ポリフェノールといえば、赤ワインに含まれている抗酸化物質として有名ですね。「でも、アルコールは苦手だし…」という方、お待たせいたしました!ココアにもポリフェノールが含まれているんです! 目次 ココアで健康になれる!? ポリフェノールの抗酸化作用 食物繊維が豊富 ミネラルが豊富 ココアで健康になれる!? 少し前に「ココアでダイエット」や「ココアで健康!」というココアブームがあったことは、まだ記憶に新しいのではないだろうか。実際、その時にココアを飲んだ方も少なくないはず。さて、本当にココアには健康になれる効果があるのだろうか。 ポリフェノールの抗酸化作用 「ポリフェノール」と聞くと「赤ワインとかに含まれているアレのこと?」と思うかもしれないが、まさにその通り。ココアには、「カカオ・ポリフェノール」という成分が含まれている。このポリフェノールは「抗酸化物質」としてかなり注目を浴びているのだ。 人が病気をしたり、老化するなどの体の不調の原因は「体がサビる」ことにある。「体がサビる?」って聞き慣れない言葉ではあるが、あの鉄などの表面が赤茶色に変色し、ボロボロになるのと同様に、人の体でもこの「サビ化」、つまり「体の中で酸化」が起きているのである。 その原因となっているのが「活性酸素」。困ったことに、その活性酸素がさまざまな病気の原因となってしまっているのだ。 活性酸素はどんな影響を体に与える? ●動脈硬化が起こる これまで動脈硬化を起こす犯人はコレステロールだと言われていたが、悪玉コレステロール(LDL)そのものが犯人なのではなく、酸化されたLDLが原因だと分かってきた。 ●がんの発生 活性酸素が細胞に組み込まれたDNAを攻撃し狂わせてしまった結果、異種細胞が発生して増殖し、がんになる。 ●糖尿病の原因 活性酸素に攻撃されてインスリンの産出が減ったり、ブドウ糖が使われなくなってしまった結果、血中のブドウ糖が増えて糖尿病になる。 ●老化を早める 運動機能や内臓の機能の低下、物忘れ、眼の白内障、皮膚のシワ・シミなど、病気とまではいかない衰えの原因も活性酸素にある。 これらの活性酸素の攻撃から身を守るためにはたらくのが「抗酸化物質」と呼ばれるもの。スカベンジャーとも呼ばれているが、これは体内でつくられるものと食べ物などから取り入れるものがある。 食べ物に含まれるもののひとつが「ポリフェノール類」というワケなのだ。 ちなみに、ココアの原料となるカカオ豆(エクアドル産)100g中に含まれるポリフェノールは3.98g。 ココアには抗酸化作用が十分ある! 食物繊維が豊富 ココアに含まれる食物繊維は、リグニンという種類。大豆や小麦粉、とうもろこしなどと並ぶほど優れた繊維で、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすはたらきがある。 食物繊維は大腸がんの予防や便秘解消に効果あり。 ミネラルが豊富 ココアは、ミネラルが豊富。特に鉄分が多く、貧血気味の人や生理のある女性が飲むと鉄分が補給されるのでいい。さらに、体内の余分な塩分を排出する作用のあるカリウムもたくさん含まれているのだ。 ピュアココア100g中の成分表 ●エネルギー …277kcal ●カリウム ……2800mg ●鉄 ……………14mg ●カルシウム …140mg ●ナトリウム …16mg ●ビタミンB1 …0.16mg ●ビタミンB2 …0.22mg ●食物繊維総量 …23.9g 出典:食品成分表 公開日:2002年5月20日
強酸性の胃の中に住むピロリ菌。治療法としては、ピロリ菌を除菌する方法がとられていますが、現在は、胃炎というだけでは検査も除菌も保険が適用されません。では、どうすればピロリ菌を除菌できるのでしょうか? 目次 ピロリ菌を殺菌する効果が! ほかの嗜好飲料にもピロリ菌殺菌効果はある? ピロリ菌を殺菌する効果が! 胃炎の原因であるピロリ菌。これを殺菌する効果がココアにはあるという。 それは、ココアに含まれる「カカオFFA(Free Fatty Acid)」という成分で、カカオバターに含まれている遊離脂肪酸である。これは、カカオ豆を発酵したり、ココアの製造過程でつくられるもの。 とくに、ピロリ菌の殺菌効果があると認められたのは、「カカオFFA」の中でもオレイン酸とリノール酸である。 カカオFFAのピロリ菌殺菌メカニズム 1.ココアを飲むと、ココアに含まれる「カカオFFA」が、胃の中のピロリ菌に直接接触する 2.「カカオFFA」はピロリ菌の細胞膜に侵入し、ダメージを与える 3.ダメージを受けたピロリ菌は、形を変えて徐々に死んでいく。死んでしまったピロリ菌は、塊になって腸のぜん動運動によって胃から排出される ほかの嗜好飲料にもピロリ菌殺菌効果はある? なにかと健康効果が報告されている緑茶や紅茶などの嗜好飲料にも、ココアと同様のピロリ菌殺菌効果はあるのだろうか。 グラフは、それを調査したもの。緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアの殺菌効果を調べたところ、最も効果が高かったのはやはりココア。とくに濃いココアでなくても、普通の濃度で飲めばその殺菌効果は得られる、という結果が報告されている。 やっぱりココアはすごい! 公開日:2002年5月20日
ココアの原料はカカオ豆。原産国は中南米や東南アジアなどです。「そのくらい知ってるよ!」という方、それではココアはいつごろから飲まれていたか、日本人で初めてココアを飲んだ人は誰だか、ご存知ですか? 目次 ココアの原料は「カカオ豆」 そもそもココアの歴史って? 日本に来たのはいつごろ? ココアは薬として使われていた!? チョコレートとココアの違いは? ココアの原料は「カカオ豆」 ココアの主原料は「カカオ豆」。これは、カカオの樹になる果実の中にあるものだ。 カカオの樹は成長すると約7~10m、樹の直径は10~20cm、その葉はとても大きい。白い花が1年中枝にも幹にも咲き、これが6ヵ月ほどで実を結ぶようになる。これがカカオの実だ。 カカオの実は長さ20cmほどのラグビーボール型をしており、中に30~40粒ほどの種がある。これがカカオ豆なのである。 カカオの樹は赤道の南北緯20度以内、平均気温27度の高温多湿な地域で栽培されており、主な原産国は中南米、東南アジア、西アフリカなどだ。 そもそもココアの歴史って? 新大陸を発見したコロンブスが、1502年の最後の航海で中米ホンジュラス沖に浮かぶ島を通った時、マヤ人らしい人々の乗った船に木の根や豆、とうもろこしなどと一緒にあったカカオを見つけたとか。 当時はかなり貴重な食べ物で、「神から授かった豊かな実りのあかし」とされていた。 これがスペインに持ち帰られ、さらにイタリアやフランスへと広まっていった。 ココアの学名は「テオブロマ・カカオ」。テオブロマとは、ギリシャ語で「神の食べ物」という意味であるのもうなずける。 日本に来たのはいつごろ? 江戸時代の医学書に、カカオ飲料のことが書かれている。一説によると、日本人ではじめて外国に出向いてカカオの風味を味わったのは、伊達正宗の家臣で、当時通商条約締結のためにメキシコに出向いた支倉六右衛門という人だとか。 日本人がココアに出会ったのは、ヨーロッパ人よりかなり遅く、約100年前だとも言われている。 ココアは薬として使われていた!? ヨーロッパにカカオが渡る前、中米では炒ったカカオ豆をとうもろこし、唐辛子などを混ぜて水に溶かして飲んでいたとか。それは、「適量飲めば、元気になって気分爽快になれる」と信じられていたから。 また、カカオに薬草を混ぜて、歯痛、のどの炎症、胃腸病、肝臓病などに使われていたそう。 チョコレートも同様。「アステカの不老長寿の秘薬だった」という神秘的なイメージもあって、中世のヨーロッパでかなり流行ったようだ。 ドクター直伝「脳を活性化させるチョコの食べ方」 チョコレートとココアの違いは? どちらもカカオ豆が原料になっているのは同じ。いわば、兄弟のようなもの。 カカオ豆がヨーロッパに渡った後は、1828年にオランダで今のようなココアの原型が誕生し、続いて1847年に固形のチョコレートの原型が生まれたと言われている。 カカオ豆に含まれている脂肪分の3分の2を絞り、取り除いたものがココア。サラサラの粉末だ。 カカオのペーストに砂糖を混ぜ、さらにココアバターを加えて苦味を薄めて固めたものがチョコレートである。 公開日:2002年10月3日
ココアといえば、ホットココアやアイスココアにして飲むのが主流ですね。でも、いつも同じでは飽きてしまいそう…。そんな方にいつもと違う飲み方でレシピをご紹介しています。また、ココアを使ったお菓子にもトライしてみてくださいね。 目次 手軽なのはやっぱり飲み物 カンタン!和・洋菓子メニュー ココアって太る? 手軽なのはやっぱり飲み物 ちょっと本格的ホットココア いつものホットココアの牛乳をちょっと減らし、代わりに生クリームを加え、沸騰直前にバターを少々溶かす。これで、コクのあるホットココアに大変身! きな粉ココア ココア、きな粉、砂糖を同量ずつ(スプーン1杯ずつが目安)混ぜ、牛乳か水を200cc注ぐ。きな粉は食物繊維が豊富で健康にいいので、オススメ。 ハチミツココア ココアにお好みの量のハチミツを加え、お湯を200ccほど注ぐ。甘いものがお好きな方にぜひ。満腹感が得られるので、お夜食などにどうぞ。 マシュマロインココア いつものホットココアにマシュマロを5個くらい浮かべる。マシュマロがだんだん溶けていくのを見ながら飲むのも楽しい。 カンタン!和・洋菓子メニュー 飲み物以外のココアと言えば、お菓子。「甘いから太っちゃいそう!」「お菓子なんてめんどくさい」って思うかもしれないけど、カンタンにできるものばかりだからトライしてみよう! ココアゼリー ■材料(4個分) 棒寒天 1/2本、水1カップ、牛乳 1と1/2カップ、ココア大さじ1、砂糖50g、お好みでフルーツ ■作り方 棒寒天を水にしばらくつけておく。 (1)の寒天を火にかけて溶かし、溶けたら牛乳とココア、砂糖を入れて煮立たせ、水でぬらしたゼリー型に流し入れて固める。 お好みでフルーツなどを飾る。 ココア蒸しパン ■材料(10個分) ホットケーキミックス 200g、ココア大さじ2、卵1個、牛乳300cc、ハチミツ 大さじ1 ■作り方 ボールに卵をときほぐし、牛乳、ハチミツを加える。 (1)にホットケーキミックスとココアを入れて混ぜる。 型(アルミのカップなど)に8分目まで入れ、弱火で15分ほど蒸す。 ココアクッキー ■材料(15個分) 小麦粉 90g、ココア 大さじ2、バター 50g、砂糖 50g、卵黄 1個分 ■作り方 小麦粉にココアを混ぜてふるっておく。泡立て器でバターと砂糖をあわせてクリーム状になるまで練る。 練った中に卵黄を入れ、さらに小麦粉とココアを入れてさっくり混ぜる。 棒状にまとめてラップでつつみ、冷蔵庫で30分ねかす。 7mmの厚さの輪切りにして、170度のオーブンで15分ほど焼く。 ココアって太る? 「ココアってチョコレートと兄弟ってことは、太るんじゃないの?」と思っていない?実は、ココアはそれほど高カロリーな食べ物ではない。それに嬉しいことに、ココアに含まれる脂肪(飽和脂肪酸)は、体内に吸収されにくいという特徴があるのだ。一説によると、カカオマスの中に脂肪消化酵素であるリパーゼのはたらきを抑える物質が含まれていると考えられている。 かといって、いくら飲んでも太らない、ということではないが、1日1~3杯程度なら問題はないので、おやつに適しているようだ。 公開日:2002年5月20日
食物繊維が約34%含まれているココア 食物繊維には吸着力があり、小腸で胆汁酸をくっつけて体外に排出してくれます。胆汁酸が減ると、肝臓は不足した分のコレステロールを血液中から集めます。それを胆のうに送り胆汁酸をつくるのです。その結果、血液中のコレステロールが減少します。 ココアには、リグニンとよばれる食物繊維が約34%も含まれています。他の食品と比べてかなり高い含有量です。また、ココアの場合、お茶やコーヒーのように煮立てて飲むのではなく溶かして全部飲むので、食物繊維を丸ごと摂取できます。 従って、たくさんの食物繊維を摂取することができ、血液中のコレステロールを減少させるので、動脈硬化を予防するといわれています。 精神をリラックスさせ集中力を高めるテオブロミンも含む また、ココアにはテオブロミンという成分も含まれています。テオブロミンは精神のリラックスや集中力を促進させる作用を身体にもたらします。さらにテオブロミンは、「健脳効果」も発揮するという報告もあります。 日本医科大学生理学教室の品川嘉也氏の調査では、女子大生200人を被験者として、チョコレートを食べた場合と食べない場合の英単語の記憶実験をしたところ、チョコレートを食べたグループの方が解答率が高いという結果が出ています。