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- 要支援・要介護の状態に…ロコモティブシンドロームとは?
ロコモティブシンドローム(運動器症候群:通称ロコモ)は、骨や関節、筋肉などの運動器の障害によって、自力での歩行などが難しくなり、要支援・要介護の状態になっている、あるいはそうなる危険性が高い状態を指します。ここではロコモの原因、予防法について詳しく解説します。
生活習慣病を引き起こすメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群:通称メタボ)に気をつけるべきだという認識は、すっかり定着した感があります。働きざかりにとってのメタボに対して、特に高齢者が気をつけるように呼びかけられているものとして、整形外科の領域におけるロコモティブシンドローム(運動器症候群:通称ロコモ)があります。これは、骨や関節、筋肉などの運動器の障害によって、自力での歩行などが難しくなり、要支援・要介護の状態になっている、あるいはそうなる危険性が高い状態を指します。
ロコモを引き起こす要因は、主に以下の3つに分類されます。
視覚や足の裏の感覚、内耳の三半規管が司る平衡感覚など、さまざまな機能からの情報が脳で処理され、そこからの命令が筋肉に伝わることで、姿勢は保たれます。これらの機能が衰えるとバランス能力は低下し、転びやすくなります。
筋力が低下すると、上記のバランス能力の低下による転倒を招くだけではなく、関節への負担も大きくなります。それによって、ひざに痛みが生じ、歩くのを避けるようになると、結果として骨量が低下して骨折リスクが高まってしまいます。
以下のような病気に1つでもかかると、運動器の障害が起こりやすくなります。痛みの症状があると歩くのを避けるようになるため、上記の筋力の低下にもつながります。
運動器の障害が起きるのは、主に加齢によるところが大きいようです。若いうちから気をつけておかないと、年齢とともに運動器のはたらきが衰え、やがて座る、立つ、歩くといった動作ができなくなる恐れがあります。そうならないために重要なのが、骨や関節、筋肉などを健康に保てるように、普段から意識をすること。日常生活では、運動と食事がその柱となります。
ロコモ予防のための運動として、スクワットや、つかまるものがある場所での開眼片足立ちなどがおすすめですが、ストレッチやウォーキングなどでも良いでしょう。無理せず、長く続けられるものを選びましょう。
食事で大切なのは、なんと言っても栄養の偏りなく、バランスよく三食きちんととることです。特に高齢になると食欲が低下し、食べる量が減ってしまうため、栄養不足にならないよう気をつけます。