夏はキャンプやバーベキューなど野外での食事が多くなり、それと同時に集団食中毒が発生しやすい季節。調理方法や加熱の時間、調理器具の利用時の注意点などをしっかり守れば食中毒は防げます。正しい知識を学びましょう。 目次 夏のアウトドアは特に注意!食中毒の集団発生 ウシやヒツジには無害な細菌でも、ヒトの身体に入ると… 屋外での調理や食事による食中毒を防ぐには? 夏のアウトドアは特に注意!食中毒の集団発生 キャンプやハイキングなど、アウトドアの絶好のシーズンである夏は、バーベキューのような屋外での食事が多くなります。たとえ山や海へ出かけなくとも、夏祭の縁日で、焼きそばや焼きとうもろこしなどを食べる人は多いでしょう。 そこで気になるのが、食中毒の問題。夏に発生しやすいのは家庭内でも同じですが、屋外では多くの人が同じ料理を食べるため、集団発生となりやすくなります。その結果、残念ながら毎年のように、大きなニュースとして報じられています。 ウシやヒツジには無害な細菌でも、ヒトの身体に入ると… 食中毒を引き起こす病原微生物の細菌類にとって、増殖するのに適した環境だと言えるのが、動物の体温と同じくらいの気温と、じっとりとした高い湿度です。高温多湿の日本の夏は、この条件をちょうど満たしているため、食中毒が起きやすくなります。 細菌類の中でも要注意なのが、O-157やO-111などの腸管出血性大腸菌です。ウシやヒツジの大腸内では害を及ぼさず、ごく普通に存在している細菌ですが、いったんヒトの体に入ると腸管壁に付着し、ヒトにとっては有害なベロ毒素を作り出して、嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。 さらに、腸管出血性大腸菌が血管の中に入り込むと、腎臓で毛細血管内皮細胞や赤血球の破壊、溶血、急性腎不全が引き起こされ、体内の老廃物を排泄できなくなる「溶血性尿毒素症候群」を発症することがあります。 屋外での調理や食事による食中毒を防ぐには? 肉類などの生ものは、病原微生物が付着し、繁殖しやすいうえに、温度や清潔さを保つことが難しいです。しかし、病原微生物を食物に付着させない・増やさない・殺すという基本をおさえていれば、屋外で調理や食事をする場面でも、少しの気づかいで食中毒を予防できます。 屋外での食中毒を予防する方法 ●手や調理器具は、洗浄やアルコール消毒などで清潔に保つ 石鹸や洗浄剤でこまめにしっかりと洗う必要があるため、調理や食事の際は、清潔な水場が近くにあることが望ましいです。 ●生の食品と加熱済みの食品とを分ける 生の肉や魚介類と、すでに加熱してある食品とは、準備や調理のときだけでなく、購入や移動の段階から、容器や調理器具を分けます。 ●しっかりと加熱する 汁物は沸騰するまで、肉や魚介類は肉汁などが透明になってから1分以上を目安に加熱します。 ●安全な温度に保つ 作り置きはせず常温で2時間以上放置しない、保冷バックや冷却剤で冷却保存(厳密には5度以下)するなどを心がけます。 ●安全な食材と水を使う 新鮮な食材と清潔な水を、消費期限を必ず守って使用します。 ●自分で調理しない場合も油断は禁物 縁日で買ったものはその場ですぐ食べ、屋台は食材をしっかり管理している清潔な店を選ぶようにします。 食中毒になってしまった場合、治療に抗生物質が用いられることがあります。抗生物質には、細菌類の細胞壁を破壊し、増殖を抑える効果がありますが、種類によっては効かない細菌もあります。腸管出血性大腸菌などの場合、体内である程度増殖した状態で抗生物質を内服すると、細菌自体が破壊され、このときに大量のベロ毒素が放出されてしまいます。そのため、以前に処方された抗生物質が、たとえ手元に残っていたとしても、自己判断での内服は絶対に避けるようにしましょう。 公開日:2012/06/18
過去に食肉の偽装、加工食品の賞味期限改ざんなど発覚したことから「食の安全」がクローズアップされるようになりました。消費者は、自分でも安全を確認できるような厳しい目を持ち、価格だけでなく安全を見極めることが必要です。 目次 食の安全性に関する話題 食品の安全への取り組み 消費者も見極める力を持つことが重要 食の安全性に関する話題 世界中を探しても水道水をそのまま飲むことができる日本のような国は稀ですが、それを当たり前に育ってきた私たちは、自分が口にするものは安全だという安全神話を安易に信じすぎていたのかもしれません。 ところが、食肉に関する偽装、加工食品や外食産業などでの賞味期限改ざん、賞味期限の切れた材料の使いまわしなど、食品偽装事件の発覚が相次いだことから、自分達が食べているものは本当に安全?と、ここ数年で急に「食の安全」というキーワードがクローズアップされるようになったことは、まさにこの安全神話の崩壊にほかならないでしょう。 数々の事件の中でも衝撃的だったのが、中国から輸入された冷凍食品にメタミドホスが混入され、その食品を食べた人が中毒症状を起こした事件です。わが国の食料自給率は40%を下回っており、手軽に活用できると人気の高い冷凍食品も輸入量は年々増加傾向の現状では今後もこのような事件が起こらないとは限らず、自分自身で安全な食材を見極める目が必要な時代になってきたといえます。 食品の安全への取り組み 食の安全を揺るがすさまざまな悪いニュースが流れる中で、消費者に安全で安心な食材を届けるための企業努力に取り組んでいる企業もあります。 例えば、急速に注目を集め、普及も進められているのがバーコードに携帯をかざすとその食材の産地や生産者などの情報を確認できるシステムです。 携帯電話を持つのが当たり前となった現在では、ポケットに入った携帯を使用して手軽に生産ルートなどが確認できるシステムとして実用性が高いようです。 ほかにも、米、野菜などの農産物を中心に生産者の名前や顔写真、生産地の情報などを表示した食材を販売するコーナーを設置する店舗も増えているなど、生産者の顔が見える食材の流通が増え始めています。 安全な食品を購入するにはどの企業、どの店の食品を購入するのが望ましいか消費者自身が情報を集め、考えることも大切でしょう。 消費者も見極める力を持つことが重要 食の安全神話が崩壊し、各企業も食の安全に取り組む姿勢を強化しているとはいえ、実際に購入した食品を口にする消費者が厳しい目を持たなければ本当に食の安全を守ることはできません。まずは、店に陳列された食品を選ぶ時、価格ばかりを気にして1円でも安い物を購入するのではなく、自分が買おうとする食品はどこで、どのように、誰によって作られたのかを考えて購入するようにすることを実践したいもの。 また、インターネットや宅配システムの充実を活用して、市場を通して流通している食品ではなく、独立系の宅配流通団体や、信頼できる生産者から直接購入するといった方法も生産者の顔が見え、食品のバックグラウンドが見えるという店ではおすすめです。 しかし、無農薬野菜が人気を集める中、たとえば「有機農産物」といえば、種まきまたは植え付け前2年以上禁止された農薬や化学肥料を使用していない田畑で栽培され「有機JASマーク」がついたものだけであることはご存知でしょうか?本当に安全な食品を手に入れるためには、紛らわしい表記の食品に間違った安心感を持たないよう、国が基準を設けたJAS法などの食品表示を消費者がしっかり知り、さらに自分の目でも安全を確認できるような厳しい目を持ち、価格だけでなく安全を見極める目を持つことが必要です。 公開日:2009/02/16
食中毒は一年中みられますが、梅雨の時期には、O157をはじめとした大腸菌やサルモネラ菌などによる食中毒が問題になります。予防するには食品の管理はもちろん、しっかり手洗いをすることも重要です。今回は流水で手を洗う方法「スクラブ法」についてご紹介します。 目次 開幕しています!夏の食中毒シーズン戦 食品管理だけで食中毒は防げるか?? スクラブ法をマスターしよう 開幕しています!夏の食中毒シーズン戦 食中毒は一年中みられますが、梅雨明けが待ち遠しいこの時期には、O157をはじめとした大腸菌やサルモネラ菌などによる食中毒が問題となります。O157においては、学校や飲食店などで多くの人が感染し、話題となったことをご存知の人も多いでしょう。 食中毒を防ぐために、わたしたちはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。 ■教えて!O157による食中毒ってどんな病気? 感染しても症状の出ない人もいますが、多くの場合は発熱、吐き気、吐く、胃やお腹が痛い、下痢といった胃腸症状がみられます。さらに抵抗力の弱い人では、溶血性尿毒症症候群や脳症などの病気を引き起こし、死亡することもあります。 食品管理だけで食中毒は防げるか?? 食中毒というだけに、食品の管理や調理に気をつかっている人は多いはずです。しかし、人から人への感染を防ぐには「手洗い」が重要だといわれています。もちろん食品管理も大切ですが、いくら新鮮な食材を使っていても細菌がついている手で調理をすれば感染してしまうからです。 では普段、あなたは何秒ほど手を洗っているでしょうか?手を水でぬらしただけで、手洗いをしているつもりにはなっていませんか? 医療施設では抵抗力の弱い患者さんが多いため、感染対策に力を入れています。その現場で手に付いた汚れを十分に落とすためには、流水のもと液体石けんをつかって15秒以上の手洗いをする必要があるといわれています。さらに推奨されている手洗い方法もあることをご存知でしょうか? ■教えて!固形石けんより液体石けんのほうがいいの? 乾燥していない固形石けんは、細菌が増殖しやすい場所のひとつになるため、液体石けんのほうが推奨されています。 スクラブ法をマスターしよう 流水で手を洗う方法をスクラブ法といいます。この方法をマスターし、トイレへ入った後、調理や食事をする前、下痢をしている乳幼児や高齢者の世話をしたときなど、石けんと流水でしっかりと手を洗って食中毒を予防しましょう。 スクラブ法をご紹介 (1)手を流水でよくぬらす (2)液体石けんを手のひらにとる (3)手のひらを洗う (4)手の甲を洗う(反対も同様) (5)指をからませて指の間を洗う (6)片方をじゃんけんのグーの形にし、その手の指の背や爪の部分を洗う(反対も同様) (7)親指をもう片方の手のひらで包み、親指をくるくると回すように洗う(反対も同様) (8)指先、爪の部分 をよく洗う (反対も同様) (9)手首をもう片方の手のひらで包み、手首をくるくると回すように洗う(反対も同様) (10)流水でよく洗い流し、ペーパータオルや乾燥し清潔なタオルで拭く(反対も同様) ■教えて!お湯で手を洗ってもいいの? お湯のほうが水より汚れが落ちやすいため、洗ってかまいません。しかし、皮脂をうばって手あれを起こすことがあります。手あれ部分には細菌が付着しやすいので、手洗いのあとにはハンドクリームなどを使い、手のケアをしましょう。 公開日:2008/06/30
梅雨は、食中毒には十分過ぎるほど気をつけたい季節です。細菌の繁殖を防ぐには、普段から殺菌・除菌の習慣をつけておくのが一番。手軽な除菌のしかたや、さらに最近注目されているグレープフルーツの除菌効果をご紹介します。 目次 キッチンは細菌で汚染されている!? 食中毒の原因となる細菌たち 食中毒の原因菌を退治するには? 除菌、殺菌の習慣をつけよう! キッチンは細菌で汚染されている!? じめじめした日が続く梅雨の季節に、こっそり家の中で繁殖していくのが、食中毒を引き起こす細菌たち。家庭内のキッチンにおいて、細菌に汚染されやすいのは、食器用スポンジ、台ふきん、シンク、まな板、冷蔵庫の野菜室の底などです。キッチンは、毎日使った後に掃除されていれば、一見きれいですが、黄色ブドウ球菌などの細菌が、意外にもたくさんいるのです。 食中毒の原因となる細菌たち 私たちの身の回りには、目に見えないたくさんの細菌が存在しています。乳酸菌など、人間にとって有用なものもありますが、以下に挙げる、食中毒の原因となる細菌は、繁殖を防がなければなりません。 名称 特徴 感染の原因 大腸菌 大腸菌は、人間や哺乳類の腸内に存在します。大半は人間にとって無害ですが、病原大腸菌は、腹痛、下痢、血便などを起こします。重症になると死に至る場合も。 食肉や食肉加工品、井戸水などの飲用水、人間の腸など。 サルモネラ菌 日本では高度成長期以降に急速に増え、今や食中毒菌の代表的存在。低温や乾燥に強く、冷凍庫の中でも生き延びます。主な症状は、腹痛、吐き気、下痢、発熱など。 家畜や家禽の食肉、卵類が主な汚染源。ネズミ、ハエ、ゴキブリ、ペットを介して感染することも。 黄色ブドウ球菌 人や動物の化膿した傷口のほか、健康な人の喉や鼻の中、皮膚、毛髪などに分布。激しい吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などを起こす。まれに発熱。 手作業で作ったおにぎり、サンドイッチ、和菓子、シュークリームなど、調理する人の手から感染します。 食中毒の原因菌を退治するには? 食中毒は多くの場合、次の流れで発生します。 (1)肉や魚などの食材の中で、食中毒の原因となる細菌が増殖します。 (2)細菌が増殖した食材を、人間が食べます。 (3)細菌が人間に感染し、食中毒が引き起こされます。 細菌が中で増殖する食材を扱うキッチンが、最も汚染されている場所なのは当然だと言えます。細菌の増殖を防ぐには、毎日のこまめなお手入れが欠かせません。とくに湿気が多く暑い梅雨の時期は、健康に暮らすためにも、ぜひ除菌の習慣をつけましょう。 ●手洗い励行 人間の手にも多くの細菌がいます。調理の前後はもちろん、食材を触った後は、必ず丁寧に手を洗いましょう。手に傷がある場合や傷口が化膿している場合は、食材に感染しやすいため、調理は避けましょう。 ●毎日の除菌を習慣に 調理器具、スポンジ、ふきん、まな板などは、台所用洗剤で洗った後、除菌処理をします。おすすめは、熱湯消毒または天日干し、除菌スプレー、アルコール消毒などです。 ●シンク、排水口なども清潔に 毎日台所用洗剤で洗い、水気をふき取っておきます。除菌スプレーもおすすめ。 除菌、殺菌の習慣をつけよう! 除菌対策が必要なのは、キッチンだけではありません。黄色ブドウ球菌の感染ルートに、人間の手が入っていることからもわかるように、私たちの手も清潔に保つ必要があります。そもそも人間の皮膚には、さまざまな細菌が住みついています。よく病院ドラマなどで、医師が丹念に手を洗った後、何も触らないように両手を挙げて手術室に入ってくるシーンがありますが、あれは体力が落ちている患者を汚染しないための配慮なのです。 食べ物を触る前後はもちろん、トイレに行った後、外出先から帰った後、手を石鹸などでしっかり洗うことは、除菌のために大切なことです。また、ピクニック などお弁当を持って出かけるときは、除菌作用のあるウエットティッシュを持っていきましょう。ただし、ウエットティッシュには、除菌できるものとできないものがあるので、製品選びに注意しましょう。 公開日:2014年8月11日
夏は、ダニ・カビだけでなく、食中毒という危険もあります。2000年の食中毒発生件数やその病因物質を見てみると、食中毒菌にはかなり注意しなければなりません。 目次 食中毒のピークはいつ? 増殖する細菌の正体は? 食中毒のピークはいつ? 食中毒のピークはいつか、ご存知ですか?梅雨の時期から夏にかけてのイメージが強いですが、実は冬場に患者が増える傾向にあります。 とはいえ、気温・湿度ともに高くなる夏場は、食品の保存や調理の仕方などに注意をしなければなりません。夏は体力が落ち、抵抗力が弱くなってくるとき。しっかりと予防策をとらなければ、下痢・腹痛、吐気などのツライ症状に悩まされるので、用心が必要です。 増殖する細菌の正体は? 食中毒を起こす原因は、90%以上が細菌やウィルスによるものです。「食中毒」と聞くと、すぐに「O-157」が頭をよぎりますが、そればかりではありません。 食中毒菌のいろいろ 1. 病原大腸菌 牛・豚・鶏などの食肉、その他食品、水など多種の原因食品 2. サルモネラ菌 牛・豚・鶏などの食肉、たまごなどが主な原因食品 3. 腸炎ビブリオ菌 魚や貝などの海産物が原因食品 2000年 食中毒・病因物質別(厚生労働省) 公開日:2015年7月21日
ダニの予防はカビの予防に通じるものがあります。基本的には、掃除をしっかりし、乾燥・除湿をすることが大切。また、食中毒の基本は「増やさない、付けない」ことです。 目次 ダニ退治の基本は「カビ退治」 ベッドと布団、どちらがダニは少ない? 食中毒予防の基本は「付けない、増やさない」 ダニ退治の基本は「カビ退治」 ダニ退治には、カビ退治に共通するところがたくさんあります。 基本的には、掃除をしっかりし、乾燥・除湿をすることです。 ジメジメ梅雨のカビ退治 ダニを退治するには? その1乾燥・除湿 ダニは、部屋の相対湿度が55%以下であれば、たとえ温度が20℃以上あっても生息できない。そこで、晴れた日に窓や戸を開けたり、除湿機を置くなどして、乾燥・除湿をする。雨の日に洗濯物を室内で干すのはやめよう。 その2加熱 カビと同様に、畳のダニ退治は、天日干しがいちばん。重労働かもしれないが、これをするのとしないのでは大違い。とくに、7月の梅雨明け1週間後くらいからの快晴の日(気温30℃以上)、しかも少し風があるときが最高。 その3薬剤 ダニ駆除剤には、主に煙を出す燻煙式薬剤と、針を差し込む注入式薬剤がある。ただし、燻煙式では、畳内部に入りこんだダニには届きにくく、注入式では効果が注入部分とその周辺に限られてしまうため、どちらも一長一短がある。 ベッドと布団、どちらがダニは少ない? 畳の上に布団を敷いて寝る場合と、ベッドで寝る場合。はたして、どちらがダニは少ないと思いますか? 結論からいうと、床に直接布団を敷く場合に比べれば、一般的にベッドのほうが畳などから移行してくるダニが少ないと考えられています。 ただし、その部屋や寝具類の環境で大きく左右されるため、ベッドだからといって油断はできません。床に布団を敷く場合には、毎日布団を上げて床を掃除し、布団も天日干しすることができますが、ベッドの場合は、布団は干せてもマットレスを干すことがなかなかできないため、マットレスにダニが集中することがあります。 特に、ベッドの縁のほうは、フケやほこりが溜まりやすく、ダニが繁殖しやすい場所になっています。 食中毒予防の基本は「付けない、増やさない」 とにかくこの時期気をつけたい食中毒。そのための方法を以下ご紹介します。 買ったものはすぐに冷蔵庫に 手を洗う。当たり前だが清潔を保つのは大切なこと 鮮度の良いものを選ぶ 買ったものは家にすぐに持ちかえり、すぐに冷蔵・冷凍をすること 冷蔵・冷凍庫には詰め込み過ぎない。詰め込み過ぎると庫内の温度が上がってしまう 調理に使う器具はまめに洗う。二次感染を防ぐ大切なポイント 作りおきはあまりせず、食べる分だけを作るようにする 作りおきした惣菜などは、思い切って捨てることも食中毒予防のひとつです。もったいないかもしれませんが、その判断が食中毒を食い止めることもあるのです。 公開日:2015年7月21日
夏にピークを迎える食中毒。「ただの腹痛だろう」なんて甘く見ていると取り返しのつかないことに…。食中毒を未然に防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。 目次 全国各地で発生!夏の食中毒 夏の食中毒の原因は、約8割が「細菌」 弁当で食中毒にならないために 全国各地で発生!夏の食中毒 「ただの腹痛だろう」と甘く見ていると、取り返しのつかないことになりかねないのが、夏の食中毒です。梅雨の時期を迎えると、下痢や腹痛、嘔吐などの症状が全国各地で出たというニュースを耳にすることも多くなるでしょう。届け出のない場合もあるので、実際の食中毒の被害者は、報道されている人数より多い可能性もあります。 夏の食中毒の原因は、約8割が「細菌」 何が原因で食中毒になることが多いかは、時期によって異なります。冬であれば、ノロウイルスをはじめとしたウイルスによる食中毒が多いのですが、夏は細菌が食中毒の原因の多くを占めます。食中毒を引き起こす細菌には、次のようなものがあります。原因食品に挙げられているものを口にする際は、特に注意が必要と言えます。 ●腸管出血性大腸菌[O157、O111] 牛肉・牛レバー刺し・貝割れ大根などが主な原因食品 ●サルモネラ属菌 牛レバー刺し・鶏肉・卵などが主な原因食品 ●腸炎ビブリオ 魚や貝などの海産物が主な原因食品 夏の食中毒の原因物質 (2013年6月~8月:患者数3,008人) 出典:厚生労働省 食中毒統計資料 弁当で食中毒にならないために 食中毒の基本的な対策として重要なのが、手洗い、調理器具の消毒、肉・魚の十分な加熱などです。これに加えて、食べ物が傷みやすい夏は、自宅から学校や職場に持っていく弁当に特に注意して、次のような対策をとることを心がけましょう。 ■水気を十分に切る 細菌は、水分が多い環境で増殖しやすいので、おかずの汁気をしっかりと切りましょう。ご飯やおかずの湯気は、冷えると水になってしまいます。弁当箱に詰める前に、冷蔵庫に入れるなどして冷ますようにしましょう。 ■作りおきしたおかずはなるべく使わない 前日の夕飯のおかずを弁当に詰めることはよくありますが、食中毒のリスクを考えると、夏はなるべく避けたいものです。使いたいときは、冷蔵庫で保管しておき、再び火を通してから冷まして弁当箱に詰めるようにしましょう。 ■冷凍食品もしっかり加熱する 毎日の弁当で重宝する、冷凍食品のハンバーグや唐揚げなどにも、食中毒のリスクはあります。冷凍する前に調理済みだからといって油断せず、しっかりと加熱しましょう。 ■弁当箱はきちんと洗う 弁当箱のふたには、パッキンと呼ばれるゴムが付いている部分があります。ここは汚れが残りやすいので、分解して洗うと良いでしょう。洗った後は、しっかりと乾かしましょう。 公開日:2014年6月30日
食中毒の話題を耳にしても、「自分だけは大丈夫」と根拠もなく思い込んだりしていませんか?そんな過信には要注意!食中毒が起きてから後悔しないように、自宅でできる予防方法を覚えておきましょう。 細菌やウイルスを「つけない」 まず大事なのが、料理器具や台所近辺を消毒し、清潔に保つこと。可能であれば、まな板は肉・魚用と、生で口にする野菜用に分けて使いましょう。生の肉・魚から出た汁や、こぼれた生卵を拭いたふきんは、そのまま使わないこと。ふきんはたくさん用意し、常に殺菌・消毒をして清潔な物を使いましょう。 石鹸で手洗いをして、調理する人が清潔でいることも大切だと言えます。傷がある手や、咳やくしゃみを押さえた手では、調理しないようにしましょう。 細菌やウイルスを「増やさない」 食品は鮮度のいい物を選び、買った後は時間を置かずに調理して、調理したらすぐに食べることが予防の基本です。 消エネのためにも健康のためにも、ぜひやっておきたいのが、冷蔵庫の大掃除。冷蔵庫に詰め込み過ぎると、冷蔵庫内の温度が上がり、食中毒を引き起こす細菌やウイルスが増殖しやすくなります。詰め込みすぎた冷蔵庫の奥から出てきた“いつの物とも知れない物”を食べてお腹が痛くなった…、という笑えない話も、冷蔵庫の過信が引き起こした例だと言えます。また、調理した物を冷蔵庫に入れるときは、きちんと熱を取ってからにしましょう。 細菌やウイルスを「やっつける」 細菌やウイルスを加熱によって死滅させるために、食材は加熱調理をしましょう。特に肉は、中心までしっかりと熱を通すことが大切です。まな板や包丁は、湯沸かし器の最高温度のお湯や、ポットのお湯で熱湯消毒すると良いでしょう。市販の殺菌・漂白剤やアルコールスプレーなどもこまめに使いましょう。 公開日:2014年8月11日
過去の話ではない寄生虫病 日本では寄生虫病はもう過去の話と思われがちですが、最近は少々違った様相を呈してきています。たしかに、回虫・こう虫・べん虫などの腸管寄生虫は、ほとんど見られなくなりました。 ところが、それに代わって獣肉、鳥肉、魚肉、そのほかは虫類、両生類などの生食いし好により、寄生虫に感染するケースが増加しています。特にゲテモノし好がグルメ呼ばわりされ、感染増加を助長していると考えられます。 少なくない輸入寄生虫病 マムシやヘビによる有線条虫症、ヘビ・カエル・鳥肉の生食によるマンソン裂頭条虫症、クマ肉のルイベによる旋毛虫症、ドジョウの踊り食いによるがく口虫症など、いろいろなケースが報告されています。予防のためには、少なくとも生食を避けることが必要です。 一方で、輸入感染症と呼ばれるものの中には、原因が寄生虫である輸入寄生虫病(持ち込み寄生虫病)も少なくありません。いずれにしても予防接種や感染した場合の適切な処置が求められます。
食中毒の2つのタイプ 1996年(平成8年)の大流行以来、多数の死者を出すなど、日本各地で深刻な被害をもたらしている腸管出血性大腸菌・O-157。なぜ突然、こういった新しい感染症が流行したのでしょう。 食中毒には2つのタイプがあります。一つは食品内毒素型、もう一つが感染型食中毒です。O-157は感染型食中毒の中でも、腸内で細菌が作った毒素による感染毒素型に分類されています。 重要な食肉の扱い 感染源として、欧米では牛が重要視されています。日本でも、流行を機に全国規模の食品調査が行われました。その結果、レバーなどの内臓、和菓子、総菜からO-157が検出されたそうです。中でも食肉の扱いが重要だと考えられています。 流行した原因の一つとして、国際的な食品の流通を指摘する声があります。さらに、社会の無菌状態が進み、日本人の免疫力が低下したからだともいわれています。
多様化した感染型食中毒 食中毒の原因として、大きな割合を占めているのが細菌です。近年は、食中毒事件の発生件数に大幅な減少がみられないばかりか、腸管出血性大腸菌O157事件のような、大型食中毒事件も起きています。 細菌性食中毒には、細菌が作り出した毒素の摂取によって起こる毒素型と、生きた病原菌の感染によって起こる感染型の2通りがあります。 毒素型 黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などがあります。ボツリヌス菌毒素は、80℃で30分間の加熱により破壊されますが、黄色ブドウ球菌毒素は、100℃で30分間の加熱でも破壊されません。 感染型 いろいろな細菌やウイルスがあります。その中の一つである腸管出血性大腸菌は、腸内で毒素を出し、それが溶血を起こして急性腎不全や尿毒症を起こしやすいので、迅速で的確な治療が必要です。 近年の食中毒の特徴として、以下が挙げられます。 腸管出血性大腸菌感染の発生が全国的にみられました 海外渡航者の増加を反映して、海外での感染者や2次感染者の発病が増加。特に赤痢は約70%が帰国者の発病であり、サルモネラ菌は保菌者が入国して発病するケースが多くみられました ノロウイルスによる冬の食中毒が増加 食中毒予防のポイント 食中毒の予防には、次の3原則を守ることが大事です。 細菌やウイルスを つけない 増やさない やっつける 1.では、手や食器、ふきん、まな板、包丁などの調理器具を洗い清潔に保つこと、2.では、冷蔵庫を過信しないこと、3.では、肉は中心部までしっかりと加熱することがポイントです。 公開日:2014年8月11日
食品添加物は水分に溶けていることが多い ハムやソーセージなどの加工食品には、数種の食品添加物が含まれていることが少なくありません。例えば、発色剤には亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどが使われますが、これらは食中毒菌を防ぐ作用があるものの、魚介類に含まれるたんぱく質と反応して発がん性物質を作り出すといわれています。 食品添加物は食品中に含まれている水分に溶けていることが多いので、湯に数秒間通してから使うようにした方が安心です。その時、切れ目を入れておくと、添加物が早く出やすくなります。