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骨粗しょう症に使用される治療薬とは?

骨粗しょう症に使用される治療薬は主に、「骨の吸収を抑える薬」「骨の生成を助ける薬」「骨の代謝を助ける薬」「骨の痛みを和らげる薬」の4種類があります。それぞれの治療薬について、詳しく解説します。

骨粗しょう症に使用される治療薬の分類

骨粗しょう症に使用される治療薬にはさまざまな種類があります。今回は、骨粗しょう症に使用される治療薬の種類について詳しくご紹介します。

骨粗しょう症に使用される治療薬は主に、「骨の吸収を抑える薬」「骨の生成を助ける薬」「骨の代謝を助ける薬」「骨の痛みを和らげる薬」の4種類があります。

骨の吸収を抑える薬

骨の吸収を抑える薬として、ビスフォスフォネート製剤という薬が挙げられます。ビスフォスフォネート製剤は、腸で吸収された後、破骨細胞のはたらきを抑え骨密度を上げる薬です。骨の破壊を抑え、骨の形成が追いついてくると骨密度の高い骨へとつながります。
ビスフォスフォネート製剤には、服用する薬と注射薬があります。
またそのほかに、選択的エストロゲン受容体モジュレーター製剤という薬があります。この薬は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンを補う役割をすることによって、骨の吸収を抑えて骨密度を上げる薬です。
選択的エストロゲン受容体モジュレーター製剤は、服用する薬です。

骨の生成を助ける薬

骨の生成を助ける薬には、副甲状腺ホルモン製剤(テリパラチド)が挙げられます。副甲状腺ホルモン製剤は、骨の形成を助けることによって骨折を減らす薬です。病院や診療所で注射する薬と、キットなどを使用し自己注射する薬があります。これらの薬は、それぞれ投与期間の制限が異なります。

骨の代謝を助ける薬

骨の代謝を助ける薬としては、カルシウムやリンなどを腸管から吸収するはたらきを高める作用のある、活性型ビタミンD製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール)が挙げられます。活性型ビタミンD製剤は、骨の形成と骨吸収のバランスを調整する役割も担ってくれます。

そのほかに、骨のタンパク質のはたらきを高め、骨折の予防にもつながるとされるビタミンK製剤などの薬も挙げられます。

骨の痛みを和らげる薬

骨の痛みを和らげる薬には、カルシトニン製剤が挙げられます。強い鎮痛作用のほか、手足の血流を良くする作用があります。カルシトニン製剤は、注射薬として使用されます。

用法・用量を守り、正しい服用を

今回ご紹介したように、骨粗しょう症の薬には症状に応じたさまざまな種類の薬があります。また、近年はお年寄りでも飲みやすいように工夫がされた薬の開発も進み、経口ゼリー製剤などの飲みやすい薬も登場しているようです。

薬を使用する際は、決められた用法・用量をしっかりと確認し、適切な使用をするように心がけましょう。

公開日:2016/06/13