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- コンタクトレンズ使用者は要注意!アカントアメーバ角膜炎
ソフトコンタクトレンズ使用者の間で増えており、悪化すると視力が低下し、最悪の場合は失明に至る恐れもある「アカントアメーバ角膜炎」という目の病気について、詳しく解説します。
近年、ソフトコンタクトレンズ使用者の間で、「アカントアメーバ角膜炎」という目の病気にかかる人が増えています。アカントアメーバとは、原生生物という種類に分類される微生物で、感染すると目の角膜に炎症が起きてしまいます。
この病気の主な症状は、充血や目の痛みなどです。悪化すると視力が低下し、最悪の場合は失明に至る恐れもあります。抗真菌剤という薬を用いて治療しますが、短期間で治すことは難しいとされています。
1日で使い捨てるタイプを除けば、ソフトコンタクトレンズを使うには、毎日の手入れが必要となります。手入れは、市販されている専用の消毒液で、使用者本人によって行われるのが一般的です。現在は、洗浄、すすぎ、消毒、保存という、必要な手入れすべてを行える消毒液が主流となっています。
手入れが毎日必要だということは、ソフトコンタクトレンズの使用者とっては常識のはず。それなのになぜ、アカントアメーバに感染してしまうのでしょうか。
国民生活センターの調査によると、ソフトコンタクトレンズの手入れとして必要な「こすり洗い」を毎日しないと、アカントアメーバに対する十分な消毒効果は得られないといいます。つまり、たとえ使用者本人は手入れをしているつもりでも、決められたとおりに行わない限り、消毒液の消毒効果には限界があると言えるでしょう。このことから、アカントアメーバ角膜炎にかかる人が増えている背景として、正しい手入れがされていないケースが多いことが考えられます。
ソフトコンタクトレンズの正しい手入れがされていない原因の一つとして、毎日行うのは面倒だと、使用者が感じてしまうことが挙げられます。正しい手入れや正しい使い方をしなかった結果、失明に至る病気になる可能性を、使用者は意識すべきです。
病気を予防するために、ソフトコンタクトレンズを使用する際には、決められた使い方を守り、しっかりと手入れをするようにしたいもの。また、痛みやかゆみなどの異常を感じたら、すぐに眼科で診てもらうようにしましょう。