がんが発症する原因として、飲酒や喫煙などによる生活習慣が大きな要因のひとつとされています。そのなかでも、肥満とがんには一体どのような関係があるのでしょうか。肥満とがんの関係について詳しく解説します。
がんが発症する原因として、飲酒や喫煙、栄養の過剰摂取などによる生活習慣が大きな要因のひとつとなっています。
そのなかでも、肥満は糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクに限らず、がんの原因としても注目されています。
肥満とがんには、一体どのような関係があるのでしょうか。
日本では、時代の変化に従って食生活の欧米化に伴い、肥満やメタボリックシンドロームが増加する傾向にありました。
肥満やメタボリックシンドロームの増加に伴い、大腸がん、肝がん、乳がん、前立腺がんがみられるようになりました。
日本内科学会のBMIと各種がんの発症率に関するメタ解析(平成23年)によると、肥満と関係のみられるがんの中でも、大腸がんは食生活の欧米化に伴い、著しい増加がみられたがんといわれています。
肥満が大腸がんを引き起こす要因として、内臓に脂肪が溜まる内臓脂肪蓄積が大きな影響を与えているといわれています。そのほかにも肥満は、血液中に含まれるアディポネクチンの分泌量の低下を引き起こすことも大腸がんの危険因子とされています。
もうひとつ注目すべきがんの事例として、肝がんがあげられます。日本国内における肝がんの増加数はそれほど多くないのですが、肥満と関連しての発症は、発症リスクが高まる恐れがあります。
肥満により内臓脂肪が蓄積されることによって、飲酒歴がないにもかかわらず、肝細胞に脂肪が溜まり脂肪肝がみられる「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれる病気や、さらに脂肪肝によって炎症が発生し、線維化が進行する「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と呼ばれる病気が引き起こされます。
NAFLDやNASHが進行すると、肝がんを引き起こす細胞へと発展する恐れがあります。
このように、肥満とがんは大きく関係していることがわかります。がんにかからないためにも、日頃の肥満対策は大切なことです。
脂肪を燃焼させるためには、適度な運動を取り入れることが好ましいでしょう。ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動はおすすめです。また、軽めのジョギングなども効率良く脂肪を燃焼させることにつながるでしょう。
また、食生活においてはインスタント食品やスナック菓子を控え、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。油分を多く含む洋食や中華料理よりも和食がおすすめです。カロリーの高いものをなるべく控え、野菜や海藻類、きのこ類などの食物繊維を積極的に取り入れていきましょう。