疾患・特集

増加する小児の食物アレルギー

小児のアレルギー、近頃ではよく耳にするようになりましたね。近頃ではその発症年齢が低くなってきていて、2歳で花粉症を発症するケースも珍しくありません。このように、小児のアレルギーが多くなっている原因は、いくつか考えられます。

生活スタイルの変化が増加の原因?

小児のアレルギー、近頃ではよく耳にするようになりました。近頃ではその発症年齢が低くなってきていて、2歳で花粉症を発症するケースも珍しくありません。

このように、小児のアレルギーが多くなっている原因には、いくつかのものが考えられます。

1つめは、食生活の変化。アレルギーの症状を引き起こしやすい食事として、マヨネーズやバターなどの油を多く使った食べ物、糖質の多い食べ物、乳製品や卵、肉といった動物性たんぱく質、加工食品などが挙げられます。

ここに挙げたような食品が多い食事といえば、洋食です。ごはん、納豆、おみそ汁といった和食と比べれば違いは一目瞭然です。

2つめには、住環境の変化が考えられます。昔の木造で風通しがよい家屋に比べ、現在は気密化されたマンションなどが多くなりました。風通しが悪くなると、アレルギーの原因となるダニやカビが発生しやすく、これがアレルギーが増えてきた原因といわれています。

また、人々の生活が夜型に移行したことで、自律神経に悪影響を及ぼし、自然治癒力が低下していることも関連があるのではないかといわれています。日本の子供たちは、海外の子供たちに比べて、明らかに就寝時間が遅く、睡眠時間も短い、というデータがあるのも気になるところです。

小児アレルギーがずっと続くとは限らない!?

小児に増えてきているアレルギーですが、特に小さな子供に多く見られるのが、食物アレルギーです。赤ちゃんのときは、牛乳や卵にアレルギーがあっても、大きくなるにつれて食べられるようになる、ということもよくありますね。

赤ちゃんは消化機能が未熟であるため、食物のたんぱく質を分解しきれません。このたんぱく質を体が異物であると認識し、血中のIgE抗体が反応してアレルギー症状が出てしまうのです。

このために小さなときにはアレルギーが起こりやすく、症状としては発疹やじんましん、腹痛、ゼイゼイするような呼吸器症状が起こります。このような場合、基本的にはアレルゲンとなる食材を食事から除去することで対処します。

しかし、この症状は赤ちゃんの消化機能が発達することによって、徐々に治まっていくことも期待できます。これは、腸管の免疫機能が成長の過程で発達することにより、食物成分を選別できるようになるため、と考えられています。

このため、一度アレルギー症状が出たからといって、ずっとその食物を食べられない、ということではありません。アレルギーの出やすい牛乳や卵には、子供の成長に大切な成分も多く含まれています。医師と相談しながら、段階的に食事内容を考えていきましょう。

公開日:2016/04/18