疾患・特集

女性とタバコ事情2008~肺がんより、もっと身近なタバコの影響

今、若い女性の喫煙率の増加が、大きな問題となっているのをご存知ですか?問題としてよく知られているのが、喫煙が肺がんのリスク要因になっていることですが、実はもっと身近な問題が潜んでいます。

増えています!若い女性の喫煙者

今、若い女性の喫煙率の増加が、大きな問題となっているのをご存知ですか?これまでの成人女性の喫煙率をみてみましょう。

成人女性の喫煙率の推移

調査開始時の昭和40年当初と比べると、40歳代から60歳以上の喫煙率は徐々に減少してきています。
これに対し、20歳代および30歳代は徐々に増加しはじめ、今では、40歳代から60歳以上の喫煙率を超えた状態が続いています。

なぜ問題??若い女性の喫煙

問題としてよく知られているのが、喫煙が肺がんのリスク要因になっていることです。女性の場合、非喫煙者に対する喫煙者の肺がんリスクは2.8倍にもなるといわれています。しかし、このことを、自分にふりかかる恐れのある身近な問題としては、想像しにくいかもしれません。
実は喫煙には、肺がんよりももっと身近な問題が潜んでいます。

肺がんとは?

人体が呼吸するときの空気の通り道の細胞に、がんが発生すること。長びく咳、胸の痛み、呼吸時のヒューヒュー、ゼーゼーする音(喘鳴:ぜんめい)、息切れ、血痰、声のかれ(嗄声:させい)などの症状があらわれます。発生には、喫煙習慣のほか、アスベストや砒素(ひそ)、ディーゼル排ガスなどの要因も関係することがあると言われています。

心配なのは、肺がんだけじゃない!

美容の大敵!!
  • ・血管が収縮して血行が悪くなる
  • ・ビタミンCやEが体内で大量に消費され、肌荒れ・シミ・そばかすができやすい(たばこ1本で約25mgのビタミンCを消費)
歯の黄ばみ
口臭・歯周病
  • ・歯肉にメラニン色素が沈着
  • ・歯にタールが沈着
  • ・歯肉炎などの歯周病にかかりやすい
妊娠・出産への影響
(たばこを吸わない妊婦との比較)
  • ・不妊の危険性が高まる
  • ・1.5倍ほど自然流産しやすい
  • ・1.4~1.5倍ほど早産しやすい
  • ・1.2~1.4倍ほど、周産期死亡(妊娠28週以降の死産と生後1週間未満の早期新生児死亡)が高い
  • ・出生時の子どもの体重が平均200g軽く、2500g以下の低出生体重児が生まれる頻度が約2倍高い(ニコチンと一酸化炭素によって胎児と胎盤系が低酸素状態になるため)
子供への影響
  • ・イライラ、眠れない、吐く、下痢、頻脈などのニコチン中毒症 状を起こすことがある(母乳に含まれたニコチンの影響)
  • ・肺炎・気管支炎などの呼吸器疾患になりやすい
  • ・身体発育への影響
骨量の減少
  • ・骨量の減少(1~2年閉経が早くなり、女性ホルモンが減るため)

(財)日本食生活協会発行「健康づくりのためのたばこ対策行動指針」より

最近では、かわいらしいパッケージや、フレーバーにこだわったタバコなど、女性をターゲットにした商品も増えています。また、働く女性が増えた現代において、気が紛れる、気持ちの切り替えができるといったことなども、若い女性の喫煙者を増やしているのかもしれません。
しかし、ここでもう一度、喫煙が自分の体にあたえるデメリットを考えてみてはどうでしょうか。

公開日:2008/09/22