野菜や果物は、食道がんの予防が期待されています。具体的にその効果が期待されている野菜や果物、またその食べ方について解説します。
食道がんは、先進国の中でも日本人に多くみられるがんだといわれています。食道がんは、50代~70代に多くみられ、特に男性に多く転移しやすい病気です。
食道がんは、喫煙する人や飲酒を好む人、また辛い味の刺激物を好む人などの、食道に刺激をうけやすい環境の人がかかりやすい病気とされています。
そんな食道がんの予防が期待される食べ物といえば、みなさんは特別なものを思い浮かべるかもしれません。しかし、食道がんの予防が期待される食べ物は、私達の身近で手に入りやすいものばかりです。
その身近な食べ物は、野菜や果物です。では、野菜や果物を摂取することでどのような予防が期待できるのかをみていきましょう。
国立がん研究センターの研究結果によると、野菜や果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加することで、食道がんのリスクが約10%低下したというデータがあります。
野菜や果物の中でも特に、カイワレダイコンやキャベツ、ダイコンやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を摂取することが食道がんの予防と改善のひとつになるといわれています。アブラナ科の野菜は、発がんを抑制するとされるイソチオシアネートを多く含んでいるためです。
ほかにも、野菜や果物を摂取することによって、喫煙・飲酒者でも食道がんにかかるリスクの低下につながるとされています。喫煙や大量の飲酒を行う人が、野菜や果物の合計摂取量を1日当たり100グラム増加させると、食道がんのリスクが約20%低下したという報告もあります。
このように、野菜や果物を摂取することが食道がんの予防として期待されているのですが、野菜や果物のどちらかだけを食べていればいいというわけではありません。野菜と果物の両方をバランスよく摂取することでその効果も高まります。
野菜や果物は、できれば生のまま、もしくは調理した後すぐに食べることがよいとされています。アブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートという成分は加熱に弱いとされており、調理後に時間が経過することでその量がどんどんと減ります。
そのため、野菜や果物を摂取するのであれば、調理後すぐに飲めるスムージーやサラダなどで摂取することがよいでしょう。
野菜は苦手だなあという人も少なからずいらっしゃるでしょう。急に野菜や果物を大量に摂取して、お腹を壊す恐れもありますので、無理のない範囲内で少しずつ始めていき、毎日続けていくことが望ましいでしょう。