疾患・特集

夏バテだけじゃない!脱水状態で起きる脳梗塞・心筋梗塞

夏は、脱水状態による血流の悪化で、脳や心臓の血管が詰まりやすくなる季節。そのため脳梗塞や心筋梗塞は、夏に起きやすい病気です。脳梗塞は30代でも起こることがあります。あなたは脳梗塞にかかりやすい?ここでチェックしてみましょう!

脳梗塞・心筋梗塞は夏に起きやすい!

暑くなると、体がだるい、食欲がわかないといった症状が現れる、ご存じ夏バテ。主な原因の一つに、発汗による脱水状態が挙げられますが、同様の原因で夏に起きやすい、意外な病気があります。それは、脳梗塞と心筋梗塞。夏は、脱水状態による血流の悪化で、脳や心臓の血管が詰まりやすい季節なのです。

特に脳梗塞は、ろれつが回らなくなる、倒れて意識を失うなどの発作が起きて、治療を受けた後も、次のような後遺症が残ることがあります。後遺症が残ると、家族などによる介護が必要になったり、仕事や社会生活に支障が出たりして、生活が大きく変化することになります。

脳梗塞の主な後遺症

  • ●体の左右片側のまひ
  • ●手足のつっぱり
  • ●言語障害
  • ●感覚障害

…など

若い人も要チェック!脳梗塞のかかりやすさ

脳梗塞は60代以上で多くみられる病気ですが、30代や40代の若年層でも起きることがあります。高齢者の脳梗塞は多くの場合、動脈硬化などによって引き起こされます。それに対して、若年性脳梗塞の原因として多いのが、もやもや病や、奇異性脳塞栓症(心臓の異常によってできた血栓が詰まって起きる脳梗塞)などの脳血管障害です。また、原因不明のケースもみられます。

脳梗塞にかかりやすい人の条件としてまず挙げられるのが、60歳以上であることや、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)にかかっていることです。そのほかに、次の項目も関係すると考えられています。家族や自分自身に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

脳梗塞のかかりやすさをチェック!

…など

血管の詰まりを防ぐには、こまめな水分補給を

血管の詰まりを防ぐには、こまめな水分補給を…

夏の脳梗塞を予防するには、血管が詰まりやすくなる脱水状態にならないように、気をつける必要があります。そのために欠かせないのが、こまめな水分の補給。ここで注意したいのが、水を飲んでも、体にすぐに行きわたるわけではないということです。喉がかわききったり、大量の汗をかいたりした後ではなく、前もって水分を補給しておきましょう。
特に気をつけたいのが、お酒を飲んで寝た後。アルコールには利尿作用があり、脱水状態になりやすいので、寝る前に水を飲んでおくのとともに、いつでも水分補給ができるように、枕元に水を置いておくと良いでしょう。
また、体を動かさないと、血流が停滞してしまい、血管が詰まりやすくなります。適度な運動としてお勧めなのが、ウォーキングです。ただし、気温が高い日に出歩くと、熱中症になる恐れがあります。出掛ける前に、帽子や水の用意など、万全の準備が必要です。

脳梗塞は、発作を起こして突然倒れることがありますが、ろれつが回らなくなることや手足のまひが、徐々に進行していく場合もあります。近年は心房細動などの、不整脈による心原性脳塞栓症も増加傾向にあり、日頃から予防に気をつけるとともに、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。

公開日:2014/07/28