疾患・特集

復活の兆しあり!アタマジラミにご用心

戦後の不衛生な時代のものだったイメージのあるアタマジラミ。それが今、あらたな流行の兆しがあります。その背景には海外旅行に出かける人が増え、帰国の際にシラミが国内に持ちこまれるなど、感染の機会が増えています。

もう戦後の話じゃない~アタマジラミ

アタマジラミの成虫

戦後の不衛生な時代のものだったイメージのあるアタマジラミ。それが今、あらたな流行の兆しがあるといいます。東京都へ寄せられた平成18年度の相談件数は1,125件と前年度(720件)の1.5倍に急増しているほか、シラミ駆除薬の国内出荷量は前年と比べて40%の増加しました。
その背景には、年々家族連れで海外旅行に出かける人が増え、帰国の際にシラミが国内に持ちこまれるなど、感染の機会が増えていることもあります。

アタマジラミというと戦後、DDTという有機塩素系殺虫剤を頭からかけられ、人々が全身白い粉まみれになっている映像を記憶している人も多いかもしれません。このDDTは、今では使用禁止です。現代のアタマジラミの駆除方法を知って、正しく対処しましょう。

シラミ…体にはいったいどんな害が?

アタマジラミは子供の間で感染率が高い

アタマジラミはプールや風呂で感染すると思われがちですが、シラミは水に濡れると毛髪に強くひっつく習性があるため、水を介して他人に感染することは殆どありません。それよりもバスタオル、ヘアブラシの共有などにより感染するケースが多いとされています。
さらにアタマジラミは頭が接触した時に感染しやすいため、じゃれあって遊ぶことの多い幼稚園児や小学生など、子供の間で感染率が高いのも特徴です。

アタマジラミの直接的な害としては、まずは頭に寄生して血を吸い、卵を産みつけて繁殖します。すると吸血にともなう激しいかゆみが起こり、頭を掻くことによって二次的な皮膚炎を起こしてしまいます。
集団生活の中では感染が広まる恐れもあるため、日常生活の中でアタマジラミに対する注意が必要です。

「しらみつぶし」の語源はここにあり!

では実際にアタマジラミを見つけたらどうすればよいのでしょうか。
まず、アタマジラミの特徴は、

  • ●手で簡単に取れない
  • ●子供が頭をかゆそうに掻きむしる
  • ●小さな虫のようなものが見える

これらが当てはまれば、アタマジラミの可能性が高いと判断すべきです。
その場合、駆除効果のあるシャンプーやパウダーを使用します。これらは成虫を駆除し、卵を殺せても、卵の殻までは取り除けません。そのため1ヵ月くらいは卵の白い抜け殻が毛にこびりついて残ってしまいます。そんなときは、目の細かい「すきぐし」で丁寧にすきとり、それでも取れない場合はその毛を切り取るしかありません。その根気を要する作業から「しらみつぶし」という言葉が生まれたというのもうなずけます。

「今どきシラミなんて…」などと他人ごとのように思わず、子供の頭に白いフケのようなものが見られ、ひんぱんに頭を掻くようであればアタマジラミを疑ってみましょう

公開日:2008/04/14