューロン同士が接触する場所をシナプスといいます。シナプスを越えてニューロンからニューロンへ神経伝達物質により信号が伝達されます。この神経細胞のネットワークが脳のはたらきの根源です。 ニューロンがシナプスを作るために伸ばす突起の長さは約15km。大脳皮質全体には100億以上のニューロンがあるので、ニューロンの突起の総延長はなんと1500万kmにもなります。
脳は女性より男性が4%ほど重い脳は神経系の中で最も複雑なところです。体の中で一番重い臓器で、総重量は成人男性約1400g、成人女性約1350gです。 男性が4%ほど重いのは、別に男性の方が優れているからではなく、単に体格が大きいからです。 脳は18~19歳で完成し、20~40歳で最も重くなり、60歳くらいからは減少するといわれます。 脳は大脳、小脳、脳幹の3つに分かれる脳は頭蓋骨の中にあり、大きく大脳、小脳、脳幹の3つの部分から構成されています。 大脳は脳の大部分(約80%)を占めます。卵形をしていて、大脳縦裂により左右2つの大脳半球に分かれています。両半球は中心部の脳りょうでたくさんの神経繊維により結ばれています。 小脳は大脳の下に膨らんでいる部分で、体の平行機能と運動機能をつかさどります。 大脳半球とせき髄を結ぶ熱帯魚のグッピーの形に似た部分が脳幹で、呼吸や心臓活動、血圧、体温などを維持する生命中枢です。
脳の脱水症状 二日酔いの時に起こる割れるような頭痛は、アルコールの浸透圧によって脳の中の細胞に含まれている水分が失われるために起こります。マウスを使った実験では60%も水分が失われるということも分かっています。 ですから、お酒をたくさん飲んだ翌朝は、脳はしわしわに縮んでしまっています。この脱水症状は水分の補給によって回復します。 ところが、大量のお酒を毎日飲んでいますと、飲んでいない人よりも脳委縮を起こす可能性が高くなります。そして、この委縮は意志や判断をつかさどっている前頭葉でよく見られるのです。 ぼけの原因にも アルコール依存症では、意志が弱くて根気がなく、その場任せでモラルに乏しく、判断力が欠けているような人が多く見られます。これは脳が委縮している影響かもしれません。 これらの脳の委縮が記憶にかかわる脳幹の乳頭部に及ぶと、コルサコフ症候群という特殊なぼけが起こります。 最近の研究で、お酒を止めると委縮した脳が、元に戻ることがあることが分かってきました。つまり、早い時期にお酒を止めることが大切です。また、委縮した脳が回復するのは比較的若い年齢の人に多いようです。さらに、男性よりも女性の方が回復することが多いといわれています。
高血圧が引き起こす脳の合併症 高血圧による脳の合併症として、脳卒中が発生することがある。 脳卒中とは、脳内の動脈に動脈硬化が発生し、破れて出血したり、詰まったりするというような障害が生じた状態を指す。 障害が生じた部位に関係する脳のはたらきの欠損や低下が起きることで、さまざまな症状が現れる。 脳卒中には、脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、可逆性虚血性神経障害(RIND)、脳出血、くも膜下出血、高血圧性脳症などがある。 認知症の原因になることも 高血圧によって、脳の血管に梗塞などの障害が生じると、認知症が引き起こされることもある。脳血管性認知症というタイプで、アルツハイマー型、レビー小体型とともに「三大認知症」と呼ばれることもある。