がん患者・経験者(サバイバー)、家族・友人、医療者などがその瞬間に感じた想いを、自分で撮影した写真とストーリーで伝えるオンライン写真展『がんフォト*がんストーリー』は2018年10月27日、ネットの空間を飛び超えて青空の下で人々がリアルに触れあい、想いを共有してもらうためにイベントを開催しました。
『がんフォト*がんストーリー』では、がんに関わっている人々が投稿した写真とストーリーがウェブサイトの作品ギャラリーに掲載されてネット空間で交流が図られています(ホームページ:http://ganphotostory.wixsite.com/ganphoto)。
今回、写真展イベントが屋外で開催されました。場所は都内で路地裏に古民家が立ち並ぶ上野桜木というところです。当日は、夏を思わせるような強い日ざしがイベント会場に差し込むなか、写真の作品展、ワークショップ、そして交流会が開催されました。
写真1:イベントが開催された上野桜木あたり
提供:がんフォト*がんストーリー・木口マリさん
写真2:写真と心にひびく言葉の作品展
古民家の庭や屋内に撮影した人の想い(ストーリー)込められた写真が数多く掲載されていました(写真上)。
写真下は、木口マリさんが以前に治療を受けていたときに撮影したものです。
タイトル「人は人と歩く」です。撮影したときの想い(ストーリー)が掲載されています。
イベントでは、写真展のほか、ワークショップとしてヨガ、クレイクラフト、アロマ、お絵かきエコバッグ、団体代表の木口マリさんによるスマホ写真撮影講座などが催されました。
スマホ写真撮影講座に関しては、木口さんが治療中に見つけた楽しみでした。スマホを駆使してどのようにして楽しみを広げていくのかについて話していました。
写真3:ワークショップ「スマホ写真撮影講座」
提供:がんフォト*がんストーリー・木口マリさん
また、国立がん研究センター希少がんセンターに飾るタペストリーを参加者全員で制作されました。タペストリーは文字しかなかったのですが、訪れた参加者が装飾して完成しました。
写真4:国立がん研究センター希少がんセンターで飾られるタペストリーの制作
タペストリー制作の様子です。制作しはじめたときには希少がんの文字だけでしたが(写真上)、参加者が貼り絵で装飾しました(写真下)。
完成したタペストリーは、国立がん研究センター希少がんセンターに寄贈されました。2018年11月7日に同センターで贈呈式が行われました。
写真5:タペストリーを国立がん研究センター希少がんセンターに贈呈(11月7日)
がんを経験したからこそ、感じることができる瞬間、見ることができる世界があります。がんに関わった人それぞれが感じた瞬間を撮影し、その瞬間に感じた想い(ストーリー)を共有してもらうことは、希望や勇気のチカラにつながると信じています。
いただいた作品の中にあるものは、いずれも「がんの辛さ」ではなく、人の強さやあたたかさに溢れています。
がんフォト*がんストーリーは、そんな想いが込められた写真作品をウェブサイトで展示しています。
今回、ネット空間を飛び越えて人と人が触れ合って交流を深めていただき、希望や勇気を分かち合ってもらえたら思い、青空の下でイベントを開催したのです。
がんに向き合っている人はもちろん、まだがんが身近でない人々も、がんをこれまでとは違う視点から見るきっかけになればと思っています。