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スギの時期じゃないのに花粉症?秋に飛ぶ花粉とは

花粉といえば春のスギ、ヒノキが思い浮かびますが、年間を通してさまざまな花粉が飛んでいます。秋の時期に風邪をひいたと思っていたら、実は花粉症だったという人は少なくありません。秋に注意すべき花粉を紹介します。

秋は空き地や河川敷、畑などに生える雑草の花粉が飛びます

秋の時期にも花粉は飛散します。秋に花粉症になってしまうのは、スギやヒノキといった木(木本といいます)の花粉ではなく、空き地や畑、河川敷などに生えている雑草など草(草本といいます)の花粉がおもな原因となります。
鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版では、地域ごとにどの時期にどんな花粉が飛散するのかがわかる花粉カレンダーがあります。

道端、公園やグラウンド、畑、河川敷などの身近な場所に生えています

秋は空き地や河川敷、畑などに生える雑草の花粉が飛びます

秋に飛散する草本の花粉はおもに、イネ科のススキやキク科のブタクサやヨモギ、アサ科のカナムグラなどです。
医師などが診療の際に参考にする鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版によると、飛散しやすいエリアは東北、関東、関西、九州が挙げられています。
おもな生育場所は、道端、公園やグラウンド、畑、河川敷などの身近な場所です。なお、春のスギやヒノキの花粉は広範囲に飛散しますが、秋に草本の花粉が飛散する距離は数100mなので、近づかないだけでも防御策になります
自然豊富な自宅の近くを歩いていて鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどがでてくる場合は、草本の植物による花粉が飛散しているのかもしれませんので注意しましょう。

風邪と花粉症の症状には違いがあります

風邪と花粉症との違いとして、花粉症では次のような特徴がみられます。

  • 鼻水が透明っぽい
  • くしゃみが頻発する
  • 鼻水やくしゃみといった症状が1週間以上続く
  • 晴れた日や風が吹いた日に症状がでてくる

花粉によるアレルギー性鼻炎である花粉症では、上記のような症状の特徴を把握し、外出時は眼鏡やマスクによる防御、家では服についた花粉を取り払うことや、室内の掃除を徹底しましょう。治療に関しては医療機関の医師の先生に相談しましょう。

参考:花粉症環境保健マニュアル2014年1月改訂版(環境省)、鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版

公開日:2018/09/25
監修:日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野教授 大久保公裕先生