これからお母さんになる妊婦は、この食べ物はお腹の子供にとっていいものだろうか、薬はできるだけ飲みたくないなど、自分の体に取り入れるものについて、特に気になるかと思います。 目次 赤ちゃんにとっていいものを食べたい 赤ちゃんの脳の発達にはDHA 魚に含まれる水銀には要注意 妊娠に気付いたら気をつけよう DHAはサプリメントからでも 赤ちゃんにとっていいものを食べたい これからお母さんになる妊婦は、この食べ物はお腹の子供にとっていいものだろうか、薬はできるだけ飲みたくないなど、自分の体に取り入れるものについて、特に気になるかと思います。 お腹の子供にとって、毒になってしまいそうなものを避けたくなるのは当然ですし、赤ちゃんにとっていいものを食べたいものです。それに、栄養の摂り過ぎやバランスを欠いた食事も避けたいところです。 お腹の赤ちゃんは、胎盤を通してお母さんから栄養や酸素を得ています。赤ちゃんの体を作るタンパク質やカルシウム、赤ちゃんの成長を促す葉酸、妊婦は胎盤から赤ちゃんに血液を送っていますので、鉄分もより意識して摂るべきでしょう。その他にも、積極的に摂取すべき栄養素があります。その一つがDHAです。 赤ちゃんの脳の発達にはDHA DHAはオメガ3脂肪酸の一種、ドコサヘキサエン酸の略で、魚などに多く含まれています。動脈硬化の予防、記憶力向上と維持、美肌効果などが期待されていますが、胎児にとっても神経発達のために重要な栄養素なのです。妊婦に限らず、DHAは脳などの中枢神経の発達にとって、とても重要な栄養素といえるでしょう。 DHAが多く含まれているのが魚です。魚にはDHAの他に、同じくオメガ3脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)という物質が含まれ、これも母体や胎児にとって重要な栄養素となります。 魚に含まれる水銀には要注意 しかし、魚を食べる時に注意する点があります。魚は生きているうちに、どうしても自然界の水銀などの有害物質を体の中に取り込んでしまいます。普段なら、さほど気にする必要はないのですが、胎児は母体を通して入ってきた水銀を外に排出できないため、妊娠中はより注意深く魚を食べるべきでしょう。 また、妊娠中にDHAなどが胎児にいいからと、魚ばかりを食べていると、胎児に悪影響を与えてしまう可能性があります。魚を食べることはとてもいいことです。しかし、水銀が多く含まれている可能性があるカジキ、キンメダイ、クロマグロといった食物連鎖の上位の魚はたくさん食べない方が安全です。 妊娠に気付いたら気をつけよう ただ、妊娠は妊娠してすぐに気付けるものではありません。妊娠に気付かずに、水銀に注意すべき魚を食べてしまっている場合もあるかと思います。その場合でも、あまり気にする必要はないようです。 胎児が水銀を取り込んでしまうには胎盤が必要ですが、胎盤ができ上がるのは妊娠4ヵ月程度。一般的にはほとんどの妊婦が妊娠に気付いているはずですので、妊娠に気付いたら注意するという心掛けで問題ありません。 DHAはサプリメントからでも おすすめできるのが、アジやサバ、イワシなどの青魚。これらからDHAをEPAとともに摂ってください。そして、もしも魚が好きではないなどの理由で食べられないのであれば、サプリメントでの摂取も可能です。 出産後も、お母さんが食べたDHAは母乳を通して赤ちゃんへと受け渡されます。妊娠中も出産後も、水銀が怖いからと魚を食べない方が赤ちゃんのためによくありません。赤ちゃんが元気で健やかに成長するために、よりよい食生活を送って下さい。 公開日:2016/02/29
サンマはイワシなどと同様、背の青い魚です。もちろん、栄養はたっぷり!「EPA」や「DHA」が豊富で、血液をサラサラにするといわれています。また、良質なたんぱく質やビタミンも豊富です。 目次 サンマの旬は秋 サンマの栄養:EPA、DHAが豊富 サンマの栄養:良質なたんぱくにも注目 サンマの栄養:意外とビタミンもいっぱい サンマの旬は秋 サンマは漢字で「秋刀魚」と書く。サンマは春、千島列島付近の海域で過ごし、夏の初めごろに北海道の道東や三陸沖にやってきて産卵のための栄養を蓄える。そして、太平洋岸を南下していく回遊魚だ。中には日本海へ入るものもいるが、どちらかといえば太平洋でよく捕れる魚である。 だいたい、8月中旬から下旬に漁獲が解禁になるため、9月からは安くておいしいサンマが食べられるというわけだ。 ※海域によっては7月に解禁になるところもあり、7月初旬ごろの新物のサンマは1匹1,000円前後で売られることも! サンマの栄養:EPA、DHAが豊富 サンマはイワシなどと同様、背の青い魚である。もちろん、栄養はたっぷりだ。 よく耳にする「EPA」や「DHA」。素晴らしい効果のあるEPAやDHAは、脂に含まれている。といっても、豚肉や牛肉などの蓄肉にはほとんど含まれておらず、また、体内でつくりだすこともできない。 つまり、魚の脂から豊富に摂るのが一番効率的なのだ。 ●EPA エイコサペンタエン酸。魚の脂肪分(脂質)に含まれている、不飽和脂肪酸の一種。EPAには、血液をサラサラにするはたらきがあり、脳血栓や心筋梗塞などの血液が詰まってしまう病気を予防するのに効果的。 ●DHA ドコサヘキサエン酸。EPAとともに魚の脂肪分に含まれているもの。EPAと同様、血栓をできにくくするはたらきがあるのと同時に体内の悪玉コレステロール(LDL)を減らす作用もある。また、脳細胞を活発化させ、頭の回転をよくする効果もあるとか。 サンマの栄養:良質なたんぱくにも注目 たんぱく質が豊富な食物といえば、すぐに肉を思い浮かべるが、魚のたんぱくもかなり良質である。魚のたんぱく質は、肉類に比べて消化されやすいものが多く、幼児からお年寄りまで幅広く食べることができるのだ。もちろん、含まれている量も肉類と変わらない。 サンマの栄養:意外とビタミンもいっぱい サンマにもいろいろなビタミンが含まれている。 特に、貧血によく効くと言われているビタミンB12はほかの魚の3倍以上、目に効くと言われるビタミンAは牛肉の12倍とも言われている。また、若返りに効果あり(!)ともされているビタミンEも含まれている。 サンマに含まれるビタミン(可食部100g中) ビタミンA …13μg ビタミンD …19μg ビタミンE …1.3mg ビタミンB2 …0.26mg ビタミンB12…17.7mg 栄養たっぷりのサンマ、旬の今、食べるっきゃない! 公開日:2001年9月17日
イワシが栄養価の高い魚であることはすでに知られています。DHAやEPAが豊富で、ミネラルも豊富。イワシの栄養価についてご紹介します。 目次 魚を食べると頭がよくなる!? DHA、EPAってなに? 「脂ののった魚」は栄養満点! もちろん、カルシウムもたっぷり 魚を食べると頭がよくなる!? イワシが栄養価の高い魚であることはすでに知られていますが、とくにここ数年、見直されてきているのは、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)が豊富ということです。 イギリスのマイケル・クロフォード教授らは、「日本人の子供が欧米人の子供に比べて知能が高いのは、日本人が魚を多く食べてきたことがその理由の一つである」と発表しています。 また、デンマークのダイヤベルグ博士が行った調査によると、「グリーンランドのイヌイット達は、脳血栓や心筋梗塞といった病気にほとんどかからない」といいます。それは、イヌイットが常食としているアザラシや魚に含まれるEPAのはたらきによるものとの見方があるのです。 日本でも千葉大学の調査によると、千葉県内の漁業中心の海岸地域の住人は内陸地域の住人に比べて血中のEPA濃度が高く、心臓病による死亡率は内陸地域の人の半分程度だったといいます。 本当に魚にそれほどの効果があるのでしょうか。 DHA、EPAってなに? よく耳にする、DHAやEPA。これって何か、知っていますか? DHA、EPAはともに魚の脂肪分(いわゆる脂質)に含まれているものです。脂質は、たんぱく質、糖質と並ぶ三大栄養素のひとつで、人の体には欠かせません。 脂質を構成している脂肪酸には、炭素の二重結合のない飽和脂肪酸と二重結合が一つの一価不飽和脂肪酸と二重結合が二つ以上の多価不飽和脂肪酸があります。DHAやEPAは二重結合が五つ以上ある多価不飽和脂肪酸です。 ただし、飽和脂肪酸は、血中コレステロール濃度を上昇させ、動脈硬化を促進する恐れがあるので、摂り過ぎに注意する必要があります。多価不飽和脂肪酸のうち、サフラワー油などの植物油に多く含まれているリノール酸やリノレイン酸などは人間の体内で合成することができないため、「必須脂肪酸」と呼ばれ、食物から摂取しなければなりません。このリノール酸やリノレイン酸が不足すると、皮膚の状態が悪くなったり、成長が止まったりします。またリノール酸には血清脂質改善作用があるといわれています。 多価不飽和脂肪酸であるEPAやDHAには、このリノール酸以上の血清脂質改善作用があるといわれているのです。 DHA、EPAのはたらきとは? 「脂ののった魚」は栄養満点! DHAやEPAは豚肉や牛肉などの蓄肉にはほとんど含まれていません。必須脂肪酸であるリノレン酸は、体内でEPAやDHAに変換されますが、もともと植物油には少ししか含まれていないため、体内でEPAやDHAはたくさんつくられません。 DHAやEPAが豊富なのはなんといっても魚介類です。特に、イワシ、サバ、アジ、サンマなどの背の青い魚とウナギに豊富です。 また、同じイワシでも、普通の肉の部分と血合肉(赤褐色の部分)とを比較すると、血合肉のほうが何倍も多くDHAやEPAを含んでいます。 魚の脂肪は季節による変動が大きく、「旬」の時期がいちばん脂質が多くなります。いわゆる「脂ののった魚」ほどDHAやEPAの含有量も多くなるのです。 EPA、DHAを多く含む魚 資料:日本食品脂溶性成分表(化学技術省資源調査会編) もちろん、カルシウムもたっぷり イワシの栄養はDHA、EPAだけではありません。ミネラルも豊富です。 なんといっても多いのが、カルシウム。「泳ぐカルシウム」といわれるほどです。イワシには、可食部100g中に70mgのカルシウムが含まれていますが(生イワシ)、丸干しにすればなんと100g中1,400mgにもなります。さらに、煮干しなら100g中2,200mgも含まれており、吸収率こそかないませんが、煮干し10gには牛乳200ml以上に相当するカルシウムが含まれていることになるのです。 また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富。ビタミンDはほとんどの野菜や肉類には含まれておらず、しいたけなどの菌類と魚に含まれているものです。ビタミンDは日光に当たれば、体内でも作られるものですが、実際にはなかなか日光浴ができない人が多く、イワシのビタミンDが強い味方となります。
いわゆる生活習慣病といわれる病気は、どの病気も食生活と深い関係があるといわれています。食事がその病気の原因にもなりますが、食事によって病気が治ることもあるといわれています。とくにDHAやEPAには、これらの病気を予防・改善するはたらきがあるといいます。そのはたらきを見てみましょう。 目次 血液をサラサラにして血栓予防 気になるコレステロール値を下げてくれるDHA DHAで頭がよくなる! 妊娠中の女性はとくに魚を食べよう 老化やボケも予防できる! 血液をサラサラにして血栓予防 EPAには血液を固まりにくくする作用があるといわれています。 血液が血管で固まったものを血栓といいますが、この血栓で血管が詰まると血液が流れなくなり、脳に血栓ができれば脳血栓、脳卒中などを起こす可能性があります。同様に、心臓の筋肉に酸素や栄養を与える動脈の一部が硬化や血栓によって狭くなったりふさがったりすると心筋梗塞を起こしやすくなります。 これらの血栓ができるのを防ぐ効果がEPAにはあるといわれています。 気になるコレステロール値を下げてくれるDHA コレステロールと聞くと悪いものだと思う人も多いのですが、必ずしも悪いものとは限りません。コレステロールには善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)と呼ばれるものがあり、この二つのバランスが崩れ、悪玉コレステロールが増えすぎると血管壁にコレステロールがたまって動脈硬化が進む原因となります。 DHAには、この悪玉コレステロールを減らす作用があります。 また、中年になると気になる皮下脂肪の主成分である中性脂肪を減らすはたらきもあるのです。 DHAで頭がよくなる! 実は、DHAは脳に大きな影響を与えるといわれています。脳には約140億個の細胞があるといわれていますが、この細胞にはニューロンという突起した神経細胞があり、このニューロンから伸びた突起とほかの神経細胞が結合している部分をシナプスといいます。このシナプスは電話局や放送局のようなはたらきがあり、ここでさまざまな情報の伝達が行われています。DHAはこのシナプスにも入ることができ、このシナプスの情報処理能力の良し悪しに関係しているといわれています。つまり、DHAが多いほど、シナプス膜を柔らかくすることができ、情報伝達もスムーズに行くと考えられているのです。 「魚をたくさん食べると頭がよくなる」のはあながちうそではないようです。 妊娠中の女性はとくに魚を食べよう DHAを摂取して頭がよくなるのは、生まれた後のことばかりでなく、胎児にも大きく影響を与えていることがわかっています。 脳の神経細胞の数は胎児の脳が形成されるときに決定し、生まれた後では神経細胞の数は増えません。当然胎児は母体からDHAを摂取するわけですから、脳の神経細胞を増やし、十分な発達を促すためには、妊娠中の女性はDHAを多く含んだイワシなどを積極的に食べるべきです。 ただし、過剰摂取による副作用についてはまだ解明されていませんので、錠剤などを摂り過ぎるのは避けて、なるべく魚の形で食べるように心がけましょう。 老化やボケも予防できる! 高齢化社会になるにつれてお年寄りが増え、老年期認知症も増えていますが、これは脳の血管が詰まり、損傷するために起こるものです。こうした脳細胞の破壊が、記憶する役割のある部分で起こると認知症になってしまうのです。 脳の神経細胞は生まれてから増えることはなく、年とともに減っていく一方ですが、DHAを十分に摂り、絶えず脳に刺激を与えると残った神経細胞を活性化させることができます。脳は刺激を与えて鍛えれば鍛えるだけ向上する性質があり、これは年をとっても変わらないため、ボケの防止にもなるのです。
栄養満点!とわかっていても、「生臭くていや」「調理が面倒」と敬遠されがちなイワシ。EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富といわれても、実際にはなかなか食べられないことも多いですよね。でも、大丈夫。もっと手軽にイワシを食べることもできます。 目次 イワシが苦手な人に、こんな加工品 調理方法でDHAやEPAはどう変わる? 効率よくDHAやEPAを摂取する方法 イワシが苦手な人に、こんな加工品 イワシがどうしても苦手な人や、生のイワシを買うのが億劫な人は、イワシの加工品をおすすめします。加工品はイワシの価格の安い「旬」の時期、つまり、脂ののったイワシを原料とすることが多いようです。つまり、春先などまだ旬でない時期には、生のイワシを食べるより缶詰めのほうが栄養的にも優れています。最近では、いろいろな味付けの缶詰めなどが登場しているので、きっとあなたの舌にあうイワシが見つかるはずです。 ここで、加工品をいくつかご紹介しましょう。 イワシの加工品はこんなにある! ●素干し 魚を洗ってそのまま干したものです。イワシの稚魚の素干しには「タタミイワシ」があります。 ●塩干し 魚を洗って塩をつけて干したものです。塩を加えることで腐るのを防ぎます。小ぶりのイワシなら「メザシ」として売られています。 ●みりん干し 開いたイワシをしょうゆ、砂糖、水あめ、みりん、酒などの調味料を加えた液に漬けてから乾燥させたものです。 ●煮干し 小さなイワシを煮てから干したものです。みそ汁のだしをとることに使われます。 ●しらす干し イワシの稚魚を塩水からゆでて干したものです。「ちりめんじゃこ」とも呼ばれます。缶詰め 水煮、油漬け、味付け、トマト煮など種類は豊富です。最近ではレトルト食品でもあります。買い置きができ、そのままおかずになるので重宝します。 ●練り製品 イワシの魚肉に塩を加えて練り、のり状になったペーストを加工して固めたものです。かまぼこやつみれとして売られています。 調理方法でDHAやEPAはどう変わる? 料理好きな人や、家でごはんを作ってくれる人がいる場合には、ぜひ生のイワシを調理することをおすすめします。なるべくなら効率よくDHAやEPAを摂りたいものですが、調理の仕方でどう変わるのでしょうか。 そこで、調理方法によるイワシの脂質の変化をまとめたのが、次の表になります。DHAやEPAは魚の脂質部分に含まれているため、焼き魚にすると脂がぽたぽたと落ちてしまって脂質量が少し減少したり、素揚げするとイワシの脂が溶け出してしまうようです。 いずれの場合も熱によってDHAやEPAの脂肪酸組成に変化がないため、なるべくイワシの脂が減らないように調理するとDHAやEPAがたくさん摂取できます。 調理法で魚の脂質はどう変わる? 調理方法 脂質残存率 EPA残存率 DHA残存率 煮る100%100%100% 焼く89%87%89% 素揚げ113%45%37% 衣揚げ131%81%82% 電子レンジ100%92%97% つみれ98%91%94% 酢漬け93%91%94% 資料:エフジージー総合研究所 効率よくDHAやEPAを摂取する方法 イワシを調理するときには以下の点に気をつけましょう。こうすれば、効率よくDHAやEPAを摂取できます。 なるべく脂ののったイワシを選ぶこと。旬のイワシはとくに脂がのっているので、DHAやEPAが豊富です。 煮物の場合には、煮汁に溶け出しているので、煮汁も一緒に食べましょう。このとき、冷たい煮汁に入れてはいけません。煮あがるまでの時間が長ければ長いほど脂質分が溶け出してしまうので、必ず煮立てた汁の中に入れます。 揚げ物の場合は、揚げるときに使った油がイワシの肉にどんどん入り、反対にイワシの脂が溶け出してしまいます。なるべく避けたほうがよいでしょう。 焼く場合には、ホイル焼きにしましょう。そのとき、野菜を一緒に入れておけば、溶け出した脂質を野菜が吸収しているので、その野菜を食べれば大丈夫です。また、ムニエルにすれば小麦粉の衣が溶け出した脂質を吸ってくれます。 酢を上手に使えば、骨まで食べられてカルシウムも摂取できます。 なんといっても刺身です。生で食べればまるごと摂取できます。血合肉も食べるとなおよいでしょう。
EPA、オレイン酸はHDLを増やす 摂取する脂肪のタイプで、HDLを上げたり、LDLを下げたりできます。 高脂血症には低HDL血症、高LDL血症と呼ばれるものがありますが、これらの高脂血症では、摂取する脂肪のタイプのバランスを調整することが食事療法の一環となっています。 HDLを上げるはたらきがあるのは、多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)のエイコサペンタエン酸(EPA)や一価不飽和脂肪酸のオレイン酸などです。 新鮮な青魚の脂肪を摂取 EPAはイワシ、サバ、サンマなど青い魚の脂肪に多く含まれており、HDLを上昇させるだけでなくLDLを減らす作用があります。 従って、これらの魚を料理する時は、焼き魚のような脂肪を捨ててしまう調理法よりも、新鮮な魚の脂肪も一緒に食べられるような鍋、ムニエル、煮付けなどの調理法が適しています。 オリーブ油などに多く含まれているオレイン酸にも、HDLを高く保つだけでなく、動脈硬化を促進するLDLを下げるはたらきがあります。適量であれば、アルコールもHDLを上昇させるはたらきのあることが分かっています。また適度な運動や飲酒もHDLコレステロールを上昇させます。
魚を常食にすると脳血栓、心筋梗塞が少ない n-3系脂肪酸は多価不飽和脂肪酸の一種です。α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン(DPA)酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。 魚を主食とする日本の漁村や、アザラシや魚などを常食しているイヌイットの人々に、脳血栓や心筋梗塞が少ないのはEPA、DHAのおかげであることが明らかとなりました。EPA、DHAには、HDLの増加(EPA)、コレステロールの低下(DHA)などの作用のあることが分かり、注目されています。 青身の魚に多いEPA、DHA EPA、DHAは白身、赤身の魚よりも青い魚の油に多く含まれています。EPAは、養殖ハマチ、イワシ、マグロ(トロ)、サバの順に多く含まれています。 DHAはマグロ(トロ)、養殖マダイ、ブリ、サバ、養殖ハマチの順に多く含まれています。 魚の脂肪は酸化されやすいので鮮度の高いものを選ぶこと、またEPA、DHAを多く含む魚の油を取れるように、鍋やムニエルなどの調理方法が適しています。 EPA、DHAを多く含む魚 魚名 100g中に含まれる量(mg) EPA DHA 合計 マグロトロ 1288 2877 4165 養殖ハマチ 1545 1728 3273 サバ 1214 1781 2995 養殖マダイ 1085 1830 2915 ブリ 899 1785 2684 イワシ 1381 1136 2517 サンマ 844 1398 2242 ウナギ 742 1332 2074 ハモ 509 1508 2017 タカベ 612 1305 1917 ニシン 989 862 1851 サワラ 480 1189 1669 イボダイ 371 1018 1389 サケ 492 820 1312 アジ 408 748 1156 ニジマス 238 845 1083 出典:日本食品脂溶性成分表(科学技術庁資源調査会編)
脂肪分やカロリーの高い調理法に注意 惣菜店には、肉や、魚、野菜の惣菜が豊富にそろえられています。しかし、健康のためには肉の惣菜よりも魚、野菜の惣菜を選ぶようにします。 魚の惣菜の中にも脂肪の多いものがあります。エビフライ、アジフライなどの揚げ物、ウナギのかば焼き、イカリング、カニ玉などです。 アジやウナギには動脈硬化を促進するLDLを下げるはたらきのあるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イカにはコレステロールを下げるはたらきのある含硫アミノ酸のタウリンが含まれていますが、脂肪分やカロリーの高い調理法に注意しましょう。カニ玉も同様で、卵や、ふわっとさせるための油をたっぷり使っています。 ブリやアジ、サバはEPA、DHAを含んでいる 魚の惣菜でおすすめなのは、寿司、ブリの照り焼き、サバのみそ煮、アジのマリネなどです。寿司は、LDLを下げるEPAやDHAをたっぷり含む青い魚やマグロのトロなどの脂肪を比較的低いカロリーで取れる料理です。 イクラ、ウニはコレステロールも含みますが、それを下げるタウリンも含まれているので気にせずに食べられます。ブリやサバ、アジにもEPAやDHAが含まれています。
魚に多く含まれるEPAやDHA 脂肪酸は一方の端にメチル基(-CH3)、他方の端にカルボキシル基(-COOH)が付いた長い炭素の鎖構造を採っています。この炭素の鎖の一部が二重構造となっているものを不飽和脂肪酸と呼んでいます。 不飽和脂肪酸の内、メチル末端の炭素から数えて3つめが最初の二重結合であるものをn-3系脂肪酸といいます。n-3系脂肪酸には、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。 特に、EPAやDHAは魚油やアザラシなどの海獣油中に多く含まれています。魚を主食とする日本の漁村の人々やイヌイットに、脳血栓、心筋梗塞などが少ないのは、EPAやDHAの摂取が多いためであることが明らかとなりました。 記憶学習能力をアップさせるDHA EPA、DHAに共通するはたらきとしては、「中性脂肪の低下」「血小板凝集の抑制」が報告されています。 さらにEPAには「血液粘度の低下」「HDLの増加」が、DHAには「記憶学習能力の向上」「視力の向上」「抗炎症作用」「血しょうコレステロール低下」が、生理作用としてあげられています。 n-3系脂肪酸は体内では合成されないこともあり、今、たいへん注目されています。
理想的食品・大豆 大豆は昔から「畑の肉」といわれてきました。良質のたんぱく質と共に、カルシウム、ビタミンB1、食物繊維などを豊富に含んだ食品です。また、こうした栄養価の高さだけでなく、大豆製品はさまざまなはたらきを持っています。 大豆の成分であるサポニンは、肥満防止、肝機能障害、がん、エイズなどに対しての効用が分かってきました。 さらに大豆に含まれるレシチンは動脈硬化や痴ほうの予防にも役立つことが確かめられています。レシチンだけを抽出して健康食品として商品化されているほどです。 魚の脂肪酸、カルシウム、DHAの効果 一方、魚に含まれる脂肪酸は、血栓を防止する作用のあることが分かっています。 魚はカルシウム供給源でもあります。骨ごと魚を食べるにはシラス干しや煮干しが最適です。ただ、魚のカルシウムはそのままでは消化吸収率が低いという難点があります。 頭が良くなるとして一時期話題となったDHA(ドコサヘキサエン酸)は、老化を抑制する作用もあります。DHAを多く含むサバ、イワシ、サンマといった背の青い魚を食べることをおすすめします。 大豆製品と魚は、健康体を維持するには不可欠の食品です。